良い気持ち | ryo's happy days

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思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

雨もあがり気持ちの良い朝です。このところ夜中にぱっちりと目が開いて、二度寝も得意な私が眠れなくなる...。なんで..。自分でもわかっています。それは考え事に耽るから。はやくワクチン済んでもとの暮らしに戻りたい。
さて、今日から短いちょっとした「ホラー小説」掲載します。興味がありましたら読んでくださいませ。

 メンテしてまだ楽しかり青葉萌え
連載小説「目」1
 
 夫の浩一郎がゆっくりと視野から遠ざかる。
 成子は息を飲み、まばたきを三回ほどしてから、やっと現実を取り戻した。地下鉄祇園駅から寺町にのぼる長い階段で、やれやれ、あと四段と思ったとき、上からわっと数人の高校生がふざけながら駆け下りてきたのだ。その瞬間、浩一郎の体が後ろにのめった。別にぶつかったわけではない。ただ駆け抜けた風が、足腰の弱った浩一郎をさらったのだった。思わず助けを求めた浩一郎の腕を掴もうと思えば掴めたかも知れない。だが成子はその手を掴まなかった。というより咄嗟に身を引いた。すがるような目が絶望へと変わった瞬間の目の色を成子はいつまでも忘れられない。
 まさに、たった今考えていたことが現実となった。