サタン「見えてきたな…あの島だな」
リデル「いよいよですね…」
アミティ「うん!わくわくする!」
事の始まりはラフィーナのお父様の知り合いが務める大会社の社長の家から出てきた古い日記
その日記には無人島に宝を隠したと書かれていた
さらにその日記に挟まれていた宝の地図には謎の暗号が
『かごめ かごめ かごの中のとりは いついつ出やる 』
『夜明けの晩につるとかめがすべった』
『うしろの正面だあれ』
そのお父様の知り合いの方からぜひ宝を探して欲しいと頼まれ、アミティ達は無人島に宝探しにやって来ました
お父様「どうだい?暗号の解読は進んでるかい?」
サタン「もちろんだ!少し聞かせてやる」
お父様「ほう、それじゃあ君の推理を聞かせてもらおうか」
サタン「ああ…まずこの『かごめ』とはかごの目…つまり竹で編んだかごの目の事」
お父様「ふむふむ…」
サタン「かごの目から連想するものと言えば、綺麗にカットされた宝石…これは昔流行った形でダイヤモンドに多い、そして『いついつ出やる』とは五(いつ)と五(いつ)で55…つまり…55個のダイヤが出てくる!!…ってわけだ」
お父様「おお!さすが闇の貴公子さん!お見事ですな!!」
サタン「だろ!?はーはははは!!」
Dシェゾ「…さっきシェゾが解読した通りに言ってるな…」
アルル「ね…まるで自分で推理したみたいに…」
リデル「あははは…」
まぐろ「面白い人だ…ね☆」
お父様「で、そのありかは?」
サタン「いや、それはこれから…」
お父様「まあ、とにかくよろしく」
サタン「ああ…任せろ」
りんご「でもなんでお父様の知り合いの方は自分で宝を探さないんですか?」
シェゾ「宝を狙ってるやつがいるからだ」
まぐろ「え?狙ってるって…?それは一体だ〜れの事か…な☆」
シェゾ「ああ…あの父親の知り合いの所にこれが届いたらしい」
6月10日 午前7時までに宝を頂く
他の仲間に連絡した方が良さそうだぜ
怪盗キッド
りんご「怪盗キッド!!」
Dシェゾ「6月10日って…明日じゃないか!」
ラフィーナ「じゃあ、キッドはもう宝を見つけたって事?」
シェゾ「さあ、それはどうだろうな…まあ宝が宝石という事は分かったようだけど…やつの獲物はいつも宝石か美術品に決まってるからな」
ラフィーナ「今日の舞台はかごめ島ですわよ」
アミティ「かごめ島?」
ラフィーナ「そう、お父様のお知り合いの方が持っている小さな無人島ですわ」
お父様「それじゃあ私は他に予定があるから…明日の朝迎えに来るね」
アミティ「はーい!」
お父様「宝の発見期待してるよ!」
サタン「はいはーい!」
アミティ「よーし!絶対見つけようね!」
リデル「はい…」
アミティ「そうと決まれば早速レッツゴー!!」
アルル「わーい!!」
リデル「あ、待ってくださいアミさん!アルルさんも…!」
ラフィーナ「あ、こらちょっと待ちなさい!!」
シェゾ「全く…よくはしゃぐな…」
Dシェゾ「いいよな、子供は無邪気で…」
りんご「それより!いよいよまぐろくんの出番です!」
ラフィーナ「確かまぐろさんはキャンプの達人なんですのよね?」
まぐろ「いやいやそんな…☆趣味でたま〜にキャンプをするだけ…だよ☆」
Dシェゾ「頼りにしてるぜ」
まぐろ「と〜にかく!島に入ってキャンプ地を決めよう…か☆」
アミティ「かーごめかーごめ♪かーごのなーかのとーりーは♪」
アルル「いーついーつ出やーるう♪」
リデル「ベースキャンプが出来上がりましたね…」
ラフィーナ「サタン、水分をしっかりとっておいてくださいね」
りんご「そうです!喉の乾きは人の判断力を低下させますからね!」
サタン「ああ、大丈夫だ」
シェゾ「これ以上判断力が落ちたら大変だしな…」
Dシェゾ「それで…どうだ?サタンは暗号の解読は進んでるのか?」
サタン「いや…それが中々…初めの3行は宝の種類とその数…だったよな」
シェゾ「そう、だから残りの行に宝の場所が書いてあるんだ」
りんご「なるほど…」
シェゾ「『夜明けの晩』には時間的な意味、『つるとかめがすべった』は隠し場所のキーポイント、『うしろの正面』はすばり…宝のありかだ」
サタン「よし…それじゃあ宝のありかを探そう!」
まぐろ「それじゃあ…2チームに分かれて探すのはどう…かな?☆」
アルル「僕もそれがいいと思ってた!」
ラフィーナ「それじゃあ私はサタンとりんごさんとまぐろさんと行動しますわ」
アミティ「おっけー!じゃあ残りのあたしとアルルとリデルとシェゾとDシェゾで同じチームだね!」
りんご「皆さん携帯を持ってますので連絡だってちゃんと取れます!」
アミティ「それじゃあみんな行こう!!」
アルル「うん!!」
Dシェゾ「だけど…キーポイントの場所ってどこだ?」
アミティ「『つるとかめが』だからつるとかめのいる場所だよ!」
Dシェゾ「こんな無人島につるとかめなんかいるわけねえだろ…」
シェゾ「おい、お前らこっちだ」
リデル「シェゾさんもしかしてもう宝のありかが分かってるんですか?」
シェゾ「ああ、大体だけどな」
アミティ「ほんと!?シェゾすごーい!」
シェゾ「さっき山を登る時に場所だけは確認しておいたんだ、この下の窪地だ」
アミティ「ひょえ…」
Dシェゾ「こんな崖を降りるのか…?」
シェゾ「ああ…このロープを使ってな」
リデル「手が滑らないようにあちこちに結び目が作ってありますね…」
シェゾ「これを近くの木に結んで…よし!足場をよく見てゆっくり降りろ」
アルル「ゆっくり…ゆっくり…慎重に…」
Dシェゾ「リデル大丈夫か?」
リデル「はい…怖いですけど…でも何とか…」
ドスン!!
アミティ「きゃー!!」
リデル「アミさん…!」
Dシェゾ「なんだ!?」
シェゾ「おいアミティ!大丈夫か!?」
アルル「アミティ、落ちたんじゃなくて降りた途端に滑っちゃったみたい…」
アミティ「いたたた…おしり強くぶつけちゃったよ…痛い…」
Dシェゾ「地面がぬるぬるするな…」
リデル「山に降った雨がこの窪地に集まるからですね…」
シェゾ「だからここがキーポイントなんだ」
アルル「そっか!つるとかめがすべった、だね!」
アミティ「でもつるとかめにはどんな意味があるの?」
シェゾ「『つるとかめがすべった』じゃなくて…『つるっとかめがすべった』だな」
Dシェゾ「なるほど…」
シェゾ「言葉の遊びだな、こう考えるとすべる場所以外にもう1つ気づく事が…」
リデル「もう1つ…?」
シェゾ「ほら、あそこ見てみろ」
アルル「沼?」
シェゾ「そう、かめの住む場所と言えば沼地…どこかにかめがキーワードになる物があるはずだ」
リデル「それじゃあそれを探しましょう…きゃっ…!」
アミティ「あーあ、つるっとリデルがすーべったぁー」
リデル「あれ…?なんか変な石があります…」
シェゾ「これは…大発見だリデル!石の下側が亀の甲羅の模様みたいになってる…!」
アミティ「ほんとだー!」
アルル「しかもひっくり返って見えるから『つるっとかめがすべった』だね!」
アミティ「それじゃあこの下に…」
シェゾ「まて!まだ暗号は残ってる」
Dシェゾ「残った暗号は『夜明けの晩に』と、『うしろの正面』…だな」
ガサガサ
アミティ「ねえ…誰か来るよ」
シェゾ「まずい!みんな隠れろ!」
アルル「ええ!?」
男性A「相変わらずこの辺は滑るな」
男性B「ここの変わった様子はなさそうですな」
男性C「次のポイントを見回りましょう」
男性D「しかし怪盗キッドは本当に来るんですかね?」
男性E「さあな…」
アルル「あの人達誰?」
シェゾ「ラフィーナの父親の知り合いが前から頼んでいた宝探しのチームだよ」
リデル「じゃあ…もしかしてあの中にキッドさんが…?」
シェゾ「ああ…恐らくな…」
アルル「キッドといえば変装の名人だもんね」
アミティ「実はあたしキッドかもよ?もしあたしがキッドだったらどうする?」
Dシェゾ「はいはい…」
シェゾ「とりあえず戻るぞ、後は夜明け前にここに来れば分かる」
アミティ「え、夜明け前?」
シェゾ「『夜明け前の晩』は夜が明ける時の晩だから、夜明けで1番暗い夜明け前って事だ」
ラフィーナ「サタン、今日はもうそのぐらいにして…」
サタン「うーむ、だがな…」
まぐろ「頭を使いすぎるのもあ〜んまり良くないです…よ☆」
夜は深まり晩は過ぎていった
そしていよいよ…
シェゾ「午前6時…ちょうど夜明け前についたな」
Dシェゾ「最後の暗号、『うしろの正面』の解読だな」
リデル「こっちが頭のようですからこっちが前ですね」
アミティ「じゃあこっちが後ろかな?」
アルル「正面ってどこ?」
リデル「つまり、アミさんの真後ろですよ」
アミティ「…暗くて何も見えないよ…?」
シェゾ「アミティ、そのまま見てろよ…ライトニング!!」
Dシェゾ「アミティどうだ?何か見えるか?」
アミティ「あー!!見てよ!あそこ!」
リデル「岩の隙間が光ってます…!」
アルル「きっと宝のありかを示す目印だよ!」
シェゾ「ヒカリゴケだ、コケ自体は発光しないが光を当てればコケの細胞が光を反射して暗闇でも光って見える…夜の中で1番暗いと言われる夜明け前に明かりを持ってくれば光って目印になるんだ」
アミティ「よし!ここを掘ろう!!」
アルル「あった…あったよ!!」
Dシェゾ「すげえ…やっぱりダイヤモンドだったな…」
ラフィーナ「あら…声が聞こえると思ったらこんな所に…皆さんどうしたんですの?こんな時間に…」
アミティ「あ!ラフィーナ!!」
リデル「見てください…ついに私達お宝を…」
ラフィーナ「まあ!」コソ…コソ…
シェゾ「ん?どうしたんだラフィーナ、トイレでも行きたいのか?」
ラフィーナ「あ、いや…その…」
アルル「あ!ちょうどシェゾ!女の子にそんな事言わないの!」
ラフィーナ「そう…トイレよトイレ!ちょっとトイレに行ってきますわ!!」
アミティ「あ!ラフィーナ!」
アルル「ちょっとシェゾ!なんであんなこと言ったんだよ!」
シェゾ「あのラフィーナ…怪盗キッドだ」
リデル「ええ…」
アミティ「ええー!?」
Dシェゾ「まじか…でもなんで…」
シェゾ「間違えない…あのラフィーナ膝を曲げて少し屈んでいた、それに股も抑えていたしな…」
アルル「あっ…確かに…!」
リデル「それじゃあ…今キッドさんが屈んでいたのは、身長を低く見せるためって事ですか…?」
シェゾ「ああ…恐らくな」
アミティ「でもそれは分かったとして、今のラフィーナ…じゃなくてキッドは、何であんな所に手を…」
シェゾ「キッドはれっきとした男性だ、そんな男性が女性なんかを演じたらラフィーナが手を抑えてた所に少し違和感を感じるはず…」
Dシェゾ「なるほど…だからあいつはそれに気づかれないように…」
まぐろ「おやおや?声が聞こえると思ったらみんなこんな所に居たんだね!」
アミティ「まぐろー!まぐろも来たんだね!」
まぐろ「うん!みんなお宝見つけたかなーって思って!」
リデル「お宝なら今ちょうど…」
シェゾ「おっと、そこでストップだ」
まぐろ「ん?」
シェゾ「よく化けたな…怪盗キッド」
まぐろ「え?僕がキッド?」
アルル「え?今度はこのまぐろが?」
まぐろ「困ったな…僕は本物だよ、ねえリデル?」
リデル「え、でも…シェゾさんが…」
シェゾ「それじゃあ確かめさせてもらうぜ」
まぐろ「え?」
シェゾ「もしもし…俺だ」
まぐろ「むにゃむにゃ…ん…?な〜んだい?どうしたの…かな?☆」
シェゾ「すぐにベースキャンプ下に来てくれ、ラフィーナとりんごとサタンも一緒にな」
まぐろ「うん!分かった…よ☆」
シェゾ「まぐろは随分独特な喋り方をする、でもお前は普通の喋り方だった…つまり!お前は偽物ってわけだ!」
まぐろ「チッ!」
シェゾ「逃がすもんか!アレイアード!!」
まぐろ「スッ…」
アミティ「あっ!?」
アルル「き、消えた!!」
バサ
シェゾ「なっ!?」
怪盗キッド「流石だな闇の魔導師さん!あと一歩だったのに残念だったぜ…最初からお前が暗号を解読するだろうとあてにしてたのさ…あのピンクの巻き毛のお嬢さんの知り合いの親父でも狙えばお前達にも話が回ってお前達も来ると思ってな…あばよ、また会おう!」
シェゾ「何がまた会おうだ…」
Dシェゾ「シェゾ、あんなやついいじゃねえか…」
リデル「そうですよ…お宝は無事に守れたんですから…」
アミティ「ねえ見て!綺麗な朝日だよ!」
アルル「ほんとだ!綺麗だね…」
ラフィーナ「いた…いましたわ!」
サタン「ああ…あそこだな…」
アルル「僕たちは素晴らしいものを手に入れたね…」
リデル「はい…みんなで力を合わせて1つの事をやり抜いたという体験…」
アミティ「それがあたし達の本当の宝だね!!」
おわり