運動には水分補給が不可欠ですが、運動後に身体の体温が高いときでも「常温の水の方が身体にいい」という固定概念にとらわれて、「常温の水」を摂取している方も多いのではないでしょうか?
今回伝えたいのは、摂取すべき水の温度や量、タイミングは「目的」によって変わるということです。季節、環境、体調、体質によっても変わります。どのように水を摂るのが効率的なのかを知ることは重要なことなのです。
★ダイエットには「常温の水」がいい訳ではない!
1日に必要な水分量はどれくらい?
水は老廃物などの毒素を排泄(便・尿・汗)したり、体温調整をしたり新陳代謝をあ良くしたりと、体にとても重要な役割を果たします。
体の機能の殆どが水を含んでおり、成人の身体の60~70%が水分で出来ているということはご存知の方も多いのではと思います。
では、1日に必要な水分摂取量の目安はどのくらいでしょう?
1日に必要な水分量は成人でおよそ、約2~2.5リットルといわれてます。勿論、食事での野菜等に含まれている水分量も含まれますから、飲料として水で摂取したいのは1.5リットルくらいです。
正確に言うと、体重が一つの目安になります。体重(kg)を30で割った値が必要な水分量(リットル)になります。えば例体重50kgの人の場合は1.7リットルという計算になります。(これは運動時ではなく普段の生活時の水分目安量です)
それでは、普段の実生活において、本当に身体に必要な水分が足りているか考えてみましょう!
まずは尿の色をチェック!
尿の色って、身体に含まれる水分状態を知らせてくれるバロメーターなんです。(※季節や体調・服用薬の有無などで尿の色が変化することはあります)
殆ど透明色 → 水分を過剰に摂取している
うすい黄色で透き通る色 → 健康で問題がない
濃い黄色、あるいは茶色に近い色 → 水分が不足している
摂りすぎも水毒になり、良くないでが、意外に不足している方も多いと思います。運動時はさらに変わります。
水を飲むということを習慣にするといいですよね。
夏場は汗、冬場は乾燥に注意して水分補給を!
水を飲む量とタイミング
次に参考にしたいのは、水を飲むタイミングと量ですが、1回に多くの水をがぶ飲みするのは、胃腸に負担がかかるのでお勧めできません。例えば、以下のようなときに小さめのコップ一杯程度(200~250ml)を8回くらいにわけて、小まめに補給しましょう。
1.朝起きたとき 1杯
2.食事 1杯
3.運動時 2杯
4.休憩時 1杯
5.入浴前後 2杯
6.寝る前 1杯
ここで、補足としてダイエットにもっとも効果的なタイミングは「食前」です。空腹時は血糖値が下がり、脳の摂食中枢が刺激されることで感じます。この時に、水を飲むことで胃液が薄められて酸性度が下がり脳が満腹だと勘違いを起こすんです!
また、ジョギングなどの運動時は走る30分程前に300~500ml程度の水分を摂取し、トレーニング中は汗の量の50~80%を補給し、15~30分ごとに250mlを摂取することで体温の上昇を抑え体の負担も回復も早くなります。
発汗量(リットル)=(運動後の体重の減少量(kg)+運動中に摂取した水分量(リットル))÷運動時間(h)
それぞれ、メリットとデメリットをもっているので、状況に応じて、常にチョイスすることが大事です!
■冷たい水がいいとき
真夏や暑いと感じるとき、ジョギング・運動後は体の中から熱くなっています。体温が上昇し沢山、汗をかいています。そんなときは体の水分が不足しています。「冷たい水」を飲むことで熱くなった体を冷やし、素早く水分を吸収するべきなのです。
■常温もしくは温水がいいとき
逆に、夏でもクーラーの効いたような場所で仕事をしていたり、体を動かしていないとき、冬の寒いときに「冷たい水」を飲むと、ますます体が冷えてしまいます。こんなときは冷え性を悪化させてしまいますから、「常温の水」もしくは「温かい水」がお勧めです。
■温かい水がいいとき
寝る前は「温かい水」を飲むことで、副交感神経が優位になり、リラックス効果があり深い睡眠につくことができます。寝ている間はゆっくり胃腸を休めるのにも「温かい水」がお勧めです。
常に「常温の水」がいいわけではなく、目的に応じて選ぶのが良いということを、ご説明しました。
また、運動後の「冷たい水」の効果はご紹介しましたが、それ以外にも実は色々なメリットがあるんです!次は「冷たい水」自体の効果をご紹介します。
便秘改善効果がある!
寝起きに冷たい水を飲むと、胃腸が働いて便が出やすくなるといわれています。冷たい水が胃壁を刺激すると、ガストリンというホルモンが分泌されます。
この影響で胃が活発に動き出し、小腸へ水分を運び始めることで、便通がよくなるといわれています。腸には、身体に含まれる毒素のうち75%の毒素が溜まっていると言われていますので、毒素の排泄にも有効ですし、便秘を改善することで腸の働きも良くなり、代謝が上がり、消費エネルギーも増加することができます。
■水分の身体への吸収が早い!
水分の吸収は主に小腸で行われます。なので、いかに早く小腸にたどり着くかがポイントとなってきます。先ほどご説明したケースのように、真夏、激しい運動の後、入浴後などの体温が上がり発汗が多いときは出来る限り早く水分を補給したい。そんなときは冷たい水の摂取が有効です。
カロリー消費を増加させる!
冷たい水を飲むと、身体はその水を体温と同じ温度まで高めるためにエネルギーを使います。つまり、冷たい水はより多くのエネルギーを必要とするため、カロリー消費は増加するんです! さらに、運動前、入浴前に飲むとカロリー消費は多くなります。
例えば……
朝起きたときに250ml、お風呂の前に250ml、お風呂の後に250ml、少し汗が出たとき(例えば通勤時に歩いたときなど)250mlとそれぞれ冷たい水を摂取すると合計で1リットルになります。
1gの水の温度を1度上げるためには1cal必要です。
体温が36.5度の人が10度の水を飲めばその差は26.5度。
10度の1000ml(運動時・入浴前後の補給量とした場合)の水を36.5度まで上げるには1000×26.5=26500cal必要です。
1000cal=1kcalなので、26.5kcalの消費です。
このように冷たい水を摂取するだけで、26.5kcalのカロリー消費に相当します。
一般的には1kg減量するのには7200kcalの消費が必要といわれています。
脂肪そのもののカロリーは、1gにつき9kcalです。体脂肪には水分が含まれる(約20%)ので、9kcal×0.8=7.2 kcalとなります。
したがって体脂肪1kgの消費エネルギーは7200kcalということです。
1か月に1kgの減量を目標とした場合には、7200kcalのカロリー消費が必要です。これを1日にすると、約240kcalになります。
つまり、適切なタイミングで冷たい水を摂るだけで、ダイエットに向けたカロリー消費の1割が達成されるということになります。
交感神経を優位にする!
寝起きはまだ、副交感神経が優位です。体温や血流、ホルモンの分泌など変化が一斉に起こっているにも関わらず、うまく交感神経に切り替わらないと、体温上昇や血流増加に支障が出て代謝が悪くなります。朝に素早く交感神経にスイッチを切り替えるにも冷たい水が効果的です。
目的状況にあった水の温度調整
胃腸の弱い方や冷え症の方は冷たい水を摂取するメリットよりも、冷え症の悪化や胃腸への負担などのデメリットの方が大きくなってしまう場合もあるので、ご自身の体質や体調に合わせて選択する必要はあります。
まず、自分の体を良く知ること、水分量が足りているかをチェックし、見直した上で、実生活の中で寝起き・運動時・入浴時等、汗を大量にかいているとき、便秘が気になるときに「冷たい水」をポイントで摂取することは非常に有効です。
逆に体が冷えているとき、薬を飲むとき、寝る前などは「常温の水」もしくは「温水」を取り入れるといいでしょう。
摂取する水の温度はそのときの目的、状況にあった水の温度調整が必要ということです。