昨日接種しました。接種後タイマー渡されて30分待機してから歩いて帰宅
しようとしたけれど、なんだかぼおっとなりそのうちふらふらしてきて、たった1区間をタクシーに乗り帰宅です。熱は7度程度の微熱で体がぽっぽっと火照る感じでした。人それぞれですね。早歩きは禁物みたいです。

六月の声はや半年も過ぎにけり
◉連載小説「夏の残り20」
翌朝、テーブルに新聞を開いた寛太が食い入るように見ている記事を肩越しに見た。
見落としそうな小さな記事だった。
見出しに「女性、飛び込みか」とある。
記事の内容は、福岡市中央区渡辺通りの交差点で直進してきたトラックに女性が巻き込まれ重傷を追ったという、ただそれだけのことだった。
「これ…」
セツ子の声に寛太が重い口を開いた。
「俺の目の前で飛び込んだんだ」
「ええっ…」
驚くセツ子の顔も見ず自分に言い聞かせるように話す寛太は青ざめた堅い顔をしていた。
「初めから、様子がおかしかったんだ」
「どんな?」
「俺はそのとき、横断歩道の傍の露店で野菜を買ってたんだけど、その女の人は、信号のところで子犬を抱えてて、その犬が腕の中でおびえたようにもがくのを、はがい締めにして抱きしめたまま、何度も信号が変わるのに渡らないで、突っ立ってるし、明らかにおかしいなと、気づいてたんだ」
「……」
「俺が野菜を買い終わって、彼女の横に並ぶ格好で信号待ちしてたとき、もの凄い勢いで走ってきたトラックめがけていきなり飛び込んだ」
「飛び込んだの? それってじゃぁ、自殺?」
「たぶん…。もう少しで助けられたんだ。俺の手がその人の腕を掴んだけど、タッチの差で間に合わなかった…。俺の腕をすり抜けてトラックの下に吸い込まれた。俺の判断がもう少しはやければ…。ちくしょう…」