CD | ryo's happy days

ryo's happy days

思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

注文していたCDが届いた。エディヒギンズトリオ。1枚持っていたが今回違う曲が入ったものを2枚購入した。煙が目にしみる、愚かなり我が心。などなど、軽いノリのジャズトリオ。
聴くのが楽しみだ。今日は転倒して以来初めて歩いた。約3000歩。
 梅雨晴れにピアノの音や転がりぬ
連載小説「夏の残り14」
 …何でよ…どうして? 訳を言ってよ! 叫びが心の奥底に閉じ込められていた。
 逆立ちしても追いつけぬ寛太の若さが憎かった。十二歳も年上のセツ子には寛太を引き止める勇気がなかった。寛太がいなくなる…、去って行こうとする寛太の肩を掴み、揺さぶり泣きわめいて、行かないでよ、とわめきだそうとする衝動をかろうじて堪えた。
「セッちゃんの好きな角煮と茶碗蒸し、それから春巻きとだし巻きも作っといたから…。食べたいときはその分だけ解凍して。わかるよね、角煮はとろ火でやるんだよ。茶碗蒸しはレンジ、春巻きはあんまり油の温度があがらな…」
「もう、いいよ」
 説明の腰を折られて寛太は黙ってテーブルを離れると、いつの間に用意したんだろう、山歩きのときに使うリュックを抱えて戻ってきた。
「悪いけど、荷物処分して欲しい…」
「……」
「長い間、お世話になりました」
 一言も言えぬままじっと座っているセツ子の背中の後ろを抜けて出て行く気配を感じた。行かないで…。追いすがるなら今しかない…、分かっていながら出来なかった。