朝日奈家ではー
「ただいま~マロン帰ってきたよ~」
飼い主の帰りを待っていたマロンは、キャンキャンと嬉しそうに鳴きながら良枝に飛びついた
「あ、お母さんだ!おかえり~あれ?どうしたの、この格好。お姫さまみたい」
「えへへへ…お姫さまになってたの。楽しかった~」
「帰ってきてくれてよかったよ。みんな心配してたぞ」
「ゴメンゴメン。元気してた?」
「うん。なんでお姫さまになってたの?」
「それはね、妖精さんに変身させられたの。似合ってる?」
「ビミョー」
「ガクッ…」
子供たちは大爆笑
「あれ?父さんは?」
「それがいなくなったんだ…」
(やっぱり、あの不審な男は旦那だったのか…)
「私、どこにいるか知ってるよ
「えっ?ほんとに?」
「PCいじってたら、画面がいきなり光って、私吸い込まれてしまったの」
「それでお姫さまにされてたのね!ありえないけど」
「なんでわかるの?」
「ネットしようとして、偶然変なサイト見てたらお母さんらしき人がお姫さま姿で写ってたの」
「やっぱ、母ちゃんだったんだ!よかった~無事で帰ってこれたんだ!」
「えへへ、私、お姫さまになって王子様とダンスしたりキスしたりして楽しかった~」
「キス?マジかよ?オヤジに知られたら怒るぞ」
「わからないって。父ちゃんはね、国の平和を乱す悪者になって私に襲いかかったの。見覚えのある作業服着ていたから間違いないよ。でもね、父ちゃんったら、私がいることに気づいてないみたい」
(この間PCつけっぱなしにしてたのは、お父さんだったのね…)
「ところで、母ちゃんどうやって抜け出したんだ?」
「うーん、わからないや。ゲームオーバーってことかな?」
良枝が我が家に帰ると、子供たちは大喜びだった
「天の声が聞こえてきたのかな。もう帰る時間が来たぞ、って」
(あとは父ちゃんが抜け出せるか、だな)
「父ちゃんは帰ってこれるの?」
「さあね、わからないわ。日頃の行いが悪いから、一生出てこれないかも。今ごろどこかでもがき苦しんでるわ」
「へぇー、父ちゃん、悪者になってるんだ。リアルもそうだけど、まさかあっちの世界でもそうだとは」
子供たちはさっそく叔母・ほまれに電話をした
「あのね、母ちゃん帰ってきたよ」
「えーっ、本当なの?やっぱりお姫さまになっていたのは良枝さんだったんだ」
「うん。顔の特徴見たらわかったもん。母ちゃんが言うには、お父さんもいるみたいだって」
「兄さんもいるの?」
「悪者になって町を自分のものにするって。母ちゃんに襲いかかってきたのよ。そしたら、嫌がって逃げ出して」
「あははは、面白いね~で、兄さんは抜け出せるのかな」
「わからない」
「そうなの?早く帰ってくれないと寂しいんじゃない?」
「別に。俺たちだけでなんとかやってるから心配しなくて大丈夫だよ」
「ま、いいか。お母さんが帰ってきてくれただけでも。ずっと寂しい思いして辛かったでしょうに」
(父ちゃんどうすれば戻ってくれるのか…)
「ありがとう、おばちゃん」
「兄さんも我が家に戻ってこれればいいね」
(つづく)
「ただいま~マロン帰ってきたよ~」
飼い主の帰りを待っていたマロンは、キャンキャンと嬉しそうに鳴きながら良枝に飛びついた
「あ、お母さんだ!おかえり~あれ?どうしたの、この格好。お姫さまみたい」
「えへへへ…お姫さまになってたの。楽しかった~」
「帰ってきてくれてよかったよ。みんな心配してたぞ」
「ゴメンゴメン。元気してた?」
「うん。なんでお姫さまになってたの?」
「それはね、妖精さんに変身させられたの。似合ってる?」
「ビミョー」
「ガクッ…」
子供たちは大爆笑
「あれ?父さんは?」
「それがいなくなったんだ…」
(やっぱり、あの不審な男は旦那だったのか…)
「私、どこにいるか知ってるよ
「えっ?ほんとに?」
「PCいじってたら、画面がいきなり光って、私吸い込まれてしまったの」
「それでお姫さまにされてたのね!ありえないけど」
「なんでわかるの?」
「ネットしようとして、偶然変なサイト見てたらお母さんらしき人がお姫さま姿で写ってたの」
「やっぱ、母ちゃんだったんだ!よかった~無事で帰ってこれたんだ!」
「えへへ、私、お姫さまになって王子様とダンスしたりキスしたりして楽しかった~」
「キス?マジかよ?オヤジに知られたら怒るぞ」
「わからないって。父ちゃんはね、国の平和を乱す悪者になって私に襲いかかったの。見覚えのある作業服着ていたから間違いないよ。でもね、父ちゃんったら、私がいることに気づいてないみたい」
(この間PCつけっぱなしにしてたのは、お父さんだったのね…)
「ところで、母ちゃんどうやって抜け出したんだ?」
「うーん、わからないや。ゲームオーバーってことかな?」
良枝が我が家に帰ると、子供たちは大喜びだった
「天の声が聞こえてきたのかな。もう帰る時間が来たぞ、って」
(あとは父ちゃんが抜け出せるか、だな)
「父ちゃんは帰ってこれるの?」
「さあね、わからないわ。日頃の行いが悪いから、一生出てこれないかも。今ごろどこかでもがき苦しんでるわ」
「へぇー、父ちゃん、悪者になってるんだ。リアルもそうだけど、まさかあっちの世界でもそうだとは」
子供たちはさっそく叔母・ほまれに電話をした
「あのね、母ちゃん帰ってきたよ」
「えーっ、本当なの?やっぱりお姫さまになっていたのは良枝さんだったんだ」
「うん。顔の特徴見たらわかったもん。母ちゃんが言うには、お父さんもいるみたいだって」
「兄さんもいるの?」
「悪者になって町を自分のものにするって。母ちゃんに襲いかかってきたのよ。そしたら、嫌がって逃げ出して」
「あははは、面白いね~で、兄さんは抜け出せるのかな」
「わからない」
「そうなの?早く帰ってくれないと寂しいんじゃない?」
「別に。俺たちだけでなんとかやってるから心配しなくて大丈夫だよ」
「ま、いいか。お母さんが帰ってきてくれただけでも。ずっと寂しい思いして辛かったでしょうに」
(父ちゃんどうすれば戻ってくれるのか…)
「ありがとう、おばちゃん」
「兄さんも我が家に戻ってこれればいいね」
(つづく)