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「愛してる」
この言葉を、彼は何度も私にくれた。
そう言えば、付き合って少しした頃
私が罪悪感に潰れそうになった時
いつかまた別れることもあるのか…
嫌だな…
って言ったことがあった。
それに
何かない限り
自分から別れることはないよ
と言ったこともあった。
だから、私との関係は
どちらか天国に行く日まで
続くんだと思ってた。
奥さんに先立たれ
まさか、彼がこんなに
1人では居られなくなるタイプと
思ってなくて
このコロナの時代が来てなければ
それでももっと
私たちは会えてたはずだし
彼の独り身のやるせなさも
もっと埋められてたのだろうと思うと
なんか苦しくなる。
だって私たちは
どちらかが旅立つ時までずっと
そばに居れると思ってたから。
ほんの少し前まで
愛してるの言葉を
私に注いでくれてたから。
いや、きっと
愛してはくれてるのだろう。
私のことを思い、
家族から私を奪うことをせずに
彼は自分だけが進むを探したんだ。
私だって、
奥さんが亡くなってから
相手ができたらちゃんと話してね
とか
わたしは身を引くから
とか彼に告げてた。
もちろん
それを理解はしてたし
その時が来たら
ちゃんと私も前を向けると思ってた。
「ショックでも
すぐ切り替えられる」
私は本当にそう思ってた。
何だよ、コレ…
思ってたことと、ぜーんぜん違うよ…
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