アミティ「今日はみんなで夏休み最後のお出かけ〜!」


シグ「わーい」


リデル「嬉しいです…」


アルル「今日は田舎に泊まるんだよね?」


ラフィーナ「ええ、今日は私の親戚の方が以前住んでいた田舎のお家に泊まりますのよ」


サタン「大自然に囲まれた所なんだっけか?」


ラフィーナ「そうですわ!」


Dシェゾ「田舎か…なんか珍しいな」


ラフィーナ「たまにはいいじゃない!」


シェゾ「地図通りに行くとあそこになるが…あそこで合ってるか?」


ラフィーナ「ええ!あそこよ!」


りんご「おお…!なんかすごそう」




アミティ「わー!!」


アルル「すごい…」


リデル「なんだかすごくレトロです…」


りんご「お邪魔しまーす!」


シェゾ「へえ…思ってたより広いな…」


りんご「台所用品も揃ってます!」


リデル「私の家のお風呂より広いです…」


アミティ「わーい!!」


シグ「わー」


リデル「わーい…!」


ラフィーナ「あ、ちょっと!縁側を走らないの!!」


アルル「滑ったりして転んだら危ないよー!」


ラフィーナ「あ、そういえば行列の出来る和菓子屋で塩大福買ってきてたんですわ」


サタン「塩大福か…いいじゃないか!」


ラフィーナ「ええ!みんなで食べましょう…あら?」


Dシェゾ「どうした?」


ラフィーナ「1つ無くなってる…」


サタン「ええ!?なんで…?」


ラフィーナ「サタン!どうせあなたがこっそり食べたんでしょ?」


サタン「え、食べてないぞ…?」


ラフィーナ「だって1つ無くなってますもん」


サタン「私は食べてない!!」


ラフィーナ「じゃあアミティさん達かしら…?」


アミティ「塩大福なんて食べてないよー!?」


シグ「食べない」


リデル「私も違います…」


ラフィーナ「他の方達は…?」


りんご「私も違います!」


Dシェゾ「俺も知らないぜ…?」


ラフィーナ「それじゃあまさか…シェゾさん?」


シェゾ「食べてねえよ!」


ラフィーナ「そう…」


サタン「ラフィーナはいっつも人のせいにしてー!!」


ラフィーナ「私だって食べてないわよ!!変ね…」


シグ「うー…」


ラフィーナ「あら?シグ、どうしたの?」


シグ「外に誰かいる…うー…」


ラフィーナ「外に…?誰かしら」


???「やあ」


ラフィーナ「ひゃあ…!!ぎゃー!!!!!」バタ


アミティ「ラフィーナ!?」




げん「すまんすまん、驚かすつもりはなかったんだ…わしはあんたの親戚のいとこの友達の斜向かいに住む者で、この家を管理してる者だ…げんさん、とでも呼んでくれ」


シェゾ「はあ…」


ラフィーナ「はい…お世話になります…」


げん「わからんことがあればなんでも聞いてくれ」


アミティ「は…はくしょん!!うう…寒い…」


Dシェゾ「くしゅん!!確かに…なんか寒いな…」


ラフィーナ「あら、2人とも風邪かしら…?」


アルル「そう言われてみればなんか急に肌寒いくなったね…」


げん「そういえばあんたら!綺麗なホタル見たいか!?」


アミティ「え!ホタル!?」


アルル「ホタルが見られるんですか!?」


げん「ああ!綺麗なホタルがいっぺーこと見られるで!!」


リデル「すごいです…」


Dシェゾ「ホタルってなんだ?」


アミティ「絶対そう来ると思った!!」


ラフィーナ「まあ…そうよね…」


りんご「ホタルっていう虫です!ホタルはカブトムシと同じ甲虫の仲間でおしりが光る虫なんです!一般的にホタルと呼んでいるのはゲンジボタルとヘイケボタルですが、世界中に約2900種類も確認されていて日本には44種類が生息してるんです!そのほとんどは一生を森や林などの陸上で過ごします、そしてゲンジボタルとヘイケボタルの仲間は幼虫時代を水で過ごし、綺麗な水流にしか生きられないことからホタルは自然環境のパロメーターとも言われています!」


アルル「りんご!その説明はちょっと長くて難しいと思うよ…!」


りんご「あ、ごめんごめん!まあ要するにホタルっていう虫がいるんだよ」


Dシェゾ「なるほど…虫なのか…」


アミティ「そう!ホタルはおしりが光るんだけど、光るとすごく綺麗なの!」


Dシェゾ「へえ…そうなのか」


げん「ここら辺に毎年綺麗なホタルがいっぺー出る穴場があるんだべ!」


アミティ「へえー!」


げん「見てえなら今晩連れてってやるべ!」


アミティ「それはすごい楽しみだね!」




げん「じゃあまた夜な」


シグ「うー…」


アミティ「シグ!どうしたの!?」


リデル「シグさん、さっきからずっとあのおじいさんのこと威嚇してるみたいですね…」


アルル「確かに!今もホタルの話してて、虫の話なのに反応しなかったし…」


シェゾ「それほどあのじいさんが気になったんだな…多分」


ラフィーナ「知らないおじいさんに会ってちょっと興奮しちゃったのかしら…?」




ラフィーナ「塩大福残り12個ね…残りは明日食べましょう」


シェゾ「またなんか寒くなってきたな…」


ラフィーナ「確かに…そうね」


アミティ「面白いテレビやってないかなー!えい!」


ブチン


アミティ「え?」


アルル「何!?停電!?」


リデル「真っ暗になりました…怖いです…」


Dシェゾ「懐中電灯あっただろ、誰か懐中電灯を…」


げん「ばあ!」


ラフィーナ「ひゃあああー!?!?」


シェゾ「うわあああ!?」


げん「わしじゃよ!」


アミティ「あ、なんだげんさんか…」


アルル「あーびっくりした…」




げん「すまねえな…この村はしょっちゅう停電が起こるんじゃ…」


ラフィーナ「そ、そうなんですね…」




アミティ「おおー!」


ラフィーナ「綺麗ですわね!」


Dシェゾ「これがホタル…」


サタン「綺麗だろ?ホタル」


Dシェゾ「あ、ああ…綺麗だな…」


げん「東京ではなかなか見られん風景だろ?」


りんご「結構人がいますね…」


おばあさん「あら、どこから来たの?」


リデル「あ、はい…東京のプリンプタウンです…」


おばあさん「まあ!そんな遠くから!うふふ、この村のホタルの言い伝え知ってる?」


シェゾ「ホタルの言い伝え?」


おばあさん「この村ではね、亡くなった人がホタルになって親しい人に会いに来るって言われているの」


アミティ「亡くなった人が…」


アルル「親しい人に…?」


サタン「尻を光らせて会いに来るなんて…なんだかちょっとえっちだなー!!!」


シェゾ「やめんか!下品だな…」


ラフィーナ「そうよ!恥ずかしいから…!」




シェゾ「そろそろ帰るか」


りんご「そうですね…」


アミティ「あれー?げんさんは?」


Dシェゾ「そういえば…」


リデル「先に帰っちゃったんですかね…」


ラフィーナ「すみません、私たちと一緒に居たおじいさん見ませんでした?」


おばあさん「え、おじいさん…?そんな人いた…?」


シェゾ「えっ…?」


おばあさん「それじゃあ、おやすみなさい」


ラフィーナ「これって…一体…」


アルル「うん…どういう事…?」


アミティ「もしかして…げんさんって、あたし達にしか見えない幽霊だったりして…!?」


サタン「幽霊…幽霊か…」


Dシェゾ「ははは…おもしれえ事言うじゃねえか…」


ラフィーナ「ほんとほんと…」


シェゾ、ラフィーナ「はっ…!!」


シェゾ「そういえばげんさんがいる時って…やたら寒くなかったか…?」


ラフィーナ「シグも…大好きな虫の話を無視するほど…威嚇してましたわよね…」


アミティ「もしかしてげんさんって…あたし達に会いに来たでっかいホタル!?」


りんご「ひええ!!!!」


リデル「もしかして…ホタルの言い伝えは…ほんとだったんじゃ…!」


シェゾ「おい!その妄想やめろ!!」


ラフィーナ「そうよ!夢に出てきそうですわ…」




げん「ひっひっひっひ、わたしゃホタルだよ〜へっへっへー」


シェゾ「うっ…うう…」


ラフィーナ「うーん…うーん…」




次の日の朝


シェゾ「全然寝れなかったぜ…」


ラフィーナ「私もですわ…」


Dシェゾ「俺も…夢にあいつの顔してるホタルが出てきてよ…」


サタン「私もそうだ…はあ…」


ラフィーナ「ねえ…あとでげんさんの家に行ってみません…?」


シェゾ「そうだな…」


アミティ「ねえねえ!塩大福もうないの??」


ラフィーナ「え?おかしいわね…昨日12個あったのに…」


Dシェゾ「いつ数えたんだ?」


ラフィーナ「確か、げんさんが…来る前!!」


シェゾ「ええ…」


サタン「そんな…まさか…」




アミティ「塩大福…隠してたなんて…」


ラフィーナ「これはご近所のご挨拶用に持ってきたの!」




シェゾ「げんさん家、ここだな…」


ラフィーナ「すみませんー!」


お孫さん「はーい!」


サタン「おお!この人…かわいいー!!」


アルル「サタン…!」


サタン「あ、そっか…そんなこと言ってる場合じゃないか…」


ラフィーナ「はじめまして、ラフィーナですわ」


お孫さん「ああ!あなたがラフィーナさん!」


ラフィーナ「あの、これ…つまらない物ですが…」


お孫さん「まあ!塩大福!!」


ラフィーナ「こちらに来てから、そちらのおじい様にお世話になっております」


お孫さん「おじいちゃん…?おじいちゃんは2年前に亡くなりましたけど…」


ラフィーナ「ええ!?」


シェゾ「何!?」


お孫さん「塩大福が大好きでした…」


アミティ「ええー!?」


Dシェゾ「おい…これって…」


アルル「一体どういう事…?」


げん「やあ」


りんご「え?ぎゃあー!!!!!」


サタン「出たー!!幽霊!!」


リデル「こわいです…!」


げん「誰が幽霊じゃ!」


アミティ「それじゃあ…でっかいホタル!?」


げん「なんだそりゃ」


お孫さん「またエアコンつけっぱなしだったわよ、おばあちゃん」


げん「え、あっ…ああ…すまんすまん」


アミティ「え?おばあちゃん?」


シェゾ「おばあちゃん…」


ラフィーナ「ええー!?」


げん「ふふふふふ」


お孫さん「エアコンつける時は窓閉めてって言ってるでしょ?」


げん「あーわかったわかった!」


ラフィーナ「あっ…」


シェゾ「そういえばあの家エアコンあったな…」


サタン「確かに…通りでげんさんがいる時寒かったわけだ…」


げん「塩大福貰ったんけー??」


お孫さん「ええ!」


げん「あんたんちにあるの食べたけど、美味しかったわ〜!!」


Dシェゾ「あー!!」


ラフィーナ「それじゃああの塩大福を食べたのは…げんさん!?」


お孫さん「おばあちゃんひとんちの物勝手に食べちゃダメでしょ!?どうもすみません…」


りんご「あの…昨日ホタルを見たあとは…?」


げん「停電になると家のビデオタイマー切れちゃうんだよね〜それ忘れててさ…ドラマ予約してたからそれ思い出してダッシュで帰ったんじゃ!間に合ってえーがったー!」


シェゾ「はあ…」


アミティ「えーがったえーがった…幽霊じゃなくてえーがった…」


シグ「じー…」


ラフィーナ「あ、ちょっとシグ!」


リデル「シグさんダメですよ…そんなに警戒しちゃ…」


げん「なんかよくこのぐらいの中坊に警戒されるんじゃよ、まあよくある事だからもう慣れてたけどなー!」


サタン「は、はあ…」


げん「とりあえず…上がってお茶でも飲んでけ!」


お孫さん「どうぞ!」


ラフィーナ「はあ…」


シェゾ「じいさんじゃなくて…ばあさんだったのか…」


げん「誰がじいさんじゃ?」


シェゾ「あ、えっと…どうもすみません!」


げん「ふふ、いいんじゃよ!にっこり!」


ラフィーナ「なんなのよ…」


アミティ「やれやれだね…」




終わり