ニュースの人「昨日、石月大愛容疑者を強盗罪と強制性交等未遂の疑いで逮捕しました、石月容疑者は特別講師をされていたそうです」


女子生徒A「ちょっと!この人ってさ…」


女子生徒B「うん…この間来たあの宝石の先生だよね…」


男子生徒A「ああ…大愛先生、まさか犯罪者だったとは…」


女子生徒C「あんな優しくていい人だったのに…」


男子生徒B「人は見かけによらないよな」


女子生徒A「しかも性交等未遂って…ほんとに何したの…」


女子生徒B「ね…マジでやばい人じゃない…」


女子生徒C「被害者って多分男の子だよね?可哀想…まあ未遂でほんとに良かったけど…」




Dシェゾ「全くだ、この間はほんとに酷い目にあった…」


アミティ「ね…いやーまさか大愛先生が宝石強盗だったとはね…」


クルーク「ほんとに!あんなに綺麗で素敵な人だったのに…すごく残念だよほんとに」


ラフィーナ「でも!こうしてまた1つこの世から悪を制裁出来たんですから!私たちの大勝利ですわ!」


リデル「そうですね、悪い人を捕まえる事が出来てほんとに良かったです…」


アコール「皆さんおはようございます」


アミティ「はーい!おはようございます!!」


アコール「このクラスにまたもう1人体験学習の生徒が入ります」


クルーク「えー!」


リデル「なんと…」


Dシェゾ「まじかよ…」


ラフィーナ「先生!それは男性の方ですの!?それとも女性!?」


アコール「うっふふふふ、女性の方ですよ」


ラフィーナ「女の人!」


アミティ「ええー!?Dシェゾ!大丈夫!?」


Dシェゾ「大丈夫ってなんだよ!?まあでも確かに…もうしばらく女は懲り懲りだ…」


リデル「いや…さすがに…そんな何度も悪い人は来ませんよ…絶対に大丈夫だと思います、多分…」


アコール「それじゃあ教室にどうぞ」


蘭「はーい!」


クルーク「え!?」


ラフィーナ「あら」


リデル「ええ…」


Dシェゾ「え…」


アミティ「ええー!?」


リデル「まさかの蘭さん!?」


蘭「えへへーびっくりしたでしょ?」


クルーク「はい…まあ、結構…」


アミティ「蘭さん!どうして!?」


蘭「私もみんながよく使ってる魔導覚えて見たかったしそれに…私が突然体験学習で入って来たらみんな驚くかなって!」


Dシェゾ「それで何も言わずに来たってわけか…」


クルーク「中々お茶目な所あるよな…」


ラフィーナ「まあ、確かに結構びっくりはしましたわね…」


アミティ「蘭さん!嬉しいです!!これから4週間よろしくお願いします!」


蘭「うん!色々教えてね!」


アコール「あら、アミティさん達のお知り合いだったのですね、蘭さんもこれから4週間このクラスで体験学習をします、皆さん仲良くしてくださいね」


アミティ「はーい!!」




アコール「それじゃあまずは昨日の復習です、ラフィーナさん」


ラフィーナ「はい」


アコール「昨日お勉強した事をみんなの前でお願いします」


ラフィーナ「分かりましたわ!まず赤ぷよをここに置いてその上に青ぷよを…そしてさらにこれを黄色ぷよで挟んで…出来ましたわ!」


アコール「大変よく出来ました、ちゃんと覚えてすごいわ」


ラフィーナ「このぐらい余裕ですわ!」


アコール「ではアミティさん」


アミティ「は、はい!」


アコール「アミティさんも昨日お勉強した事を皆さんの前でお願いします、覚えてるかしら?」


アミティ「あ、はい…!えっと…まずここに緑を置いて…そしたらえっと、隣に赤ぷよをこうやって置いて…あれ?おかしいな…」


ラフィーナ「なんかすごいぐちゃぐちゃになってきてますわね…」


アミティ「おかしいな…全然繋がらないよ…」


リデル「アミさん!ぷよが積み重なって大変な事になってます…それじゃあ崩れます…!」


アミティ「え?あ…きゃー!!!」


Dシェゾ「アミティ!」


シグ「アミティ、大丈夫ー?」


アミティ「うう…ばたんきゅー」


ラフィーナ「全く…アミティさん相変わらずね…」


アコール「あらあらアミティさん…これは放課後にまた一緒に補習ですわね」


アミティ「そんな〜うう…」


蘭「アミティちゃん!大丈夫?」


アミティ「大丈夫です!でも私…蘭さんにこんな姿見せちゃって…」


蘭「そんな事ないよ!ぷよぷよってやっぱり難しいよね…」


ラフィーナ「基本を覚えればそんなに難しいことないわ、まずぷよぷよは同じ色が4つ繋がると消えますわ」


クルーク「消えたぷよの上に乗っているぷよは落ちてくるからそれを利用して連鎖を作るんだ」


Dシェゾ「まあ、これが基本のルールだな」


アコール「彼らの言う通りです、今のを踏まえて蘭さんも1度やってみてください」


蘭「同じ色を4つ繋げてそれを使って連鎖…えっと…まず同じ色を3つずつ繋げて…その隣にまた別な色を3つずつ置いてその上にそれぞれ違う色をおいてここから消して…1連鎖、2連鎖、3連鎖!」


アコール「3連鎖です、よく出来ました」


リデル「おお…蘭さんさすがです…」


クルーク「初めてのぷよ勝負にしては中々綺麗な連鎖だったじゃないか」


アコール「コツを掴めばすごい大きな連鎖も作れるんです、Dシェゾさん」


Dシェゾ「はい」


アコール「少し大きな連鎖を作ってみてください」


Dシェゾ「ああ…えっと、まず青をここに置いて緑を挟みこんで、さらに赤で囲んで更にもう1つ黄色を挟んでここから発火…いくぜ…13連鎖だ!」


蘭「おお…すごい!」


アミティ「わー…Dシェゾやっぱすごいな…」


アコール「コツを掴めば彼のようにすごく大きな連鎖も作れます、蘭さんも頑張って覚えてみてください」


蘭「13連鎖はすごいな…私に出来るかな…」


ラフィーナ「私もそこまでの大連鎖は…でも一緒に覚えましょう!ね?」


リデル「そうですよ!私達も一緒です」


蘭「みんな…わかった!私大きな連鎖作れるように頑張る!みんなも色々教えてね!」


ラフィーナ「もちろんですわ!」




アコール「次は家庭科の授業です」


蘭「へえー!この学校ってぷよぷよとかだけじゃないんだ!」


ラフィーナ「蘭さんはお裁縫得意ですの?」


蘭「まあ…そうね…苦手では無いかな!これでも良く新一に手作りでマフラーとか作ってたんだよね」


アミティ「へえー!そうなんですね!」


リデル「蘭さんから手作りマフラーを作って貰えるなんて…新一さんも幸せですね」


蘭「いやいやそんな大袈裟な…」


アコール「それじゃあ今回のテーマはティッシュケースです」


ラフィーナ「ティッシュケースですわね」


アコール「はい、手作りのティッシュケースを作ってそれを誰かにプレゼントしてみましょう」


アミティ「手作りティッシュケースを作ってそれを誰かにプレゼントか…」


リデル「私はお兄様にあげます」


ラフィーナ「私はそうね…お父様にでもやりますか」


アミティ「お父様に?いいじゃん!ラフィーナ、お父様のこと本当はすごく大好きなんだね」


ラフィーナ「ば…馬鹿言わないで!別にそんなじゃないわよ!あいつの使ってるティッシュケースもうすごいボロボロなの!だからこれを機に私が新しいのを作ってあげようと思ったの!ただそれだけ!」


アミティ「またまた〜」


リデル「ラフィーナさんツンデレさんです…」


ラフィーナ「う、うるさいわね!」


アミティ「蘭さんは?」


蘭「え?」


アミティ「蘭さんはティッシュケース…誰にあげるの?」


蘭「そうね…どうしようかしら」


リデル「やっぱり…新一さんですか…?」


蘭「うーんそうね…やっぱり新一になるのかな…」


Dシェゾ「あれ?なんか離れていくんだが…なんでだ?」


クルーク「おい!それちゃんと縫えてないんだよ!ここに糸通ってないじゃないか!!」


Dシェゾ「あ、なるほど…それじゃあこうして…あれ?糸が抜けた」


クルーク「玉留めしてないんだからそりゃあ抜けてくに決まってるだろ!?」


アミティ「あはははは…」


ラフィーナ「Dシェゾさん…」


蘭「お兄さんも…相変わらずだね…」




アコール「次は体育です」


ラフィーナ「今週はバトミントンをやってますの」


蘭「バトミントンか…」


Dシェゾ「はっ!やっ!とおー!!」


アミティ「すごーい!」


リデル「はい…Dシェゾさんかっこいいです…」


蘭「ね!お兄さんすごーい!私も負けないよ!」


Dシェゾ「次はお前が相手か?」


蘭「ええ!私のバトミントンの腕みせてあげる!」


Dシェゾ「面白い…では行くぞ…はあー!!」


蘭「えーい…やあー!!!」


Dシェゾ「はっ…」


蘭「どや!」


アミティ「すごーい!すごいよ蘭さん!!」


Dシェゾ「ああ…見事なプレイだ…」


蘭「えへへ…私バトミントン結構得意みたいで…」


リデル「ぷよぷよも出来て裁縫もお上手で運動神経もいいなんて…蘭さんすごいです…」


蘭「ありがとう!」




アミティ「やっとお昼だね…」


シグ「お腹ぺこぺこ」


ラフィーナ「私も流石に今日はお腹すきましたわ」


蘭「私も一緒にお弁当食べてもいい?」


アミティ「もちろんです!」


リデル「一緒に食べましょう」


蘭「ありがとう!それじゃあ一緒に!」


アミティ「うん!いただきまーす!」


シグ「いただきまーす」


クルーク「おいラフィーナなんだそれ…」


Dシェゾ「ああ…相変わらず豪華な弁当だな…」


ラフィーナ「今日の私のお弁当は、国産A5和牛やわらかすき焼きと特選ローストビーフ 炭火焼うなぎ重と北海道産いくらと北海道ズワイ蟹ちらしの極上おもてなし懐石御膳ですわ!」


蘭「ズワイ蟹のちらし寿司!ラフィーナちゃんのおうちはすごいな…」


アミティ「そういえば蘭さんって確か…高校生…ですよね?」


蘭「うん!高校2年生!」


リデル「あの…それじゃあ…本当の高校の方は…」


蘭「ああ!それなら大丈夫!事情を話して公欠にしてもらってるから!」


クルーク「なるほど!」


ラフィーナ「それなら安心ですわね」


Dシェゾ「公欠ってなんだ?」


クルーク「あははは…」


ラフィーナ「やっぱりそう来ますよね…」


リデル「公欠って言うのは、欠席扱いにならないお休みのことです」


蘭「そうそう!なにか理由があってお休みしないと行けない時とかに使われるんだよね!」


Dシェゾ「なるほどな…」


アミティ「蘭さんの場合は魔導学校に体験学習、でもそれも大事な事だから元の高校の方は欠席扱いではなく公欠扱いになっておやすみにはなってないってこと?」


ラフィーナ「そういう事ですわね」


アミティ「なるほど!」


リデル「そういえば蘭さんは…その…私達のお店でアルバイトって…しないんですか?」


蘭「え?」


アミティ「あ!確かに!そうですよ!蘭さんってバイトって何かされてるんですか?」


蘭「バイトかー、実はしてないんだよね〜」


ラフィーナ「ならリデルさんの言う通りうちのお店でアルバイトはどうです?」


クルーク「そうだよ!平次と和葉ちゃん来てたし蘭さんも来ないかなーなんて少し思ってたんですよね…」


蘭「そうだよね…アルバイトしないとだよね…それは分かってるんだけど…うーんどうしよう」


アミティ「うちでみんなで楽しくやりましょうよ!」


蘭「そうだね…知ってる人がいる所なら安心してお仕事できるかも…考えておくね」


ラフィーナ「ええ!是非ともご検討お願いしますわ」


蘭「うん!ねえ…みんな、学校楽しい?」


アミティ「え、はい…楽しいですよ」


Dシェゾ「急にどうしたんだ?」


蘭「いや、何となく…楽しいのかなーって!」


アミティ「みんなと楽しく過ごせるから本当に楽しいですよ!」


リデル「そうです…皆さんのおかげで毎日楽しいです」


蘭「そっかそっか!」


アミティ「もちろん蘭さんとも一緒にお勉強出来て嬉しいですよ!」


蘭「ほんとに?そう言って貰えると体験学習来てよかったって思うよ!私もみんなと一緒にお勉強出来て楽しいよ!」


リデル「そう言って貰えるとこちらも嬉しいです…」


蘭「みんなからも沢山アドバイスとか貰って楽しく過ごしたいからみんな改めて4週間よろしくね!」


アミティ「はい!もちろんです!」


ラフィーナ「そろそろお昼休みが終わりますわよ」


Dシェゾ「もうそんな時間か…」


アミティ「じゃあ午後の授業に戻ろう!」


蘭「うん!」




アコール「それじゃあ今日の学校はおしまいです、明日は調理実習をします」


アミティ「調理実習!」


リデル「わーい楽しみです…」


アコール「今回作る物は自由です、班のメンバーで何を作るか考えてきてください」


クルーク「自由なのか…」


ラフィーナ「皆さん何がいいです?」


リデル「そうですね…」


アミティ「蘭さんは何か食べたいものあります?」


蘭「そうね…レモンパイ…」


クルーク「レモンパイか…」


ラフィーナ「レモンパイいいじゃない!」


アミティ「でもどうしてレモンパイ?」


蘭「レモンパイね…新一の大好物なの!」


アミティ「あ、ああ…」


Dシェゾ「なるほどな…」


蘭「ダメかな…?」


リデル「私は大丈夫です…皆さんは?」


シグ「賛成ー」


ラフィーナ「私もレモンパイで賛成ですわ」


アミティ「レモンパイいい!すっごくいいと思う!」


蘭「ありがとう!じゃあレモンパイで決まりでいいかな…?」


アミティ「はい!あ、でもレモンパイ作り方あまりよく分からなくて…」


ラフィーナ「そうね、夜お店のキッチン借りてみんなで練習しましょう」


リデル「そうですね、それがいいと思います」


蘭「それじゃあそうと決まったら材料買ってお店の方に!」




アミティ「やっほー!」


アルル「あ、アミティ!みんなも!」


りんご「蘭さんも一緒です!」


蘭「どうも、こんばんわ!」


シェゾ「珍しいな」


レムレス「ね!蘭さんも一緒にどうされたんです??」


アミティ「蘭さんはね!今魔導学校の体験学習に来てるの!」


アルル「あ、そうなんだ!!」


りんご「Dシェゾと一緒ですね」


アミティ「でね!それでね!明日調理実習があってね、蘭さんのリクエストでみんなでレモンパイを作る事になったの!」


シェゾ「なるほどな、それで試作をしたいから店のキッチンを貸してほしいと…それでみんなで来たのか?」


ラフィーナ「そういうことですわ!さすがシェゾさん話が早い」


リデル「それで…キッチンをお借りしても大丈夫ですか…?」


アルル「もちろん!」


シェゾ「ちょうど店は閉めたしな、好きに使え」


アミティ「わーい!ありがとう!」


シェゾ「その代わり…明日のレモンパイ俺たちにも少し分けてくれないか?」


レムレス「うん!僕もみんなの作るレモンパイ食べたい!」


アミティ「もちろんー!」


ラフィーナ「沢山作りますから楽しみにしてて」


アルル「嬉しい!楽しみだな〜」


クルーク「材料も沢山買ってきたしそれじゃあ早速試作と行こうか」


Dシェゾ「そうだな」




次の日


アコール「では調理実習を開始してください」


アミティ「はーい!」


ラフィーナ「まず下準備ですわ!オーブンは180度に温めておく」


リデル「レモンカードに使うゼラチンは水でふやかすんですよね?これで合ってますか?」


ラフィーナ「ええ!大丈夫よ」


クルーク「バターは常温に戻して」


Dシェゾ「常温に戻す?とは…?」


蘭「バターを小さめのボウルに入れてここに置いておく!これで大丈夫よ」


Dシェゾ「それがバターを常温に戻す肯定か…ありがとう」


蘭「うん!また分からなかったら全然聞いて!」


リデル「グラニュー糖と乾燥卵白を合わせます、これでOKですか?」


ラフィーナ「OKですわ!」


クルーク「飾りのレモンも半月切りにしよう」


リデル「はい…半月切りはレモンを5mm程の厚みにスライスして半分に切って…これで大丈夫ですか?」


蘭「うん!上手だよ!リデルちゃん!」


Dシェゾ「うーん…なかなか綺麗に切れない…」


クルーク「最初の段階で厚さがバラバラになっちゃってるね…ここは厚めになっちゃっててこっちは薄めになっちゃってる」


蘭「お兄さん見てて、ゆっくりうすーくスライスしていって…こう!」


Dシェゾ「なるほど、ゆっくりゆっくり…こうか?」


蘭「うん!すごく綺麗です!」


Dシェゾ「おお…出来た…ありがとうな」


アミティ「これで下準備は終わりかな?」


ラフィーナ「そうですわね!それじゃあいよいよ調理に入るわよ!」


シグ「いよいよか」


ラフィーナ「それじゃあ、まずはパイシートOPPシートで挟んでめん棒を使って方の大きさよりも少し大きめに伸ばしますわ」


リデル「こうですか?」


ラフィーナ「そうしたら次は型に生地を敷きこんでフォークで穴を開ける!」


シグ「穴開けるの楽しい」


Dシェゾ「なんでフォークで穴を開けるんだ?」


クルーク「こうして生地に穴を開ける事によって生地に熱が入りやすくなるんだよ」


アミティ「そしたら次は?」


ラフィーナ「次は穴を開けた生地の上にクッキングペーパーを敷いてタルトストーンを乗せますわ」


Dシェゾ「こう…か?」


リデル「はい…合ってると思います」


クルーク「聞いてないし!」


シグ「次は?」


ラフィーナ「次はオーブンですわ!まずは180度のオーブンで20分生地を焼きますの」


蘭「20分焼いたらタルトストーンを外して更にもう10分焼くんだよね?」


ラフィーナ「ええ、綺麗な焼き色が着くまで焼きますのよ」


リデル「焼きあがったらケーキクーラーの上で冷まして粗熱を取ります」


ラフィーナ「生地を冷ましてる間に次はレモンカードを作りますわよ!」


クルーク「鍋に全卵、グラニュー糖、レモン果汁を入れてしっかり混ぜ合わせるんだ」


Dシェゾ「こうか?」


クルーク「うん!ホイッパーで混ぜながら中火にかけてクリーム状になるまで加熱!」


アミティ「そしたらさっき用意したゼラチンとバターをここに入れるの?」


ラフィーナ「ええ!それらを入れたらムラが無くなるで混ぜ合わせますわよ」


クルーク「とりあえずしばらく混ぜ続ければ大丈夫」


Dシェゾ「ああ…わかった」


蘭「レモンパイはレモンカードが決め手だもんね!」


リデル「そろそろいいんじゃないですか?」


ラフィーナ「そうね、大丈夫そうかも」


蘭「そうしたら粗熱を取った型にレモンカードを流し入れるの!」


Dシェゾ「レモンカードを流し入れて…あ、やばい!少しこぼしっちまった…」


ラフィーナ「いいわよそのぐらい」


アミティ「うん!ほんのちょっとじゃん」


蘭「お鍋をこぼれない角度に傾けるのって結構難しいですよね〜でもこの角度なら大丈夫!」


クルーク「おお!なるほど!」


シグ「綺麗に入った」


Dシェゾ「なるほどな…ありがとう」


蘭「全然!難しいですよね…」


リデル「それじゃあレモンカードを流し入れた型は冷蔵庫で冷やしましょう」


アミティ「うん!そしたらその間に次は…」


ラフィーナ「次はメレンゲを作るのよ!」


蘭「うん!さっき合わせたグラニュー糖と乾燥卵白を卵白の中に入れて全体的に泡立つまでハンドミキサーで泡立てるの!」


Dシェゾ「ハンドミキサー…これでか?」


蘭「そう!それを使ってしばらく混ぜて…」


Dシェゾ「…!?」


アミティ「え!?なに…?どうしたのDシェゾ!」


Dシェゾ「あ、いや…何も無い…」


ラフィーナ「何も無いって顔じゃありませんわよ…?」


蘭「そうですよ!どうしたの…?お兄さん…」


Dシェゾ「あ、いや…今教室の外から誰かが見てるような気がしてな…」


アミティ「教室の外から誰かが?まさか〜!」


クルーク「そうだよ!今日は参観日じゃないんだから!」


Dシェゾ「ああ…そうだよな…外から見てるやつなんかいるわけねえか…すまない気の所為だ」


ラフィーナ「ほんとに気の所為かしら…」


蘭「メレンゲを作ってる間に次はシロップ!」


リデル「はい、お鍋にグラニュー糖とお水を入れて117度まで加熱してシロップを作ります」


クルーク「クッキング用の温度計を使って温度を見ながらやらないとだからこれはほんとに重要だよね」


Dシェゾ「手が少し疲れてきたな…」


蘭「お兄さん大丈夫?変わりますよ?」


Dシェゾ「あ、いや…大丈夫だ、このぐらい…」


アミティ「シロップ出来たみたいだよ!」


リデル「はい!出来ました」


ラフィーナ「そうしたらそのシロップをそのメレンゲの中に入れますわ!」


蘭「ハンドミキサーを高速で泡立てながらゆっくり入れるの」


Dシェゾ「高速…?」


蘭「速さを変えるのは…このボタン!」


Dシェゾ「おお…」


蘭「そしたらここにシロップを!」


リデル「はい!Dシェゾさん少し熱いですから気をつけてくださいね…」


Dシェゾ「ああ…」


クルーク「ゆっくりでいいんだよ、全然ゆっくりで…」


アミティ「全部入った!」


リデル「終わりました…」


蘭「そうしたら粗熱が取れるまでしっかりとした固さのメレンゲが出来るまでハンドミキサーで泡立てる!」


ラフィーナ「そうですわ!だからしばらくそのまま混ぜて…」


蘭「お兄さん手大丈夫です…?」


リデル「ハンドミキサーの作業って結構手が疲れますよね…」


Dシェゾ「いいや、このぐらいなんてこと…」


蘭「お兄さん、無理しないでください…きつかったら正直に言っていいんですよ?」


アミティ「そうだよ!あたし達はもうそんな遠慮する仲じゃないでしょ!」


ラフィーナ「アミティさんの言う通りですわ、Dシェゾさん…結構疲れたでしょ…?」


Dシェゾ「いや、そんな…」


蘭「ささ!遠慮しないで!ハンドミキサー変わります!」


Dシェゾ「そうか…?すまない」


蘭「全然大丈夫ですよ!あ、でももう結構固くなってるじゃない」


クルーク「おお!それじゃあメレンゲはもういい感じかな?」


蘭「うん!お兄さん上手です!」


アミティ「ね!すごい!」


Dシェゾ「そうか…?あ、ありがとう…」


ラフィーナ「そうしたら最後の肯定よ!冷やし固めた型にこのメレンゲを乗せてパレットナイフで形を整える!」


蘭「全体的にツノが立つようにメレンゲをデコレーションすると綺麗に見えるの!こうやって…ほら!」


アミティ「すごーい!蘭さん上手!」


Dシェゾ「見事だ…」


クルーク「ほんとに…さすがです!」


蘭「えへへ…」


Dシェゾ「それじゃあ俺も…これをこうやって…あれ?なんか違う…」


アミティ「あれー?あたしも上手くできない…」


蘭「ちょっと難しいですよね…いい?よく見ててね…こうやって…こう!」


Dシェゾ「なるほど…」


アミティ「蘭さんやっぱ上手だな…」


ラフィーナ「メレンゲ塗り終わったら、さっき切ったレモンを散らして仕上げにガスバーナーで焼き色を付ければ…」


蘭「完成!レモンパイ!!」


アミティ「出来たー!美味しそう!!」


リデル「やりましたぁ…」


シグ「わーい」


アコール「美味しそうに出来ましたね」


アミティ「みんなのおかげです!!」


Dシェゾ「…!?」


リデル「Dシェゾさん…?」


クルーク「どうしたんだい…?」


Dシェゾ「まただ…また、外から誰かが…」


ラフィーナ「ええ?また…?」


アミティ「誰!?誰なの!?」


蘭「アミティちゃんは危険だから家庭科室の中にいて!誰なの!?さっきからコソコソと…そこに隠れてるのはバレてるのよ!観念して出てきなさい!!」


???「はあ…見つかっちまったか」


蘭「ええ!?お父さん!?」


アミティ「え!?ええー!?」


ラフィーナ「おじさまじゃない!!」


蘭「お父さん!なんでこんな所に!?」


小五郎「それはこっちのセリフだ!!蘭お前こそこんなところで何を…」


蘭「魔導学校に体験学習に行くって行ったじゃない!!」


小五郎「どうせろくでもない奴らしか居ないから辞めておけって言ったろ!なのにこんなとこで呑気にレモンパイなんて作りやがって…」


蘭「いいじゃない!興味あるんだから…!」


小五郎「まあ、でも確かに…ここには色気のねえガキ達しか居ねえみたいだし…そんなに心配することはねかったかもな…」


ラフィーナ「まあ!失礼ね!」


クルーク「ほんとに…」


蘭「もしかしてお父さん…20分ぐらいずーっとここにいたの…?」


小五郎「え?」


蘭「さっきこの彼がハンドミキサーでメレンゲ作ってる所ら辺も見てたんでしょ?それもお父さん?」


小五郎「この赤いバンダナのガキがハンドミキサー使ってるとこ…?いや…俺はたった今来たばっかだぞ…?」


蘭「え?」


アミティ「さっきのはおじさまじゃないの?」


クルーク「おじさま僕たちの調理実習、20分前ぐらいからずっとここで見てませんでした?20分前だとちょうどこの彼がハンドミキサーを使ってた所だったと思うんですけど…」


小五郎「20分前!?こんな所で20分もずーっと覗いてるわけねえだろ!」


ラフィーナ「…!やっぱり…!!」


アミティ「え?ラフィーナ!?」


Dシェゾ「おい!どこに行くんだ!?」


ラフィーナ「やっぱり…やっぱり居たんだわ…!もう1人…私らの調理実習を覗いていた人物が…!!」




ラフィーナ「見つけた…!そこにいるあなたは誰!?」


???「やあ、ラフィーナ!」


ラフィーナ「…やっぱり」


アミティ「ラフィーナ!大丈夫!?」


Dシェゾ「あー!お前はー!!」


お父様「やっほーごきげんよう!」


アミティ「お父様!!」


ラフィーナ「…今日はなんの御用ですの…?」


お父様「たまたま魔導学校付近を散歩してたんだ!そしたら学校の方から美味しそうなレモンパイの匂いがしてな〜!ちょっと気になって覗いて見たんだ!その覗いた時はちょうど彼がハンドミキサーを使ってる所だったね!」


クルーク「なるほど…確かに時間は一致してる…」


Dシェゾ「じゃあ俺がハンドミキサー使ってる時に感じた視線は…こいつだったって訳か…」


お父様「そう!その通り!で?僕の分のレモンパイはあるかな?」


ラフィーナ「生憎人数分しかありませんわよ」


お父様「えー!?そんなー!!ラフィーナちゃんつめたーい!」


アミティ「あはははは…」




アコール「ラフィーナさんのお父様も蘭さんのお父様も今日はわざわざありがとうございます、どうぞごゆっくり見学して行ってください」


小五郎「いやー!こりゃどうも!!」


お父様「小五郎さん!良かったらこの後あるお店で1杯どうですか?お互いの可愛い可愛い娘が作ったレモンパイを食べながら!」


ラフィーナ「あげませんわよ!?食べられる前提で話を進めるな!ですわ!!」


アコール「ラフィーナさん、せっかく来てくださったお父様にそんなこと言っちゃダメですよ」


小五郎「そうだそうだ!自分の父親を大切にしろ!」


ラフィーナ「もうあんまりですわー!」




その夜


小五郎「シャンパーニュ2人分お願いしますー!!」


お父様「ラフィーナ!レモンパイ!!」


ラフィーナ「550円ですけど」


お父様「それはメニューのレモンパイでしょ!?僕が言ってるのは可愛い可愛いラフィーナが学校で作った美味しい美味しいレモンパイ!」


ラフィーナ「人数分しかないって言ったでしょ、どうしてもレモンパイを食べたいならそこから注文してくださいな」


お父様「ラフィーナ、学校の先生に言われたでしょ?お父さんに冷たい言い方しちゃダメですよって」


ラフィーナ「あら、学校に勝手に乗り込んでくる親バカに冷たい言い方しちゃダメとは聞いてなくってよ?」


小五郎「もっとお父さんを大切にしてやれよ…」


アミティ「あはははは…」


シェゾ「まあこいつの場合は限度を超えてるからな…ラフィーナが冷たくなるのも無理ないと思うぜ…?」


レムレス「はい!シャンパーニュ2人分!」


小五郎「こりゃどうも」


お父様「ラフィーナが作った美味しい美味しいレモンパイ、食べたいのにな…」


ラフィーナ「そんなに言うなら仕方ないわね…ほら」


お父様「ええ!?いいの!?」


ラフィーナ「その代わり…もうあんなストーカーみたいな事やめて貰えます?」


お父様「私はストーカーじゃない!お前が心配だから見守ってるんだ!!」


小五郎「そうだ!俺も蘭が変な奴らに迫られないか心配で…」


蘭「心配ないわよ!もうお父さんまで…」


アルル「あっはははは!」


りんご「愉快な人たちですね…」


ラフィーナ「これのどこが愉快なのよ!迷惑でしかないわ!」


お父様「しかし、ラフィーナの作ったレモンパイが食べられるとは…生きててよかったー!!」


リデル「そんな大袈裟な…」


お父様「それじゃあ毛利さん!1杯行きますか!」


小五郎「はーい!では、乾杯!!」


お父様「いえーい!!それじゃあレモンパイもいただきまーす!!パク…んん!?」


小五郎「ぎゃー!!!!なんだこれー!?」


お父様「辛い…辛いじゃないかー!!!!」


アミティ「ラフィーナ、蘭さん…何入れたの…?」


ラフィーナ「タバスコよ」


蘭「ええ、娘の心配をして学校にまで乗り込んでくる変なおっさんは少し懲らしめてあげないと…ね?」


ラフィーナ「その通りですわ!!」


Dシェゾ「ラフィーナと蘭…マジで怖え…」




蘭「それじゃあそろそろ帰るね!みんなまた明日からもよろしくね!」


アミティ「はーい!こちらこそ!」


シグ「またあしたー」


シェゾ「気をつけて帰れよ」


ラフィーナ「おやすみなさい」


蘭「うん!おやすみー!!」


Dシェゾ「な、なあ…蘭」


蘭「ん?どうしたんですか?お兄さん」


Dシェゾ「その…今日は色々ありがとうな、分からない事とか教えてくれて…」


蘭「え!そんな!とんでもないです!私もみんなと一緒に調理実習出来て楽しかったです!」


Dシェゾ「俺も楽しかった…色々教えてくれてほんとに助かった、感謝する」


蘭「お兄さんも分からない事多くて大変かもしれないですけど…また何か困る事があれば全然なんでも話してくださいね!私でよければいつでも話聞きますから…ね?」


Dシェゾ「蘭…ありがとうな…本当に…俺も出来る範囲でフォローするから、分からない事や困った事があればいつでも言ってくれ」


蘭「ありがとう!お兄さん!んーん…Dシェゾくん!」


Dシェゾ「…!蘭…!」


蘭「そういえばDシェゾくんは昨日家庭科で作ったティッシュケース…誰にあげるんですか??」


Dシェゾ「え、あ…ああ…あれは…」


蘭「もしかして哀ちゃん??」


Dシェゾ「な、何故それを…!」


蘭「うふふ、知ってるんですよ…Dシェゾくんと哀ちゃんの事!」


Dシェゾ「そ…そうか…知ってたのか…」


蘭「でもいいな…羨ましい…私も…新一とずっと一緒に居られればいいなって…あいつたまにしか戻ってこないから…会いたいよ…会いたいよ新一…」


Dシェゾ「大丈夫だ」


蘭「え?」


Dシェゾ「その新一ってやつも蘭の事絶対に大切に思ってる…だからいつか必ず戻ってくるさ…心配するな」


蘭「ふふ、Dシェゾくんにそんな事言われたら…ほんとにそうなる気がする!」


Dシェゾ「蘭…」


蘭「そうね、いつか絶対戻ってきてくれるよね…それじゃあそのいつかが来る事を信じて待つわ!!新一の事…」


Dシェゾ「すまんな、引き止めて」


蘭「そんな事ないよ!じゃあね!Dシェゾくん!また明日ー!!」


Dシェゾ「ああ、おやすみ」




コナン「蘭から家にレモンパイ届けたってメールが来たな…たまたま寄ったとでも言っておかないとしつこく電話してきて敵わないからな…」


コナン「えっと…新一へ、私は今魔導学校で4週間体験学習をしています、その学校の家庭科の授業でティッシュケースを作ったので使ってね、そして調理実習の時間でレモンパイも作りました、そっちも良かったら食べてね」


コナン「そうか、蘭は今魔導学校で体験学習してるのか…しかし魔導だけじゃなくて調理実習もするのか…レモンパイ大好きだから凄く嬉しいな、いただきまーす!!パク…んん!?」


コナン「か、からーい!!!!!なんでこんなに辛いのー!?」




蘭「そういえばあのタバスコ入れたレモンパイ…あれ1つ余分に作っちゃったような…?あれひとつどうなったのかしら…?」




Dシェゾ「家庭科で作ったんだ、使ってくれ」


灰原「あら、くれるの?」


Dシェゾ「ああ、ティッシュケース…そしてこれはレモンパイ」


灰原「レモンパイ?」


Dシェゾ「調理実習で作ったんだ」


灰原「へえ、なかなか美味しそうじゃない」


Dシェゾ「良かったら食べてみてくれ」


灰原「ええ…ありがとう、でも今日はちょっと夜も遅いから…明日のおやつにいただくわ」


Dシェゾ「そうか、わかった」


灰原「でも…」


Dシェゾ「なんだ?」


灰原「このティッシュケース…すごいガタガタね…」


Dシェゾ「あ、はは…はははは…」


灰原「まあ、不器用なあなたが作ったんだもの…でもあなたにしては頑張った方じゃない?」


Dシェゾ「え…そうか?」


灰原「でも少し手直しが必要かも…あたしが教えるからあなた、直してよ」


Dシェゾ「教えてくれるのか…?」


灰原「あなたがあたしの為に作ってくれたんだもの、あなたがやらないと意味が無いわ」


Dシェゾ「そうか…わかった、教えてくれ」


灰原「わかったわ、任せて…うふふ」




おわり