ラフィーナ｢はあ…｣
アルル｢あれ？ラフィーナ、どうしたの？何ため息なんかついてるの？｣
ラフィーナ｢最近あんまり来ないじゃない…｣
アルル｢来ない？｣
ラフィーナ｢お客よお客！最近お客さんの数が何故か少ないじゃない！｣
Dシェゾ｢そうか…？｣
アルル｢あーでもそうだね…確かに最近お客さんの数少なくて売り上げもあまり良くないかもね…｣
シェゾ｢ああ…その通りだ、最近すごく客が少なくて売り上げ的にはかなりまずい方だ｣
りんご｢あらー、まじですか…｣
ラフィーナ｢これは…何とかしてお客さんを少しでも多く呼び込まないとですわね…｣
アルル｢そうだね…例えばもう少し宣伝してみるとか！｣
Dシェゾ｢宣伝ってなんだ？｣
ラフィーナ｢やっぱりそう来たか！ですわ｣
リデル｢Dシェゾさん、宣伝っていうのはそのお店の事を多くの人に知ってもらえるように皆さんに情報を伝えて広める事ですよ｣
Dシェゾ｢なるほどな…ありがとう、リデル｣
リデル｢いえいえ…またいつでも聞いてください｣
Dシェゾ｢ああ、助かる｣
りんご｢でも宣伝か…でも例えばどういう事をすれば…｣
サタン｢そんなのこの私にかかればおちゃのこさいさいだ！｣
アルル｢え？サタン？｣
シェゾ｢なんだ？突然…｣
リデル｢お兄様…何かいい方法があるんですか？｣
サタン｢ああ！それはもちろん…アルルがこの店の店長になる！｣
シェゾ｢は？｣
ラフィーナ｢はあ！？｣
アルル｢僕が店長に！？｣
Dシェゾ｢それはどういう事だ…？｣
サタン｢我がフィアンセに相応しい可愛い可愛いアルルが店長になれば客が沢山来てくれるんじゃないか！？それで客を集められる！そうすればこの店の売り上げも伸びる！どうだ？なかなかいい作戦じゃないか？｣
りんご｢それは…｣
ラフィーナ｢いや…すごく最悪な作戦ですわね…｣
エコロ｢いいじゃんいいじゃん！それすっごくいいと思う！｣
サタン｢だろだろ！？中々いいアイディアじゃないか！？｣
アルル｢フィアンセは違うけど！でも…確かに僕、店長の立場少し憧れてたんだよね…｣
サタン｢おお！それは本当かアルル！｣
アルル｢僕…やってみてもいいかも！｣
りんご｢ええ！？アルル！？｣
シェゾ｢マジで言ってんのか…？｣
アルル｢僕ね、1度でもいいからそういうリーダー的な事にチャレンジしてみたかったんだ…でもみんなの助けがないとさすがに上手くは行かないと思うから…だからみんな！フォローお願い！僕頑張るから！｣
シェゾ｢そうは言ってもな…店長って結構大変なんだぜ…？｣
ラフィーナ｢そうよ！アルルさんが思ってるような簡単なお仕事ではありませんわよ…｣
アルル｢もちろん分かってる！でも、それでも僕はチャレンジしてみたいんだ…ね、みんな、お願い！｣
ラフィーナ｢どうします？シェゾさん…｣
シェゾ｢そ、そうだな…まあ、アルルがやりたいって言うなら…｣
りんご｢そうですね…自分からやりたいって言ってますし、ここはやらせてあげてもいいと思います｣
リデル｢結果はどうであれ、挑戦するのは大切な事ですもんね｣
シェゾ｢それじゃあ、今日1日だけアルルを店長にしてみて少し様子を見よう、それで行けそうなら今後も考えてみる｣
アルル｢ほんと？シェゾ…｣
シェゾ｢(まあどうせやっぱりキツくてすぐに店長辞めたいって言うだろう…絶対にそうなるはずだからあまり深く考えなくても大丈夫なはず…)｣
ラフィーナ｢アルルさん大丈夫！私達も精一杯フォローしますわ！｣
アルル｢ラフィーナ…｣
りんご｢まあ確かに責任を持って店舗全体の事を考えなきゃ行けないかもですけど…でも、少しぐらいなら失敗してもいいから楽しくやりましょう？あまり深くは考えずにそれだけを考えて！｣
リデル｢アルルさんならきっと出来ますよ！｣
アルル｢みんな…！｣
サタン｢そうと決まればSNSだ！｣
シェゾ｢…は？｣
Dシェゾ｢えすえぬ…？｣
サタン｢アルルの可愛い写真を撮ってこの店のイン○タに投稿だ！｣
エコロ｢わーい！！｣
アルル｢えー！？イン○タに僕の写真をー？なんか恥ずかしいな…｣
サタン｢店の売り上げの為だ！アルル！一肌脱いで頑張ってくれ！｣
エコロ｢僕も協力するから！｣
アルル｢あ、うん…！｣
シェゾ｢相変わらず思考がアホすぎる…｣
サタン｢この店は何故か女子もスーツだからな…そうだな、例えばこういう…フリフリのメイド服とかでもいいのかも！｣
エコロ｢おおー！アルルちゃん可愛いー！｣
アルル｢えーでもちょっとフリフリすぎない…？それにこーゆうの滅多に着ないからなんか恥ずかしいな…｣
サタン｢この方がみんなあ！この子可愛いなー！ってなって沢山来店してくれるんじゃないか！？私だったらこんな可愛いメイド服のアルルがいるなら喜んで来るぞ！｣
シェゾ｢それはお前だけだ｣
エコロ｢いいねいいねー！それじゃあ可愛いポーズ沢山して！｣
アルル｢可愛いポーズ…ええ…なんだろう…｣
サタン｢手をこうやって頭の上に添えて…猫のポーズとかしてみてくれ！｣
アルル｢えっと…こうかにゃ…？｣
サタン｢そうそうそう！可愛いでは無いか！｣
アルル｢いや…でもやっぱりなんか恥ずかしい…｣
シェゾ｢そんなんで客なんか来るわけないだろ…｣
ラフィーナ｢なんであーゆうおっさんってとりあえずSNS使っとけば集客できると思ってるのかしら…｣
Dシェゾ｢全くだ…｣
エコロ｢もっともっともっと！もっと可愛く笑って！｣
アルル｢えっと…こう？｣
エコロ｢そして可愛くぶりっ子ポーズも付けて！｣
サタン｢アップだアップ！アップも撮れ！！｣
エコロ｢はいはーい！アルルちゃんもっとスマイル！｣
アルル｢えっと…こうかな？はい！｣
サタン｢可愛いでは無いか！｣
シェゾ｢きっついな…こいつら…｣
Dシェゾ｢それでなんでアルルもまんざらじゃないんだよ…｣
サタン｢よーし！これでお店のイン○タに投稿！｣
エコロ｢おおー！いいねいいね！これで満員間違えなしだよ！｣
サタン｢そうだな！｣
エコロ｢それにしてもおじさま、よくアルルちゃんを店長にしてお客さんを集めようなんて発想出来たね！｣
サタン｢まあ…なんだろうな…あの感覚…勝手に降りてきたんだ…｣
エコロ｢おおー！さっすがー！！｣
シェゾ｢作曲家みたいな事言うな｣
エコロ｢いやーほんとさっすがサタンのおじさま！すごく素晴らしい作戦だと思ったよ！｣
シェゾ｢それで可愛い女を使って客集めるって…すごく簡単ですごく最悪な作戦だろ…｣
ラフィーナ｢まあサタンはそうかもしれないけど…でもアルルさんも自分からやりたいって言ってたからいいじゃない…｣
エコロ｢とりあえず！これから頑張って売り上げ伸ばしていこうね！｣
サタン｢そうだな！今から絶対に電話鳴り止まないぞー！｣
エコロ｢うん！準備しておこう！｣
シェゾ｢あんなので電話なんか来るわけないだろ…｣
プルルルルルルル
サタン｢お！来たぞ！電話だ！！｣
エコロ｢おお！早速！｣
サタン｢はいもしもし！可愛い可愛いアルル店長のお店です！！3名様！はい！空いております！お待ちしております！！｣
エコロ｢おお！3名？｣
サタン｢ああ！早速3名様予約入ったぞ！｣
アルル｢ほんとに！？｣
シェゾ｢来るんかい！｣
プルルルルルルル
サタン｢お！また来たまた来た！｣
シェゾ｢は！？また電話？｣
サタン｢はいもしもし！アルル店長のお店です！はい！2名様！お待ちしております！｣
アルル｢え！すごいすごい！｣
サタン｢また2名入ったぞ！｣
エコロ｢おじさま！ネット予約でこっちも2名予約入ったよ！｣
サタン｢ほんとか！？すごいじゃないか！｣
アルル｢ほんとー！？嬉しい！｣
シェゾ｢SNSの集客力えぐいな…｣
プルルルルルルル
サタン｢まただまた電話だ！｣
エコロ｢鳴り止まないね〜！｣
サタン｢アルル店長のお店です！！！！3名様！はーい！お待ちしております！！｣
アルル｢3名様！すごいな…｣
Dシェゾ｢5番テーブルの特製唐揚げ5人前まだか？｣
ラフィーナ｢もうちょっと待ってください！｣
Dシェゾ｢ちょっと客の方から催促貰ってな…早めに頼む…｣
ラフィーナ｢了解ですわ｣
シェゾ｢5人前とかどんだけ食うんだよあいつら…｣
ラフィーナ｢やばいですわね…｣
シェゾ｢一気に出すから皿並べておいてくれ｣
ラフィーナ｢ええ…｣
リデル｢唐揚げ10人前です…｣
シェゾ｢はあ！？10人前！？｣
リデル｢はい…10人前…｣
シェゾ｢唐揚げ10人前って絶対間違えてるだろ！｣
リデル｢いや…でも確かに10人前って仰ってて…｣
シェゾ｢ラフィーナ、ちょっと様子を見てきてくれ｣
ラフィーナ｢え、ええ…｣
シェゾ｢リデルはラフィーナと唐揚げの盛り付け変わってくれ｣
リデル｢あ、はい…｣
男性客A｢それじゃあ一旦それで！｣
アルル｢えー店長特製唐揚げは食べてくれないんですか…？｣
男性客A｢えーアルル店長にそれ言われたらな…｣
男性客B｢それそんなにおすすめ？｣
アルル｢はい！特製唐揚げは秘密の隠し味が入っててめちゃくちゃ美味しいです！｣
男性客B｢そしたらじゃあその唐揚げもお願いします！｣
男性客A｢そうやな！｣
アルル｢一つだけですか…？｣
男性客A｢アルル店長にそれ言われたらなー！｣
男性客B｢なー！もっと頼まなあかんやん！｣
男性客A｢3人前！｣
アルル｢もう一声！｣
男性客B｢もうじゃあ5人前！！｣
アルル｢もっともっともっと！！｣
男性客A｢じゃあもう10！！｣
アルル｢ありがとうございます！これから愛情たっぷり込めて作らせていただきまーす！｣
男性客B｢お願いしますー！｣
ラフィーナ｢まじですか…やり方えげつな…ですわ｣
アルル｢次は3番テーブル！はーいアルル店長が伺いまーす！｣
ラフィーナ｢もう法律スレスレですわね…ていうかうちの唐揚げ隠し味なんてあったかしら…｣
サタン｢おっほー！！！！｣
シェゾ｢あ？なんだ？｣
サタン｢おいエコロこれみてみろ！｣
エコロ｢え？｣
サタン｢すごいぞ売上が…！｣
エコロ｢え！すごい！｣
サタン｢ああ…半端ない！新記録！！｣
エコロ｢すごいね！ニューレコードだ！｣
サタン｢これ本当だな！｣
Dシェゾ｢忙しいのマジでダルすぎる…｣
ラフィーナ｢やり方はちょっとあれですけどでもアルル店長すごすぎますわ…｣
数時間後
サタン｢本日もお疲れ様！｣
アルル｢お疲れ様ー！｣
サタン｢この私の名采配の結果…なんと！完全なニューレコード達成しました！！｣
エコロ｢いえーい！！！｣
サタン｢これもアルルの可愛さのおかげ！！素晴らしい！！｣
エコロ｢いえーい！｣パァーン！！
サタン｢お！ナイスクラッカー！｣
シェゾ｢もういいってこいつ…｣
Dシェゾ｢てかそのクラッカーどこにあってん｣
りんご｢ま、まあ…おめでとうございます…｣
サタン｢まあ！これも全てアルル店長のおかげです！｣
アルル｢ありがとう！いやー僕も最初はちゃんと出来るか不安だったけどいざ成功すると凄く嬉しいね！！｣
サタン｢だろ！？アルル！お前に店長はほんとに向いてると思う！｣
エコロ｢ねー！しっかしアルルちゃん！こんな力を隠し持っていたなんて…！｣
サタン｢そこの元変態店長に狙われてるだけあるなほんとに！！｣
アルル｢いやーその力とはまた違うから！｣
シェゾ｢黙っとけこいつほんとに…｣
サタン｢明日からもアルル店長の元でこの店の売り上げを日本一…いや！世界一を目指して頑張っていきましょう！！｣
エコロ｢おー！！｣
アルル｢うん！頑張る！！｣
Dシェゾ｢調子に乗りすぎたこいつら…｣
次の日
ラフィーナ｢今日も予約パンパンですしもう最悪ですわ…｣
Dシェゾ｢売り上げが伸びるのはいい事かもしれんが…確かにあれはちょっとやりすぎだ！手口もちょっとだけ汚いし…｣
まぐろ｢アルルちゃんが店長になったら売り上げがやばくなったってほんと？☆｣
クルーク｢まじで！？僕暇そうだからこの店入ったのに！忙しくなるのは話が違うって！規則違反だ！！｣
シェゾ｢まあでも確かにな…ここまで売り上げが高くなる日が来るとは思わなかったからな…｣
ラフィーナ｢ええ…まさかここまで来るとはね…このお店がオープンした初日にはそんな事、夢にも思いませんでしたわ…｣
サタン｢おい！！なんだこれは！！｣
Dシェゾ｢ん…？｣
シェゾ｢なんだ？｣
サタン｢何だこのダンボール！誰だ…こんなに買ってきたのは！｣
シェゾ｢うわ…｣
Dシェゾ｢なんじゃこりゃ｣
アルル｢はーい！僕だよ！昨日の夜買い出しに行ってきたんだ！｣
サタン｢はあ！？さすがにこんな量いらないだろ！｣
アルル｢いや、でもやっぱりいっぱいあった方が営業も安心かなって思って！｣
サタン｢こんなに沢山量あっても腐るだけだ！！アルル…お前は我がフィアンセだが…さすがにこればかりは賛成出来ない…｣
ラフィーナ｢アルルさん…｣
シェゾ｢ああ…アホすぎるだろ…｣
エコロ｢ねえちょっと！！｣
サタン｢なんだ…？｣
エコロ｢昨日の売り上げ全部なくなってるよ！？｣
サタン｢は…？どゆこと…？貴様が取ったんじゃないんか！？｣
エコロ｢いやいやいやいや！僕そんな事…！｣
アルル｢それ僕昨日いただきました！！｣
サタン｢はあ！？なんで！？｣
アルル｢だから！それでね…｣
エコロ｢ええ…？｣
アルル｢ほら！お高くて美味しい良いカレー100パック！！｣
サタン｢アルル…何してんだよ！！｣
アルル｢ええ…？お店のお金って店長の物じゃないの？｣
サタン｢はあー！？｣
シェゾ｢ヤバすぎるだろ…｣
リデル｢ちょっと皆さん…！お店の評価が大変な事になってます…！｣
ラフィーナ｢はあ！？｣
サタン｢なんだと…？それ読んでみろ…｣
リデル｢えっと…店長可愛いけど、唐揚げ不味すぎ…アルルちゃん可愛いけど特製唐揚げが不味すぎ…二度と食うかこんな唐揚げ…でも店長可愛いけど！…だそうです…｣
サタン｢何をしてるんだほんとに…！おいシェゾ！唐揚げのレシピまた変えたんか！？｣
シェゾ｢いや、俺は何もしてない…！｣
サタン｢嘘をつくな！絶対シェゾがなんかしたから…！｣
アルル｢あ、僕！昨日の唐揚げの隠し味にミルクティーいれたんだ！！｣
サタン｢はあ！？｣
アルル｢最近僕ミルクティーにハマってて！ミルクティー美味しいから唐揚げも絶対美味しくなると思って！｣
サタン｢何してるんだアルル！もう訳分からん！！｣
クルーク｢もうアホとかのレベルじゃないじゃないか！｣
シェゾ｢ミルクティーなんて…そんなの不味くなるに決まってるだろ！！｣
サタン｢…て事はこのダンボール…｣
アルル｢うん！全部ミルクティー！｣
サタン｢まじか…｣
シェゾ｢最悪だ…｣
アルル｢昨日唐揚げすごく人気だったから！｣
サタン｢そんなもの…だから評価低いんだ！｣
エコロ｢こうなったら…昨日の売り上げ取り返すよ…｣
サタン｢そうだな…それじゃあまずは…イン○タで写真だ！！｣
エコロ｢あ、うん！分かった！｣
サタン｢ほら！早く！！あ、もう！ほら早く！！｣
アルル｢はーい！｣
Dシェゾ｢アルルは今どんな気持ちで笑ってんだ…？｣
サタン｢早く写真あげろ！！｣
エコロ｢アップしたよ！！｣
サタン｢よしよし！それじゃあ次は…何したらいいんだ…あ、そうだ！！唐揚げだ！唐揚げのレシピは…元に戻せ！そして…ミルクティーの買い出しもなしな！？｣
アルル｢うん！｣
サタン｢で！売り上げはもう私が預かるから…なんとか…昨日の分の売り上げ取り返さないといけないぞ！｣
エコロ｢そうだね！｣
サタン｢えーっと、それからそれから…あー！どうしたらいいんだ！…電話！！電話の準備だ！！｣
アルル｢うん！｣
プルルルルルルル
サタン｢かかってきた！！｣
ラフィーナ｢早速電話ですわ…｣
サタン｢よし！私が行く！｣
サタン｢はい！もしもし！はい！アルル店長のお店で間違えないです！はい、えっと、評価サイト見て頂いて…はい、え、キャンセル…？あ、ああ！すみません！ちょ！ちょっと待って…！！｣
エコロ｢おじさま！｣
サタン｢切られちまった…｣
ラフィーナ｢こっちもキャンセルの電話でしたわ…｣
サタン｢まじでか！？もうどうするんだこれ…｣
Dシェゾ｢こっちもキャンセルだ…｣
サタン｢ああ…終わった…｣
リデル｢とりあえず…アルルさん店長はもうやめましょう…｣
シェゾ｢そうだな…｣
ラフィーナ｢まあ…もう、切り替えて1からまた頑張りましょう…｣
Dシェゾ｢ああ…そうだな｣
アルル｢ええ！僕店長じゃなくなるってこと？｣
シェゾ｢まあ…アルル、お前なりによく頑張ってくれたが…｣
アルル｢そうか…まあでも…店長になれて嬉しかったのもあるし、ちょっとたまたま上手くいっただけなのに調子乗っちゃってた所あったかも…ごめんなさい｣
りんご｢店長の仕事をちゃんと理解してなかったんですね…｣
ラフィーナ｢ええ…まあでも！失敗は誰にだってありますし！｣
シェゾ｢まあ事の発端はサタンなわけだし…アルルはあまり気にするな｣
まぐろ｢また1からやり直せばいいだけだから！！ね？☆｣
アルル｢みんな…｣
シェゾ｢とりあえずそこのダンボール片してくれ｣
ラフィーナ｢ええ…｣
シェゾ｢じゃあほら…また頑張ろ…な？｣
カランコロン
ラフィーナ｢あら、お客ですわ｣
Dシェゾ｢いらっしゃいませ…あー！お前は！｣
平次｢よー！久しぶりやな｣
アルル｢平次！！｣
ラフィーナ｢平次さん！？何故ここに？｣
平次｢普通に暇やけん！遊びに来たんや！｣
シェゾ｢そうか…カウンターでいいな？｣
平次｢ああ、でもそれよりあんたの店…今、大変な事になってるらしいな…｣
アルル｢あ、うん、そうなんだ…僕のせいで…｣
平次｢ミルクティー唐揚げが不味いって評価サイトに書いとったな…でも…｣
Dシェゾ｢でも？｣
平次｢俺はこの店の料理を信じとるで…｣
シェゾ｢平次…｣
平次｢だから…だから！この店のミルクティー唐揚げが上手いって…それをみんなに知らしめる為にここに来たんや！！｣
アルル｢え？それってどういう…｣
平次｢俺な！最近イン○タっちゅー写真を投稿するSNSを始めたんや！｣
シェゾ｢あ、ああ…それか｣
平次｢ああ！だからそれにそのミルクティー唐揚げの感想と写真を載せるんや！！｣
アルル｢いや、でもそんな事したら平次も炎上しちゃう…｣
平次｢とりあえずミルクティー唐揚げくれや！｣
シェゾ｢ほんとに…食うのか？｣
平次｢ああ！早く出してくれい！｣
ラフィーナ｢はい、ミルクティー唐揚げですわ｣
平次｢ほな！おおきに！それじゃあ頂くで！｣
アルル｢まあ美味しくないと思うけど…｣
平次｢んん！？美味い！美味いでこれ！！｣
まぐろ｢ええ！？｣
平次｢なんか…台湾唐揚げ？みたいなやつに味が似とるなこれ！なんや！全然美味いやないか！！｣
Dシェゾ｢そんなに美味いのか？｣
平次｢ああ！超まいうーやで！！｣
ラフィーナ｢そういえばその唐揚げ私ら自分達で食べてませんでしたわね…｣
りんご｢確かに！そうですね、食べてなかったです｣
シェゾ｢じゃあひとつ試しに…パク｣
Dシェゾ｢あれ…？これ…美味いじゃないか…！｣
ラフィーナ｢あら、そうね…全然行けますわねこれ！｣
リデル｢ほんとです…美味しい…｣
サタン｢ほんとだ…食べもせずに文句言ってしまったが…これ意外と行けるな！うん！美味しいじゃないか！｣
エコロ｢ね！こんなに美味しいとは…｣
クルーク｢すごい美味しいじゃないかこれ！…たまたま昨日のお客さんたちの口には合わなかっただけかな？｣
平次｢ああ！多分そうだと思うで！まあ世の中色んな人がいるからな…ほな、そしたらこの写真を載っけて…ほな！アップや！｣
サタン｢おお…｣
平次｢お！見てみい！早速コメントが沢山！｣
シェゾ｢本当か？｣
Dシェゾ｢なんて来てるんだ？｣
平次｢ミルクティー唐揚げ美味しそう！！私も食べたい！とか、西の高校生探偵の服部平次くんが美味しいっていうんだから間違えない…とか｣
アルル｢おお！すごい！｣
女性A｢すみませんー！服部平次くんが美味しいって言ったミルクティー唐揚げのお店はここですか？｣
シェゾ｢はい！いらっしゃいませ、2名様で？｣
女性B｢はーい！2名で！ミルクティー唐揚げください！！｣
シェゾ｢毎度…｣
女性A｢いただきます！あ！すごい！美味しい！！｣
女性B｢ほんと！ミルクティーの甘さと唐揚げのジューシーさがすごく合うね！！｣
女性A｢イン○タに載せちゃお！｣
女性B｢私もストーリーに！｣
女性A｢やばい！めっちゃいいねくる！コメントも！｣
女性B｢私も彼氏からコメントきた！どこの？美味しそう！って！｣
シェゾ｢まじかよ…｣
Dシェゾ｢本当はこんな大人気メニューだったんだな…｣
プルルルルルルル
リデル｢電話です…！｣
サタン｢あ、はいはーい！ザゴージェアスマンフーディーファイルザゴットプリンプ店です！｣
電話の相手｢すみませんそちらのお店はミルクティー唐揚げのお店ですか？｣
サタン｢あ、はい！ミルクティー唐揚げのお店です！｣
電話の相手｢ですよね！服部平次くんがイン○タ載せててそれで知りました！今から2名で予約入れたいんですけど空いてますか？｣
サタン｢はい！空いてます！2名様ですね！お待ちしております！｣
エコロ｢おじさま！2名様予約？｣
サタン｢ああ！2名で予約来たぞ！！｣
ラフィーナ｢まじですの！｣
りんご｢こっちも2名の予約入りました！｣
クルーク｢ネット予約も入ったぞ！｣
リデル｢すごいです…｣
女性A｢このお店テイクアウトってやってますか？｣
シェゾ｢あ、ああ…テイクアウト可能だ｣
女性B｢このミルクティー唐揚げ6人前テイクアウトでお願いします！｣
アルル｢6人前！？すごいな…｣
男性｢すみません！ミルクティー唐揚げください！｣
サタン｢あ、はい！ミルクティー唐揚げですね！｣
男性｢さっきそこの女の子達が美味しそうに食べてたから僕も食べてみたくなって！お願いします！｣
エコロ｢はいはーい！ありがとうございます！｣
Dシェゾ｢みろ、評価サイト…｣
サタン｢どれ…おお！｣
アルル｢え！なんて書いてあるの！？｣
Dシェゾ｢ここのミルクティー唐揚げすごく美味しい！なんか不味いとか書いてる人いたけどあれを不味いっていう人まじでありえません、とっても美味しかったです｣
りんご｢おお！すごい！｣
リデル｢いいコメントが書かれていますね…｣
Dシェゾ｢他にも…不味いって思うのは自由だけど、わざわざここに書かなくても良くない？ほんとにめちゃくちゃ美味しかった、とか、毎日食べたいなって思うほど美味しかったです、とか…｣
シェゾ｢すげえな…昨日のあの評価が嘘のように…｣
ラフィーナ｢手のひら返しですわね…｣
その日の夜
サタン｢すごい！売り上げが昨日を超えた！｣
ラフィーナ｢まじですの！？凄いじゃない！｣
クルーク｢ミルクティー唐揚げのおかげだな！｣
Dシェゾ｢じゃあたまたま昨日の客たちの口に合わなかっただけだったのか…｣
りんご｢まあ、この世界には色んな人が居ますもんね…昨日はホントたまたま口に合わない人だけが来たんですかね｣
アルル｢そうかも…でも僕も店長の立場を全く理解してなかったから…本当にごめんなさい｣
シェゾ｢もういいって…今日の売り上げが昨日の売り上げを超えたから…それでチャラだ｣
アルル｢ありがとう…僕ちょっと上手くいったからって調子に乗ってて…店長ってこんなに楽で楽しいんだなって…｣
ラフィーナ｢アルルさん、もう大丈夫よ｣
サタン｢そうだ！やってしまったことはもう取り消し出来ないんだし、過ちを反省して前に進めばいい！私も言いすぎた、すまなかった…｣
アルル｢いやいや…サタン…みんなもありがとう｣
サタン｢フィアンセに怒るのは私としてもみっともなかったしな！｣
アルル｢フィアンセは違うけど！｣
シェゾ｢平次も…ありがとうな、本当に…｣
平次｢おおきに！いやな…昨日、評価サイトでこの店の悪い評価をみつけてしもーてな…それを見た時、すごく悲しかった…｣
ラフィーナ｢平次さん…｣
平次｢だから…だから！この店を救いたい思て朝イチの飛行機に乗って来たんや！大切な友達の店を守るためにな…｣
サタン｢そんな…！そこまでしてわざわざ…｣
アルル｢そっか…でも…僕のせいで…要らない手間かけさせちゃったね…平次、ほんとにごめん｣
平次｢だーかーら！謝罪はもうええねん！俺だってあんたらに会いたかったからな…久々にあんたらに会えるいいきっかけになったと思うで！｣
サタン｢平次…｣
エコロ｢平次くんって、すごくいい人だね…｣
平次｢まあでも…明日朝イチの飛行機に乗っても学校にはもう間に合わん！もう遅刻していかなあかんな…おい！兄ちゃん！！｣
Dシェゾ｢俺か？｣
平次｢ああ！今晩世話になるけん！ほなよろしくな！｣
Dシェゾ｢まあ…別にいいけど…｣
りんご｢まあ、何はともあれ事件は解決ですね！｣
サタン｢ああ…ほんとに良かった…｣
ラフィーナ｢それじゃあ明日からもまた頑張りましょう｣
アルル｢うん！僕もやらかしちゃった分ちゃんと頑張るね！｣
りんご｢よろしくお願いします！私も引き続き頑張ります！｣
リデル｢よろしくお願いします…｣
シェゾ｢ああ…みんな、頼んだ｣
Dシェゾ｢ところで…｣
シェゾ｢ん？なんだ？｣
平次｢なんや兄ちゃん、どないした？｣
Dシェゾ｢…ミルクティーってなんだ？｣
みんな｢ずで！！！｣
アルル｢Dシェゾ…君ねえ…！｣
サタン｢ああ…ミルクティーを知らないのにミルクティー唐揚げ食ってこれ意外といけるな、とか言ってたんか…？｣
シェゾ｢今までだって…ミルクティー知らないのに注文受けたミルクティー客に出してたんか…？｣
ラフィーナ｢ミルクティーっていうのは牛乳を入れた紅茶の事よ！！｣
Dシェゾ｢ああ…なるほどな…｣
平次｢この兄ちゃん相変わらず知らない物がまだまだ多いな…｣
リデル｢これから学んでいけばいいんですよ、私もDシェゾさんがもし困っていれば全然出来る範囲でフォローしますからね｣
Dシェゾ｢リデル…｣
ラフィーナ｢私だって…！全然頼ってよ？｣
平次｢俺も兄ちゃん困ってれば全然助けたるで！よく家に泊めてもらってる恩もあるしな！｣
リデル｢Dシェゾさん…あの…私も今夜一緒に泊まってもいいですか…？｣
Dシェゾ｢え？リデルも？別に構わんが…｣
リデル｢やった…嬉しいです｣
エコロ｢えーいいなー！じゃあ僕も！｣
サタン｢なら私だって泊まる！｣
アルル｢ずるい！楽しそう！じゃあ僕も！｣
ラフィーナ｢まあ！皆さんで楽しむ気ですね！じゃあ私も泊まるわ！あのおうちの責任者はわたくしですもの！｣
まぐろ｢僕も行こうかな☆｣
Dシェゾ｢はあ！？お前らみんなして今晩来る気か！？｣
シェゾ｢仕方ないな…俺も泊まってってやる｣
クルーク｢まあ、みんなが泊まるなら…僕も一緒に泊まってやらんこともない…かな｣
Dシェゾ｢お前ら2人に至っては素直じゃないな…分かったよ…｣
サタン｢それじゃあ！売り上げ過去最高記録パーティしよう！な？｣
アルル｢いいね！あ！じゃあ僕が売り上げ金で買っちゃったカレーみんなで食べない？沢山あるから…｣
りんご｢え？食べていいんですか？｣
アルル｢もちろん！昨日はほんとにごめんね｣
ラフィーナ｢あのお高いカレー気になってましたもの！ぜひ頂きたいわ｣
平次｢よしゃ！ほんなら今日はみんなでお泊まり会！限界まで騒ぐで〜！！｣
エコロ｢わーい！！！｣
サタン｢いやー嬉しいなー！！｣
Dシェゾ｢全くこいつらは…とりあえずあれだけは見つからないように隠しとかねば…｣
平次｢ほんならはよ行くで！最後に兄ちゃんのうちに入ったやつが全員分のカレーの準備や！｣
ラフィーナ｢そういう事なら絶対に負けませんわ！｣
アルル｢僕だって！｣
シェゾ｢最後に家に入ったやつが全員分のカレーの準備？ふん、俺がそんな事で負けてたまるか…｣
りんご｢それじゃあみんなで行きましょう！｣
平次｢ああ！楽しい楽しいお泊まり会の始まりや！！｣
終わり