数日後―
”蘭。”のオーナーが、深夜に未成年者を労働させたと、風営法と児童福祉法で逮捕された
アサミは自分のせいで、店をつぶしてしまったと、
一番迷惑かけたのは自分じゃないかと、オーナーを責めなくてもいいのに、と思っていた
アサミの住むアパートに、両親が訪ねた
『アサミ、なんてことをしたの』
彼女の母、とし子
『お母さん、あたしのせいで…オーナーもお店もダメにしてしまった…ホントにごめんなさい…』
アサミは泣きながら両親に謝った
『お前はまだ未成年だから、風俗とかで働いてはいけないことがわかってるだろ』
『もうしません…お父さんお母さんには迷惑ばかりかけて、なんて親不孝な娘かと…』
『アサミ、お前は魅力的なカラダをしてるから、そういう仕事には向いてるだろうけど、どうして齢をごまかしてやりたかったんだ?』
『お金…です…』
『アパート入るときのお金は出してやっただろ?』
『でも、生活していくのに必要だったんです。あたし、もう一つバイトしてたけど、それだけではやっていけなくて…』
『大変なのはわかる。けどな、お前のおかげで、一人の人間をダメにしてしまったんだぞ。そこらへんはわかってるだろな?』
『もう家に戻る気はないの?』
『まだ当分ここに居るよ』
『ま、お前が決めたことは、あきらめずにやり通すことだな。頑張れよ』
『うん。心配かけてくれて、ありがとう』
アサミは両親の一言で、立ち直れそうな気がしてきた
(お父さんお母さんに迷惑かけた分、これからしっかり親孝行しなくっちゃ!)
自宅では―
幹の携帯にアサミからのメールが届いた
”お兄ちゃん、ゴメンね。
お兄ちゃんにも迷惑かけちゃった(ノ_-。)
だから、これから親孝行するからね”
幹はアサミのことを考えると、興奮してくる
(夢の中では、アサミでいっぱいだ。ドレスからこぼれそうなバストに目を奪われる…あんなに細いカラダして、大きなモノが付いてるなんて…)
気持ちを抑えながら返信した
”やっと、わかってくれたのか
風俗の仕事はまだできないだろ?
できるようになっても、
俺は許さないぞ
アサミは俺のものだ
他人にお前のカラダは渡したくない”
しばらくして、夕子にもメールを送った
”この間はゴメンな
まだ怒ってるのかな?
あ、そうだったんだ
もう会わない約束してたんだ
なんてバカなんだろ、俺って
やっぱりアサミが必要なんだ
でも、夕子とは、彼女としてでなく
友達でいたいんだ”
”冗談でしょ?
二度と会わない、って言ったよ
シスコンもはなはだしいわね
それにしても、近親相姦って気持ち悪いわ
あたしは一人っ子だから、
そういう関係になってしまうことが
さっぱり理解できないもん
せいぜい兄妹仲良くやってちょうだい
もうメールはしてこないでね
さようなら”
夕子から返信がきた
やはり、幹とは彼氏でも友達でもなくなったのだ
(つづく)