きれいな朝顔を激写。我が家のベランダではとてもこうは咲きません。
このところずっと5000歩以上は歩いたので、今日はお休みと決めました。でも
こんな日はステップ台を踏むことにしています。柔道、卓球、すごい!
アスリートたちの活躍に低迷中の心も浮上です。

庭下駄の裾に揺れたる朝顔や
◉連載小説「みつさんお手をどうぞ」10
「で、車の整備工場に勤めとったんですか?」
「はぁ、少しわけがありまして」
「よかったら訊かせて」
「もともと母子家庭だったんですが、大学一年になったばかりのときに、母親が突然、死にまして。路頭に迷う寸前のところを、ま、もともと車が好きだったんで、住み込みで整備工場に入り仕事しながら、なんとか、やっとこと大学はでました」
「ほう、そりゃぁ大変やったね」
しばたいた木元さんの目が心なしか潤んで見えて、俺もつい当時のことを思い出してしんみりとなってしまった。
「けど、えらい理解のある仕事場に恵まれたんやねぇ」
「遠縁なんですよ。僕が一人になったんで、取り敢えず、引き取られるような形で世話になりましたが昨年で辞めました」
「そら、また、何で?」
「俺、実は小説書いてるんです。思い切って三十歳まで勝負してみようと思って」
「工学部で小説…」
「はぁ、文科系だと仕事が少ないということで、一応、工学部に進んだんですが、やっぱ、好きなことが諦められなくて」
「で、今は一人?」
「はい、一人です。昨年まで整備工場の二階に住まわせてもらってましたが、仕事辞めて今は南区の皿山でアパート借りてます」
「で、失礼だけど、今はどうやって生計立ててるの?」
「俺、書く時間が欲しいんで、週四日だけ夜五時から居酒屋のバイトしてるんです。でも生活ぎりぎりなんで」
「そりゃ、そうだよね」
「正直、あと五、六万欲しいんですが、書くことを優先してるんで、毎日、拘束されるような仕事は無理なんですよね」