パパダキス/シゼロン組、エリック・ボンパール杯とNHK杯 欠場 | フィギュアスケーターの幸せを祈る

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「新たな一歩だと思っています。不安は何もなくて、ただ前にある道を進んでいくだけだと思っているので、新たな経験をして、元気に前を見て進んでいきたいと思います。」浅田真央

パパダキス/シゼロン組、エリック・ボンパール杯とNHK杯を欠場へ 2015年11月12日 12:48 AFP 
パパダキス/シゼロン組は、エリック・ボンパール杯とともに、今月27日から29日に長野で開催されるGPシリーズ今季最終戦(第6戦)のNHK杯(NHK Trophy 2015)も欠場する予定となっている。


記事には新たな疑念、と書いてありましたが、これは9月から心配されていたことでした。

パパダキス選手とジョシュア選手の脳震盪からの回復を祈ります。 (9月28日)
この記事でも、書きましたが、脳震盪はすべての症状が消えないと、競技をしてはいけません。


慶應義塾大学スポーツ医学研究センター ニューズレター 第19号 [2015年3月発行]より
http://sports.hc.keio.ac.jp/_userdata/Newsletter19.pdf
自覚症状が完全に消失するまでは競技復帰は許可されないと いう方針が、今日の国際的スタンダードである。したがって、 症状がある限り、何ヶ月、あるいは年余にわたって競技復帰が 認められないこともあり得る。脳震盪の症状が残存したまま競技復帰した場合、再度脳震盪を起こすリスクは3~5.8倍に上昇するとされ、また、脳震盪を繰り返すことでさらに回復が遅延したり、恒久的脳機能障害につながることもある(注:本来、 脳震盪は時間が経てば脳機能は元通りに回復するものであるが、 それが回復せず、慢性的機能障害が残るということ。俗にパンチドランカー症候群などと呼ばれていたものがこれに該当する。 パンチドランカー症候群は今日、「慢性外傷性脳損傷」という診断名になっている)。 症状の消失を確認後は、段階的に活動度を上げ、約1週間のプロセスを経て競技復帰OKとなる。これはGraduated Return To Play Protocol: GRTP(段階的競技復帰プロトコール)と呼ばれて いる(表3)。症状が完全に消失した後、表3にあるメニューを 1日単位で徐々に上げて行くわけだが、この間に症状の再発があればその段階で運動は中止し24時間休息→ひとつ前のステップ から運動を再開 という手法をとる。もし、順調にステップアッ プできれば、約1週間で競技復帰となる(言い方を変えれば、どんなに早くても1週間は競技復帰できないということ)。尚、表 3はアイスホッケー競技の事例を対象に作成されたものだが、必要に応じて、該当競技に使い易い形に改変して差し支えない。 一方、小児~青年期(我が国では高校生以下として扱う)の脳機能は発育途上にあるので、脳震盪を含めた頭部外傷に対してはより 慎重に対処すべきという立場から、無症状になってからの休息期間 を延長するという考えが主流である(無症状になってから最低3週間の安静が必要とされる)。これに加え、いくつかの競技団体では、 復帰にあたり復帰証明書に医師の許可(署名)を必要としている。


頭部外傷10か条の提言 第2版 日本臨床スポーツ医学会学術委員会脳神経外科部会(2015年3月31日)
より
http://www.rinspo.jp/pdf/Protect_Your_Brain_2.pdf
脳振盪では、頭部への衝撃により 脳に「ゆがみ」が生じ、意識を失ったり、頭を打った前後のことを覚えていなかったり(健忘)、フラフラ と体のバランスが悪くなったりします。これらの症状は、ふつう一時的 ――いわば脳が停電したようなもの ――ですが、ときにめまいや耳鳴り、 頭痛などが何日も続くこともあります。一般に脳振盪はすぐ回復すると 思われがちですが、症状が続いている間は脳振盪が治っていないと考えるべきです。また脳振盪を繰り返していると、軽い衝撃だけでまたクラクラしたり、頭痛を起こしやすくなったりすることが知られています。 今、世界中で、そのような状況を かえりみずに脳振盪を繰り返した、 かつてのアスリートが問題を提起しています。彼らは歳を経てから記憶力や判断力が悪くなったり、怒りやすくなるなどの性格の変化や、認知症のような症状を呈したりしやすい、というのです。スポーツは心身ともに健全に発達・成長するために 重要と考えられていますが、その過程で脳に傷を負えば、のちに後遺症を残したり、最悪の場合は命に関わったりもします。スポーツに関わる指導者、選手やそのご家族の皆さんには頭のケガについてじゅうぶん ご理解いただき、将来を大切にしてくださるよう願っています。

パパダキス選手、無理しないでね… (10月19日)
この記事では、パパダキス選手が、深刻な症状のわりに練習を開始し、エリック・ボンパール杯に出ると約束したことを知り、とても心配だったことを書きました。
練習なんかしてはいけなかった。

欠場を決めることは、辛く、悲しいことだったと思いますが、パパダキス選手の身体が一番大事です。
ゆっくり、焦らず、回復につとめてほしい。
勇気ある決断ができたこと、良かったと思います。

お二人の演技が観られることを、いつまでも、待っています。

そして、ジョシュア選手や、先日のスケートカナダのSP前日の練習で脳震盪を起こし、SPを滑り6位につけるも(滑ってはいけないよ…(ノ_-。)、FSは棄権したオンドレイ・ホタレック選手も…。

選手の皆様の早い回復をお祈りしています。



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