ラフィーナ「今日は電車で街まで出かけてとあるデパートに行きますわよ!」
ルルー「うっふふ、たまにはいいわね」
シェゾ「おい…」
Dシェゾ「なんで俺らまで…?」
ラフィーナ「あなた達、こんな電車で街に出かけるなんて事あんまりしないでしょ?だからたまには外に出てみるのもいいんじゃなくて?」
ルルー「そうよ!せっかく誘ってあげたんだから!」
Dシェゾ「いや、俺は割といつも…」
ラフィーナ「え、Dシェゾさんってこうやってよく街に出かけてるの?」
ルルー「でもあんた…街まで来て一体何をしてるの?」
Dシェゾ「んーまあ…そうだな…大人の事情だ」
ラフィーナ「はあ?なによそれ…」
シェゾ「でもお前達こそ、一体何が目的でこんなわざわざ電車に乗らないと行けない場所まで…」
ラフィーナ「私たちの目的はこれよ!これ!」
シェゾ「なんだこのチラシ…なに?福引?」
ルルー「そうよ!このデパートで今お買い物すると福引が引けるの!」
ラフィーナ「その福引の景品を見て!」
シェゾ「福引か…えっと?どれ…超美肌になれる美容石鹸と入浴剤のセット…?」
ルルー「そう!この美容石鹸と入浴剤を使えば…私は更にサタン様に相応しい乙女になれますわ…!」
ラフィーナ「私もこの石鹸と入浴剤を使えば更に綺麗で美しいお肌を手に入れられる!これは絶対手に入れなければ…」
シェゾ「そんなのそこら辺の普通の石鹸とどうせ変わらねえだろ…」
ルルー「何も分かってないのね、これだから美に興味のない男は…」
シェゾ「悪かったな!」
Dシェゾ「でも福引って…必ず欲しいものが当たるとは限らないんだろ?」
ラフィーナ「それでも引かないと欲しいものは手に入りませんわよ!」
ルルー「そうよそうよ!どうせ当たらないだろうなって思って諦めてたら欲しいものなんて絶対に手に入らないわ!」
シェゾ「福引引きたいならお前らだけで来ればよかったのに…」
ルルー「ほんとに何も分かってないのね…この福引は買い物をしたグループは何人でも抽選に参加出来るの」
ラフィーナ「私1人が買い物をしたとしても、私と一緒に来てるルルーさんシェゾさんDシェゾさんも、みんな福引が引けるって事よ!」
ルルー「人数が多い方が欲しいものが当たる確率が少し高くなるじゃない!」
シェゾ「なるほど…それで俺らを誘ったってわけか…」
ラフィーナ「他のアミティさんとかはお仕事ですから…今日私らの他にお休みだったのはシェゾさんとDシェゾさんあなた達だけでしたからね!」
シェゾ「今日シフト入れるべきだったな…」
Dシェゾ「ああ…心の底からシフト入ってればよかったって思ってる…シェゾ!なんで今日俺仕事入れてくれなかったんだ!」
シェゾ「仕方ないだろ!シフト決めるのも大変なんだ!」
ラフィーナ「心の底からって…そんな大袈裟な」
ルルー「ほら!ごちゃごちゃ言ってないで誘われたんだから文句言わずに着いてきなさい!」
シェゾ「はあ…」
ラフィーナ「着いたわよ!デパート!」
ルルー「人が沢山ね…」
ラフィーナ「そういえばここの1階のデザート屋さんのチーズケーキがすっごく美味しいらしいの!お買い物の前に良かったらどうです?」
ルルー「いいわね!チーズケーキ賛成よ!」
シェゾ「俺も別に構わんが…」
Dシェゾ「チーズケーキって…美味いのか?」
ラフィーナ「え?Dシェゾさん、チーズケーキ食べた事ありませんの?」
ルルー「あんた達のお店のメニューにもあるじゃない、いつもチーズケーキ作ってるんじゃないの?」
Dシェゾ「作った事はあっても食べたことは無いぜ」
ルルー「なんなのよ…まあいいわ、チーズケーキってね、すっごく美味しいの」
ラフィーナ「そうですわよ!食べた事ないならこれを機に食べてみるといいわ!」
Dシェゾ「そうだな…」
店員さん「申し訳ございません…当店のチーズケーキ本日はもう完売となってしまいまして…」
ラフィーナ「あら…そうですか…」
ルルー「まあすごく人気のチーズケーキって聞きますしね…」
店員さん「はい…申し訳ございません…」
シェゾ「そっか…売り切れだったか…」
ラフィーナ「ま、まあ…しょうがないわよね」
ルルー「そうね、それは仕方ないわ」
お兄さん「あのー!」
Dシェゾ「ん…?」
お兄さん「チーズケーキ食べたかったんですか?」
ラフィーナ「え、ええ…」
お兄さん「あの…皆さん一口で良ければ分けますよ!」
ルルー「ええ、でもそんな…」
ラフィーナ「そうよ、悪いわ…そんな見ず知らずの人からなんて…」
お兄さん「俺はまじで構わないよ!このお店のチーズケーキすっごい美味しくて俺大好きでさ!みんなにもぜひ食べて欲しいなって!」
ラフィーナ「そ、そう…?ほんとにいいなら…お言葉に甘えて一口頂こうかしら」
ルルー「ほんとにいいの?」
お兄さん「もちろん!このチーズケーキまじで美味しいから君たちにもぜひ食べてもらいたい!」
シェゾ「そうか、すまないな」
Dシェゾ「礼を言う」
お兄さん「全然いいよー!ちょっと待ってね、今これを使って切り分けるから!」
ラフィーナ「あら、なんですの?それ」
お兄さん「これはね!ケーキ切り分けマシーン!」
ルルー「そんなのがありますの?でもそれ…一体どこで?」
お兄さん「これ俺が作ったんだ!俺こう見えて発明家なんだ!」
ラフィーナ「ええー!?」
シェゾ「まじかよ…!」
Dシェゾ「すげえな…」
お兄さん「そんな事ないよー、じゃあこれ…5人分に切り分けるように設定して…そしてチーズケーキに…はい出来た!チーズケーキ5人分一口サイズ!」
ルルー「すごい…」
ラフィーナ「さすがね…」
シェゾ「ああ…綺麗に5人分に切り分けたな…」
お兄さん「さあ!食べよ!」
ラフィーナ「あ、はい…では、いただきます」
ルルー「いただきますー!」
シェゾ「頂くぜ」
Dシェゾ「…いただきます…」
ラフィーナ「すごい…美味しい…美味しいわこれ!」
ルルー「ほんとね!さすが人気メニュー!」
シェゾ「皆が美味しいって言ってるだけあるな…」
ラフィーナ「ほんとですわよね!」
Dシェゾ「…美味い」
ラフィーナ「美味しい?」
ルルー「良かったわね!人生初のチーズケーキね」
お兄さん「え、お兄さんチーズケーキ初めて食べるの!?」
Dシェゾ「あ、ああ…最近人間になったようなもんで…」
ラフィーナ「ま、まあ!彼にはちょっと色々事情がありますの!」
お兄さん「そうなんだ!でもお兄さん、人生初のチーズケーキがここのお店のチーズケーキってほんとついてるなー!」
Dシェゾ「そうなのか…このチーズケーキそんなに評判がいいのか」
シェゾ「まあさすが評判のいいメニューってだけあるな…」
お兄さん「でしょでしょ!?…あっ!」
バチャ
お兄さん「いっけねー!カフェラテこぼしちゃった…!」
ラフィーナ「お兄さん!?大丈夫ですの!?」
お兄さん「まあ何とか…あーでもズボンと靴にかかっちゃったよ…靴なんて…シミになっちゃうなこれ…はあ…」
Dシェゾ「洗剤水を持っている、これをこうしてハンカチに馴染ませて拭き取ればとりあえず応急処置は…」
お兄さん「あ、まあ…そうだね、これなら何もしないよりは大丈夫かも…?お兄さんありがとうね」
Dシェゾ「その靴とズボンは帰ったら直ぐに洗え」
お兄さん「うん、ありがとう」
ラフィーナ「やるわね!Dシェゾさん!」
ルルー「でもチーズケーキ食べたこと無かったくせにそーゆう事はできるのね…」
お兄さん「じゃあ俺はとりあえずこれで!」
ラフィーナ「ええ、お兄さんケーキご馳走様でした」
ルルー「分けてくれてどうもありがとう」
シェゾ「ああ、礼を言う」
Dシェゾ「ありがとうな」
お兄さん「いいんだよ!じゃ、またな!」
ラフィーナ「行っちゃったわね…」
シェゾ「ああ…でもなんか妙だな…」
ルルー「シェゾ?」
ラフィーナ「なにか気になるの?」
シェゾ「ああ…あいつ…なんでこんな見ず知らずの俺らにケーキを分けてくれたりしたんだろうな…」
Dシェゾ「ああ…俺も少し引っかかる…」
ラフィーナ「それは…さっきお兄さん言ってましたけど、ここのチーズケーキが大好きで、普通にみんなにも食べてもらいたかったからじゃなくて?」
ルルー「そうよ、だってすごく人気なチーズケーキなんでしょ?評判もいいみたいだし…」
シェゾ「ここがあいつの店で、自分の作ったケーキであればまだ分かる、でも別にあいつの店って訳ではなさそうだし、自分で作ったって訳でもなさそうなんだぜ?」
Dシェゾ「ああ…それにもし自分の店だったり友人の店だったとしたらちゃんとそれも言うはずだ、ここ俺の店なんだとか、実はここ友人の店なんだ、とか…」
ラフィーナ「そう言われてみれば確かに…もしそうだとしたら普通それを言ったりするわよね…」
ルルー「うーん…まあ、そーゆう人もいるんじゃなくて?この世界には色んな人がいるもの」
シェゾ「…だといいんだけどな…」
ラフィーナ「ファンデーションが無くなりそうだからそろそろ買わなきゃ、だからここでついでに買ってきましょ!」
ルルー「私も今使ってる美容液が無くなりそうなの!だから買わないと…」
ラフィーナ「あ!この服私に似合いそう!」
ルルー「そうね…こっちは私に似合いそう」
ラフィーナ「これを着れば私ますます美しくなりますわね…」
ルルー「これを着てサタン様〜って言ったらサタン様もおおルルー!その透明感のある綺麗な水色…お前にすごく似合ってる…ルルーはいつも綺麗だが、その服を着ているとますます美しく綺麗に見える…そんな綺麗なルルーを私は妃にしたい…!きゃー!サタン様ー!何を今更!その為のルルーですわよ!きゃー!!!」
シェゾ「はあ…」
Dシェゾ「恋は盲目ってまさにあれの事を言うんだよな…多分」
シェゾ「ああ…あいつやばいよな…」
ラフィーナ「あとついでに…ちょっと食材の買い出ししていきます?」
シェゾ「別に構わんが…今何が足りなかったっけな…」
ラフィーナ「たこ焼きフェアをやっていて、それでたこ焼きグラタンが1番注文入りますから…グラタンの材料とか?マカロニ鶏肉しいたけ玉ねぎバター牛乳…」
シェゾ「あーそうだな…その辺確かによく使ってるから多めに買っておいてもいいかもな」
ラフィーナ「あとバニラアイスもなかったかも?パフェも最近よく注文入りますから」
シェゾ「バニラアイスもそうだな、買ってくか」
ルルー「とりあえずお買い物はこんなもんかしら?」
ラフィーナ「そうね!それじゃあお会計行きましょう」
Dシェゾ「そうだな、えっと…財布…」
ポロ
ルルー「あら?ねえDシェゾ、なにか落としたわよ?」
Dシェゾ「え…?…は!?」
ルルー「え?何よ…なんでそんなに慌てて拾うのよ…」
Dシェゾ「…いや、何も…教えてくれてありがとうな」
ルルー「それはいいんだけど…でも…今のは一体なに…?」
店員さん「こちら福引の抽選券4人分となります!福引コーナーにてお願いします!」
ラフィーナ「ありがとうございます!これを持ってその福引の所に行きますわよ!」
ルルー「ええ!ついに綺麗になれる美容石鹸が…!」
Dシェゾ「あ、すまない…実はちょっと買い忘れがあった…」
ラフィーナ「あら…買い忘れ?」
Dシェゾ「ああ…今気づいちまって…すまんな、タイミング遅くて…」
シェゾ「それは別にいいが…どうしよう、俺らはここで待ってようか?」
Dシェゾ「そうしてくれると助かる…」
ルルー「どこで何を買うの?」
Dシェゾ「いや…ちょっと…な…ちょっとドラッグストアまで…」
シェゾ「分かった、ここで待ってるな」
Dシェゾ「直ぐに戻る」
ルルー「ドラッグストアで一体何を…?」
Dシェゾ「すまない、戻った」
ラフィーナ「おかえりなさい、お目当ての物は買えた?」
Dシェゾ「ああ」
シェゾ「それじゃあ行くか」
ラフィーナ「ええ!福引行きますわよ!」
女の人「きゃー!!!」
???「おいお前ら!邪魔だどけ!!」
ラフィーナ「え!?」
シェゾ「なんだ!?」
女の人「ひったくりよー!!あの黒いフードのあいつにカバン取られたわ!!」
Dシェゾ「ひったくりだと…?」
???「あ、いたいた…お前のカバンもよこせ!」
ラフィーナ「きゃっ!!」
???「はっ!ほらどけよ!!」
ラフィーナ「きゃー!!」
Dシェゾ「ラフィーナ!」
???「こいつを持ってさっさと…おら!貴様らみんな邪魔だ!!道を開けろ!!」
ルルー「あら?あの人の靴…なんか不自然な変わった柄ね…」
ラフィーナ「いたたた…」
シェゾ「ラフィーナ!」
Dシェゾ「大丈夫か!?」
ラフィーナ「私は大丈夫…けど…カバンが盗まれちゃったわ…」
シェゾ「くそ…あいつ…!」
Dシェゾ「もういない…逃げ足が早いな…」
シェゾ「これはなんとしてでもあいつを追わないと…」
Dシェゾ「ああ、あいつ…ひったくりとか許さねえ…絶対に捕まえる」
ラフィーナ「ええ…携帯はスカートのポケットの中に入れてたから携帯はとりあえずは大丈夫だけど、でもあのカバン…お財布とか腕時計とか色々入ってるのに…」
シェゾ「腕時計…!なあ!その腕時計って…確かGPS機能がついてたよな…?」
ラフィーナ「ええ…腕時計も入ってて…あっ!そうか!」
シェゾ「ああ…GPS機能がついてるなら大丈夫だ、俺の携帯で位置情報が分かる!」
ラフィーナ「たしかにそうね…!腕時計持ってきてカバンの中に入れて置いて良かったわ、不幸中の幸いですわ」
シェゾ「ふん、GPS機能がついてる腕時計が入ってるとも知らずに…あのひったくり犯、かなり運が悪いな!」
ルルー「…」
Dシェゾ「おい、ルルー…どうした?」
ルルー「いや…誰か、あいつの靴をみた?」
シェゾ「え?あいつって今のひったくり犯のか?」
ルルー「ええ…」
シェゾ「そう言われてみれば…なんか不自然な柄の靴だったような…」
Dシェゾ「でもそんなことより…あのカバンの中には場所が分かる腕時計が入ってるんだろ?シェゾの携帯で位置を確認して早くその場所に行かないと…」
シェゾ「そうだな…えっと…位置情報は…なるほど、今はここにあるのか…」
ラフィーナ「分かりました?」
シェゾ「ああ、あいつの居場所がしっかり分かるぜ…」
ラフィーナ「良かったわ…あいつも物をひったくる相手を間違えましたわね」
シェゾ「ああ、まさか位置情報がわかる道具が入ってるとも知らずには…今回ばかりは運がこっちに向いてるぜ」
Dシェゾ「犯罪者の位置情報分かるとか強すぎだろ…」
シェゾ「とにかく行くぞ!」
ラフィーナ「ええ!」
シェゾ「ここだ、位置情報はここを示している…だが…」
ラフィーナ「ここって…普通のマンションじゃない…」
Dシェゾ「その位置情報、大体の場所しか分からないんだよな?」
シェゾ「ああ…まさかマンションだとは思わなかった…くそ…これだとさすがに正確な場所までは…」
ルルー「マンションの何号室、まで出てくるわけないわよね…」
ラフィーナ「普通に一軒家かと思ってたから…一軒家なら分かりやすかったのに…マンションなんて…」
ルルー「マンションなんて部屋が沢山あるし、これじゃあさすがに正確な場所までは分からないわね…」
シェゾ「でも犯人はこのマンションの中に必ずいる…ほっとく訳には行かないし…」
Dシェゾ「でもだからといって一部屋ずつ調べるって訳にも…」
ラフィーナ「事情を話せば行けるんじゃないかしら…」
女子高生A「ねえ聞いてよ!最近私の隣の部屋に住んでる人、夜中うるさいだよね!」
女子高生B「え?そうなの?何?どんな感じにうるさいの?」
女子高生A「なんか機械音?っていうのかな?なんか機械の音みたいな感じの音がして…あと!爆発音っぽい音もしてうるさいの!」
女子高生B「機械…なにか機械でも作ってるのかな?発明家か何かかしら…」
女子高生A「もし発明家だったとしたら、まあなにか機械作ったりしなきゃいけないだろうから、多少うるさくなるのはしょうがないかもしれないけど…ただ夜中にそれはさ…時間考えろっつーのって話だよね!」
女子高生B「それはそうだね…」
シェゾ「発明家…?そういえば…」
Dシェゾ「そういえばルルー、お前さっきひったくり犯の靴に妙な柄がついてたって言ってたよな」
ルルー「え、ええ…なんか茶色くて、柄って言うより、なんかシミっぽかったような…とにかくすごく不自然な感じの柄だったわ、何あの柄って思ったの覚えてるわ」
シェゾ「…そういえばさっきのあいつも、確か靴に…はっ!もしや!」
ルルー「え?」
シェゾ「おい!お前ら!」
女子高生A「え?なんですか?」
シェゾ「その夜中に機械音がうるさい部屋って、何番の部屋だ?」
女子高生A「ええ…303号室ですけど…」
シェゾ「303号室な…ありがとうな!」
ルルー「ちょっとシェゾ!その機械音がうるさい人の部屋に何をしに行くの!?」
Dシェゾ「…そういう事か…」
シェゾ「ああ、恐らくその部屋の主が犯人だ」
ルルー「なんで…?」
Dシェゾ「でもどうやって中に入れてもらうつもりだ?」
シェゾ「ある作戦があるから大丈夫だ」
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???「はーい」
男性の声「宅急便です」
???「え?僕何も頼んでませんけど…」
男性の声「お隣さん宛の荷物を持ってきたんですけどお留守でして…すみませんが代わりに預かってくれませんか?」
???「そういう事ならまあいいですけど…」
???「はーい、あれ?」
シェゾ「よう」
???「あれ?君たちはさっきの…!なんでここに!?あれ、でも宅急便だって…」
ルルー「あなたは…さっきのお兄さん!?でもシェゾ、あなた犯人の部屋に行くって…ちょっと!部屋を間違えたんじゃなくて?」
お兄さん「犯人の部屋…?どういう事かな?」
シェゾ「今更誤魔化しても無駄だ、もう全部分かったんだよ」
お兄さん「はあ…?」
シェゾ「お前がひったくり犯だな」
お兄さん「ひったくり!?そんな…なんで僕がそんな事を…僕が優しい人だってわかってるでしょ?」
シェゾ「それを利用したんだろ?」
お兄さん「は…?」
シェゾ「お前は俺らに自分が優しい、そう思わせなきゃいけない理由があったんだ」
お兄さん「何を言ってるのかな?」
シェゾ「そう、それは…チーズケーキを分けて、自分に優しいイメージをつけて、自分を犯人だと思わせないために!」
ラフィーナ「なるほどね…それで見ず知らずの人にいきなりチーズケーキを…」
シェゾ「優しいイメージをつけて油断させて物をひったくる…考えられる理由はこれだな」
お兄さん「でもそれは…ただ普通にチーズケーキを分けてあげただけだろ?せっかく分けてあげたのにそんな事言うなんて酷いな…」
シェゾ「それにお前、あの時カフェラテをこぼしてたろ」
お兄さん「え、ああ…この靴のシミね…でもそれに関しては君たちも見てたでしょ?僕が本当にカフェラテを靴にこぼして靴にシミをつけた所は」
シェゾ「でもそのひったくり犯も、靴に妙な柄がついていたんだ」
Dシェゾ「でもそれは柄にしては少し不自然な柄だった…」
シェゾ「そう…それはまるで何か液体をこぼしてシミになったかのような感じだった…」
お兄さん「それは…本当に元々その柄だったんじゃないの?」
シェゾ「いや、あれを靴の柄って通すのは無理があると思うんだ」
お兄さん「なるほど、つまり君たちはそのひったくり犯の靴の柄が本当はそのカフェラテのシミで、それが僕だって言いたいの?いやいや…それだけで僕を犯人って決めつけるのはどうなのよ?なんの証拠にもなってないと思うよ?」
シェゾ「いいや、あんたが犯人の可能性は他にもある」
お兄さん「なに?」
シェゾ「そう…さっきお前が盗んだあるカバン…その中には、GPS機能がついてる腕時計が入ってるんだ!」
お兄さん「なっ…!」
シェゾ「そう、そのGPSはこのマンションを示している、それに…さっきある女子高生が言っていたんだ、最近隣の部屋から夜中に機械音がうるさいって」
Dシェゾ「機械音ってことは恐らく…その部屋の主は発明家、そうあんたの職業も発明家」
シェゾ「発明家なんてそう居るようなもんじゃないし、発明家のあんたが訪れた店で盗まれた物が発明家の住んでる家にある…」
ラフィーナ「そうよ!発明家はそう居るもんじゃないってのがでかいですわよね!」
Dシェゾ「ああ…これ、偶然にしては出来すぎてると思わないか?」
ルルー「なるほど…そういう事ね…!確かにそれなら全ての事に説明がつくわね…」
シェゾ「それにお前とそのひったくり犯に共通してるのはその靴のシミ…ここまで条件が一致してれば…もう言い逃れは出来ないんじゃないか?」
ひったくり犯「ふん…ただそれだけの条件で俺が犯人だって気づくとは…結構やるじゃん」
Dシェゾ「ただそれだけって…一応それだけっていう自覚はあるんだな…」
ひったくり犯「にしてもたったこれだけで俺が犯人だって見破られるなんて…くそー!!!!」
ラフィーナ「あ!逃げましたわ!」
Dシェゾ「家の中なんかに逃げてどうする気なんだ…?」
シェゾ「俺らも中に入るぞ!」
ルルー「そうね!ひったくりは犯罪!そんな犯罪者を放っておけないわ!」
Dシェゾ「おい!家の中に逃げ込んでどうするつもりだ!?お前にはもう逃げ場なんか…はっ…!」
ひったくり犯「ふふふふふ」
シェゾ「あれは…ナイフ…!」
ひったくり犯「家の中に逃げ場がないことぐらい分かってるよ?俺そんなバカじゃないよ?」
シェゾ「なんのつもりだ…!」
ひったくり犯「なんで俺が逃げ場のない家の中にわざわざに逃げたか分かる?それは…玄関なんかよりは広いこの家の中のお前らをあの世に送るためさ!!そのためにわざわざ家の中に逃げたふりをしてお前らをこの中におびき寄せたんだ!」
Dシェゾ「まあ、そうなるよな…」
ひったくり犯「まあいい、所詮男は女を人質に取っちまえば何にもできない…だからこの女達を人質に取れば…まずはあんたからだ!そこのブルーのウェーブヘアの姉ちゃん!」
ルルー「…!」
シェゾ「おいバカ!そいつはやめた方が…!」
ルルー「はっ…!やっ…!とおー!!!!」
ひったくり犯「えっ…?」
ルルー「はあー!!!必殺!背負い投げ!!!」
ひったくり犯「ひええ…!?うわあーー!!!」
シェゾ「だからやめとけっつったろ…」
ひったくり犯「くそ…まだまだ!!」
シェゾ「…って!今の恐ろしい背負い投げを食らっても動けるんかい!しかも諦め悪いな…」
ひったくり犯「今度はそっちのピンクの巻き毛の姉ちゃんだ!お前はさすがに今の姉ちゃんみたいに凶暴じゃないはず…!」
Dシェゾ「あ、いや…そっちもやめといた方が…」
ラフィーナ「はあああ…!!」
ひったくり犯「…えっ?」
ラフィーナ「行きますわよ!シエルアーク!!!!!」
ひったくり犯「え、あっ…ぎゃー!!なんなんだよこの女達ーー!!!!」
ラフィーナ「正義の乙女の前で犯罪なんかしたら…このような目に合いますのよ…?よーく分かったかしら??」
ひったくり犯「正義の乙女だと…?くそ…ふざけんな…」
ルルー「そうよ!次またこのようなことをしてご覧なさい?その時は今よりも強力なスペシャル地獄落としコンボをお見舞いするわ!!」
ひったくり犯「ひええ…ま、参りました…」
ラフィーナ「さ、早く警察を!」
シェゾ「あ、ああ…」
Dシェゾ「こいつら…まじで恐ろしい…」
そしてひったくり犯は無事逮捕され、ラフィーナのカバンも戻ってきました
ラフィーナ「無事に逮捕できて良かったわ」
ルルー「ええ!はあ…でもびっくりしたわ…」
シェゾ「いや…お前らにボコボコにされたひったくり犯のあいつの方がびっくりしたと思うが…」
Dシェゾ「まあでも無事にひったくり犯を捕まれられたんだ、何はともあれ一件落着だ」
シェゾ「まあ…そうだな…」
ラフィーナ「デパートに戻ってきましたわ!さあ皆さん!お待ちかねの福引よ!!」
ルルー「ええ!ついに…ついに石鹸が…!」
スタッフ「はい、では福引どうぞ」
ラフィーナ「行きますわよ〜!えいやー!」
スタッフ「はい、3等ゼリーの詰め合わせセットです」
ラフィーナ「そ、そんな…まさかのゼリーの詰め合わせセット…石鹸当たりませんでしたわ…」
ルルー「残念ね…次は私よ!えーい!」
スタッフ「4等スポーツタオルセットです」
ルルー「4等…スポーツタオルセット…」
ラフィーナ「ま、まあでも!ガッカリするのはまだ早いわ!まだシェゾさんとDシェゾさんが残ってますわ!」
シェゾ「ほんとに俺らの景品横取りする気かよ…まあいい…えい」
スタッフ「はい、お兄さんもゼリーの詰め合わせセットです」
シェゾ「ゼリーの詰め合わせセットか」
ラフィーナ「シェゾさんもですか…まあいいわ!最後!Dシェゾさん!」
ルルー「もうあんたしか居ないわ!絶対に石鹸を当てるのよ!」
ラフィーナ「お願いしますわ!」
Dシェゾ「そんなこと言われたって…しょうがないな…行くぜ!」
スタッフ「おお…出ました…出ました1等!!」
シェゾ「まじかよ…こいつ1等当てた…」
ラフィーナ「おおー!すごい!やりましたわねDシェゾさん!」
ルルー「1等は何!?石鹸1年分!?」
スタッフ「そんな1等を当てた運のいいお兄さんの景品はこちら…!野菜1年分!!」
Dシェゾ「や、野菜1年分…?」
シェゾ「野菜か…」
ラフィーナ「野菜…?」
ルルー「…人参に玉ねぎにじゃがいもとか…あとピーマンとかもあるわね…」
Dシェゾ「…この野菜、どうする」
シェゾ「どうするっつったって…店で使うか…お前が家で使うしかないだろ…」
Dシェゾ「そうか…そうだよな、それじゃあしばらく野菜生活するか…」
ラフィーナ「しかし…4人もいて誰も石鹸当てないとは…」
ルルー「はあ…残念ね…せっかく綺麗なお肌を手に入れられると思ったのに…」
ラフィーナ「まあ…しょうがないわ、くじ引きなんて運ですし」
ルルー「それもそうね…でもこのタオルも疲れて汗をかいてるサタン様にお渡ししたら…気が利くなルルー、お前のくれたタオルで汗を拭くと疲れが一気に飛んでいく…そんな感じがするな…ルルー、礼を言う…きゃー!よしてくださいサタン様ー!!!!」
シェゾ「また始まった…」
Dシェゾ「なんかよく分からんが…まあ、こいつがめんどくさいって事はよーく分かった…シェゾ…お前も大変だな…」
シェゾ「俺の苦労がよく分かるだろ…」
ラフィーナ「石鹸と入浴剤が当たらなかったのは残念ですし少し心残りですけど…でもこのゼリーもとっても美味しそう!沢山あるからみんなで分けようかしら?」
シェゾ「そうだな、とりあえずその野菜は…店で使おう」
Dシェゾ「そうだな、俺も家で使えば食費も節約出来るし…まあ嬉しいかな」
シェゾ「それにしても1年分か…すごい多いな…」
Dシェゾ「…しばらく野菜には困らなそうだ…」
ルルー「この野菜…この野菜でサタン様に愛のドロドロスープを作れば…ルルーの気持ちがサタン様に伝わって…私はこのような料理がずっと食べたかった…これからは毎日これを食べたい、ルルーお前を妃にすれば毎日これが食べられる…だからルルー、今からお前は私の妃だ!きゃー!!サタン様ー!!!!」
シェゾ「そんなわけあるか!!」
Dシェゾ「ああ…絶対ない…」
ラフィーナ「とりあえず…もう夕方ね、早く帰りましょう」
シェゾ「そうだな…俺らは明日からまた仕事あるしな…」
Dシェゾ「とりあえずこの野菜を店でどう使うかは明日皆で考えようじゃないか」
ラフィーナ「そうね…そうしましょう」
ルルー「サタン様ー!このお野菜を使ってサタン様が喜んでくれるスープをこれから毎日お作りしますわー!!!!」
終わり