Dシェゾ「来週の金曜日は参観日か…なあ、シェゾ…」
シェゾ「ん?どうしたんだ?」
Dシェゾ「シェゾって来週の金曜日暇か?」
シェゾ「来週の金曜?すまない、その日はちょっと用事があってだな…」
Dシェゾ「そうか…」
シェゾ「何かあるのか?」
Dシェゾ「いや…なんでもない」
金曜日
アミティ「今日は授業参観!楽しみだねー!」
シグ「たのしみー」
アミティ「ラフィーナのとこはお父様が来るの?」
ラフィーナ「あのバカ親父が来ますわよ!!あんなやつ来なくてもいいのに…」
クルーク「ははははは…」
アミティ「相変わらずだね…Dシェゾは誰か来るの?」
Dシェゾ「いや…だれも…来てくれる人がいないんだ」
アミティ「そっか…リデルは?」
リデル「はい…実は今お母さんがぎっくり腰になってしまっていて…最近病院に入院してるんです…」
ラフィーナ「あら!それは大変…」
アミティ「そうなの!?じゃあ来て貰えないんだ…それは残念だね…」
リデル「いや…それが、リデルちゃんの頑張ってるところを見たいから無理してでも行く、なんて言ってるんです…」
アミティ「え!ぎっくり腰なのに!?」
ラフィーナ「それはダメですわね…安静にしてないと…」
クルーク「それ…リデルのお母さんは本当に来ちゃうのかい?」
リデル「はい…昨夜、着ていく服は何がいいかしらって電話して来たので…ほんとに来るんだと思います」
アミティ「悪化したらダメだから安静にしてないとダメだと思うのにね…どうしようか…」
Dシェゾ「あ、すまない…コンビニに寄ってもいいか?シャー芯を切らしっちまってて…」
アミティ「私も行く!新しいボールペン買いたいんだ!」
ラフィーナ「それじゃあみんなでコンビニに行きますか」
アミティ「あったあったボールペン!!」
リデル「あ、私も…これ…」
クルーク「リデルはセロハンテープを買うのかい?」
ラフィーナ「今日って図工の授業あったかしら…」
リデル「教室に貼ってある時間割の端っこが少し破れてるから気になって…」
アミティ「そんなの先生に言って直してもらえばいいのに…」
リデル「でも気になってるの多分私だけですし…」
Dシェゾ「これお願いします」
店員さん「258円になります」
Dシェゾ「今お札しかなくて…1000円でも大丈夫か?」
店員さん「大丈夫ですよ、1000円でお預かり致します、742円のお返しになります」
リデル「私もこれ…お願いします…」
店員さん「はい、302円です」
リデル「それじゃあ…500円でお願いします」
店員さん「はい、500円お預かりします、198円のお返しです」
リデル「ありがとうございます」
ラフィーナ「私もついでにお買い物済ませようかしら…?」
アミティ「ラフィーナは何を買うの?」
ラフィーナ「下敷きですわ、この前日食用の下敷き折れてしまいましたの…」
クルーク「あー、日食の観察した時の?」
ラフィーナ「ええ…花壇のブロックにつまづいてしまって、その弾みに下敷きを折ってしまったのよ…」
アミティ「それで新しい下敷きを買うんだね!」
シグ「じー」
クルーク「あ!おいシグ!!これから学校だってのになんでポテチなんか見てるんだよ!もしかしてポテチを買う気なのかい!?」
シグ「食べたいけど、見てるだけ」
クルーク「ならいいけど…?」
アミティ「お弁当の時間だね!」
リデル「はい…」
アミティ「お弁当食べて教室のお掃除をして、休憩して…その後の5時間目はいよいよ授業参観だね!」
リデル「…」
アミティ「あ、リデル…そっか、お母さん…」
リデル「そんなに無理して来る事ないのに…お母さんの身体の方が大事なのに…」
アミティ「リデル…」
クルーク「さあ!僕もお弁当を…あれ?」
ラフィーナ「…」
クルーク「ラフィーナ、なんでずっと外見てるんだろ…」
女子生徒A「あ!聞いて!そういえば今朝チューリップの水やりしたんだけどチューリップが1本足りたかったような気がして…」
女子生徒B「え?チューリップが足りなかったの?」
ラフィーナ「ぎく!」
クルーク「あれ、ラフィーナ今顔色が…」
アミティ「お弁当の時間終わり!次はお掃除だね!!」
アコール「はーいそれじゃあみんな机を運んでくださーい」
シグ「はーい」
メラメラ…
アミティ「…!?アコール先生!!」
アコール「はい、どうしました?アミティさん…」
アミティ「教室の外で…火事が…!!」
アコール「…ええ!?」
クルーク「…!?ほんとだ…燃えてる!!」
アコール「一体何が燃えて…は!!」
クルーク「花壇が…花壇が燃えてる!!」
アミティ「大変大変大変大変!!」
アコール「直ぐに消化器を持って消しに行かないと…クルークさんもお手伝いしてください!!」
クルーク「もちろんです!!」
アコール「この近くの玄関から回っていきましょう!」
Dシェゾ「教室の花瓶の花をどかしてこの花瓶の中の水で…はっ!!」
アミティ「わっ!Dシェゾ!!」
ラフィーナ「窓から飛び降りたわ!」
アコール「火が大きくなる前に早く消さないと…!!」
クルーク「あっ!Dシェゾ!!」
Dシェゾ「大丈夫だ、大した火じゃなかったから花瓶の水で消せたぜ」
クルーク「そ、そうか…良かった…」
Dシェゾ「まあ、慌てて水かけたから服が結構びしょ濡れになっちまったがな…」
アミティ「なんとか火は消せたみたいだね…よかった…」
アコール「ええ、Dシェゾさんの言う通り大した火じゃなくて良かったわ…けどみなさんは危ないからこっちへは来ないでね」
アミティ「はーい!こうして窓から覗いてるだけにします!」
Dシェゾ「問題は、なぜ火がついたかだな…」
クルーク「ああ…誰かがここに来て付けたなら分かりやすいけど…」
アコール「けど火がついたのはお弁当の時間中、誰もこの花壇に近づけなかったはずなのに…」
クルーク「でも、とにかく火がついたのがお弁当の時間中だったなら誰も直接火を付けられないから自動発火装置みたいなのがあるはずなんだけど…」
アコール「自動発火装置…?でもそんなもの見当たらないですね…」
クルーク「あれ、そういえばこんな鉢植えの花なんて置いてあったっけ?」
アコール「それはクレマチスですね、うちの学校の花壇チューリップとヒヤシンスだけですからこういう花もいいかと思って試しに…」
リデル「それは確か…先週から置き始めたんでしたよね?」
クルーク「3つの鉢のうち、1つが倒れてるけど…」
Dシェゾ「これは俺が倒したんだ」
クルーク「え?」
Dシェゾ「火を消そうと、水の入った花瓶を抱えて飛び降りた時に蹴飛ばしてしまってな…現場を荒らしちまって悪かったな…」
クルーク「Dシェゾが倒したのなら、火がついてる時は立ってたってこと…何かが下敷きになってるかも…あれ?何かが土の中に…」
アコール「あら…それは…??」
クルーク「なんだこれ、焦げたポテチ?」
ラフィーナ「ポテチと言えば…そういえば朝シグがコンビニでポテチを見ててクルークに怒られてて…」
リデル「それじゃあまさか…シグさんが火をつけた犯人なんですか…??」
シグ「そんな事しない」
クルーク「いや、でもシグは結局ポテチは買ってなかったし…それにシグが花壇を燃やす動機がない、動機…??そういえば、ラフィーナもさっき…」
女子生徒「チューリップが1本足りなかった気がして…」
ラフィーナ「ぎく!!」
クルーク「確かラフィーナ、この前花壇のブロックにつまずいて転んで下敷きを折ったって…もしや、その時に実はチューリップを1本折ってしまったからそれを隠す為にラフィーナが花壇を燃やした…考えるとしたらこれも充分有り得るな…お弁当の時間もずっと外見てたし…」
アコール「これから授業参観なのに困りましたわね…今日は延期にした方がいいかしら?」
アミティ「えー!そんなー!!」
ラフィーナ「でもリデルさんも一安心ですわね」
クルーク「一安心…?」
ラフィーナ「リデルさんのお母さんが無理してくる事が無くなりましたから…」
リデル「それはそうですけど…でもお花が沢山燃えてしまって…可愛そうです…」
アミティ「あたし、せっかく朝コンビニで新しく買ったボールペン使って頑張ろうと思ったのに…」
クルーク「朝コンビニで…そういえば、みんながそれぞれ買ったものは…リデルがセロハンテープ、ラフィーナが下敷き、シグはポテチは買わなかったけどでも後で買いに戻った可能性もある…」
アコール「あと30分でお昼休みが終わるからとりあえずこの事を校長先生に…」
クルーク「待ってくださいアコール先生!その30分のうちの10分を僕にくれませんか?10分で絶対にこの事件を解いてみせますから!!」
アコール「え、クルークくん…分かりました」
クルーク「ありがとうございます!それじゃあとりあえず…誰か!教室の僕の机の中からノートとシャーペンを取って欲しい!!」
アミティ「これかな?」
クルーク「ありがとう、あっ…しまった…僕もシャーペンの芯が切れてたんだった…Dシェゾ、朝シャーペンの芯買ってたよね?」
Dシェゾ「あ、ああ…」
クルーク「シャーペンの芯、少し分けてくれないかな?」
Dシェゾ「別に構わないが…誰か、俺の筆入れからシャーペンの芯を…」
ラフィーナ「私が行きますわ、はい」
クルーク「ありがとう、あれ…??このシャー芯のケース…なんで濡れてるんだ…??ラフィーナ、もしかして手が…」
ラフィーナ「え?何?」
クルーク「あ、いや、何も…そういえばDシェゾもさっき火を消す際に花瓶の水で服が濡れたって…あれ?Dシェゾ、そういえばさっきからずっとポケットに左手を突っ込んでるな…」
Dシェゾ「なんだ…?」
クルーク「いや…何も…今度は家庭科室からキッチンタイマーを持ってきてほしくて…アコール先生お願いしてもいいですか?実験に使いたいんです」
アコール「実験なんてやってる時間あるかしら…??」
クルーク「大丈夫、これでバッチリ犯人が分かると思いますから!」
アコール「クルークくん、キッチンタイマー持ってきましたよ、時間が無いので走って取りに行ってきました…」
クルーク「ありがとうございます、あれ…おかしいな…このタイマー動きませんよ?」
アコール「あら?ほんとですね…ここに来る前に確認した時は動いてたのに…」
Dシェゾ「よく見たらそれ、電池の蓋が取れかかってるぜ」
アコール「あら…ほんとね…」
クルーク「これはコインで開けるタイプだね…Dシェゾ、10円玉を持ってないかい?」
Dシェゾ「10円玉…?いや、100円玉なら財布にあったと思うが…」
クルーク「リデルは?」
リデル「はい…100円玉と50円玉なら…」
クルーク「ラフィーナは?」
ラフィーナ「10円玉なら2枚持ってましたけど下敷きを買った時に使ってしまいましたわ」
シグ「10円玉持ってる、いる?」
クルーク「いや、大丈夫だよ、もう犯人は分かったから!!」
ラフィーナ「ええ!」
アミティ「ほんとに!?」
アコール「クルークくん、それはほんとですか?」
クルーク「ああ!トリックの証拠が消えて無くなる前に教えてあげるよ!!」
アミティ「お、おお…」
ラフィーナ「一体どのような仕掛けが…」
クルーク「犯人が花壇に火をつけた方法…直接花壇に火をつけに行くのは難しいから自動発火装置を仕掛けたんだろう」
シグ「発火装置?」
Dシェゾ「俺が慌てて窓から飛び降りて花瓶の水で火を消した時はそんな仕掛けはなかったぞ」
クルーク「焦げたポテチだよ」
アミティ「ポテチ?」
クルーク「ああ、キャンプでもポテチは着火剤としても使われるんだ」
ラフィーナ「なるほど!ポテチは油で揚げているからそれに火をつけると…!」
アミティ「そう言われてみれば動画で見た事あるかも!その動画ではポテチをひと袋使ってたんだけどものすごい勢いの炎が上がってたよ!」
ラフィーナ「ポテチって事は…まさか、シグが火をつけた犯人って事…??」
シグ「そんな危ないこと絶対しない」
クルーク「犯人はシグじゃない、シグは結局ポテチ買わなかったから…」
アコール「でも着火剤がポテチだとしても、肝心の火は一体どうやって…」
クルーク「Dシェゾが倒してしまった花壇の鉢植えの支柱だよ」
ラフィーナ「支柱?」
クルーク「そう、この支柱はツタが絡まっていた形跡がないんだ…だから犯人はここにあらかじめツタを外した支柱を立ててその下にポテチを置いておいた、そこへ太陽の光が当たれば火がつく…その方法で火を付けるには何が必要だ?」
アミティ「虫眼鏡だね!!」
クルーク「そう!正解!」
Dシェゾ「そんなものは落ちてなかったぞ」
クルーク「普通の虫眼鏡じゃなくて氷で出来た虫眼鏡なら、時間が経てば溶けてなくなる」
ラフィーナ「氷の虫眼鏡?」
クルーク「要はお椀のような入れ物に氷を作って凸レンズにするんだよ、その氷のレンズを4時間目が終わってお弁当の時間が始まる前に立てた支柱の上に乗せて下にポテチも数枚置いて、その上に火がつきやすいように黒い折り紙とかを被せて、お弁当の時間が終わる頃にその折り紙に太陽の光の焦点が来るように支柱の脚を花壇に埋める位置や深さを調節すれば、お弁当の時間が終わる頃に花壇に火をつけられるってワケだよ」
アコール「でもそんな氷で出来たレンズはそんな簡単に溶けないんじゃ…」
クルーク「10円玉ですよ、銅で出来てる10円玉なら熱伝導率が高いから10円玉を使えば氷は早く溶かせます」
アミティ「でもさっきクルークが10円玉を持ってるかどうかみんなに聞いた時、確か10円玉を持ってる人はシグしかいなかったはず…」
クルーク「ああ…でもそれは嘘をついてる人がいなければの話」
ラフィーナ「嘘…?」
クルーク「朝コンビニで258円の商品を1000円で買った人物がいたんだ、アミティ1000-258の答えは?」
アミティ「1000-258…??えっと…742…ああー!!」
クルーク「そう、その人物は742円のお釣りを貰っていて…つまり10円玉を持っているはずなんだ」
ラフィーナ「258円のお買い物をしたのは…確か…」
クルーク「その258円の買い物をした人物はその大量の10円玉をポケットの中で握って温めておき、その中に氷のレンズを入れて更に握れば大きな氷のレンズでもみるみる溶ける…そうだろ??…Dシェゾ!!」
Dシェゾ「はっ…!!」ポロッ…バチャ
アミティ「ああー!!Dシェゾのポケットの中から水と10円玉が…!!」
ラフィーナ「そんな…Dシェゾさんが犯人だったなんて…」
Dシェゾ「全てクルークの言う通りだ、花壇に火をつけたのは俺だ…こんな危ない事…本当にすまなかった…」
アコール「Dシェゾさん、何でこんな事をしたんですか??」
リデル「違います!Dシェゾさんは何も悪くありません!Dシェゾさんは…私のお願いを聞いてくれただけです!!」
アミティ「え!?リデル!?」
クルーク「やっぱり…リデルも犯人だったんだね」
アミティ「という事は…花壇を燃やしたいって言ったのはリデルって事…??」
ラフィーナ「でも…どうしてリデルさんがそんな事を…?」
リデル「はい…花壇に火を付けた理由は…私のお母さんです…」
アミティ「お母さん…?」
ラフィーナ「ああ…確かリデルさんのお母さんは具合が悪いのに無理やり授業参観に来ようとしてるんでしたっけ…?」
リデル「はい…私は…具合の悪いお母さんが学校に来ないように…授業参観を中止にしたかったんです…!授業参観が無くなればお母さんは学校に来なくて済むと思ったから…だからそれをDシェゾさんに相談して、2人でこの騒ぎを考えたんです…」
アコール「リデルさん…そうだったのね…リデルさん、お母さんの事が心配なのはよく分かりました、けど…」
アミティ「そうだよ…リデルまでこんな危険な事…」
ラフィーナ「でもクルーク、よくDシェゾさんとリデルさんの共犯だって分かりましたわね」
クルーク「きっかけはDシェゾが貸してくれたシャーペンの芯だよ、Dシェゾのシャーペンの芯、少しケースが濡れていたんだ…多分、保冷剤と一緒にタッパーに入れてた氷のレンズを机の中で取り出す時に水滴が落ち、それが布製のDシェゾの筆入れに入っていたシャーペンの芯のケースに染みたんだ」
アミティ「なるほど…」
クルーク「それにリデルも朝、コンビニで302円のテープを500円で買っていたからリデルも10円玉を4枚は持っているはず、それなのにキッチンタイマーの電池の蓋を開けたいから10円玉を貸してほしいって頼んだ時に、Dシェゾもリデルも財布を見ずに10円玉はないって即答した…その上Dシェゾも何故か左手をずっとポケットに入れたまま、だから分かったんだよ」
ラフィーナ「それじゃあDシェゾさんは火を消すために降りた時に氷のレンズを回収して、それをポケットの中で溶かして証拠を隠滅するために…」
クルーク「そういう事」
Dシェゾ「でもまさかあそこまで火が大きくなるとは思わなくてな…」
クルーク「でもリデルとDシェゾ、参観日を楽しみにしていた人もいるんだから、みんなや先生に何か言うことがあるだろ??」
リデル「は…はい…皆さん…アコール先生も…本当にごめんなさい!!」
Dシェゾ「こんな危険な事…本当にすまなかった…」
アミティ「先生…2人とも反省してるみたいですし、今回は勘弁してあげてください…」
ラフィーナ「私からもお願いします…どうか今回は許してあげてください」
シグ「先生、お願い」
アコール「そうね…でも、さすがに校長先生には報告しなきゃいけないわね…」
校長先生「もう知っておるぞ!!」
アコール「ええ!?」
アミティ「校長先生!!」
校長先生「けしからんのはこの2人か…」
アミティ「先生!リデルはお母さんの事が心配で…だから今回は…!!」
校長先生「どんな理由があろうと昼休みに校内で勝手に理科の実験をやるなんて言葉道断!!」
アコール「ええ…理科の実験…??」
校長先生「罰として焼けた花の植え替えの手伝いと1ヶ月の水やり当番に励みなさい!!」
リデル「校長先生…!」
Dシェゾ「あ、ああ…分かりました」
ラフィーナ「その当番、私も一緒にやりますわ」
アミティ「え?ラフィーナ?」
シグ「なんで?」
ラフィーナ「実は…私も皆さんに謝らなきゃ行けない事がありますの」
アコール「ラフィーナさんも…一体どうしたんですか?」
ラフィーナ「私、花壇で転んで下敷きを折ったって言ったでしょ?その時に…実はチューリップも1本折ってしまったんですの」
アミティ「え!?そうだったの!?」
リデル「そういえばクラスの女の子がチューリップが1本足りない気がするって…」
クルーク「やっぱり…さっきのお弁当の時間に花壇を見てソワソワしていたのはそれがバレるのを恐れていたんだね」
ラフィーナ「でも確かに隠さずにすぐに謝るべきでしたわね…皆さんごめんなさい」
アコール「そうだったんですね…確かに隠すのは良くない事です、でもちゃんと正直に言ってありがとう」
校長先生「とりあえずアコール先生、もうすぐ保護者が来るから急いで準備を」
アコール「あ、はい…分かりました」
校長先生「それにリデルのお母さんは今日は来ないと朝ちゃんと連絡を貰っている」
リデル「そ、そうなんですね…お母さん…」
校長先生「でも授業参観は観られるから安心しなさい」
リデル「え?来ないのに観られるんですか?」
Dシェゾ「それってどういう…」
アコール「では授業参観の5時間目の授業を始めます」
アミティ「はーい!!」
ラフィーナのお父様「リデルちゃんのお母さん、シェゾさんもこの位置でちゃんと見えますか??」
シェゾ「ああ、大丈夫だ」
リデル「お母さん…」
リデルママ「リデルちゃん、頑張ってね」
クルーク「そうか…タブレットを使ってリモート参加か…」
Dシェゾ「シェゾの用事ってこの事だったのか…」
リデル「そうみたいですね…シェゾさんにもお母さんの具合の事お話したんです、でもまさかシェゾさんが私のお母さんのお見舞いに行ってたなんて…」
リデルママ「授業の様子がよく分かって嬉しいですね…」
シェゾ「そうだな…」
アミティママ「アミティ、頑張るのよ」
クルークママ「うちのクルークちゃんも!」
シェゾ「Dシェゾ、俺も見てるから頑張るんだ」
Dシェゾ「ああ…ありがとうな…」
アコール「じゃあこの問題!これは何連鎖になるでしょうか?」
ラフィーナ「はい!」
アコール「ラフィーナさん、どうぞ」
ラフィーナ「7連鎖ですわ!!」
アコール「正解です」
ラフィーナのお父様「すごいぞラフィーナ!!大天才だ!!!さすが私の可愛い可愛い娘!!よっ!ラフィーナ世界一!!!」
アミティママ「くすくすくす…」
クルークママ「ラフィーナちゃんのお父様ったら…」
リデルママ「ラフィーナちゃんのお父様、面白い人ですね…うふふふ」
シェゾ「相変わらずの親バカだな…」
ラフィーナ「ちょっとお父様!!!少しうるさいわよ!!恥ずかしいからはしゃがないで!」
ラフィーナのお父様「アコール先生!次の問題お願いします!!そしてまたラフィーナに当ててください!!」
アコール「お父様、他の生徒もいますので他の方にも当てたいなと…」
ラフィーナ「ほんとですわよ!全く…」
アコール「それじゃあ次、この連鎖は何連鎖になるでしょう?」
リデル「はい…」
アコール「はいリデルさん」
リデル「それは全部で6連鎖になると思います…」
アコール「リデルさん正解です」
リデルママ「リデルちゃん…頑張ってるじゃない…」
リデル「えへへ…お母さんに授業見てもらえて嬉しいです…」
終わり