蝉時雨が舗道を歩く私の身体中を包む

足取りをゆっくりにしてアスファルトを歩くと

 

蝉時雨も私にまとわりついたまままわりの音を遮断するように

私に孤独のヴェールをかけた

 

私は別に孤独なんかじゃない

でも、孤独なんだろ〜と蝉がかなりぶっきらぼうに

私にそんな無遠慮な言葉を投げる

 

「今からレモンソーダを飲みに行くのよ」と言ってやると

蝉はまた時雨」のなかの一つになってしまった

 

公園の蝉時雨の中で立ち止まり私は上を見上げる

体を緑のヴェールが包むと蝉時雨に私は無になることができる