無
何もないこと 何も考えないこと 何も見ない 何も聞かない
何もしない 何もない、自分の存在さえも
たとえ誰かが私を中傷しようとも 何も感じない
たとえ嘲笑われようと 憤ることもない
無であれば 傷つくこともなく 人の目も気にせず
ボロを纏って 巷をさよったところで なんの意味もなく
万一、素晴らしいことを思いついたところで何の感慨もない
無になること それは有があって成り立つ
人がいて人のいない寂しさをわかる
友がいて友がいない虚しさを知る
笑い興じることがあって 何もない怖さを知る
無 なんと恐ろしい、そして何と素晴らしい