アミティ「暑いね〜」


リデル「はい…暑いです…」


ラフィーナ「まったくみんなだらしないわね!このぐらいの暑さでへばるなんて情けないわよ!!」


アミティ「そんなこと言ったって…」


Dシェゾ「ああ…暑いものは暑いぜ…」


アルル「うう…暑すぎて頭の中もう真っ白だよ…」


りんご「はい…今年の夏も暑くなりそうですね…」


ラフィーナ「全く…あ、そうですわ!」


レムレス「ん?」


シェゾ「どうしたんだ?」


ラフィーナ「皆さんに紹介したい和菓子のお店がありますの!」


アミティ「え!和菓子!?」


ラフィーナ「ええ!この近くに梅やまって言う、美味しいたい焼きのお店がありますの!」


アルル「おお!たい焼き!!」


レムレス「あ!そこ知ってる!!世界一美味しいたい焼きって言われてる老舗のお店だよね?」


ラフィーナ「そうですわ!!」


りんご「ああ…そういえば…この前あるバラエティ番組で紹介されてたかもです」


ラフィーナ「なんたって作り方からもう本格的なんですわ!!まずたい焼きの型に米油を塗って特製の生地を流し込んでその中に特製の小倉や抹茶などを入れて焼き上がる寸前まで一切型を外すことなくじっくり焼くの!!」


アミティ「へえー!美味しそう〜!!」


ラフィーナ「美味しそうじゃなくてとっても美味しいのよ!!お父様だってすっごくハマってしまって…」


レムレス「確か梅やまのたい焼きは最初は元々小倉味だけだったんだけど、確か後に抹茶味とかも新発売されたんだっけ!」


ラフィーナ「ええそうですわ!そして今日から新作のチョコたい焼きが発売されるのよ!!世界一美味しいたい焼きのチョコ味なんて最高じゃない!!」


シェゾ「そんなに美味いのか…」


りんご「それはすごい楽しみです!」


リデル「そうですね…世界一美味しいチョコたい焼きが食べられるなんて嬉しいです…」


アミティ「そうと決まれば早速行こうよ!」


アルル「そうだよそうだよ!!早く世界一美味しい梅やまのチョコたい焼き食べたい!!」


ラフィーナ「そうね!そうと決まれば早速行きますわよ!」




小春さん「いらっしゃいませ」


アミティ「こんにちわ!ここが梅やまってお店ですね!」


アルル「世界一美味しいチョコたい焼きを買いに来ました!!」


レムレス「わあ!あるよたい焼き!!えっと…小倉味に抹茶味に…あれ??」


Dシェゾ「チョコたい焼き…ひとつもねえぞ…?」


小春さん「はい…実はチョコ味はもう売り切れてしまって…」


アミティ「えー!そんなー!!」


ラフィーナ「チョコ味が全部売り切れだなんて…」


りんご「このために来ましたのに…残念ですね…」


レムレス「あ!でも…確か梅やまのたい焼きってこのお店だけで売ってるわけじゃないんですよね!」


小春さん「え、ええ…この近くのわらび屋、かくれんぼ、さくら亭、饅頭屋ってお店でも売ってますよ」


レムレス「ですよね!この前のバラエティ番組で梅やまのたい焼きはわらび屋とかくれんぼとさくら亭と饅頭屋でも売ってますって言ってましたもんね!」


アミティ「それじゃあそのお店に行けば梅やまのチョコたい焼きが食べられるってこと!?」


社長さん「おいおい小春さん!!チョコ味が全部消えたってホントなんですか!?」


ラフィーナ「チョコ味が消えた!?」


アミティ「消えたって…どういう事なんですか??」


社長さん「どうしてそんなことになったんですか!?」


小春さん「それが…実はよく分からなくて…」


社長さん「分からないだと!?」


小春さん「今朝、梅やまの職人さんらが確かに納品してくれたんですけど…」




職人さんA「小倉味40箱、抹茶味40箱、チョコ味40箱あります」


小春さん「はい、ご苦労様です」


職人さんB「そうしたら…並べちゃいましょうか」


職人さんA「よいしょ…っと」


職人さんC「シャッターを開けて開店準備を…あら?まだ陳列は終わらないの?」


職人さんB「あれ…??おかしいな…チョコ味が…」


職人さんA「おかしいな…さっき確かに並べましたよね?」


職人さんB「ああ…おかしいな…」


小春さん「とにかく…早く並べないとお客さん来てしまいます…」


職人さんA「在庫棚の中に…あれ!?チョコ味がない!!」


小春さん「ええ!?」


職人さんB「誰や!どこにやった!?」




小春さん「それで、ほかの店から分けてもらう為に職人さんらが…」


職人さんB「おい!えらいこっちゃ!!」


アミティ「ん?」


職人さんB「わらび屋もかくれんぼもチョコ味が消えておる!!」


ラフィーナ「ええ!?」


アミティ「ええー!?」


レムレス「他のお店も!?」


小春さん「それは一体…どういうことでしょうか…」


職人さんA「あかん!!さくら亭の店でもチョコ味無くなってたわ!!」


職人さんC「饅頭屋にもありませんでした…」


社長さん「なんだって!?という事は…5店舗全てからチョコ味が消えたって事か!?」


職人さんA「そういうことになりますな…」


アルル「ちょっと…これって…」


シェゾ「ああ…こんな事って…」


Dシェゾ「これは…事件だな…」


リデル「はい…梅やまのチョコ味のお菓子が全部なくなっちゃうなんて…」


ラフィーナ「梅やまのチョコたい焼きが無くなってしまうなんて…そんな事あってはなりませんわ!!」


アミティ「え?」


リデル「ラフィーナさん…??」


ラフィーナ「その消えたチョコたい焼きの謎…私が解き明かしてみせますわ…!!」


シェゾ「おいおいラフィーナ、それは…」


社長さん「おお!ほんとですか!!」


職人さんA「ぜひ!力を貸してください!!」


ラフィーナ「お安い御用ですわ!!この私に任せてください!!必ず…必ずチョコたい焼きを見つけてみせますわ…!」


アルル「すごい…ラフィーナがやる気満々だ…」


Dシェゾ「よっぽどここのチョコたい焼きが食べたいんだな…」


りんご「あの…」


レムレス「ん?どうしたの?りんご」


りんご「あの天井についてるの…あれって、監視カメラですよね??」


シェゾ「監視カメラか…なるほど…!」


小春さん「映像はお店を開けた午前10時からしかありませんが…」


Dシェゾ「肝心の消えたお菓子を並べた棚が写ってないな…」


小春さん「今日の撮りはちょうどカメラの下で…」


社長さん「ちょうどチョコ味のお菓子が無くなったことに気づいた所やな」


小春さん「この後みんなで店中探したんですけど…」


シェゾ「…!?ちょっと止めてくれ!!」


アルル「どうしたの?シェゾ」


シェゾ「左上の画面のピンクの服の人…少し変じゃないか?」


アルル「え?」


アミティ「消えたお菓子の棚に近づいたから??」


りんご「いくらなんでもこんな短時間で盗むなんて無理ですよ…」


リデル「それに…このお客さんが来たのはチョコ味が無くなった後ですよ…?」


シェゾ「そうじゃなくて…今日は結構暑いだろ?それにしてはこの人、やけに暑そうな服じゃないか?」


りんご「ああ…確かに…こんなに暑いのに長袖の服を着てますね…」


ラフィーナ「確かに…そう言われてみればそうね…」


Dシェゾ「でも…そんなことは別にどうでも良くないか…??」




職人さんA「本当に申し訳ございません!!」


職人さんB「明日には入荷しますので…」


お客さんA「まだお昼前なのに売り切れって…ちょっと早くない??」


お客さんB「せっかく楽しみにしてたのに…チョコ味のたい焼き…」




ラフィーナ「あの…チョコ味は今から作れないんですか??」


職人さんB「今日のチョコレートは全部使ってしまってな…」


職人さんA「チョコ味に使うチョコレートはうちで作ってるんじゃなくて、海外から厳選されたものを購入してるんです」


社長さん「その通りです、明日の分は明日にならないと来ないんですよ…」


レムレス「じゃあ、チョコ味は明日までお預けって事か…」


社長さん「いや…ほんとは今日でないとあかんかったんです…」


ラフィーナ「今日でないとあかんって…どうしてですか?」


社長さん「今日は先代社長の命日なんで…」


レムレス「あ、ああ…」


社長さん「だからこそ今日新商品を売り出したかったのに…」


職人さんC「申し訳ございません、チョコたい焼きはもう売り切れてしまって…」


お客さんC「えーそんなー!!」


お客さんD「売り切れなんて…」




社長さん「何より…あなた達や…チョコたい焼きを楽しみにしていた他のお客様たちに本当に申し訳ない…」


シェゾ「…」


小春さん「今、さくら亭の店長さんに電話で聞き込みをしてみました」


アルル「梅やまのたい焼きを置いてるお店ですか?」


小春さん「はい…そしたら、チョコ味が無くなった時に…不審な車が店の前に止まっているのを見たって…さくら亭の店長さんが…」


Dシェゾ「不審な車だと…?」


レムレス「車種とナンバーは?」


小春さん「ピンク色の小型車だったみたいで…車種とナンバーまでは分からないそうです…」


Dシェゾ「ピンク色の小型車だけじゃ…」


職人さんB「あの…」


レムレス「ん?」


職人さんB「ピンク色の小型車なら…私も見ました…」


Dシェゾ「なに!?」


アミティ「え?」


ラフィーナ「見たって…いつですの!?」


職人さんB「えっと…あれは確かな…」


職人さんA「チョコ味が消えて探してた時だ!」


社長さん「お前も見たんか!?」


職人さんA「ええ!店の前に停まってました!」


Dシェゾ「しかしな…」


レムレス「せめてナンバーだけでも分かればな…」


シェゾ「だったらほかの店にも聞いてみればいい」


Dシェゾ「え?」


シェゾ「その車の人が犯人なら、ほかの店でも見られてるかもしれないだろ?」


ラフィーナ「確かにそうですわね…」


アミティ「それじゃあみんなで聞き込みに行こうよ!」


アルル「そうだね!なにか手がかりがつかめれば!!」


ラフィーナ「そうしたら私はわらび屋のお店に行ってきますわ!グズグズしてたら逃げられてしまいますわ!!」


アミティ「あたしもラフィーナと一緒にわらび屋のお店に行く!」


リデル「それじゃあ…私はかくれんぼのお店に行きます」


Dシェゾ「俺もリデルと一緒に行く」


ラフィーナ「りんごさんとアルルさんは残りの饅頭屋のお店に!」


アルル「うん!分かった!!」


りんご「ガッテン承知です!!」


ラフィーナ「レムレスとシェゾさんはここでみんなからの連絡を待ってて!」


レムレス「うん!わかったよ!」


シェゾ「お前ら…容疑者の車のナンバーを断片的でもいいから聞きだして連絡をくれ」


アミティ「わかったよ!」


シェゾ「俺がそれを繋ぎ合わせるから…!」




ラフィーナ「ピンク色の小型車なんですけど…」


わらび屋の女性店員「ああ…そういえば店の前に停まってましたね…」


ラフィーナ「ほんとですの!?」


アミティ「ちなみにナンバーは…?」


わらび屋の女性店員「ええ…そこまでは…ちょっと…」


アミティ「少しでもいいんです!覚えてる番号があれば教えて欲しいです!!」


わらび屋の女性店員「そう言われてもね…」


わらび屋の男性店員「確か、城見ナンバーだったよ」


アミティ「ほんとですか!」


ラフィーナ「ありがとうございます!」




かくれんぼの店員「ああ!見た見た!!確か城見ナンバーで頭が11、だったのは覚えてるけど…」


リデル「頭が11、ですね」


かくれんぼの店員「だけど、全部のお店でチョコ味が無くなるなんてな…はい、毎度」


Dシェゾ「ありがとう、ちなみに…なにか心当たりはあるか?」


かくれんぼの店員「もしかして…無くなった先代社長のたたりかもしれんな…」


Dシェゾ「げっ…」


リデル「た、たたりですか…?」




アミティ「もしもしシェゾ!車のナンバーは最後の方に8が入るって事しか分からなかったよ」


シェゾ「最後の方に8だな、分かった」


レムレス「なるほど…ピンク色の小型車でナンバーは恐らく11-?8か、11-8?ってところかな」


シェゾ「とりあえずこれを警察に連絡して使用者照会をしてもらおう」


レムレス「そうだね」




レムレス「目撃された車の使用者が分かったって」


職人さんA「ええ…」


レムレス「大阪市城見に住む川口まことって女性の方らしい、年齢は23歳…」


シェゾ「なるほど…この女に何か心当たりはあるか?」


社長さん「いいえ…」


職人さんA「全く…」


職人さんB「初めて聞く名前だな…」


レムレス「そっか…分かりました、今警察の人にNシステムでその車の事を調べるようにお願いしましたので…」


シェゾ「…あれ、店の外…あっ!お前ら…!」


リデル「梅やまさんのたい焼きすっごく美味しいです…!」


ラフィーナ「ここのたい焼きはやっぱり最高ですわ!」


アミティ「シェゾも一緒に食べようよ!!Dシェゾが買ってきてくれたんだよ!!」


シェゾ「お前らなぁ…」


リデル「抹茶味のたい焼き…すっごく美味しいですね…!」


ラフィーナ「でしょ??私も抹茶味で梅やまのたい焼きにハマったのよ」


Dシェゾ「でも…先代の社長はそれ気に入ってなかったみたいだぜ…」


アミティ「え?そうなの?こんなに美味しいのに…」


Dシェゾ「元々梅やまのたい焼きは小倉味だけで、抹茶味は今の社長になってから発売されたらしい」


ラフィーナ「でも、抹茶の評判が良かったからチョコ味も出す事にしたんじゃないの?」


Dシェゾ「でも、かくれんぼの店に居た店員がな…」




かくれんぼの店員「先代がチョコ味なんて聞いたら、ショック死してしまうかもな…」




Dシェゾ「って言ってたんだ…だからな…もしかしたらこれは…たたりかもしれない…」


ラフィーナ「た、たたり…??」


アミティ「きゃー!怖い!やめて!やめてよDシェゾ!!」


シェゾ「はあ…たたりってそんな…」


警察「すみません!!通報があったのはこの和菓子屋さんですか?」


レムレス「あ!警察の人…!ご苦労様です」


警察「容疑者の車は10分前にここにあるNシステム、プリンプ通りカメラに撮影されてます」


社長さん「饅頭屋のお店の近くですね」


警察「ええ…これがその写真です」


ラフィーナ「はっ…!」


Dシェゾ「これって…!」


社長さん「これは…!」


シェゾ「…」


ラフィーナ「ピンク色の服の女性…」


シェゾ「もしもしアルル、まだ饅頭屋にいるか?」


アルル「あ、うん!いるよ」


りんご「今饅頭屋で抹茶たい焼きを買って2人で休憩しながら食べてたところです!」


シェゾ「お前らもかよ…」




アミティ「ねえ!その在庫棚のたい焼きはどうするの??」


小春さん「ああ…これね…端っこがふやけてるから交換しないと…」


シェゾ「あれって…!」




社長さん「楽しみにしてるみんなに申し訳ない!!」




シェゾ「あの時にあの社長のじいさんの涙が落ちて染みてふやけて…なあ!」


小春さん「はい…?」


シェゾ「それちょっと見せてくれねえか?」


職人さんC「いいけど…」


シェゾ「これが補充するために下の棚から出した小倉味のたい焼き、こっちが涙でふやけた交換する小倉味のたい焼きそしてこれがその下に陳列してあった小倉味のたい焼き、なんか小倉って書いてあるシールの所が少し滲んでないか?」


小春さん「シール貼る時にこうなってしまったんですかね…?」


シェゾ「でも、補充用に出したたい焼きの箱のシールの周りは滲んでないぜ?」


アミティ「シェゾ、何が気になるの?」


シェゾ「もしかしたら俺は…とんでもない思い違いをしていたのかもしれねえ…」




アルル「美味しかったね!抹茶味のたい焼き!」


りんご「はい!これはハマりますね!!」


アルル「それじゃあ世界一美味しいたい焼きを食べて満足した事だし、そろそろみんなの所に戻ろっか」


りんご「そうですね!」


アルル「うん!あれ?」


りんご「どうしたんですか?アルル」


アルル「あの車…」


りんご「車…?えっと、ピンク色の小型車…はっ!あれは…!!」


女の人「…」


アルル「あの人も…」


りんご「すみませんー!!」


女の人「え?」


りんご「梅やまのたい焼きが置いてある全てのお店に行ってますよね?」


女の人「なんで…??なんでなん!?」


りんご「ひぇっ…!?」


アルル「わっ!りんご!!」




警察「調べましたよ、シェゾさんに頼まれた事」


レムレス「おお!どうでした?」


警察「はい、シェゾさんの言う通りここから不思議な物が検出されました」


シェゾ「それってもしかして…」


警察「はい…その通りです」


アミティ「え?なに?どうしたの?」


警察「実は小倉味のシールの周りに…米油が付着してたんです」


ラフィーナ「えっ?」


Dシェゾ「米油?」


社長さん「米油なら、うちでは離型剤として使ってますが…」


職人さんA「ほう…」


アミティ「離型剤ってなに?」


社長さん「ああ…生地を焼く前に型に塗って生地を型から抜きやすくする油です」


小春さん「けど…なんでそれが小倉のシールに付いていたんですか??」


シェゾ「付いていたんでは無い、塗られていたんだ…小倉のシールを貼る前にな…」




職人さんA「小倉味40箱、抹茶味40箱、チョコ味40箱あります」


小春さん「はいご苦労さまです」


職人さんB「それじゃあ並べちゃいましょうか」




シェゾ「最初に陳列されるのはそれぞれ10箱ずつ、だから細工をするのはチョコ味10箱だけでいい…手のひらに仕込んだ米油の染みた綿でチョコのシールをなぞりシールを剥がす…そこに新たに小倉味のシールを貼り付ける」


Dシェゾ「ほう…」


シェゾ「2人で10箱、最初に陳列していた小倉10箱は補充用の引き出し、張り替えた小倉10箱をそこへずらす…つまりこの店に…いや、5軒全ての店に最初からチョコ味は無かったんだ」


社長さん「え、ええー!?」


ラフィーナ「そんな!?」


アミティ「えーーー!?」


警察「それに…シェゾさんの仰っていた通り…梅やまの作業場の冷蔵庫に今日使う予定だったチョコレートがそのまま残っていました!」


職人さんA「…」


シェゾ「つまり、今日は最初からチョコ味なんて作ってなかった…そんなことが出来るのは…菓子職人のあんたらだけだ!!」


社長さん「ええ!?」


職人さんA「…」


職人さんB「…」


社長さん「お前たち…これは一体どういう事だ…?」


リデル「そんな…」


ラフィーナ「どうしてそんなことを!?」


職人さんA「先代は…抹茶味を本当に嫌ってました…」


職人さんB「はい…まして…チョコレート味なんて…」


Dシェゾ「そんな事で…」


職人さんA「そんな事なんかじゃない!!」


職人さんB「だからこそ…先代の命日には…どうしてもチョコ味を売りたくなかったんです…」


社長さん「お前たち…」


職人さんA「けど…こんな大事になるなんて思わなくて…」


職人さんB「本っ当に申し訳ございませんでした…!!」


ラフィーナ「そうだったんですね…そんな理由が…」




レムレス「被害届は出さなくていいんですか?」


社長さん「はい…先代が残してくれたのはあの職人さん達の腕ですから…」


レムレス「なるほど…」


ラフィーナ「あの…チョコ味はどうなるんですか…?」


社長さん「抹茶やチョコ味は先代の命日には売りません、職人達が自ら売りたいと言うまではな…」


アミティ「ほんとですか!?」


ラフィーナ「でも私…抹茶味で梅やまのたい焼き好きになったんですよ…?」


社長さん「ほんとですか…ありがとうございます…本当に…」


シェゾ「まあ…一応事件は解決だな…」


Dシェゾ「あれ、そういえばアルルとりんごは…?」


アミティ「あ!そういえば!!」


ラフィーナ「確か…他の店舗へ聞き込みに行ったっきり…」


アルル「おーい!みんなー!!」


りんご「遅くなってすみませんー!!」


リデル「アルルさんとりんごさんです…!」


Dシェゾ「お前たち…何してたんだ??」


アルル「ごめんごめん!!」


りんご「それがですね…」




川口まこと「なんで…なんでなん!?」


りんご「今全部の店舗で梅やまのたい焼きのチョコ味が消えちゃってるみたいで…ひぇっ…!!」


川口まこと「そうやねん!!今どこにもチョコ味がないねん!!」


りんごアルル「えっ??」


川口まこと「もう5軒目やで…こんなに探してるのにー!!!わざわざ大阪から車で来たのにー!!なんでないのー!?」




りんご「というわけで…」


アルル「その人は事件とは全くの無関係だったんだ…」


Dシェゾ「それって…」


シェゾ「なんだよただの梅やまのたい焼きが好きな客だったんかよ…」


アミティ「でも待って!確かシェゾ、その人が夏なのに長袖の服を着てるのは少し妙だって…」


シェゾ「それは多分…ただ普通に長袖の方が好きな人だったのかもな…」


ラフィーナ「ええ…それも普通の夏用の長袖服だったとか…」


Dシェゾ「なるほど…?」


ラフィーナ「まあでも、確かに夏でも長袖を着てる人は普通に居ますもんね」


アミティ「でも夏に長袖暑くない?」


りんご「多分、7分袖ってやつじゃないですか??」


Dシェゾ「7分袖ってなんだ?」


リデル「一般的な半袖シャツよりも少し長く、長袖よりは少し短い中間的なサイズの服の事です」


りんご「そうです!ちなみに英語ではスリークォータースリーブといいます!!」


ラフィーナ「要するに袖の長さが方から手首までの7割ほどのTシャツって事!」


Dシェゾ「まあ…半袖よりは長く、でも長袖ほど長くはないって事だな…」


アルル「でもあの人事件とは無関係の人だったのに…なんか悪い事しちゃったかな…」


アミティ「そうだよ!シェゾが別に怪しくもなんともないことで怪しんだりしたから!!」


アルル「そうだよね!!別に夏でも長袖めの服っておかしくは無いよね!」


りんご「確かにです!」


シェゾ「はあ!?俺が悪いのか!?」


アルル「だってシェゾが先にそう言ったんじゃないかー!」


アミティ「そうだよ!お詫びとしてあたし達に梅やまのたい焼き奢って!!」


シェゾ「お前らさっき食ってたろ!!今日はもう菓子は終わりだ!!」


アルル「なんでー!シェゾのケチ!!」


アミティ「そうだよそうだよ!!」


シェゾ「知らんわ!そういえばお前ら任務中に呑気にたい焼き食べてたな…」


アミティ「腹が減っては戦は出来ぬって言うからいいの!」


シェゾ「なんでそーゆう事ばっかり覚えんだよ…」


Dシェゾ「いくさってなんだ?」


ラフィーナ「はあ!?なんなのよもう!!!」




おわり