今夜はいつもより激しく燃えた。和恵から聞いた話が原因だった。

「昨日さ、近藤さんが奥さんと一緒のとこ見たとよ」

「本当」

「アミュのアクセサリーの店でネックレスを二人で見よらしたけど、どう見ても夫婦やった。ブスかと思ったらいい女でさぁ、確か、あの人、うちにも弁当買いに来た気がするねぇ。なんか見たことある」

 和恵の挑発に乗るまいと思いながらも否応なく頬が強ばる。

「近藤さんとだいぶ歳が離れとう感じやったよ」

「へぇ、幾つくらい?」

「そうやねぇ、まだ50そこそこか、そんな感じ」

「ふぅうん」

 気がなさそうな返事でかわしたものの胸に石を詰めたような息苦しさが襲う。

「らっしゃいませ!」

 二人同時に叫んだ。入って来た客に救われた。

 今まで近藤さんに奥さんの話を聞いたことはない。それが二人の秘め事のルールだと思っていた。だが、聞いてしまえば美佐の性格として腹に溜めたものを隠せない。どうしても顔に出てしまうのだ。コトが終わってつい口を滑らせた。

「奥さんって若いみたいね」

 一瞬、間が空いた。

「突然、どうしたとね」

「いや、ちょっと聞いたけん」

 いきなり近藤の胸の中に抱き寄せられた。

「やっぱ、女は熟れとう方が味のある、嫁さんは味気なか」

「本当?」

「嘘ばついてどうなるや、最近は嫁さんとはご無沙汰たい、さぁて、誰のせいでしょうね」

 近藤の指が乳首に触れる。美佐の体が小刻みに震えた。

「感度良好やな」

 強い力で組敷かれた。