翌日、紀子はいつもより早く目が醒めた
時計は午前5時45分を差していた
(もうちょっと寝よう…)
目覚ましを7時25分にセットし、再び眠りについた
時計は7時25分を差したが、アラームが鳴らない
(ん…まだ眠い…このところ寝不足続いてたから…)
しばらくすると、ピーピピピーとアラームが鳴り始めた
時刻は8時になっていた
「あ!やっべえ!間違えて8時にセットしちゃった!」
紀子は間違えてセットしたことに気づかず、あわてて布団から飛び出した
(メイクする時間がない…スッピンでいこう、ちと恥ずかしいけど)
そして彼女はボサボサ髪でスッピンのまま事務所のレッスンルームに向かって走っていった
(ふうーっ、疲れた…何とか間に合った~)
「おっはよう!」
「おはようございます。どうしたのですか、その格好」
雪美はビックリしながら、紀子に聞くと、
「えへへへ…目覚まし間違えてセットしちゃってね…」
「もうじき先生が来られますから、おとなしく待ってて下さいね」
まもなく有馬がレッスンルームに来られた
「先生おはようございます!」
「おはよう。今日から君の専属となったよ。レコーディングに向けて一から叩き込むぞ」
「よろしくお願いします!みっちりしごいてください!」
「ところでどうしたんだね、そんな格好で」
「はい、遅刻しそうになって、あわてちゃって…ギリギリセーフだった~」
「今度から気をつけてよ。時間にルーズなのが一番嫌いなんだ」
「すみません。気をつけます」
「では、始めるぞ」
紀子の専属となった有馬は、厳しい眼差しをしながら、デビュー曲のレコーディングに向けてレッスンを始めた
この日のレッスンは休憩を挟み、数時間続いた
厳しいレッスンにもなんとかついていった彼女は、レコーディングの日を心待ちにしていた
すると有馬から、
「今日のレッスンはここまでだ。デビュー曲のレコーディングだが、一週間後に決まったぞ」
「本当ですか?ここでするのですね?」
「ああ。それまでにまだまだ続くから、気を緩めないでくれ。曲名だが、"初恋記念日"当アカデミーの教え子が作った曲なんだ。ちょっと聴いてみるか」
と、曲を流すと、
「自分好みです!詞も素晴らしいです!」
紀子はわくわくしながら、レコーディングを楽しみにしていた
レッスンが終わり、親友のユーコにさっそく電話をした
「ねー、聞いて。今度レコーディングするんだ」
「ホント?マジで?」
「ホントだって。一週間後よ」
「どんな曲になるか楽しみだね!」
「曲名は"初恋記念日"、先生の教え子がつくったんだって」
「私、このCD買い占めてあげる!」
「また~冗談言っちゃって~ユーコったら」
紀子は照れくさそうに笑っていた
BICKS社長の雪美は、
「ふたばさんも心強い味方がいるんですね。私たちは嬉しい限りです」
と、機嫌よく話すと、
「へへへ…そう言われると照れちゃうな…同じアパートに住んでるんだ」
紀子は嬉しそうに答えた
「ところで、マネージャーが決まりましたので」
紹介されたのは、なんと摂子だった
「せっちゃん、ふたばさんのマネージャーよろしく頼むね」
(うそ…マジかよ…やだな、あんな女…)
「白旗さん、いえふたばさん、これからはあなたのマネとして支えていきます。よろしくお願いします」
紀子は、
「こ、こちらこそよろしく…」
と、彼女らしくない返事をした
「なに怖じ気づいてるの。ふたばさんらしくないですよ」
雪美は紀子の肩をポンと叩いた
「べ…別に…」
紀子は声を震わせていた
「せっちゃんはいい子ですよ。いつもニコニコ愛嬌があって。だから、意地悪しないし、仲間からも頼りにされてますから」
雪美は摂子を実の娘のように可愛がっている
(ちっ、大福め。あんな賞味期限切れの行かず後家のどこがいいのか、さっぱりわからんわ。グルになっちゃってさ、あいつの裏の顔知らないのかねえ)
「ねー、大福さん~」
(え、私?)
雪美は誰に向かって言っているのか、紀子の方を振り向いた
「あんだだよ、社長」
紀子は雪美を指さしていた
そのときの紀子の表情はこわばっていた
「だって、雪"美"だいふくって言うじゃな~い」
「白旗…ふたばさん、ちょっと失礼じゃないですか。からかうのもいい加減に…」
摂子は注意するが、
「あんたは黙ってな。彼氏といちゃついてるのバラすから」
紀子は彼女の秘密を暴こうとして、
「せっちゃん、彼氏できたんだ。やったね!」
「もう~社長まで~まだ付き合い始めたばかりですよ」
「大福さん聞いて~この人ねー、彼氏と腕組んで歩いてたのよ~私、アパートが出てきたの見ちゃったんだ」
「ラブラブなんだ~」
「それでねー、ニヤニヤしちゃってねー」
「とりあえず、せっちゃん、ふたばさんのマネをよろしくね」
雪美は、摂子に紀子のマネをお願いし、スケジュール表を渡した
「はい。それではふたばさん、スケジュール組んでおきますので、決まり次第連絡します」
(なんか苦手なのよね、この人。裏表あるから…)
マネージャーが決まり、本格的にデビューまで一歩二歩と近づいた
(デビュー曲のレコーディング、早くこないかな~)
(続く)
時計は午前5時45分を差していた
(もうちょっと寝よう…)
目覚ましを7時25分にセットし、再び眠りについた
時計は7時25分を差したが、アラームが鳴らない
(ん…まだ眠い…このところ寝不足続いてたから…)
しばらくすると、ピーピピピーとアラームが鳴り始めた
時刻は8時になっていた
「あ!やっべえ!間違えて8時にセットしちゃった!」
紀子は間違えてセットしたことに気づかず、あわてて布団から飛び出した
(メイクする時間がない…スッピンでいこう、ちと恥ずかしいけど)
そして彼女はボサボサ髪でスッピンのまま事務所のレッスンルームに向かって走っていった
(ふうーっ、疲れた…何とか間に合った~)
「おっはよう!」
「おはようございます。どうしたのですか、その格好」
雪美はビックリしながら、紀子に聞くと、
「えへへへ…目覚まし間違えてセットしちゃってね…」
「もうじき先生が来られますから、おとなしく待ってて下さいね」
まもなく有馬がレッスンルームに来られた
「先生おはようございます!」
「おはよう。今日から君の専属となったよ。レコーディングに向けて一から叩き込むぞ」
「よろしくお願いします!みっちりしごいてください!」
「ところでどうしたんだね、そんな格好で」
「はい、遅刻しそうになって、あわてちゃって…ギリギリセーフだった~」
「今度から気をつけてよ。時間にルーズなのが一番嫌いなんだ」
「すみません。気をつけます」
「では、始めるぞ」
紀子の専属となった有馬は、厳しい眼差しをしながら、デビュー曲のレコーディングに向けてレッスンを始めた
この日のレッスンは休憩を挟み、数時間続いた
厳しいレッスンにもなんとかついていった彼女は、レコーディングの日を心待ちにしていた
すると有馬から、
「今日のレッスンはここまでだ。デビュー曲のレコーディングだが、一週間後に決まったぞ」
「本当ですか?ここでするのですね?」
「ああ。それまでにまだまだ続くから、気を緩めないでくれ。曲名だが、"初恋記念日"当アカデミーの教え子が作った曲なんだ。ちょっと聴いてみるか」
と、曲を流すと、
「自分好みです!詞も素晴らしいです!」
紀子はわくわくしながら、レコーディングを楽しみにしていた
レッスンが終わり、親友のユーコにさっそく電話をした
「ねー、聞いて。今度レコーディングするんだ」
「ホント?マジで?」
「ホントだって。一週間後よ」
「どんな曲になるか楽しみだね!」
「曲名は"初恋記念日"、先生の教え子がつくったんだって」
「私、このCD買い占めてあげる!」
「また~冗談言っちゃって~ユーコったら」
紀子は照れくさそうに笑っていた
BICKS社長の雪美は、
「ふたばさんも心強い味方がいるんですね。私たちは嬉しい限りです」
と、機嫌よく話すと、
「へへへ…そう言われると照れちゃうな…同じアパートに住んでるんだ」
紀子は嬉しそうに答えた
「ところで、マネージャーが決まりましたので」
紹介されたのは、なんと摂子だった
「せっちゃん、ふたばさんのマネージャーよろしく頼むね」
(うそ…マジかよ…やだな、あんな女…)
「白旗さん、いえふたばさん、これからはあなたのマネとして支えていきます。よろしくお願いします」
紀子は、
「こ、こちらこそよろしく…」
と、彼女らしくない返事をした
「なに怖じ気づいてるの。ふたばさんらしくないですよ」
雪美は紀子の肩をポンと叩いた
「べ…別に…」
紀子は声を震わせていた
「せっちゃんはいい子ですよ。いつもニコニコ愛嬌があって。だから、意地悪しないし、仲間からも頼りにされてますから」
雪美は摂子を実の娘のように可愛がっている
(ちっ、大福め。あんな賞味期限切れの行かず後家のどこがいいのか、さっぱりわからんわ。グルになっちゃってさ、あいつの裏の顔知らないのかねえ)
「ねー、大福さん~」
(え、私?)
雪美は誰に向かって言っているのか、紀子の方を振り向いた
「あんだだよ、社長」
紀子は雪美を指さしていた
そのときの紀子の表情はこわばっていた
「だって、雪"美"だいふくって言うじゃな~い」
「白旗…ふたばさん、ちょっと失礼じゃないですか。からかうのもいい加減に…」
摂子は注意するが、
「あんたは黙ってな。彼氏といちゃついてるのバラすから」
紀子は彼女の秘密を暴こうとして、
「せっちゃん、彼氏できたんだ。やったね!」
「もう~社長まで~まだ付き合い始めたばかりですよ」
「大福さん聞いて~この人ねー、彼氏と腕組んで歩いてたのよ~私、アパートが出てきたの見ちゃったんだ」
「ラブラブなんだ~」
「それでねー、ニヤニヤしちゃってねー」
「とりあえず、せっちゃん、ふたばさんのマネをよろしくね」
雪美は、摂子に紀子のマネをお願いし、スケジュール表を渡した
「はい。それではふたばさん、スケジュール組んでおきますので、決まり次第連絡します」
(なんか苦手なのよね、この人。裏表あるから…)
マネージャーが決まり、本格的にデビューまで一歩二歩と近づいた
(デビュー曲のレコーディング、早くこないかな~)
(続く)