アミティ「お待たせ致しました!こちらビーフステーキになります!」
クルーク「えへへへへ…」
アルル「こちらはシーフードドリアです!」
クルーク「えへへへへ…」
アミティ「キノコたっぷりパスタお待たせいたしました!お済みのお皿もお下げしますね」
クルーク「えへへへへ…」
ラフィーナ「ちょっとクルーク!!何をさっきからにやけていますの!?」
クルーク「え、あ!ごめん!」
ラフィーナ「ニヤニヤしてないで手を動かして!」
クルーク「あ、はい!!」
シェゾ「本日の営業は以上だ」
アルル「みんな今日もお疲れ様ー」
アミティ「おつかれ!!」
ラフィーナ「そういえばクルーク、先程はなんであんなニヤニヤしてましたの?」
クルーク「え?」
アミティ「あ、そうだね!確かにクルークニヤニヤして動きが止まってたね!」
アルル「ラフィーナに怒られてる所、僕も見たの覚えてる!」
シェゾ「確かに今日のクルークはちょっと様子がおかしかったな…何かあったのか?」
クルーク「えへへへへ…実はね…」
アミティ「うんうん!」
クルーク「昨日の夕方、あれは学校が終わったあとの事…」
アルル「うんうん」
クルーク「学校の前をね…犬を連れた女の子が通ったんだ…」
シェゾ「ほう…」
クルーク「そしたら今日も会っちゃったんだ!」
ラフィーナ「…だから?」
アミティ「あ!分かった!その子可愛いんだ!!」
アルル「あー!なるほどね!」
クルーク「そう!すごく可愛くて…ああ〜!僕は運命的な出会いをしてしまったのかもしれない!!」
アミティ「クルーク!その子に恋してるんだね!」
クルーク「えっ…!」
アルル「うわー!甘酸っぱいな…恋するクルークだ!」
クルーク「いや…そんなんじゃないよ!!多分…」
アミティ「ねえねえ!その子って毎日夕方に学校の前を通るの?」
クルーク「え、あ…うん…多分…昨日、今日と2日連続で魔導学校の前を通っていたから…多分いつも夕方のあの時間に犬の散歩してるみたい」
アミティ「あたし!クルークの恋の相手どんな子だかみてみたい!!明日も夕方に魔導学校の前に居ると見れるかな?」
アルル「僕も気になる!」
クルーク「え、ええ…でもそれは…」
アミティ「クルークだってまたあの子に会いたいなーって思ってるでしょ?」
クルーク「…まあ、思ってないって言えば…嘘になるね…」
アミティ「じゃあ行こうよ!!」
アルル「決まりだね!僕も行くよ」
シェゾ「おい!お前ら!バレたらどうする気なんだ…?」
アミティ「こっそり隠れて見れてば大丈夫!バレないよ!」
アルル「そうそう!大丈夫大丈夫!」
シェゾ「お前らな…」
次の日
クルーク「あの子はいつのこの時間ぐらいに見かけるんだ」
アルル「そうなんだ!じゃあもうそろそろ来るかな?」
アミティ「きっと来るよ!!」
Dシェゾ「しかし…クルーク…」
クルーク「ん?どしたんだい?」
Dシェゾ「クルークも…恋をするんだな」
クルーク「はあー?それはどういう意味だい!?」
Dシェゾ「フッ…」
クルーク「おい!なんで今鼻で笑ったんだよ!?ていうか…」
シェゾ「…」
ラフィーナ「…」
クルーク「君たちも結局来たんかい!!なんで!?」
シェゾ「勘違いするなよ、俺たちはただお前らが変な事しないか見張りに来ただけで…」
ラフィーナ「そうよ!あなた達だけだと不安ですから…」
Dシェゾ「そんなこと言って…本当はお前らもクルークの恋の相手を見たかったんじゃないのか?」
ラフィーナ「そんなの気にならないわよ!全く…」
ラフィーナ「(まあほんとはちょっと気になるけどね…)」
アミティ「ねえクルーク!その子いくつぐらいなの?」
クルーク「うーん…僕たちより年下ぐらいかな…?」
アミティ「年下!年下なの!?」
クルーク「多分、小学校4年生ぐらいの子かな…?」
アミティ「へえ…クルークってそういうロリっぽい子がタイプなんだ…」
クルーク「なっ…!」
Dシェゾ「お前…正真正銘の変態だな」
クルーク「ロリがタイプとか言うな!!というかDシェゾ!!君にだけは言われなくない!!絶対に!!」
シェゾ「まあそれは同感だな」
Dシェゾ「なっ!俺は違う!だって…元々あいつは…」
アルル「でも哀ちゃんって…あまり6歳に見えないよね?」
クルーク「た、確かに…小学校1年生の言動とは思えないような事ばかり言ってるし、妙にすごい落ち着いてると言うか…」
アミティ「6歳なのになんか大人みたいだよね!!」
アルル「でも、なんで6歳の小さい子供なのにあんな大人びた感じなんだろう…すごいよね…」
アミティ「そういえばあたし!哀ちゃんにすごい似てる大人の女の人見たことあるよ!」
アルル「そうなんだ!そんなに似てたの?」
アミティ「うん!ほんとに哀ちゃんそっくりですごい美人さんだったよ!確か…美少女コンテストの会場がハイジャックされた時に会ったような…」
アルル「へえー!そんなそっくりな人がいるんだね」
アミティ「そう!本当にそっくりだった!!そういえば確か、声も結構似てたような…?」
Dシェゾ「それは…!多分、他人の空似だ」
アルル「まあ、そうだよね〜」
アミティ「突然大人の姿になんてなれるわけないから絶対別人に決まってるよね!」
クルーク「…」
アルル「そういえば!クルーク、その子の名前は知らないの?」
クルーク「えー知らないよ、まだ話した事もないんだし…」
アルル「もっと積極的に行かないと!せめて名前ぐらいは聞いて少しでもお話しないと…」
クルーク「そんなこと言ったって…」
Dシェゾ「あっ…」
ラフィーナ「あら」
女の子「るんるんるんるーん」
犬「ワンワンワンワン」
クルーク「…わあ…」
アルル「へえ…あの子か…」
アミティ「たしかに可愛い!」
ラフィーナ「なるほど…髪型はショートヘア…結構ボーイッシュな感じの方ですわね」
シェゾ「確かにあれは明らかにクルークよりは年下だな…」
アミティ「ね!やっぱり小学校4年生ぐらいかな?」
クルーク「やっぱり可愛い子だな…」
アルル「ねー…って!見てるだけじゃダメだよ!声掛けなきゃ…」
クルーク「えー、でもどうやって…」
Dシェゾ「おい、また誰か来たぞ」
アルル「ほんとだ!もう1人女の子が来た!」
ラフィーナ「あの子と同じぐらいの子ね…あの子のお友達かしら?」
アミティ「あの子も犬連れてるね!」
女の子2「あ!ルリちゃんだ!元気?」
女の子「うん!元気だよ!モモコちゃんも元気そうだね!」
女の子2「うん!」
アミティ「あの子…!ルリちゃんって名前なんだって!」
アルル「へえー!ルリちゃんか…可愛い名前だね!」
女の子2「そうだ!ルリちゃん明後日誕生日だよね?」
女の子「そうだよ!覚えててくれたんだ!ありがとう!」
アルル「へえ…なるほど…」
アミティ「ルリちゃん明後日が誕生日なんだ!これはグットタイミングだねクルーク!!」
クルーク「まさかの明後日が誕生日なのか…そうか…」
アルル「これはこのままずっと聞いてたらもっと色んなことが聞けるかも!って…あれ?」
アミティ「ルリちゃん達がもう居ない!!」
アルル「そんな…ほんのちょっとしか目を離してないのに…」
ラフィーナ「残念いなくなっちゃったわね」
クルーク「くぅー!もう少し色々聞けると思ったのにー!」
Dシェゾ「おい、見ろ…あれ」
シェゾ「なんだ?」
Dシェゾ「さっきあいつがいたところになにか落ちてる」
ラフィーナ「まあ…あれはハンカチ…?あの子のかしら?」
アミティ「ルリちゃん、ハンカチ落として行っちゃったんだね…」
アルル「そうだ!これ次に会った時にクルークが渡してあげなよ!」
クルーク「ええ!?でも…」
アルル「ルリちゃんとお話するきっかけになるでしょ??」
クルーク「ま、まあ…そうかもしれないけど…」
アミティ「ルリちゃん、いつもこの時間に学校の前通るなら明日もまた来るかも、その時に渡してあげればいいんじゃない??」
クルーク「あ、いや…でも…それは…」
アルル「そんな引っ込んでたらいつまで経ってもあの子に思いは伝えられないよ!ほら!ハンカチ!!」
クルーク「ええ!?ちょっとアルル!」
アミティ「じゃあ明日頑張ってね!」
クルーク「アミティまで!?そんな…でも…まあ確かにチャンスっちゃチャンスかもしれないけど…でも…!」
次の日
アミティ「お待たせルルー!スペシャルいちごサンデーだよ!」
ルルー「まあ!美味しそうじゃない」
アルル「こちらはホットカフェラテです!」
ラフィーナ「いらっしゃいませー」
クルーク「やあ…」
アミティ「あ!クルーク!」
シェゾ「あれクルーク…確か今日は休みだったよな?」
クルーク「うん…そうだね…」
アルル「あ!そっか!ルリちゃんの事報告しに来たんだ!」
ルルー「ルリちゃん?」
アミティ「クルークの恋の相手なの!」
ルルー「まあ!」
アルル「それでそれで?ルリちゃんとお話は出来たの??」
アミティ「ちゃんとハンカチ渡せた?」
クルーク「いや…それが実は…」
アルル「んー?」
クルーク「ルリちゃん…今日はあの時間に魔導学校に来なかったんだ!」
アルル「ええ!?そうなの!?」
アミティ「なんで来なかったの!?」
シェゾ「まあ…犬の散歩なんだから…そんな毎日必ず同じ時間に来るとは限らないだろ」
アミティ「えー!でも今までは毎日同じ時間に来てたんだよ?」
シェゾ「それはたまたまだったんじゃないか?」
ラフィーナ「まあその可能性も全然ありえますわよね」
アミティ「そっか…それじゃあ明日また来るよ!!」
アルル「そうだよ!明日は必ず!」
クルーク「ま、まあそうだね…このハンカチも返さないとだし…」
アミティ「そういえば!ルリちゃんって明日が誕生日なんだよね?」
アルル「あ!そういえば!そうだった!」
シェゾ「そういえばそんな事言っていたな…」
アミティ「明日誕生日ならさ!誕生日プレゼントを買って一緒に渡すのはどう?」
クルーク「ええー!?誕生日プレゼントを!?」
アミティ「そう!その時にハンカチも返すの!」
アルル「それいいね!落し物を渡されて、そしてプレゼントをもらって更に告白なんかされたらきっと嬉しいだろうな…甘酸っぱい連鎖だね」
アミティ「そうそう!誕生日おめでとうって言ってプレゼントを渡して、そして落としたハンカチも返すの!」
クルーク「でも…まだ話したことも無いのに…初めて話す時に誕生日おめでとう、好きですなんて言われたらちょっと怖くないかい…?」
アルル「大丈夫大丈夫!!プレゼントもらって嫌な気持ちになる人なんて居ないよ!」
シェゾ「いや、充分怖いと思うが…」
ラフィーナ「ええ、だいぶ怖いわ…」
Dシェゾ「俺だったらプレゼント貰うような仲じゃないから受け取れませんって断るな」
シェゾ「ああ…それで正解だ…」
ラフィーナ「なんて危機感の無い子達…」
アルル「さらに閃いた!!」
アミティ「お!どうしたの?アルル」
アルル「ラブレターも書いて渡しちゃおうよ!」
クルーク「ら、ら、ラブレター!?」
アミティ「それもいいー!そうだねクルーク直接お話するのちょっと恥ずかしがってたもんね」
アルル「そう!だから好きですって気持ちを手紙に書いて誕生日プレゼントと一緒に渡しちゃうの!」
アミティ「誕生日当日にプレゼントをもらってそのまま告白…そんな事されたら絶対嬉しいだろうな…」
シェゾ「いやいや普通に怖いから…」
ルルー「ラブレターを書いて好きな子に想いを伝えるのね!」
クルーク「あ、いや…まだ書くって決めたわけじゃ…」
ルルー「いつも上からでちょっと嫌味だったけどあなたも恋をするなんて中々可愛い所あるじゃない?やっぱり男の子ね…」
クルーク「いつも嫌味は余計だ!」
ルルー「まあ!嫌味だろうがなんだろうか!私は恋する子の味方よ!!さあ!私が告白のお手伝いをして差しあげるわ!!」
アルル「おおー!すごい!ルルーもやる気満々だ!」
クルーク「え、あ、いや…気持ちは嬉しいんだけど…なんかすごく嫌な予感…」
ルルー「遠慮しないの!その恋必ず叶えられるようにお手伝いしてあげるわ!」
クルーク「いいっていいって!」
ルルー「そうと決まれば早速!みんなで集まれてゆっくり出来る所に行くわよ!」
Dシェゾ「おい…それって…」
ルルー「ここよ!」
Dシェゾ「やっぱ俺ん家じゃないか!」
ルルー「さ!せまくるしい所だけどどうぞあがって!」
Dシェゾ「ここは俺ん家だ!お前の家みたいな感じに仕切るな!」
アミティ「とりあえずラブレターの内容とかを考えようよ!」
アルル「そうだね!まず、誕生日っていうのはもう大チャンスだよね!」
ルルー「明日が誕生日…それじゃあバースデーカードっていうのはどうかしら?」
アルル「いいね!バースデーカード!」
ラフィーナ「バースデーカードねぇ…そういえばこのおうちの引き出しの中にバースデーカードがありましたわね」
アルル「え!ほんとに!?」
ラフィーナ「ほら、バースデーカード専用のレターセットですわ」
アルル「おおー!さすが!」
Dシェゾ「そんなのあったのかよ…」
アミティ「じゃあこのバースデーカードにお手紙書こう!」
アルル「どう言った文章がいいかな…」
ルルー「あんまり長くなっても相手も読む気にならないと思うのよ…だから、余計な事は言わずに大事な事だけをシンプルに伝えるといいわ!」
アルル「なるほどね…」
ルルー「好きになったきっかけとか、これからどうしたいのかとか…最初はそれだけを伝えるといいわ!あまり余計な事は書かずに…」
クルーク「それだと…可愛いルリちゃんへ、誕生日おめでとう!初めてルリちゃんを見た時から可愛いなって思ってました、好きですお付き合いしてください!これはどうかな…?」
ルルー「それはちょっとシンプルすぎないかしら?」
アルル「うん…まあ伝えたい事は伝わるけどね」
クルーク「じゃあどう言ったことを書けばいいんだい?」
ルルー「かわいいルリちゃん誕生日おめでとう!君を初めて見かけた時から君の笑顔と優しさに惹かれて僕は君とずっと一緒に居たいって思いました、好きです、友達からでいいのでぜひお付き合いしたいです、これはどうかしら?」
アルル「なるほど!それはいい文章かも!」
アミティ「確かに重要な伝えたい事をちゃんと短くして伝えているね!」
ルルー「しかもまだ話した事もないなら…友達からでいいのでって伝える事がポイントかしらね?」
アルル「確かに!すごい!さすがルルー!」
クルーク「それじゃあこのバースデーカードを渡せばいいのかな…?」
アミティ「うん!それで絶対いける!」
ルルー「プレゼントはどうしますの?」
クルーク「あ、うん…そうだね…明日デパートに買いに行こうかな…」
アミティ「ならあたし達も一緒に行くよ!」
アルル「うん!僕達にも手伝わせて!」
クルーク「一緒に探してくれるのかい?」
アルル「もちろん!」
ルルー「私も最後まで手伝わせてもらうわ!」
クルーク「本当かい…?みんな…ありがとう…」
ニュースの人「次のニュースです」
Dシェゾ「なんだ…?」
シェゾ「ニュースか」
ニュースの人「小学4年生の男子が今朝から行方不明となっております」
ラフィーナ「まあ…また誘拐かしら…?」
アルル「ね、小学4年生か…」
アミティ「まだまだ幼い子だね…可哀想に…」
シェゾ「無事に見つかるといいけどな…」
ルルー「とにかく!明日朝10時にデパート集合でいいわね?」
クルーク「あ、うん!僕は大丈夫」
アミティ「あたしも大丈夫だよ!」
ルルー「じゃあみんな明日ね!遅刻したら許さないわよ!」
次の日
アミティ「やっほー!おはよう!」
アルル「おはよう!」
クルーク「や、やあ…」
アミティ「クルーク!どうしたの!?目の下が真っ黒だ…」
クルーク「今日告白するって考えると緊張して眠れなくてね…」
アミティ「そっかー!そんなに緊張したんだね」
シェゾ「緊張して寝れないって子供かよ…」
Dシェゾ「全くだ…」
ルルー「全員集まったわね!それじゃあ行きましょう」
クルーク「でもルリちゃん何が好きかとか全く分からないよね…何をあげたら喜んでくれるかな」
ラフィーナ「小学4年生ぐらいの女の子さんですからね…」
アミティ「ルリちゃん、よく犬を連れてお散歩してるから犬が好きなんじゃない?」
アルル「うーん、だと犬の柄のハンカチとか…犬のグッズはどうかな?」
ルルー「だと1階の雑貨屋さんにありそうね」
アミティ「いってみよう!」
アミティ「可愛いー!色々ある!」
アルル「犬のコースターとか犬のマグカップとか色々あるね!」
クルーク「このマグカップ…ありかもしれない!」
ルルー「可愛いじゃない」
アミティ「じゃあそれにする?」
クルーク「そうしようかな」
アルル「じゃあ決まりだね!」
クルーク「お願いします」
店員「1980円です」
クルーク「誕生日プレゼント用にラッピングお願いします」
店員「はーい!ご準備出来次第番号札でお呼びします」
クルーク「はい、お願いします」
アミティ「プレゼントも用意出来たしあとはそれを渡して告白だね!」
アルル「今日も夕方頃に魔導学校の前に来るかな?」
ルルー「きっと来るわよ!」
Dシェゾ「まだだいぶ時間があるが…」
ラフィーナ「それじゃあ…1度Dシェゾさんのお家にでも戻って告白の練習でもします?」
アルル「僕もそれがいいと思う!」
クルーク「じゃあそうしようかな…」
アミティ「じゃあDシェゾのお家にいこう!」
Dシェゾ「また俺ん家かよ…」
ラフィーナ「あら?」
シェゾ「どうした?ラフィーナ」
ラフィーナ「あの犬…」
アミティ「犬…?あ、あの子は…!」
アルル「ルリちゃんと一緒にいたわんちゃんだ!」
犬「くうーん…くうーん…」
Dシェゾ「あんな所で1人で何してんだ…?」
犬「くうーん…くうーん…」
アミティ「わんちゃん!どうしたの??」
犬「くうーん…!」
アルル「君、ルリちゃんと一緒にいたわんちゃんだよね?」
犬「…!!わんわん!!」
アルル「あ!可愛いー!わんちゃんこっち向いた!しっぽも動いたね!」
アミティ「今日でお散歩していたの?」
犬「…」
アミティ「ルリちゃんは一緒じゃないの?」
犬「…!!わんわん!!」
アミティ「あ!こっち向いた!!可愛い〜!!」
シェゾ「でも…なんでこの犬がこんな所に1人で…」
アルル「ねえ、いつも一緒にいるあの子は?」
犬「きゅうん…」
アミティ「今日は一緒じゃないんだ!」
アルル「今日は1人でお散歩する気分だったのかな?」
シェゾ「いや…違うな」
アルル「え?」
ルルー「どういう事よ?」
シェゾ「犬は普通1人で散歩なんかしない」
Dシェゾ「ああ…こいつが1人でここにいるってことは…」
シェゾ「恐らく飼い主に何かあって、こいつは1人でその飼い主を探しに来た…」
アミティ「ええ!?」
アルル「そうなの…?」
犬「きゅーん…ぐるるる…」
Dシェゾ「その反応…ビンゴだな」
アミティ「そんな…てことは…ルリちゃんがいなくなっちゃったって事…?」
アルル「でもいなくなっちゃったって…」
犬「くうーん…」
Dシェゾ「でも探すにも手がかりが何も無い…」
アミティ「ね…せめて何か情報があれば…」
クルーク「はっ!そういえば!僕あの子のハンカチ拾った!!」
ラフィーナ「ああ…なるほど!」
クルーク「この匂いをこの子に辿ってもらえば!!」
アルル「なるほど!さすがクルーク!!」
クルーク「これはルリちゃんの匂いだ、見つけられるかい?」
犬「くんくん…わんわん!!」
アミティ「すごい!」
アルル「わかったみたい!!」
シェゾ「よし!追うぞ!!」
犬「わんわん!!」
アミティ「ここの建物から?」
ラフィーナ「なんか…誰かを誘拐してとりあえず監禁するのに最適そうな倉庫ですわね…」
Dシェゾ「それじゃあ…ルリちゃんは誘拐されているのか…?」
クルーク「よし、僕が行く」
アミティ「え!クルーク!」
シェゾ「おい!流石に危なすぎる!!ここは俺が行くから…」
クルーク「初恋の相手の女の子が…危ない目にあっているのに助けに行かないやつがいるか!!彼女は絶対に僕が助けるー!!!」
アルル「あ!待ってよクルーク!!」
誘拐犯「ふふふふふ…」
女の子「はっ…」
誘拐犯「さあ観念しろ、大人しく…」
クルーク「そこまでだ!!」
誘拐犯「なっ!?」
女の子「あっ!」
クルーク「…!!」
誘拐犯「なんだ…?なんなんだお前は!!」
クルーク「お前こそなんなんだ!まだ幼い女の子を誘拐して!!」
誘拐犯「女の子?何を言っているんだ?」
クルーク「誘拐は犯罪だ!!まだ幼い女の子に怖い思いさせるなんて…僕が許さない…その女の子は僕が助ける!!」
誘拐犯「くそ…なんかよく分からねえが邪魔するならお前も一緒に…!!」
クルーク「この未来の大魔導師クルーク様をなめるなよ!!ウィスアトラヘンディ!!」
誘拐犯「うぎゃあー!?!?」
シェゾ「おい!クルーク!!」
Dシェゾ「大丈夫か!?」
クルーク「うん!大丈夫!!」
誘拐犯「バタンキュー!!」
アルル「もうバタンキューしてるね…」
ルルー「でかいのは態度だけだったようね」
Dシェゾ「大丈夫か?」
女の子「うん!ありがとう!怖かったよ…」
シェゾ「こいつが誘拐犯か…」
誘拐犯「くっ…」
ラフィーナ「警察を呼びましたから後で署の方でみっちり絞られてくる事ね」
犬「わんわんわんわん!!!!」
女の子「あー!助けに来てくれたんだね!!ありがとう!!」
犬「きゅーん!ぺろぺろ…」
女の子「あっはははは!やめてよ!よしてよ!」
アミティ「良かった…」
アルル「感動の再会だね…」
アミティ「あ!そうだ!!クルーク!今がチャンスだよ!ほら!」
クルーク「え!?い、今…!?」
アルル「そうだよ!今告白しないでいつ告白するの!」
クルーク「あ、いやでも…こんな急に…」
ルルー「こんなチャンス今しかないわよ!だからほら!照れてないでさっさと気持ち伝えてきなさい!」
クルーク「あ、もう…わかったよ…」
女の子「ん?」
クルーク「あ、あの…ルリちゃん…今日…誕生日…だよね…?」
女の子「え?」
クルーク「た…誕生日おめでとう!!ルリちゃん!!」
女の子「えー!どうして知ってるのー!?」
クルーク「最近夕方に…魔導学校の前…いつも通ってるよね…?その時に…君と同じぐらいの女の子とお話してる所をたまたま聞いちゃって…それで…」
女の子「そうなんだ!」
クルーク「それで…その…これを受け取って欲しいです!!」
女の子「えー!何これ!プレゼントー!?」
クルーク「は、はい…それは…僕からの気持ちです!!」
女の子「ほんとに貰ってもいいの?ありがとう!!良かったねルリ!!プレゼント貰ったよ!!」
クルーク「うんうん…え??」
アルル「え…?」
ルルー「ええ…」
アミティ「えー!?」
クルーク「る、ルリ…?」
女の子「うん!この子はルリ!そして僕はまさるだよ!!よろしくね!」
クルーク「ぼ…僕…?ま…まさる!?」
シェゾ「まじかよあいつ…」
Dシェゾ「男だったんかよ…」
まさる「僕ね、昨日学校帰りに突然知らないあの人に連れて行かれちゃって…でもお兄ちゃんが来てくれて助かったよ!本当にありがとう…」
クルーク「はっ!まさか…昨日ニュースでやってた小学校4年生の男の子の誘拐事件って…このまさるくんの事…?」
アルル「あ、ああ…あの事件そうだったんだ…」
シェゾ「でもお前…なんでこんな小さい子を誘拐したんだ…?」
誘拐犯「俺…犬が大好きなんだ…」
シェゾ「は…?」
誘拐犯「それで…その子すごく可愛くて…どうしてもその子を譲って欲しかったんだ」
ラフィーナ「はあ…?」
誘拐犯「だからまさるくんを誘拐して、その犬を譲ってくれなきゃ家に帰れないぞって言って誘拐したんだ…その犬を譲って貰うために…」
クルーク「なんっだそれ…」
Dシェゾ「実ににしょーもない理由だな…」
誘拐犯「しょうがないだろ!犬が好きなんだから!」
ラフィーナ「だったら自分で買え!ですわ!」
シェゾ「まあ、誘拐は誘拐だからな」
誘拐犯「はい…」
クルーク「でもそうか…昨日誘拐されちゃってたから昨日は夕方、学校の前に現れなかったのか…」
まさる「そう!僕毎日学校が終わった後にルリとお散歩して、それがちょうど夕方のあの時間になるんだ!魔導学校の前はルリのお気に入りの散歩コースなんだよ!」
クルーク「そ、そうなんだね…あ、そうだこのハンカチは君のかい…?」
まさる「え!あー!僕のお気に入りのハンカチ!!ハンカチも落としてたなんて…僕、君に迷惑かけてばかりだね…ごめんね!!」
クルーク「いえいえとんでもない…」
まさる「僕を助けてくれたりルリへの誕生日プレゼントまで貰っちゃって…本当にありがとう!!お兄ちゃん名前は?」
クルーク「僕かい…?僕はクルークだよ」
まさる「クルークくんって言うんだね!クルークくん!もし良かったら今度僕のおうちにおいでよ!一緒にルリの散歩もしたい!!」
クルーク「え?いいのかい?」
まさる「うん!助けてもらったんだし!」
クルーク「じゃ、じゃあ今度遊びに行こうかな…?」
まさる「いつでも待ってるよー!!じゃあ僕はこれで!!」
クルーク「あ、うん…バイバイ…」
ルルー「なによこのオチ…」
Dシェゾ「女にしては結構ボーイッシュな感じだなとは思っていたが…」
アルル「まさか男の子だったとは…」
ラフィーナ「まあ!私差し置いてあのメガネの方が先にパートナーが出来るなんて許しませんわよ!」
クルーク「終わった…終わったー!!さよなら僕の甘酸っぱい初恋〜!!」
おわり