平次「今日は兄ちゃんと楽しい楽しい買い物や〜!!」
Dシェゾ「楽しいってそんな…まあ、今晩はアルルとアミティとりんごとリデルがうちに来てみんなで一緒に夕飯を食べる日だからな」
平次「せや!要するに食事会みたいなもんやな!みんなでご飯だけん、飛びっきり美味いもんたーくさん買うていかないとな!」
Dシェゾ「そうだな…何がいいか…」
平次「まずたこ焼きはかかせんな!!」
Dシェゾ「たこ焼き…冷凍のだとお前がいつも食べてるような本格的な味じゃないが…」
平次「ああー!いいんやいいんや!冷凍ので全然大丈夫や!」
Dシェゾ「そうなのか…じゃああとは…なんだ?お好み焼きとかか?」
平次「あ、いや…俺に気遣わんでも…兄ちゃんが食べたいもの選びや!」
Dシェゾ「大丈夫、平次が好きな物なら俺も食べてみたいからな」
平次「兄ちゃん…あんた、ええ子やな…」
Dシェゾ「お好み焼きもたこ焼きも美味しかったからな」
平次「にっひひひー!大阪の本場のたこ焼きお好み焼き美味かったやろー!今度はそっちが大阪に遊びに来いや!」
Dシェゾ「そ、そうだな…それじゃあ冬休みにでもまたみんなで行こうか…」
平次「冬休みな!待っとるで!約束や!!」
Dシェゾ「ああ…」
平次「あ、このな!ベビーカステラっちゅーのも美味いんやで!」
Dシェゾ「ベビーカステラ…なんだそれは」
平次「これも大阪の名物なんや!まあ、大阪のデザートっちゅー感じやな」
Dシェゾ「なるほど…平次が勧める物なら美味しそうで気になるな」
平次「やろー?じゃあベビーカステラもひとつ買うてこう!な?」
Dシェゾ「そうだな、買ってこう」
平次「俺の好きなもんばかりが揃ってもうたな…兄ちゃん!なんか好きな食べ物ないんかいな?」
Dシェゾ「そうだな…俺、ミネストローネが好きだから、それをみんなに作ってやりたいかな」
平次「おお!手作り料理をみんなに振る舞う!ええやんか!!じゃあその食材を買いに行かなあかんな!」
Dシェゾ「コンソメと人参は家にある」
平次「それだと、残りはトマトホール、玉ねぎ、ベーコン、じゃがいも辺りが必要やな」
Dシェゾ「そうだな…その辺も一緒に買っていこう」
平次「そんなら俺も…手作り料理で、手巻き寿司でも作って振舞お思うんだけど…どうや?」
Dシェゾ「いいんじゃないか?卵とカニカマぐらいなら家にあるぜ」
平次「それなら…その辺を使ってサラダ巻きみたいな感じなしてみよか!」
Dシェゾ「それはいいな…」
平次「せやろ?それじゃあさっさと済ませて家に帰って準備や!!」
Dシェゾ「思ったより荷物がたくさんになったな…」
平次「ああ…これはエレベーターで下に降りた方ええな」
Dシェゾ「すまん、その前に…」
平次「どないした?」
Dシェゾ「ちょっと屋上で休憩してかないか?」
平次「せやな…ちょっと喉もかわいてたし飲みもんでも買って飲んで少しゆっくりしてくか!」
Dシェゾ「ああ…」
平次「うまーい!!ここのタピオカ屋台のタピミルはやっぱ美味いな!!」
Dシェゾ「そうだな…」
平次「さて!充分休憩したし、そろそろ帰るか」
Dシェゾ「ああ、エレベーターで降りるんだっけか?」
平次「ああ、荷物が多いからな…」
エレベーターのお姉さん「はーい、どうぞ」
平次「はい、おおきに!」
エレベーターのお姉さん「はい、お待たせいたしました1階になります」
平次「姉ちゃん!ありがとな!」
エレベーターのお姉さん「気をつけておかえりください」
Dシェゾ「…?」
平次「どないした?兄ちゃん…」
Dシェゾ「いや…今どきエレベーターガールなんて珍しいなって思ってな…」
平次「確かに…エレベーターガールでもおった方がいい、みたいな話にでもなったんか…?」
Dシェゾ「さあ…今まではエレベーターガールなんていなかったのにな…」
平次「さあさあ!早く帰って食事の準備や〜!!ふんふふふふーん」
Dシェゾ「なあ…平次…」
平次「あ?どないした兄ちゃん?トイレか?」
Dシェゾ「あ、いや…その…デパートの屋上に携帯を忘れたかもしれなくて…」
平次「なにー!?それは大変や!急いで取りに帰るで!」
Dシェゾ「すまんな…」
男性「やばい!もう閉店5分前じゃん!!お疲れ様でしたー!」
警備員「はーい!急いでくださーい!あと5分でセキュリティシステムが作動しますよー!」
平次「ああ、あかん…もう閉店時間なんか…」
Dシェゾ「過ぎるとどうなるんだ?」
平次「ああ…セキュリティシステムが作動っちゅーことは、あの出入口も閉まってしまうって訳や!」
Dシェゾ「なるほど、それを過ぎると朝まで出られなくなるってことか…でも大丈夫、5分あれば取ってこれる」
平次「まあ…兄ちゃんの携帯の方が大事やしな…ほんなら行くで!さっさと行ってさっさと帰ってこよ!」
女性「お先に〜!」
警備員「はーいお疲れ様」
平次「よし!今や!!」
Dシェゾ「ああ!」
警備員「ん?気のせいか…」
平次「着いたで屋上!」
Dシェゾ「確か、あのベンチに座って2人で飲み物を飲んで…ああ!あった!!」
平次「あったか!?良かったな…」
Dシェゾ「ほんとに…すまないな平次、ここまで戻って来させて…」
平次「いいんやいいんや!携帯の方が大事なんやし!」
Dシェゾ「さ、今度こそ帰るか…」
平次「ああ!はよせんとセキュリティシステムの時間に間に合わへん!」
ウーウー
Dシェゾ「何だこの音は!?」
平次「セキュリティのサイレンの音や!!」
Dシェゾ「しまった!!出入口のシャッターが閉まっていく!!」
平次「あかん!走れ兄ちゃん!!」
Dシェゾ「ダメだ間に合わない…!ああ!全部降りちまった…」
平次「あっちゃー…マジでか…閉じ込められてしもーたな…」
Dシェゾ「電気も消えて真っ暗になっちまったな…平次…」
平次「大丈夫や!兄ちゃんの携帯の方が大事や!!」
Dシェゾ「本当にすまない…俺が携帯を忘れたりしたから…」
平次「大丈夫やって!!とりあえず店内の警備室に行って事情を話せばきっと開けて貰えるで!大丈夫や!」
Dシェゾ「本当か…?」
平次「警備室は…セキュリティオフィス…地下2階やな」
Dシェゾ「ここか…?」
平次「ああ…ここやな」
Dシェゾ「あの…すみま…」
平次「しっ!!」
Dシェゾ「むぐ!?」
平次「静かに…」
男A「確か、宝石売り場は6階だったな」
男B「ああ、7階の特設会場には骨董品がある」
男C「よーし、朝までにゆっくり頂くとしよう」
男D「そうだな」
平次「あいつらは…強盗団…!!」
Dシェゾ「何…!?」
平次「警備員さんやエレベーターの姉ちゃんも捕まっとるな…」
Dシェゾ「見つかったら大変だ…殺されちまうかも…」
平次「とりあえず…気づかれないように警察に連絡を…あっ」
Dシェゾ「どうした?」
平次「あかん…俺の携帯充電切れやったわ…」
Dシェゾ「まじかよ…あ、俺のも…」
平次「兄ちゃんもか…しゃーない、とりあえず…このデパートの公衆電話にでも…」
Dシェゾ「公衆電話はこれか?」
平次「せや!10円入れて…あれ、おかしいな…発信音がせーへん…」
Dシェゾ「おい!ここ…切れてるぜ…」
平次「切れてるって…!ほんまかいな!?」
Dシェゾ「あっちのも…全部だ…」
平次「そんならここのデパートの事務室の電話なら…ダメや…通じん…そうか!従業員用のはセキュリティで制御されとるんや!」
Dシェゾ「じゃあ俺たち…助からないのか…?」
平次「諦めるのはまだ早いで!!ペンキ売り場のペンキと刷毛を使こうて…窓に大きくSOSって書いて…おーい!!!気づいてくれー!!」
Dシェゾ「なるほど…こうして隣の建物の人達に知らせるのか…おーい!!助けてくれ!!」
平次「こっちみてくれ!!」
Dシェゾ「ダメだ…」
平次「こうなったら…椅子を持って…どりゃあー!!」
Dシェゾ「平次!」
平次「気づけ!!気づいてくれー!!」
強盗C「よし、セキュリティを切れ」
強盗B「了解」
強盗C「これで宝石盗み放題だな…」
強盗D「すげえ!宝石がザクザクと…ひっひひひひ」
ドン…ドン…
強盗D「なんだ?なんの音だ?」
強盗C「おい警備室!7階から変な音がするぞ!」
強盗A「分かった…7階フロアを防犯カメラで調べるぞ」
平次「ダメや…全然気づいて貰えへん…」
ビー
Dシェゾ「…!?おい!カメラが動いてる…!」
平次「なんやて!」
Dシェゾ「伏せろ平次!」
平次「ああ…!」
Dシェゾ「…!おい平次!窓いいのか…?」
平次「しまった!とりあえずシャッターを下ろして文字を隠して…はっ!」
強盗A「別に変わったところは無いな…」
強盗C「異常なしだと!?あれだけの音がしたのに…!」
強盗D「急ごうぜ、早いとこお宝を…」
強盗C「いや、念の為だ調べよう」
Dシェゾ「どこかに出口ないのか…?」
平次「静かに!!誰かこっちに来るで…」
強盗C「…」
強盗D「…」
Dシェゾ「…」
平次「…」
強盗D「このクローゼットの中とかに…」ギィィ
平次「…あっ」
強盗D「えっ?」
平次「よ、よう…こんばんわ…強盗の兄ちゃん…はは…ははははは…」
強盗D「いた…いたぞ…ガキがいたぞ!!!」
Dシェゾ「平次!!」
強盗C「ここにももう1人いたな!ガキが!!」
Dシェゾ「…しまった!!」
アミティ「今日はDシェゾのおうちでアルルとりんごとリデルと平次とDシェゾとあたしでよるごはーん!!!」
アルル「わーい!!」
りんご「食事会ですね!」
リデル「楽しみですー」
アミティ「ねー!Dシェゾ達、何を振舞ってくれるんだろうね…」
強盗C「顔を見られたぞ!」
強盗D「とっ捕まえろ!!」
平次「あかん兄ちゃん!こっちや!!」
Dシェゾ「ああ!!」
強盗C「警備室!明かりをつけろ!!」
強盗A「なんだって?よく聞こえないぞ!」
強盗B「そうだ!もっと落ち着いてゆっくり話せ!」
強盗C「ガキだ!ガキ共がいるぞ!!」
強盗D「くそ…ガキたち…どこへ行った…」
強盗C「まだ近くにいるはずだ…」
平次「…!!」
強盗D「あ!いたぞ!」
強盗C「追え!」
平次「こっちや兄ちゃん!」
強盗C「まて!クソガキども!あれ…?」
強盗D「また見失っちまった…なんだよ逃げ足が早いな…」
ピカ
Dシェゾ「なんだ!?」
平次「警備室に残ってるやつらに気づかれたんや…俺たちを捕まえる為に明かりをつけたんや!」
Dシェゾ「まずいな…早くここから離れよう…」
アミティ「ついた!Dシェゾのおうち!」
アルル「お邪魔しまーす!って…あれ?」
リデル「おうち…真っ暗ですね…」
アミティ「まだ帰ってないのかな?」
りんご「でも約束の時間は8時ですよ?」
アルル「もしかして…まだデパートでお買い物してるとか?」
アミティ「あー!そっか!確か平次たちはプリンプデパートに行ったんだよね?」
アルル「そうそう!確かそう言ってた」
りんご「それは無いと思います、だってプリンプデパートは8時閉店…今日はもう営業時間を過ぎています」
アミティ「あっ、確かに…」
リデル「それじゃあ、平次さんとDシェゾさんはなんで…」
平次「エレベーターや!」
Dシェゾ「グッドタイミングで来たな」
強盗A「ふふ」
平次「…!?降りろ!!」
Dシェゾ「え?あっ…エレベーターの電源が消えた…」
平次「ああ…危うく、エレベーターに閉じ込められるところやったんや…」
電話のアナウンス「こちらはプリンプデパートでございます、本日の営業は終了致しました」
りんご「やっぱり…」
アルル「そうだよね…」
アミティ「おかしいな…今2人の携帯に電話かけてるんだけど、平次もDシェゾも携帯出ないよ…?」
リデル「まさか…また何かの事件に巻き込まれたとか…?」
アミティ「ええー!それは大変!」
平次「急ぐぞ兄ちゃん!とにかく少しでも奴らから離れるんや!」
Dシェゾ「そうだな…!」
平次「よし!」
強盗A「俺らも一緒に捜索だ!」
強盗B「ああ!ガキをすぐにでも見つけて…」
警察の声?「やめろ!!」
強盗A「え!?」
警察の声?「警察だ!このデパートは既に包囲した、もう逃げられないぞ!!」
強盗B「なんだって…!?」
平次「今や兄ちゃん!!」
Dシェゾ「ああ、こっちだな!」
強盗A「あ!ガキ達だ!追わないと…」
強盗B「でも!警察が来てるって…」
強盗C「警察なんか居ない!!」
強盗D「ガキだ!ガキだけだ!!」
強盗A「それじゃあさっきの人影は…あ!マネキン…」
強盗B「くそ!!あいつらこんなマネキンなんか並べて脅かしやがって…!!」
強盗A「絶対逃がすな!!」
強盗B「ああ!」
アミティ「平次…Dシェゾ…」
ラフィーナ「あら、あなた達」
アルル「あ!ラフィーナ!」
シェゾ「どうしたんだ?こんな夜遅くにDシェゾの家の前でみんなで集まって…」
リデル「シェゾさんも…」
りんご「今日、8時にDシェゾの家でこのメンバーと平次とDシェゾで集まって夜ご飯を食べる約束をしていたんです…」
シェゾ「あいつの家でみんなで集まって夜ご飯を?」
リデル「はい…でも約束の8時を過ぎてるのに…2人とも帰ってこなくて…」
シェゾ「なに!?」
ラフィーナ「確かにそれは妙ですわね…」
アミティ「2人は多分プリンプデパートに買い出しに行ったと思うんだ、でもそこのデパートは8時までだしそれに2人とも携帯に電話も出ないの!!」
シェゾ「まさか、あの2人に何かあったのか…?」
平次「とりあえずエスカレーターを通って降りよう!」
Dシェゾ「ああ…!」
…ポチ
Dシェゾ「え?うわあ!?!?」
平次「なんや…!?エスカレーターが動いた!!はっ…!」
強盗C「ふっふふふ」
強盗D「ふふふふ」
平次「しまった!エスカレーターの上には奴らが…はっ…!」
Dシェゾ「下にも奴らが…!」
平次「あかんな…挟まれてしもーた…」
Dシェゾ「くそ…!どうしたら…」
平次「エスカレーターの隣にぶら下がってるワイヤー…兄ちゃん!!」
Dシェゾ「え?うわあ!?!?」
平次「ちゃんと掴まってろよ!兄ちゃんを抱えてワイヤーに掴まって…えいやー!!これで降りてって…こうや!!」
Dシェゾ「でも…!だからってその…これは…」
平次「このまま向こう側のエスカレーターに乗り移るで…ちゃんと掴まってろよ!!」
Dシェゾ「うわあああー!?」
強盗A、B「ええー!?」
強盗C「何あいつの身体能力…」
平次「到着や!!」
Dシェゾ「危なかったな…でも…さっきのは…その…」
平次「ああ!あれはお姫様抱っこっちゅーやつや!兄ちゃん抱えて一緒に逃げた方がいいかなー思てな!」
Dシェゾ「だからって!突然あのようなことをするなど…!」
平次「あいつらに捕まるよりはマシやろ?それに…」
Dシェゾ「それに…?」
平次「あんたもいつもあの姉ちゃんにやっとるやろ??なあ?」
Dシェゾ「はあ!?そんな…やってるわけねえだろ!!バカ!!」
平次「ああ、悪かった…でもそんなに怒らんでも…ははは…」
…
Dシェゾ「あれ、エスカレーターが止まったな…」
平次「…!!」
Dシェゾ「どうした…?」
平次「今…あなたの中で何かが引っかかったんや…なんや…何が引っかかったんや…」
強盗A「なんなんだよあいつら!!」
強盗B「すげえな…」
強盗C「感心してる場合じゃねえよ!逃げられちまったじゃねーか!」
強盗D「とにかく…奴らは向こう側に行った」
強盗A「ああ!すぐに追うぞ!」
ラフィーナ「誘拐…Dシェゾさんと平次さんが…?」
アミティ「うん…だってそうとしか考えられないよ…」
シェゾ「確かに…携帯も出ないで約束の時間すぎてるのに帰ってこないんだもんな…」
リデル「心配です…」
アルル「もしかして…あの時みたいにまた女の人に捕まって酷い事されてるとか…」
アミティ「じゃあまさか…犯人は…Dシェゾのストーカーで…遂にDシェゾを手に入れられたからDシェゾにあーんな事やこーんな事をしようと…」
リデル「それは大変です!だとしたら、もしかして…その人は平次さんのストーカーでもあって…平次さんも一緒に…」
りんご「それは大変です!!すぐに…」
ラフィーナ「あ、捜査一課ですか?すみません警部さんを…」
強盗A「居ねえな…」
強盗B「ああ…せっかく追い詰めたと思ったのに…」
平次「カツラを被ってマネキンのポーズ!結構上手く行くもんやな…」
ぐうー
Dシェゾ「あ、すまん…」
強盗C「いたぞ!」
平次「あかん!気づかれた!兄ちゃん!!」
Dシェゾ「すまねえ…!」
強盗D「まてー!!!」
シェゾ「すまないな…こんな時間に」
ラフィーナ「それで…」
警部さん「今のとこ男子高校生が巻き込まれそうな事件は発生してないが…未だに2人して帰ってこないのは確かにおかしいですな…」
リデル「じゃあ、やっぱり何か…」
警部さん「一応所轄にも手配しておいた、大丈夫!すぐに見つかりますよ!」
りんご「ありがとうございます…」
警部さん「今重要事件の調査中だから…一旦失礼するよ」
シェゾ「これでとりあえず打つ手は打った、あとは報告を待つだけだな…」
アルル「う、うん…そうだね…」
りんご「無事に見つかるといいんですけど…」
平次「このドーナツ美味いで!な!兄ちゃん!」
Dシェゾ「そうだな…ごめんなさい…助かったら絶対にお金払います…だから今はこれを食べさせてください…」
平次「でもこういうの一度はやってみたかったよな!」
Dシェゾ「まあな…でも…」
平次「兄ちゃん?」
Dシェゾ「俺たち…助かるのかな…本当に…」
平次「…どないしたんや兄ちゃん!そげん顔して!大丈夫!腹一杯になったんやし元気出せ!」
Dシェゾ「平次…」
平次「アイツらをやっつけてここから出るんや!絶対に!!…な?」
Dシェゾ「そうだな…そうだよな、弱気になってすまなかった」
平次「そや!それでこそ兄ちゃんや!絶対に一緒にここから出よう!」
Dシェゾ「ああ…!」
シェゾ「警部達もこんな時間まで会議なんて…余程の重要事件なのか…?」
ラフィーナ「そうね…でも警部さん達の方も…何があったのかしらね…」
リデル「りんごさん、新聞読んでるんですか?」
りんご「はい、何か手がかりはないかなって思って…」
アルル「何か気になる事件はあった?」
りんご「いや、特に何も…ん?」
アミティ「りんご?」
りんご「皆さん…見てくださいこれ!!」
シェゾ「なんだ?えっと…デパート強盗団…?」
ラフィーナ「閉店後に押し入り、宝石や電化製品を根こそぎごっそりと…」
リデル「もしかして…警部さん達が今調べてる重要事件って、この事件の事ですかね…?」
アミティ「デパート!?…まさか!!」
アルル「…あー!!!」
平次「この自転車に乗って…行くで兄ちゃん!」
Dシェゾ「ああ!」
平次「反撃開始や!!」
強盗A「どこいったガキ達…!」
平次「行くで!でやー!!!」
強盗A「うわあああーー!!」
強盗B「大丈夫か!?俺の仲間になにしやがる!」
Dシェゾ「どりゃあー!!!!」
強盗B「ぎゃあー!!!!」
強盗D「なんだなんだ!?」
強盗C「どうした!?」
平次「あんたらにも…」
Dシェゾ「喰らえー!自転車アタックー!!!」
強盗C、D「うぎゃああああー!!!!」
強盗A「今度はどこに隠れやがった!?」
強盗B「あれだ!酒コーナーの所にチャリンコが止めてある!」
強盗C「じゃあこの辺に隠れてるな…」
Dシェゾ「床に酒を流して…」
強盗D「うわああ!!滑る〜!!」
強盗C「おい!何やってんだよ!って!うわあー!!」
平次「今や!酒を噴射させて…酒アタックや!!!」
Dシェゾ「俺も!」
強盗A、B「わあー!!!!」
強盗C「おい!やめろ!」
強盗D「俺は…酒には弱いんだ…ひっく…」
Dシェゾ「今度はゲームコーナーで…ボール発射だ!!」
強盗A「うわあー!!ボールが沢山飛んでくるー!!」
強盗B「ひゃー!これじゃ近寄れない!!」
強盗C「くっそ…!あいつらめ…!!」
平次「今や…」
強盗C「え?」
平次「どりゃあー!!!」
「うわあー!!!!」
Dシェゾ「体を縄で縛って…よし!これでいいな」
平次「ああ!強盗団4人全員捕まえたで!!やったな兄ちゃん!!」
Dシェゾ「ああ!平次が一緒にいてくれたおかげだ」
平次「兄ちゃんも大活躍だったで!!」
Dシェゾ「ありがとうな、平次」
平次「こっちこそ!ありがとうな兄ちゃん!」
Dシェゾ「さあ、早くここから出て警察に…」
…
Dシェゾ「…!?」
平次「兄ちゃん?」
Dシェゾ「今…あの監視カメラが動いた気がして…」
平次「…!!そうか!そーゆー事だったのか!!」
Dシェゾ「平次?」
平次「ああ…実はな…」
エレベーターのお姉さん「…!?誰!そこにいるのは…」
平次「俺らや!エレベーターの姉ちゃん!」
エレベーターのお姉さん「あら!あなた達は昼間のお兄さん達!どうしてこんな所に?とにかくここにいると危ないわ、悪い人達がいるの…さあ、お姉さんと一緒に逃げましょう?」
平次「もうそんな事やめようや」
エレベーターのお姉さん「え?」
平次「もうみんな分かってるんや…な、エレベーターの姉ちゃん、いや…強盗団の5人目のメンバーさん!」
エレベーターのお姉さん「な、なんの事…?」
平次「あの時エスカレーターを動かしたのは5人目の人間…つまり、あんたやろ?俺たち2人がエスカレーターに揃うのを待ってな…警備員室に残っていた人間の中で俺たちを知っていたのはそう…あんただけなんや」
Dシェゾ「あんたはエレベーターガールとして前もってデパートに入り込み、偵察と手引きをしていたんだ」
平次「そうやろ?姉ちゃん」
エレベーターのお姉さん「あ、あなた一体…!」
平次「おれは服部平次…西の高校生探偵や!」
強盗団の女「名推理だね…少年達…でもあたしが強盗団のボスだってのは分からなかったようね…うふふふ」
Dシェゾ「なっ!あれは…」
平次「あれは…拳銃!?」
強盗団の女「はっ!!」
Dシェゾ「うわあ!?!?」
平次「飛び道具なんてずるいで!!」
強盗団の女「お待ち!!!!」
平次「こうなったら屋上におびき寄せて…」
強盗団の女「ジ・エンドだよ少年達!!出てらっしゃい!!」
Dシェゾ「…はっ!!」
強盗団の女「そこか!!」
Dシェゾ「これは…バスケットボールだ!これを…えーい!!!」
強盗団の女「はっ!悪あがきはやめな!!」
Dシェゾ「このバスケットボールをひとつ使って…行け!マッドシャドウ!!!」
強盗団の女「はっ!きゃっ!!!」
Dシェゾ「よし!」
強盗団の女「くっそ…銃はどこだ!?あ、あそこに…!」
平次「この巨大風船の紐を銃の周りに来るように投げて…」
強盗団の女「よし!」
平次「今や!!」
強盗団の女「えっ!?あー!!」
平次「かかった!あとはあの姉ちゃんの足を縛ったまま風船を浮かせて…」
強盗団の女「あっ、あっ、いやー!待ってー!!あたし高いとこ苦手〜!!下ろしてー!!」
Dシェゾ「やったな平次…」
平次「ああ!俺らの勝ちや!!」
警察A「あれ?なんでプリンプデパートのシンボルの巨大風船が上がってるんだ?」
警察B「窓にSOSって書いてある…!」
警察C「シャッターを開けてとりあえず中に!」
アミティ「平次ー!Dシェゾー!!」
アルル「あれ?強盗団らしき人達が縛られてるよ」
リデル「なんと…」
警部さん「こいつらが強盗団だな!連れてけ!!」
Dシェゾ「すー…すー…」
平次「んー…むにゃむにゃ…」
ラフィーナ「まあ!おふたりとも…」
シェゾ「こりゃ参ったな…」
アミティ「疲れて寝ちゃったんだね…でも凄いよ…」
りんご「これは…食事会はまた今度ですね」
アルル「そうだね…」
翌日、平次とDシェゾは強盗団を捕まえた功績で表彰された
食品売り場で食べた物や色んな売り場で壊した商品のお咎めは一切なかった
そして、その日の夜に食事会もちゃんと開催された
Dシェゾ「しかし今回はもうほんとにダメかと思ったぜ…」
平次「でも兄ちゃんが諦めんかったからこうしてちゃんと無事に出られたし、犯人も捕まえる事が出来たんや!!」
アミティ「強盗団を捕まえちゃうなんてすごーい!!」
アルル「ほんとにね!でも本当にすっごく心配したんだから!」
平次「ああ…すまんな、俺ら2人して携帯の充電切れとったんや…」
Dシェゾ「まさに最悪の状況だったからな…」
リデル「でもそれでも強盗団さん達に勝てたんですから…本当にすごいです…」
平次「ま!俺らのかたーい絆の大勝利やな!」
Dシェゾ「ああ…俺らの絆には誰も勝てねえな」
アルル「ふふ、いつの間にそんなに仲良くなっちゃって!」
アミティ「いいなぁ…」
平次「兄ちゃんだけやない!あんたらも固い絆で結ばれてる大切な友達やで!」
リデル「ほんとですか…?そう言って貰えると嬉しいな…」
平次「ああ!兄ちゃんも!これからもかたーい絆を大切にずっと仲良くしようや!兄ちゃん!いや…Dシェゾ!」
Dシェゾ「平次…!」
平次「にこ〜!」
アミティ「ねえねえ、そういえばこれは何?」
りんご「それ私も気になってました!なんか丸っぽい形のような…でもちょっとだけ形が歪で…なんだろうこれって思ってました…」
平次「それは多分ドーナツやな!」
リデル「ドーナツ…ですか?」
平次「昨日逃げてる途中に腹空いて兄ちゃんと食品売り場でたまたまこっそりつまんだのがドーナツやったんや!そしたらDシェゾ…そのドーナツが偉い美味しかったみたいで、ハマったみたいやんな!それで自分も作ってみようと思ったらしいで!」
アルル「へ、へえ…そうなんだ…」
Dシェゾ「ドーナツって美味しいなって思って…せっかくだからみんなにも食べて貰いたいと思ってな、作ったんだ」
りんご「そ、そう…ありがとう…」
アルル「じゃあ、1つ貰おうかな…?」
リデル「私もおひとつ…頂きます…」
平次「1つと言わずいくつでも食えや!な?」
アミティ「パク…う、うん…?」
Dシェゾ「美味いか?」
アミティ「あ、うん…美味しいよ…ねえ、みんな…」
リデル「はい…とっても…あはははは…」
アミティ「(Dシェゾには悪いけどこれにっがーい!!形もなんか歪でちょっと食べにくいし…!)」
アルル「(揚げすぎなのかな…?なんかすごく苦いよこれ…)」
Dシェゾ「まだまだ沢山あるから沢山食べろ」
アミティ「あ、うん!美味しいよ!でもこれ美味しすぎるからなんかあたし達だけで食べるの勿体ないな〜!そうだ!お店に持って行ってみんなにも食べてもらおうよ!!」
アルル「あ!それいいね!そうしよう!あはは!あはははは…」
Dシェゾ「そうか!そんなに美味しかったか!」
平次「じゃあもっと追加で沢山作ってみんなにも配らなあかんな!」
Dシェゾ「そうだな…まさかこんなに好評になるとは…」
平次「でも今回の分でドーナツの材料は全部使ってしもーたんよな?」
Dシェゾ「そうだな…だから…」
平次「ああ!材料をまた買いに行かなあかんな!!」
アルル「え、ええー!」
りんご「なんでそうなるかな…」
アミティ「平次とDシェゾは…今日はもう疲れたでしょ!?だから今日はもうゆっくり休んだ方が…」
アルル「そうだよ!昨日も強盗団捕まえて疲れたでしょ?だから…ね?」
平次「よしゃ!行くでDシェゾ!!」
Dシェゾ「ああ!今日買った分の倍必要になるな!」
アルル「なーんでこうなるんだよー!!」
リデル「今回はこういうオチですか…」
おわり