アミティ「今日は早起きしたからいつもより早くお店に着いた!ふふふふーみんなあたしが早く来てたら凄いびっくりするだろうなー!お!あれはシェゾとDシェゾ!」
シェゾ「それはいけないな…そういう事ならクビだな」
アミティ「…え?」
シェゾ「Dシェゾ、クビだ」
Dシェゾ「あ…ああ…」
アミティ「…ええ!?そんな…Dシェゾが…クビ…??」
シェゾ「Dシェゾ、お前は明日…」
アミティ「…うう…うわあーん!!!!」
Dシェゾ「…え?」
シェゾ「なんだ?」
Dシェゾ「今のは…アミティ…?あ、痛…」
シェゾ「あ、ほら…だから痛いのは首だろ?」
Dシェゾ「ああ…朝から手首が痺れるなとは思ってたんだけど…」
シェゾ「どうやら本当の原因は首みたいだな…」
Dシェゾ「そういえば昨日急にアミティに呼ばれて振り向いた時にグキっと…」
シェゾ「全身の筋肉や神経は繋がってるからな…例えばここのツボを押すと首に効くだろう?」
Dシェゾ「あ、いや…そんなに…」
シェゾ「あ、そうか…すまない…まあ、これは病院で診てもらった方がいいな、今日は帰って休んで大丈夫だ」
Dシェゾ「いや、今日はさすがに急すぎるから今日は大丈夫だ…このぐらい…」
シェゾ「そうか…?それじゃあ明日は休め、明日は代わりにラフィーナに出勤頼むから…な?」
Dシェゾ「あ、ああ…ありがとう…あ、痛…!」
アルルりんご「ええー!?Dシェゾがクビー!?」
アミティ「しー!声が大きいよ!」
クルーク「それは本当なのかい!?アミティ!」
アミティ「だってあたしみたんだもん!!シェゾがDシェゾ!クビだ!って言ってるとこ!」
リデル「そんな…Dシェゾさんが…」
アミティ「Dシェゾ泣いてたよ…」
アルル「だけど…どうしてDシェゾがクビになるのさ…」
アミティ「分からない…どうしてだろ…」
クルーク「アミティ!君のせいじゃないか?」
アミティ「なんであたしなの!?」
クルーク「だって君、この前…」
アミティ「うわあーん!人参の千切り上手く出来ないよ〜!」
Dシェゾ「千切り…こうやるんじゃないか?」
ラフィーナ「うーん、ちゃんと出来てるのもあるけれど…太いのとかがあったり太さがバラバラですわね」
アルル「Dシェゾも結構不器用な所あるかも…」
シェゾ「なんでDシェゾもアミティと同じで千切りが上手く出来ないんだ!?Dシェゾ!クビだ!」
クルーク「あの時にアミティがちゃんと千切り出来てればDシェゾも千切りが上手く出来ないって事は分からなかった!だからあの時Dシェゾが千切り上手く出来ないって事が判明するようなきっかけを作ったアミティが悪い!!」
アミティ「えー!そんなー!!」
アルル「うーん…もしそうだとしたらアミティもクビになると思うし、そもそもそんな事でクビになんかならないと思うな…」
りんご「はい…そんな事ではクビにはなりませんよ」
リデル「でもクビになるって事は…やはりよっぽどの事をしてしまったんじゃ…」
アルル「うん…でもそのよっぽどの事って一体…」
アミティ「そういえばこの前クルークとりんご…」
アミティ「クルークとりんご、さっきから何やってるの?」
クルーク「何って、見て分からないかい?小麦粉の軽量を…」
アミティ「それさっきからずっとやってるよね!?まだ終わらないの!?」
りんご「お料理は正確さが大事なんです!」
クルーク「そうだよ!寸分たがわぬ量にするためにはまず秤の調整…おっと、温度も大切だ!アミティ、温度計はどこだ?」
アミティ「慎重すぎるよ!」
Dシェゾ「おいおい…それだと流石に客を待たせてあまり良くないんじゃ…?」
クルーク「君もわかってないね!Dシェゾ!」
シェゾ「確かに慎重さも大切だけど、でも客を待たせちゃいけないってちゃんと教えなきゃダメだろ!?Dシェゾ!クビだ!」
アミティ「とかじゃないかな…?りんごとクルークが慎重すぎたせいで…」
りんご「いやいや多分それもないです…」
アルル「うん…だとしたら今度はクルークとりんごの方がクビになると思う…」
クルーク「あー!それじゃあもしかして!」
クルーク「チョコレートパフェ!上手く出来た!!」
Dシェゾ「すげえ…めちゃくちゃ綺麗じゃないか…」
クルーク「だろ!?今までで1番良い出来じゃないか!?」
Dシェゾ「確かに…チョコレートパフェを作る担当は今後はもうずっとクルークでいいんじゃねえか…?」
シェゾ「なんでクルークだけあんなにチョコレートパフェ作るのが上手いんだ!?それにこれからのチョコレートパフェ作り担当はクルークでいいって…!Dシェゾ、依怙贔屓してるんじゃないか!?クビだ!!」
クルーク「Dシェゾ!僕がチョコレートパフェ作るのが上手いからクビにされちゃうんじゃ…!」
アミティ「それただの自慢じゃ…」
クルーク「なんだって…?」
アミティ「ひょえ〜!!クルーク怖い!!」
リデル「私…Dシェゾさんがクビだなんて…何かの間違いだと思います…!そんなの信じたくありません!」
アルル「そ…そうだよね!絶対何かの間違いに決まってる!」
クルーク「まあ、第一アミティ情報だからね」
アミティ「ほんとにクビって聞いたもん!!」
りんご「とにかく!何はともあれ、まずは真実を確かめに行きませんか!?」
リデル「そうですよ…!今すぐに確かめに行きましょう!!Dシェゾさんのクビ事件の真相を…!」
アミティ「そうだね…!よし!行こう!」
アミティ「お店の正面入口からそっと覗いて…」
アルル「あ、いた…Dシェゾだ!」
りんご「今度はラフィーナと一緒ですね…」
ラフィーナ「聞きましたわよ、首ですって?」
Dシェゾ「ああ…そうなんだ…」
アミティ「ほら!!!」
クルーク「ほんとだ…!!」
アルル「嘘!?」
リデル「そんな…!」
ラフィーナ「そんなに痛いの…?」
Dシェゾ「痛いに決まってるだろ…!ずっと痛いんだ!!」
アミティ「ああ…!」
リデル「Dシェゾさん…ずっとこのお店に居たいのに辞めさせられちゃうんですね…」
Dシェゾ「でも俺が居なくて明日大丈夫なのか…?」
ラフィーナ「痛いのはよく分かりましたわ…!でも大丈夫!私が代わりにDシェゾさんの分も頑張りますから!だからご心配なさらず…ね?」
Dシェゾ「ラフィーナ…!」
アルル「俺が居なくて明日大丈夫かなって言ったよ…」
りんご「それじゃあ、Dシェゾは本当に明日から…」
リデル「そんな…」
アルル「Dシェゾのクビ…本当だったんだね…」
アミティ「あたし…あんなに優しいラフィーナ初めて見たかも…」
リデル「Dシェゾさんがクビだなんて信じたくありませんけど…でも…Dシェゾさん…」
りんご「でも…もうクビは事実…!もうこれはしょうがないです!」
アルル「りんご…」
りんご「そうと決まれば皆さん!!Dシェゾが快くこのお店を去れるように…今日の営業本気で頑張りましょう!私達だけで頑張って、今後私達だけでも大丈夫だよ心配はいらないよって所をちゃんと見せないと…」
アミティ「…そうだね…そうだよね!Dシェゾに心配かけないように!」
リデル「Dシェゾさんを心配させないように…私達だけでも大丈夫だって…それをちゃんと見せて快くこのお店を辞められるように…」
クルーク「そうだね…りんごの言う通りだ!」
アルル「よし!そうと決まれば…みんな!今日の営業頑張ろう!Dシェゾの最後の日!」
アミティ「うん…Dシェゾとお別れは寂しいけど…でもDシェゾに心配かけないように…だね!」
クルーク「それじゃあDシェゾの最後の日、頑張ろうじゃないか!」
リデル「おー!」
レムレス「5番テーブルへのグラタンが出来たよ、誰かオーブンから出してくれないかな?」
Dシェゾ「俺が出す」
アミティ「Dシェゾ!大丈夫だよ!あたしが出すから…きゃー!あっつーい!!!」
Dシェゾ「おいアミティ!大丈夫か!?」
アルル「アミティ!これを手にはめて!そしたら僕がこっちを掴むからアミティはそっちを!」
アミティ「あ、うん…!せーの!」
りんご「流石です!」
Dシェゾ「グラタンをオーブンから出してくれてありがとうな、それじゃあこれを5番テーブルへ…」
リデル「ああ…!大丈夫ですDシェゾさん!このグラタンは熱くて危険ですので私が5番テーブルへ…」
Dシェゾ「え…そんな…悪いな」
まぐろ「ハンバーグに入れるみじん切りの玉ねぎがもう少ないから誰か玉ねぎのみじん切りお願い!☆」
Dシェゾ「ああ…俺がやる」
アルル「Dシェゾ大丈夫!玉ねぎのみじんは僕が…」
Dシェゾ「ええ…?そんな、アルル…」
アルル「玉ねぎは目にしみて危ないからね!」
Dシェゾ「そうか…」
バリーン!!
アミティ「きゃー!お皿割っちゃったー!!」
ラフィーナ「ちょっと!?何やってますのアミティさん!」
レムレス「アミティ!大丈夫!?」
Dシェゾ「大変だ!今すぐに割れた皿の片付けを…」
りんご「あ!Dシェゾ!大丈夫です!この割れたお皿の処理は私達で…!」
アミティ「そ…そうだよ!割れたお皿の破片で手とか切ったりしたら大変だもん!」
りんご「そうそう!怪我したら危ないから!」
Dシェゾ「はあ…」
サタン「ドリンクのオーダー、アイスコーヒーとオレンジジュースとホットミルクの注文入った!誰か用意してくれ!」
Dシェゾ「じゃあそれは俺が!」
クルーク「いやDシェゾ大丈夫!僕がやるよ!氷は冷たくて危険だから!」
Dシェゾ「氷は冷たくて危険とは!?」
クルーク「ホットドリンクもやけどするといけないから僕がやる!」
Dシェゾ「はあ!?そのぐらい大丈夫なんだが!?」
クルーク「やけどすると危ないから!ね?」
ラフィーナ「洗い物が溜まってきてますわ!誰か洗い物を…」
Dシェゾ「洗い物か、分かった」
リデル「Dシェゾさん!洗い物は私がやります!」
Dシェゾ「ええ…でも俺さっきから何もしてないぜ…?」
リデル「こんな汚れたお皿になんか触ったら、Dシェゾさんの綺麗な手が汚れてしまって大変な事になってしまいます…!そしたら…Dシェゾさんの綺麗な心の中まで汚れてしまって…ああ…そんなことになったら大変です…大惨事です…」
Dシェゾ「何を言ってるんだかさっぱり分からんが…まあ…えっと…その…ありがとう…」
ラフィーナ「ちょっと!2番テーブルのお客様が料理が来ないって怒ってらっしゃいますわ!どなたか対応を…」
Dシェゾ「クレーム対応か、ならば今度こそ俺が…」
アミティ「クレーム対応なんか絶対ダメー!!」
Dシェゾ「なんなんだよ!!」
アミティ「あー!!疲れたー!!」
アルル「もうヘトヘトだよ…」
レムレス「みんな今日はいつも以上に頑張ったなね…」
ラフィーナ「そうね、すっごく頑張ってましたわ」
アミティ「えへへ…まあ、これでDシェゾも安心して辞められるね」
りんご「はい…目標は達成です…」
クルーク「ほんとに…しかしほんとに疲れたな…」
レムレス「それじゃあ今日はここまで!」
Dシェゾ「待ってくれ」
レムレス「ん?Dシェゾ、どうしたの?」
Dシェゾ「すまん…みんなにちょっと話があるんだ…」
レムレス「話?」
まぐろ「話って?☆」
Dシェゾ「ああ…っ!痛て…!」
サタン「Dシェゾ…?」
Dシェゾ「…実は俺…明日…」
リデル「…Dシェゾさん…Dシェゾさーん!!!」
Dシェゾ「…!?おい!リデル!なんだ突然!!」
リデル「Dシェゾさん!お店辞めてしまうんですよね!?」
Dシェゾ「はあ!?」
レムレス「えっ…!?」
まぐろ「ええー!?それは本当なの!?☆」
ラフィーナ「Dシェゾさんが…辞める…?」
サタン「お前…辞めちまうのか!?」
アミティ「そうだよ!Dシェゾが居なくなるなんて…うわあーん!!!!」
アルル「Dシェゾ辞めないで!!ずっとここにいて!!」
りんご「はい…せっかく…せっかく今まで一緒に楽しくお仕事してたんですから!!…だから…!」
クルーク「Dシェゾ!確かに不器用すぎてちょっとめんどくさい所もあったけど…でも…でも…!!」
Dシェゾ「待て待て!俺が店を辞めるって…なんの話だ!?」
ラフィーナ「ちょっと待って!Dシェゾさんが辞めるってどーいう事ですの!?」
アミティ「ラフィーナは知ってるでしょ!?」
ラフィーナ「はあ!?」
りんご「そうですよ!さっきDシェゾと2人でお話してたじゃないですか!ずっとこのお店に居たいの?居たいに決まってる!ずっとここに居たい!とか!」
ラフィーナ「ずっとここに居たい…?Dシェゾさんとそんな話したかしら…?」
アルル「明日からDシェゾの分もお仕事頑張るから任せて、みたいな事も言ってたじゃん!」
ラフィーナ「あ、ああ…もしかしてあの話の事…?いや、あれはただ…」
シェゾ「Dシェゾ」
Dシェゾ「あ、シェゾ…」
リデル「シェゾさん!Dシェゾさんを辞めさせないでください!!」
シェゾ「は?」
アミティ「そうだよそうだよ!!Dシェゾをクビにするなんて酷い!!」
クルーク「そうだよ!シェゾ!さすがにこれは酷すぎるよ!」
りんご「シェゾさん!どうかDシェゾをクビにしないでください…!それでもDシェゾをクビにすると言うなら…私、シェゾさんの事永遠に変態扱いしますよ!?」
アルル「そうだよ!この変態シェゾ!!!」
シェゾ「はあ…」
シェゾ「ははははは!なんだそういう事だったのか…」
リデル「笑い事じゃないですよ…!私達本気で心配したんですから…」
アルル「そうだよ…もう心臓止まるかと思ったよ…」
シェゾ「あ、すまんすまん…でも大丈夫だ、Dシェゾを辞めさせたりなんかしないさ、Dシェゾ首の具合はどうだ?」
Dシェゾ「ああ…今シェゾが買ってきてくれた湿布を貼ったらなんとか…これなら明日も休まなくて大丈夫そうだ」
シェゾ「ほんとか?良かった、でも無理はするなよ?」
Dシェゾ「ありがとう、すまないな…」
クルーク「アミティ…」
リデル「アミティさん…」
アミティ「あは…あはははは…良かったね…Dシェゾが辞めなくて…」
クルークリデル「…もう!!」
アルル「あはははは、クルークはツンデレだ!」
Dシェゾ「でも…そういう事だったんだな…俺がクビになると思ってたから今日ずっと俺を心配して庇ってくれてたんだな…」
りんご「さっきラフィーナと話してたのは、ラフィーナがDシェゾの代わりに出勤する、それで明日大丈夫かなって話だったんですね」
ラフィーナ「ええ、その話はそういう事ですわね…」
アルル「『痛い』と『居たい』を勘違いしちゃってたし…あははは、僕たちバカみたい…勝手に勘違いして勝手に騒いで…」
ラフィーナ「皆さん…それをそのように勘違いしてたのね…でも、Dシェゾさんの首の具合が心配ですから…明日は私も出勤しますわ」
シェゾ「え、でもそんな…いいのか?」
ラフィーナ「大切なお友達ですから!まあでもそうね…Dシェゾさんがクビになるなんて聞いたらそうなりますわよね…気持ちはすごく分かりますわ」
リデル「そうですよ…!Dシェゾさんがいなくなるって考えたら…もう悲しくて…すごくショックで…」
Dシェゾ「大丈夫だ、俺は辞めたりなんかしない」
シェゾ「そうだ、Dシェゾをクビになんかしないさ、もちろん他の皆も」
アミティ「シェゾ…!」
クルーク「にしても…なんだよDシェゾのクビは勘違いだったのか…なんか頑張って損した…」
シェゾ「いやいや、損したってことは無いだろ…」
サタン「お前らのおかげで今日の営業、すごく助かったんだぞ?」
レムレス「そうだよ!みんな、今日はありがとう」
Dシェゾ「みんな、心配かけてすまんな…でも、ありがとう」
アミティ「全然!Dシェゾが居なくならないなら良かったよ!ほんとに…」
リデル「はい…本当に良かったです…」
シェゾ「Dシェゾ、お前は本当にみんなから大切に思われてるな」
Dシェゾ「ああ…でも要らない心配かけてたんだな…なんか悪いな…」
次の日
レムレス「8番テーブルにカルボナーラお願い!」
りんご「はーい!」
シェゾ「チーズケーキオーブンから出してくれ!」
Dシェゾ「分かった」
リデル「Dシェゾさん、一緒に出しましょう」
Dシェゾ「ああ、ありがとう」
サタン「すまん、洗い物頼む!」
Dシェゾ「俺がやる」
アミティ「Dシェゾ!一緒に洗い物しよ!」
Dシェゾ「ああ、助かる」
シェゾ「Dシェゾ、首の具合はどうだ?」
Dシェゾ「ああ…シェゾの湿布のおかげでだいぶ良くなった」
シェゾ「それは良かった、今回の事で更に分かっただろ?お前はみんなから本当に大切に思われているんだ」
Dシェゾ「そうだな…みんな本当に優しいな…」
シェゾ「必要とされてなければあんなに心配なんかされないはずだ」
レムレス「そうだよ!だからあれは要らないなんて思われてないって証拠だよ!」
Dシェゾ「そうか…俺を要らないなんて思ってる人なんか本当にいないのか…」
シェゾ「そうだ、だからもう悩むなよ」
レムレス「そうだよ!僕たち大切な友達でしょ?」
Dシェゾ「大切な友達…か」
サタン「あいつ…恐らくそろそろ気づくな…なぜ自分が復活したのか…ふっふふふふ」
終わり