昔、一人でも海に行った。
遠く深く足が着かないひんやりと冷たい海が好きだった
松林で水着に着替える
人気のない澄み渡った海が好きだった
バス代の往復とおにぎりしか持たないでも楽しかった
危険という言葉を知らなかった
日焼けを恐れない娘だった
思い返せばなんと無謀なことをしていたのだろう
学校に行くふりをして海に行った
信仰深い友人が私のやっていることを罪深いと嘆いた
学校をさぼっては海に夢中の私を
「神様お赦しください、アーメン」だなんて、笑えない
罪深い私は今も生きながらえているのです