サタン「どうしようどうしようどうしようどうしよう…」


シェゾ「サタン?」


サタン「まずいぞ…大変だ〜!!!!」


シェゾ「サタン、どうしたんだ?お前はいつも騒がしいが今日は一段と騒がしいな」


サタン「この前な、私の城にネズミとゴキブリが同時に現れたんだ…」


シェゾ「はあ…」


サタン「それで私は1人で城中で大騒ぎしたんだ…」




サタン「ぎゃー!!!私の美しい城にネズミとゴキブリがぁ〜!!!」




シェゾ「それは大変だったな…で…?それで…?」


サタン「その時にな…その騒ぎの弾みで大切なアレを無くしてしまったんだ…」


シェゾ「大切なアレ…?」


サタン「もしあれが誰かの手に渡ったら…世界の終わりだ〜!!!」


シェゾ「なっ…!?世界の終わりだと!?」


サタン「そう!世界が終わってしまう!!一刻も早くアレを見つけなければほんとに大変な事になってしまう!!」


シェゾ「それ相当ヤバいやつだな…」


サタン「シェゾ!一緒にアレを探してくれ!!」


シェゾ「世界が終わるんじゃ仕方ないな…その世界の終わりを招くアレってどんな物なんだ?」


サタン「ああ…絵を描いてきたんだが…こんな感じの箱に入ってるんだ」


シェゾ「なんだ?紫色の箱か?」


サタン「この箱の中に世界の終わりを招くアレが入っている」


シェゾ「分かった…一刻も早くこの危険な箱を見つけ出して世界の終わりだけは何としてでも防ぐぞ!」


サタン「頼んだぞ…」




アミティ「今日も学校楽しかったねー!」


ラフィーナ「あら、アミティさん今日ほとんどの授業気持ちよさそうに寝てたのにそれでも楽しかったんですの?」


アミティ「だって〜!教室涼しくて気持ちよくて眠たくなっちゃったんだもん!」


リデル「アミさん相変わらずですね…」


Dシェゾ「しかし教室は冷房が効いてて涼しかったか、外はさすがに暑いな…」


ラフィーナ「ええ…外はあっついですわね…」


リデル「皆さん熱中症にだけ気をつけてくださいね…」


アミティ「そうだね…気をつけなきゃ…」


Dシェゾ「ん?」


ラフィーナ「あら…あれはシェゾさん?」


アミティ「ほんとだシェゾだ」


リデル「なんだか少し慌ててるように見えません…?」


ラフィーナ「そうね…あんなに慌ててどうしたのかしら…」


アミティ「おーい!シェゾー!!」


シェゾ「お前達!!」


Dシェゾ「どうしたんだ?そんなに慌てて…」


シェゾ「ああ…緊急事態だ…」


アミティ「え!何!?何があったの!?」


シェゾ「今、サタンのアレを探しているんだ…」


ラフィーナ「サタンのアレ…?」


シェゾ「ああ…どうやら大切な物を無くしてしまったらしくてな…こんな感じの箱に入ってるらしい」


アミティ「箱に?」


ラフィーナ「この中にサタンのアレ、が入ってるのね?」


シェゾ「あいつ、アレが誰かの手に渡ったら世界の終わりだって言って騒いでいてな…」


アミティ「ええ!?」


リデル「世界の終わり…!?」


Dシェゾ「世界の終わりって事は…もしかしたら世界を終わらせてしまうような強力な爆弾とか…?」


アミティ「ええー!?爆弾ー!?」


リデル「それは大変です…!!早く探さなきゃ!」


シェゾ「いや…でもこんな箱に爆弾なんか入れるか…?でも世界の終わりって言ってたし…」


Dシェゾ「でも…余程大切な物なんだろうな…」


ラフィーナ「世界を終わらすような爆弾が大切な物…??」


Dシェゾ「もしそれを見つけてもサタンに返さなかったら…」




Dシェゾ「おい、喉が渇いた、トロピカルジュース持ってこい」


サタン「なんで私が…!!」


Dシェゾ「この箱」


サタン「なっ…!」


Dシェゾ「いいのか?世界を終わらせても…」


サタン「た…ただいまお持ち致しますー!!はい!!」


Dシェゾ「暑いな…サタン、風」


サタン「はい!扇がせていただきます!!」


Dシェゾ「肩がこった」


サタン「はい!」


Dシェゾ「日焼けしそうだ」


サタン「はい!!」




Dシェゾ「サタンをそのアレで脅してこき使えば…一生バカンスだな…」


ラフィーナ「Dシェゾさん…」


シェゾ「何を考えているんだこいつは…」


ラフィーナ「でもこんな感じの箱、私どこかで見たような…」


アミティ「え!うそ!」


シェゾ「ラフィーナ、心当たりがあるのか?」


ラフィーナ「ええ…見た気がするってだけですけど…」


リデル「どこで見たんですか??」


ラフィーナ「確か…学校…の図書室だったかしら…?」


アミティ「図書室のその世界が終わりになる爆弾があるんだね!!」


リデル「すぐに図書室に向かいましょう!」




クルーク「あれ、君達帰ったんじゃなかったのかい?」


レムレス「やあ!お邪魔してるよ」


アミティ「あれ!レムレス来てたんだ!」


ラフィーナ「2人でこんなところで何を?」


クルーク「宿題さ!!レムレスにこの図書室まで来て貰って宿題を教えて貰っていたんだよ!」


Dシェゾ「へ…へえ…」


リデル「頑張りますね…」


レムレス「所で君達はどうしたんだい?」


アミティ「あ、うん…実はサタンのアレを探しに来たの」


クルーク「サタンのアレって?」


シェゾ「こんな感じの箱に入っているらしい」


レムレス「へえ…紫色の箱か…」


クルーク「げっ!これは…」


アミティ「ラフィーナが似たような箱をこの図書室で見た気がするって言うから探しに来たの!」


クルーク「こ、この図書室にそんな物はない!!」


リデル「え?」


Dシェゾ「クルーク…?」


クルーク「この図書室にそんな物はないから!絶対にない!!!」


ラフィーナ「どうしましたの?そんなに血相変えて…なによ、なにか見られたくないものでもあるの?」


クルーク「いや!そういう事じゃ…でもダメ!!この図書室にはそんなものは無いから!!絶対にないから!!さあ!早く帰った帰った!!」


ラフィーナ「でも私は確かに似たような箱をこの図書室で見た気がするのよ!!」


クルーク「それは見た気がするってだけだろ??君の勘違いかもしれないじゃないか!!」


ラフィーナ「そんなのほんとに探さなきゃ分からないでしょ!?ちょっとでいいから見させてよ!」


クルーク「あ!おい!!ラフィーナ!!」


アミティ「あたし達も行こう!!」


リデル「はい!」


クルーク「あ、おい!アミティ!リデルも…!」




アミティ「ラフィーナ、どこで見かけたの?」


ラフィーナ「確か…図書委員室だったような…」


リデル「図書委員室ですか?」


ラフィーナ「ええ、私前に図書委員室の掃除に当たったことがあってその時に見かけた気がするのよ…」


アミティ「じゃあそこに行けばそのアレがあるんだね!!」


リデル「ここですね、図書委員室」


ラフィーナ「失礼しますわ、確かこの棚に入ってたような…」


アミティ「あ!あった!これじゃない??」


ラフィーナ「あっ…ほんとだわ!これよこれ!」


リデル「紫色の綺麗な感じの箱…確かに似てますね」


アミティ「じゃあこれをサタンに返せば世界の終わりは免れるって事だね!」


クルーク「そ、それはダメー!!!!!」


アミティ「え!?」


ラフィーナ「きゃっ!何よクルーク!!」


クルーク「それは絶対にダメ!!ダメー!!」


ラフィーナ「ちょっ!何よ!!」


アミティ「クルーク!これはサタンの大切なアレ何だからダメ!!」


クルーク「違う!!それは僕のアレが…」


シェゾ「おい!お前たち!!あんまり乱暴に扱うな!!それはもしかしたら…」


フェーリ「貰ったわ!!」


ラフィーナ「ええ!?」


リデル「フェーリさん!?」


アミティ「なんでフェーリがここに!?」


フェーリ「ふふふふ、お宝はこの私が頂いたわ!!」


アミティ「お宝!?」


フェーリ「今までの話、全部聞いてたわ…この中にお宝が入ってるのね」


シェゾ「フェーリ!それは宝なんかじゃない!!」


アミティ「そうだよ!その中身は爆弾なんだから!!」


フェーリ「爆弾?ふん…なんの冗談かしら?」


リデル「フェーリさん…本当なんです…世界の終わりを招く爆弾が中に…」


フェーリ「そんなの信じないわよ…どうせ私にこれを手放させる為の嘘なんでしょ?ふふふふ…うっふふふふ!!」


アミティ「あ!逃げた!!」


ラフィーナ「フェーリさん待って!話を聞いて!!」


クルーク「待ってくれフェーリー!!!!それだけはやめてー!!」


シェゾ「なんでサタンのアレなのにクルークがそんなに慌てるんだ…?」




フェーリ「お宝の中身は何かしら…はっ!まさか…先輩に振り向いて貰える超いい香りの香水…とかかしら…」


アミティ「見つけた!フェーリ!」


フェーリ「ちっ…もう来たの…?」


レムレス「フェーリ」


フェーリ「せ、先輩!?」


レムレス「フェーリ、それはサタンの大切な物らしいんだ、サタンが必要としているみたい、だから返してあげてくれないかな??」


フェーリ「え、でも…これはお宝…」


レムレス「アミティ達が言うにはこれはお宝ではないみたい…サタンの大切な物なんだって、だから僕のこのキャンディと交換しようよ!ね?」


フェーリ「せ、先輩がそう言うなら…分かったわ…それじゃあその先輩のキャンディと…」


レムレス「うんうん…いい子だ、それじゃあその箱を僕に…」


ルルー「渡さないわ!!」


フェーリ「きゃっ!」


レムレス「ええ!?」


ルルー「おーっほほほほ!!!残念だったわね!お宝はこのルルーが頂くわ!!」


Dシェゾ「ルルー!!」


ルルー「全部聞いてたのよ!その箱の中身はお宝だって!」


シェゾ「いや…全部聞いてたって言うけどたった今これはお宝じゃないって…全然話聞いてねえじゃねえかよ…」


ラフィーナ「ルルーさん!違いますわ!!それはお宝じゃありません!」


Dシェゾ「ああ…その中身は爆弾だ!!」


ルルー「そんな話信じませんわ!きっとこの中にはサタン様に振り向いてもらえる綺麗なアクセサリーが沢山入ってて…」


シェゾ「ルルー、その箱は宝ではなくサタンの物だ」


ルルー「え!?サタン様の物なの!?」


シェゾ「ああ…お前がそれをサタンに返してやればサタンすごく喜ぶと思うんだがな…もしかしたら返してくれたお礼に妃にしてやる、とか言ってくれたりもするんじゃないか?」


ルルー「この箱は…サタン様のもの…そして!!それをルルーがサタン様に返せば…サタン様はルルーを妃に…!!」


シェゾ「ああ、サタンはそれがないと世界の終わりだって言ってたぐらいだしな…」


アミティ「わあ…すごいねシェゾ…」


リデル「ルルーさんの扱い慣れてますね…」


ルルー「ルルーがこれをサタン様に渡せばサタン様はこのルルーに感謝してそのお礼に…ルルー!お前を妃にしてやる!!きゃーサタン様ー!!」


ラフィーナ「こ、これは…」


Dシェゾ「ああ…スイッチ入ったな…」


ルルー「シェゾ!サタン様は今どちらに??」


シェゾ「店だ」


ルルー「分かったわ!それじゃあこれを持って今すぐお店の方に…」


ドラコ「がうー!お腹空いた…ん?なんだ?そのルルーの持っている箱は…」


リデル「今度はお姉様…!」


ドラコ「すごく綺麗な箱に入っているから…はっ!もしかしたら…すっごく高級な美味しい肉が入ってるのかも!!がうー!!ルルー!それちょーだい!!!」


ルルー「きゃ!ちょっと!何よドラコ!!」


ドラコ「その箱には高級な美味しい肉が入ってるんでしょ!?あたしにちょうだいよ!!」


ルルー「ちょっと!これは食べ物じゃないのよ!!」


ドラコ「いいじゃん!!そんな綺麗な箱に入ってるって事は良い食べ物が入ってるんだ絶対!!」


クルーク「それはダメだって!!何回言えば分かるんだ!!」


ルルー「ちょっとクルークまで何よ!!」


ドラコ「がうー!!!」


クルーク「それは僕の大切な…!!」


ルルー「違うわ!サタン様の大切な箱よ!!これをルルーがサタン様に返せばそのお礼として妃にして貰えるの!!」


ドラコ「がうー!お腹空いたー!!!」


シェゾ「おい!お前たちそんな乱暴に扱うな…!!」


クルーク「返してよ…!!」


ルルー「嫌よ…!!」


ドラコ「がうー!!」


サタン「それはダメだー!!!!!!あっ…」


ルルー「きゃ…!?」


クルーク「うわあ!!!」


ドラコ「うわっ!!」


リデル「みなさんの手から箱がすっぽ抜けて…」


ラフィーナ「ああ!箱が地べたに落ちる…!!」


Dシェゾ「このままじゃ爆弾が…!」


サタン「まずい!!」


アミティ「落としちゃダメー!!!」


シェゾ「アミティ!!」


アミティ「えーい!キャッチ!!」


ラフィーナ「まあ…」


リデル「すごいですアミさん!」


レムレス「ナイスキャッチだよアミティ!」


Dシェゾ「流石だな…」


アミティ「えへへへへー」


クルーク「それはダメ!返して!!」


アミティ「うわ!クルーク!」


クルーク「あっ、うわ!!」


ラフィーナ「ああ!」


リデル「爆弾が…!!」


サタン「まずい…!世界が終わる…!」


パカ


ラフィーナ「あら…」


シェゾ「取り返した弾みに落としちまって箱が空いたな…」


ビラビラー


クルーク「あ!あ!ダメー!!」


アミティ「なんか紙が出てきたよ?」


ラフィーナ「何?この紙…あら何これ…40点?」


リデル「こっちは38点です…」


シェゾ「これは36点だ」


アミティ「ねえ…これって…」


Dシェゾ「ああ…クルークの赤点のテストだな…」


ラフィーナ「なるほど…自分の赤点だったテストを箱に入れて図書委員室に隠してたってわけね…」


アミティ「いつも僕は成績優秀とか偉そうに言ってるくせにクルークも赤点取る時あるんだ〜」


クルーク「ぼ…僕だって…テスト範囲によっては…調子が悪い時だってあるさ!!」


Dシェゾ「でも…なるほどな、それでクルークすごく焦ってたんだな…」


???「…」


クルーク「え?」


???「ちょっと!40点って…クルークちゃん!何よこれは!!」


クルーク「げっ!ママ!!」


アミティ「あ!クルークのお母さん!」


クルークママ「クルークちゃん赤点取ったことがあったのね!しかもそれを隠して…おうちに帰ってゆっくり話を聞かせてもらいます!!」


クルーク「うわーん!そんなー!!」


リデル「クルークさん…」


ラフィーナ「あいつもバカね…」


レムレス「てかクルーク赤点取ったことあったんだ…」


アミティ「ねー!びっくり!!」


シェゾ「まて…今のがサタンのアレじゃなかったってことは…」


アミティ「ああ!そうだった!」


Dシェゾ「世界の終わりを招く爆弾は一体どこへ…??」


サタン「私のアレは一体どこに行ってしまったんだー!!」


アルル「みんなー!」


アミティ「アルル!!」


アルル「ねえねえ、なんかこんな箱を拾ったんだけど…これ何かな?」


アミティ「なに?…はっ!!」


ラフィーナ「それは…!!」


シェゾ「紫の箱…!!」


アルル「え?」


アミティ「という事は…その箱が爆弾!?」


アルル「え!爆弾!?そんなー!どうしよう!!僕爆弾苦手!!」


シェゾ「爆弾が得意なやつなんているわけないだろ!!」


アルル「そんなー!!どうしようどうしよう!!」


ラフィーナ「アルルさん!ちょっと落ち着いて!!」


サタン「ああ!それは…!!」


アミティ「木の枝で…ちょっとトントンって…」


ラフィーナ「ああ!アミティさん!!」


リデル「アミさん!気をつけてください…」


アミティ「アルル!ちょっと貸してね!えっと…ちょっと傾けてみて…」


Dシェゾ「そんな乱暴に扱わない方がいいんじゃないか…?爆弾だからちょっと刺激を与えたりすると…」


アミティ「蓋を開けてみて…あれ?なんかハートマークのスイッチがあるよ」


シェゾ「まさか…起爆装置か!?アミティ!触っちゃダメだ!!」


サタン「押すな…!!やめろー!!世界の終わりだー!!!」


アミティ「ポチ」


みんな「あー!!」


サタン「あー!!!!」


アミティ「あれ?ボタンを押したらさらにまた中が開いたよ?」


アルル「中になにか入ってるよ?」


Dシェゾ「なんだこれ」


シェゾ「これは…日記帳か?」


アミティ「開いてみて!!」


サタン「やめろ…読むなー!!!」


アルル「えっと…クルクル回るお星様、私も一緒に回りたい、クルクルクルクルクルルルル」


アミティ「何それ!」


アルル「きっとこれ、サタンのポエムだよ!」


サタン「それは…その…!!」


シェゾ「これがサタンが探してたアレか…??」


アルル「ああ満月よ満月よ!!どうしてそんなに真ん丸ちゃんなのー??だって!!」


リデル「えっ…」


レムレス「それは…」


ラフィーナ「ええ…これはちょっとないですわ…」


シェゾ「いつも変な事ばかりしていて闇の貴公子の才能もないが、ポエムを書く才能はもっとないな…」


ドラコ「あっはははははは!!!」


アミティ「もっと読んでよ!!」


サタン「やめろー!!」


Dシェゾ「これ、爆弾より破壊力あるな」


ドラコ「あははははは!!確かに!!!」


アミティ「Dシェゾ!上手い!」


ルルー「こんな可愛いポエムを書くサタン様もすっごく素敵ですわー!!」


サタン「ルルーやめんか!!普通に恥ずかしい!!」


アルル「あ、これすごく面白い!!タイトルは恋するサタン様!!」


サタン「それだけはやめてくれー!!!世界の終わりだー!!!!」




終わり