【映画感想】『パラサイト 半地下の家族』(98点) | とにかく暇なわたしの映画・ドラマ感想ブログ

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たくさん映画やドラマを観ているので、感想をまとめておきます
ネタバレしない内容になっています

アニョハセヨ―。

私が最近(ここ1年の間)で一番楽しみにしていた作品!!

『パラサイト 半地下の家族』

ネタバレしないで書くのが難しいですが、頑張ってみます。

 

『パラサイト 半地下の家族』は個人的には期待以上でした!

本当に面白かった!

 

韓国文化の一つでもある、マンションの半地下の部屋。

韓国ドラマでもよく出てくる、家賃の安いこの半地下の部屋に、キム一家は住んでいます。

父親は色んな職を転々としますが、どれも上手くいかず無職。

母親は元砲丸投げの選手で、家事だけが得意のよく太ったどこにでもいるおばさん。

息子はソウル大学を目指す、浪人生。

受験に上手くいかず、お金もなく、何を目指しているのか、ぼんやりした男の子。

妹は美大を目指していた、女の子。

実力はそこそこあるのですが、バイトもせず、この先不透明な今どき女子。

 

そんな家族はビザ屋のビザ箱作りの内職をしています。

内職だけで食べていけるのかな・・・って感じですよね。

みんなで箱を組み立てるんですけど。

お父さんの作った箱はほとんどB品なんですよね。

なんかこういうの、あるあるだよね。

 

そんなキム一家に、転機が訪れます。

息子ギウの友人(パクソジュン!)が留学することになり、

自分の代わりに家庭教師のバイトをして欲しい、とお願いしてくるんです。

相手は社長令嬢。

ギウは引き受けるものの、ソウル大学生だと嘘をついて、面接を受けに行きます。

そうして向かったパク家。

 

とんでもない金持ちですよ。

パク家は坂の上にありまして。

色んな意味で上から目線のおうちですね。

 

そこで、ギウは娘の家庭教師を始めるのですが、

パク家の内情を知るうちに色々上手いこと動きまくって、

キム一家それぞれが家族であることは内密にしたまま、

最終的に家族みんなでパク家で働きだす、まさにパラサイトしていくお話です。

 

まあここまでのあらすじだと、

で??え、それのどこがそんなに面白いの??って話ですよね。

 

この映画の面白いところは、

そのような予測を超えてくる展開と深く込められた概念にあります。

 

ネタバレしないように書きますが。

この映画にとって、重要なのは、

キム一家がパク家にパラサイトしていく、ということよりも、

彼らが「半地下」という立場の存在であるということだと思います。

 

半地下のキム一家と、高級住宅街に住む金持ちパク一家、

そこに+αでてくる人間たちの存在。

 

この色んな家族たちの皮肉を込めた対比がもう面白すぎるんですよね。

 

登場人物はそんなに多くないんですけど。

それぞれのキャストがまたいいんですよねー。

 

半地下家族のソンガンホはいわゆるイケてないおっさん臭がものすごいでていて。

ああいう役をやらせたら右に出るものはいないよね。

おっさん臭って、ああいうことだよ。

こぎれいな格好してても隠せない、あの庶民的な感じや悲壮感や劣等感。

演技が本当にうまいんだなあ。すごい俳優さんだと思うわ。

 

そんなギテクの奥さんもいい味出してたし、

娘も息子も最高だった。

息子のイケてない感、

娘の女の子だからこそのお兄ちゃんよりもちょっと大人っぽく、悟った達観してる感。

家族みんな仲いいんですけど。

全員庶民的な劣等感が感じられてよかったな。

 

一報のパク家もまたよかった。

マイディアミスターですっかり虜になったおじさんも、

全く違うキャラでびっくりしつつも、役柄にぴったりの演技だったし、

特に嫁は良かった。

金持ちの奥様ってあんな感じだよね。

にじみ出てる差別感がよかったよ。

 

音も良かったし、

映像も良かった。

脚本もセットもキャストも演技も全部よかった。

 

本当に、映画として、最高に楽しめる作品でした。

 

この映画は監督自身がネタバレを禁止しているので、

あらすじを書くのはここまでが限界。

 

でもこの映画の面白さは、

このブログに書いていないところにありますので、是非見てみてください。

私が語ったのは全体の5%にすぎません。

韓国映画ならではの良さがありつつも、

好み関係なく、満足できる作品だと思います。

面白い、この一言に尽きる。

 

にしても、なんでしょうねー。

この韓国映画のクオリティって。

アカデミー賞を獲ったこともあり、

散々日本映画との比較をされていましたけど。

映画だけでなく、ドラマでも韓国ってレベルが高いと思います。

 

この映画でも感じましたが、

それぞれの家族の日常を描写したシーン一つとっても、

間延びしていないんですよね。まったく。

寝ちゃうぐらいの退屈時間は無いんです。

でも、ズーンってなる時間や、ゆっくりと考えられる時間的・内容的余白、余韻は存分に残している。

どうやってるんだろうね。

そこが日本の映画には無いスキルだと思う。

 

脚本、演技、脚色、全ての面で、レベルが上なのかもな、とは思いますが。

この映画はそれが最も分かりやすい、

韓国映画のレベルの高さを示した作品だと思います。

興奮するほど面白くてエキサイティングな展開、

見終えた後に残る、目をそらしたくなる程の人間臭い現実的なダークサイドの余韻。

これぞ韓国映画!

アカデミー賞獲るわけだ。

 

ネット配信されたらもう1回すぐ観たいと思います。

まだの方は、是非、観てみてください。

観終わった後、色々な考察を読んで楽しめるのも、この映画の良いところです。

 

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

 

감사합니다.