アミティ「買い出しおしまいー!さ!お店に帰ろう!」
シグ「おわったー」
リデル「今日はケーキに使う具材が多いですね…イチゴなんかはこれから時期ですものね…」
アミティ「イチゴか…そうだ!イチゴ使った新メニューあたしらで考えてみんなに提案してみようよ!」
リデル「なるほど…いいですね…!何がいいですかね…」
アミティ「そうだね…イチゴを使ったペペロンチーノとか!」
Dシェゾ「絶対合わねぇ…」
アミティ「そう?それじゃあ…イチゴのコンソメスープとか!」
リデル「アミさん、それもちょっと…」
アミティ「えー!じゃあリデルとDシェゾが考えてよー!」
リデル「そう言われても…」
シグ「ん?」
リデル「シグさん?」
アミティ「シグ、どうしたの?」
シグ「あめ」
アミティ「え?ああ…!雨が降ってきちゃった…!」
リデル「だんだん本降りになってきました…」
Dシェゾ「くっ…傘もってくるの忘れちまった…あ、あそこだ!あそこになんか立派な屋敷がある!」
アミティ「ほんとだ!なんか屋敷があるね!」
リデル「あそこでちょっと雨宿りしましょう…」
アミティ「はあ…すごかったね…」
Dシェゾ「ああ…服も髪もびしょびしょだ…」
リデル「この雨の中…傘無しで帰るのは難しいですね…」
アミティ「ね…しばらく止みそうもないねこれ…」
Dシェゾ「ああ…これはしばらく帰れそうもないな…」
シグ「どうする?」
Dシェゾ「どうするっつっても…止むのを待つしかないだろ…」
リデル「はい…すっごく降って来ましたもんね…」
アミティ「というか普通に勝手に入っちゃったけどさ…誰もいないのかな…?このお屋敷…」
リデル「あ、そう言われてみれば…!ちゃんと挨拶して事情も話さないと…」
Dシェゾ「でも…この屋敷の主らしき人…居なくないか?」
アミティ「そう言われてみれば確かに…」
Dシェゾ「普通誰かが家に入った時は気づいて来るよな…?」
リデル「お留守ですかね…?」
Dシェゾ「もしそうだとしたら家に鍵をかけていくはず」
アミティ「確かに!そっか、今あたしたちこの家の中に入れてるもんね」
リデル「でも実際このお家にも人は誰もいないみたいですから…なんでですかね…不用心ですね…」
アミティ「鍵かけ忘れて行っちゃったのかな?」
リデル「でもよくよく見るとこのお屋敷の中…凄いですね…」
アミティ「ね!なんかすごく豪華!そう言われてみればこの屋敷の外見もすごいお金持ちのおうちって感じだったかも!」
Dシェゾ「確かに…金持ちの屋敷か?」
リデル「ラフィーナさんみたいな感じですかね?」
アミティ「そう言われてみればそんな感じかも!いいな〜ちょっと見学していこうかな」
Dシェゾ「おいひとんちだぞ…?あんまり勝手に…」
ギイイ…
Dシェゾ「あ、おいアミティ!勝手にクローゼット開けるな!」
アミティ「え?あたしまだ何もしてないよ?」
Dシェゾ「いやでも明らかにクローゼットが空いてるだろ!アミティ…お前あんまり勝手に色々触るなよ…」
アミティ「あたし何もしてないのに…」
Dシェゾ「だからアミティ!テーブルの上に置いてある皿とスプーンを浮かせて遊ぶな!」
アミティ「だからあたし何もしてないって!」
リデル「…Dシェゾさん!今なんて言いました…?」
Dシェゾ「だから皿とスプーンを浮かせるなって…ええ!?」
アミティ「な、なにこれ!?」
リデル「お皿とスプーンが浮いてる…」
シグ「椅子も浮いてる」
アミティ「ほんとだ!椅子とあと…テーブルクロスまで…!」
Dシェゾ「おい…なんなんだこれ…」
リデル「はい…そんな非科学的な現象…」
アミティ「い…いやあああー!!!!!」
リデル「きゃー!!!!!」
Dシェゾ「あ、おい騒ぐな!気持ちはわかるが…少し落ち着け!」
アミティ「だって!お皿とかが勝手に浮いてるんだよ!?ありえなく無い!?Dシェゾは怖くないの!?」
Dシェゾ「怖いけど…!でも…そんなに騒いでも状況は何も変わりやしない!!だから少し…」
???「ねえねえお兄さん…」
Dシェゾ「あ!?なんだよ!」
鎧「僕と遊んでよ…」
Dシェゾ「ななな…なんだ…?誰だてめぇ…」
リデル「ひゃ…鎧が…鎧がDシェゾさんに話しかけてます…」
Dシェゾ「うわあああああー!!!!!」
アミティ「いやああああああー!!!!!」
リデル「ひゃああああーーーー!!!!!」
アミティ「…怖いよ怖いよ怖いよ!鎧が…鎧が襲ってくるー!!…あれ?」
Dシェゾ「…何にも起こらない…?」
アミティ「というか…今の鎧は…?」
リデル「鎧…無くなってますね…おかしいですね…いまさっきまでここにありましたよね…?」
アミティ「うん、今確かにDシェゾに襲いかかって来てたのに…ちょっと目を離したら…」
リデル「一体なんだったんでしょう…お皿とかも元の場所に…」
アミティ「ほんとだ!全部が何事も無かったかのように…ねえ…Dシェゾも見たよね?」
Dシェゾ「あ、ああ…今…確かに襲いかかって来たはずなのに…どこに消えたんだ…?それに皿とかも浮いてたはずなのに…」
リデル「なんか…嫌な予感がします…」
アミティ「もうこんなとこ出ようよ…もう帰ろう?」
リデル「いや、でもまだ雨が…」
Dシェゾ「こんな所で得体の知れない何かに襲われるんだったら全身ずぶ濡れになって帰る方がずっとマシだ!」
アミティ「それは確かに…」
Dシェゾ「そうと決まればこんな気味悪い所さっさと…あれ」
リデル「Dシェゾさん?」
アミティ「どうしたの!?」
Dシェゾ「…扉が…開かねぇ…」
アミティ「え!?なんで!?」
Dシェゾ「最後にこの建物に入ったの誰だ?鍵閉めたんか…?」
アミティ「あたし何もしてないよー?」
リデル「はい…私も…」
シグ「閉めてない」
Dシェゾ「…じゃあ…一体誰が…」
アミティ「というかそもそもこの扉鍵ついてなくない!?」
リデル「…た…確かに…!」
Dシェゾ「鍵がついてないのに扉があかない…と言う事は…」
アミティ「あたし達、もうここから二度と出られないって事…?」
リデル「ああああああああ…」
Dシェゾ「まじかよ…でも…これって…一体…」
アミティ「この扉が無理なら!この窓から出ようよ!大丈夫!窓からなら出られるよ!」
シグ「この窓ってどの窓?」
アミティ「え?何言ってるのシグ!窓って言ったらこの窓…って!ええー!?窓がなくなってる!?」
リデル「ええ…そんな…」
Dシェゾ「最初から無かったなんて事ないよな…?さっきまであったよな…?」
アミティ「うん…だって…この建物の中から確かに雨が降ってること確認したの覚えてるし…でもそんな…窓が消えるなんて…」
Dシェゾ「これって一体…」
アミティ「そうだ!あの鎧に聞いてみようよ!」
リデル「…今誰に聞くって言いました…?」
アミティ「そりゃーもちろん!あの鎧…って!ええ!」
Dシェゾ「あの鎧…確かさっきの…!」
リデル「でも一瞬なくなってましたよね!?ね!?」
アミティ「なんでまたいつの間にか出てきてるの!さっきまで本当になかったのにー!」
Dシェゾ「おい!今度は鎧2体いるぞ…?」
リデル「ええ…ええ…!!」
アミティ「しかも2体ともこっち向かってきてるー!!」
リデル「きゃー!!」
Dシェゾ「逃げるぞ!」
アミティ「でもどこに!?」
Dシェゾ「あそこだ!道がある!」
リデル「そうですね、行きましょう…」
アミティ「怖いよ怖いよ怖いよ…!」
Dシェゾ「ここまで来れば大丈夫だろ…しかし一体なんなんだ…?」
リデル「…この屋敷やっぱりなんか変です…!」
アミティ「そうだよね…!鎧が襲ってきたりスプーンとかお皿が浮いたり窓が消えたり扉が開かなかったり…」
鎧A「…!」
鎧B「…!」
Dシェゾ「おいまた鎧だ!」
アミティ「ええ!やだこわいー!!!」
リデル「きゃー!!!」
Dシェゾ「うわあー!!!」
アミティ「きゃー!!いやー!!!」
Dシェゾ「はあ…はあ…」
リデル「何とか逃げ切りました…」
Dシェゾ「でも油断するなよ…どうせすぐ見つかっちまう…」
リデル「そうですね…あれ…」
Dシェゾ「どうした?」
リデル「…アミさんとシグさんが…」
Dシェゾ「…!?おい!アミティ!シグ!!」
リデル「そんな…」
Dシェゾ「まさか…はぐれたのか…!?まじかよ…最悪だ…!」
リデル「早く探さなきゃ…」
アミティ「Dシェゾとリデルが居ない!?」
シグ「はぐれた」
アミティ「そんな!こんな時にはぐれるなんて…」
シグ「探さなきゃだね」
アミティ「そうだね…すぐに探そう!」
Dシェゾ「アミティー!シグー!」
リデル「どこですかー!?」
Dシェゾ「あいつら…一体どこに…」
リデル「というか…」
Dシェゾ「どうした?」
リデル「ここどこですか…?」
Dシェゾ「え?」
リデル「このお屋敷…こんなに広かったでしたっけ…?なんかどんどん知らない場所に来てるような…」
Dシェゾ「…そう言われてみれば…俺らはどこからどう来てどこでアミティ達とはぐれたのか…」
リデル「これは…アミさん達を探す以前の問題になるんじゃ…」
Dシェゾ「くそ…なんなんだよこの屋敷は…!」
アミティ「ねえ…シグ…」
シグ「なに?」
アミティ「あたし達ってどこから来たんだっけ…?」
シグ「お店」
アミティ「それを聞いてるんじゃなくて!だってほら…なんか来た道が分からなくなってきたって言うか…このお屋敷こんなに迷子になるような広さだったっけ〜!?」
シグ「あ」
アミティ「なに?シグ、道がわかったの!?」
シグ「なんかこっちに向かってきてる」
アミティ「ほんと!?Dシェゾとリデルかな?」
シグ「ちがう」
アミティ「え?」
シグ「なんか、絵」
アミティ「え?ええー!?」
シグ「絵だけに?」
アミティ「そんな事言ってる場合じゃないよシグ!なんか絵がこっちに向かって急接近してきてるー!?きゃー!シグ逃げるよ!!」
シグ「わー」
アミティ「まず絵が浮いてる時点でおかしいよね!?ね!?」
リデル「なんかお部屋がありますね」
Dシェゾ「あ、ああ…この部屋で待ってみるか…?そうすればアミティとシグもこの部屋を見つけて来るかもしれん…」
リデル「そうですね…そうしましょう…」
Dシェゾ「何だこの部屋…」
リデル「わあ…宝石が沢山ありますね…」
Dシェゾ「ああ、宝石は綺麗だな…この家の主はやはり金持ちなのか…?」
リデル「こんなに沢山の宝石が飾ってあるんですもの…多分そうだと思います…」
Dシェゾ「…!?」
リデル「Dシェゾさん…?」
Dシェゾ「リデル…危ない!!」
リデル「きゃ…!」
バリーン!!
Dシェゾ「うっ…!」
リデル「シャンデリアが落ちてきた…?」
Dシェゾ「危なかったな…リデル、怪我はなかったか…?」
リデル「はい…私は大丈夫です…Dシェゾさんこそ…」
Dシェゾ「おれも大丈夫だ…しかしなぜシャンデリアがいきなり落ちてきたんだ…?」
リデル「シャンデリアなんて突然落ちてくるものじゃないですよね…?」
Dシェゾ「ああ…この家に霊が取り憑いてるとかじゃない限りはな…」
リデル「…ということはやっぱりこの家は何かあるんですね…?」
Dシェゾ「ありまくりだろ!だって鎧が襲ってきたり窓が消えたりものが浮いたり扉が突然あかなくなったり…!こんなの普通に考えておかしすぎるだろ!家の主もどこにもいないし…」
リデル「し…心霊現象すぎますよね…」
Dシェゾ「とりあえずもうこの部屋はシャンデリアの割れた欠片とかがあって怪我でもしたら大変だからすぐにここから出よう」
リデル「は、はい…!」
アミティ「ねえ、こっちって行ったっけ?」
シグ「分からない」
アミティ「だよね…もう分からなくなってきちゃった…どこをまだ見てなくてどこがもう通った道なのか…」
シグ「あそこにいるアミティに聞いてみればいい」
アミティ「え?誰に聞くって?」
シグ「アミティ」
アミティ「アミティはあたしだよ!それじゃああれはなに…?」
シグ「アミティ」
アミティ「ええー!あたしが2人いるってこと…?ぎゃー!!!!!!」
シグ「アミティうるさい」
アミティ「だってだってだって!!!!シグは怖くないの!?さっきから色々変なことが起こるんだよ!?それにあたしが2人って…あれ?これ…なーんだ鏡か!鏡だよ鏡!」
シグ「よかった」
アミティ「そう!ただの鏡!もうーシグったら!鏡の中のあたしに道を聞くなんて出来るわけないでしょー??」
シグ「だって鏡の中のアミティ手振ったから」
アミティ「ほんとー!じゃあよっぽどこっちに来て欲しかったのかもね!あはははは!え?」
シグ「なに?」
アミティ「あたし…今手なんか振ってないんだけど…」
シグ「さっき確かにこっちにおいでって感じに振ってた、ほら今だって」
アミティ「…ええ!?ええー!!!!!」
シグ「このアミティ面白い」
アミティ「面白くないよ!全っぜん面白くないから!!これも変!逃げよう!!!」
シグ「えー」
アミティ「早くDシェゾたちを探さないと!」
リデル「やっぱり道が分からなくなって来ましたね…」
Dシェゾ「ああ…もうどこに行ってどこをまだ見てないのやら…」
リデル「これ…もしかして魔法ですかね…」
Dシェゾ「恐らくな…この家に取り憑いてる何者かが魔法で俺らを惑わしてるのかもな…」
リデル「でも…なんでこんなことするんですかね…」
Dシェゾ「それはそいつを見つけ出して後で直接問い詰めればいい…まずはアミティ達を探すのが先だ…」
リデル「そうですね…そっちが先ですよね」
Dシェゾ「あっ…痛…」
リデル「Dシェゾさん?どうしました…?」
Dシェゾ「あ、いや…何もない…大丈夫だ…」
リデル「Dシェゾさん…足首抑えてる…あっ…まさか…さっきシャンデリアが落ちてきた時に…」
Dシェゾ「いや…そのぐらいなんて事ない…」
リデル「でも…痛いんですよね…?足首…」
Dシェゾ「大丈夫だ…ほら、早くアミティ達を探しに…くっ…!あっ…!」
リデル「Dシェゾさん…!私のせいですよね…さっき、私をシャンデリアから庇ったせいで…」
Dシェゾ「実は我慢して歩いてたんだけど…さすがに限界だったな…無理して歩いたから悪化しちまったか…」
リデル「Dシェゾさん、ちょっと靴を脱いでズボンの裾をめくって…痛い所を見せてください」
Dシェゾ「え…あ、ああ…分かった」
リデル「…!結構赤く腫れてますね…Dシェゾさん、ちょっと待っててくださいね…」
Dシェゾ「リデル…?」
リデル「まず冷やさないと…ちょっと冷たいですよ…」
Dシェゾ「…っ!」
リデル「あ、ごめんなさい…大丈夫ですか?」
Dシェゾ「あ、ああ…すまん、ちょっとびっくりしただけだ」
リデル「痛い所をちゃんと冷やしてから湿布を貼って、最後にテーピングを巻けば…はい、出来ました」
Dシェゾ「…痛みが少し和らいだ、これなら歩ける…!」
リデル「良かったです…」
Dシェゾ「リデル…ありがとうな、助かった」
リデル「とんでもないです…また痛み出したら教えてください」
Dシェゾ「ありがとうな…本当に…」
リデル「あと…Dシェゾさん…ひとつ聞いても大丈夫ですか?」
Dシェゾ「ん?なんだ?」
リデル「あの…聞かれて嫌だったらごめんなさいなんですけど…本当は…すごく怖いんですか…?」
Dシェゾ「え、なぜそれを…」
リデル「今、Dシェゾさんの体に触って気がついたんです…Dシェゾさん…すごく震えてた…本当はすごく怖いんですよね…?あ、馬鹿にしてるつもりでは無いんです…でも…もしそう聞こえてしまったら…ごめんなさい…」
Dシェゾ「リデルの言う通りだ、俺…実はこのような心霊現象とか大の苦手で…」
リデル「まあ…そうだったんですね…」
Dシェゾ「俺、ほんとはすごく怖がりで…臆病で…弱くて…情けないよな、精神も弱いしすぐに幻覚とかを見てそれに惑わされてしまう…自分に自信がないんだ、でも…こんなんじゃダメだよな…それは俺が1番よく分かってる…」
リデル「Dシェゾさんは弱くなんかないですよ…だって…さっきだって私を助けてくれたじゃないですか…!足を痛めてまで…むしろ私は怪我をさせてしまって申し訳ないって思ってます…!本当に弱い人だったら…あのような行動取れないと思います…だから、Dシェゾさんは強いです!」
Dシェゾ「ふん…そんなことねえよ…」
リデル「Dシェゾさん、自分の弱みを見せたくない気持ちはすごく分かります、けど…怖い時や辛い時は無理せずにちゃんとそう言っていいんですよ?私だって…怖い時や辛い時は沢山ありますし…正直に言う事は全然恥ずかしい事じゃないです!」
Dシェゾ「リデル…」
リデル「Dシェゾさんは仲間を守ることが出来る優しい良い人です、だから…過去に何があったのかはよく分からないですけど…でも、あまり自分を責めないでください…!そんな精神的にも落ち込んでるDシェゾさんなんて…らしくないです!もっと自信を持ってください…!」
Dシェゾ「…そうか、俺らしくなかったか…」
リデル「あ、その…ごめんなさい…こんな偉そうに…」
Dシェゾ「リデルはいつも正直に真っ直ぐ教えてくれる、その正直な意見にはいつも助かってるぜ…」
リデル「Dシェゾさん…!」
Dシェゾ「なあ…リデルの怖いものってなんだ?」
リデル「私の…?」
Dシェゾ「俺の怖いものは教えたんだ、リデルは何が怖いのか…教えてくれないか…?」
リデル「私が怖いのは…あなた達みんなが…友達がいなくなることです…」
Dシェゾ「友達が…みんなが…」
リデル「みんながいなくなって私1人になったらと思うと…」
Dシェゾ「俺もそう…お前らがいなくなったら…そう考えると…」
リデル「ふふ、私達って結構似てるのかもしれませんね」
Dシェゾ「…そうだな、そうかもしれない」
リデル「そうだDシェゾさん、こんな時にあげるのもおかしいかもですけど…実はおやつを持って来てるんです…」
Dシェゾ「おやつ…?」
リデル「はい…ミニクレープです、これを食べて元気出してください…」
Dシェゾ「リデル…ありがとう…」
リデル「とんでもないです…私も少しお腹すいてきました…ちょっとだけおやつタイムにしましょうか」
Dシェゾ「そうだな…それじゃあ頂くぜ」
リデル「食べ終わったらまたアミさん達を探しましょう」
Dシェゾ「ああ、そうだな…」
アミティ「はあ…はあ…さっきの鏡からだいぶ離れた…ここまで来れば大丈夫かな…」
シグ「またこの道」
アミティ「またって言うかもうずっとこの道だよね…はあ…なんかもうよく分からなくなって来ちゃった…でもさ、どこを通っても同じ道、中々最初の道に戻れないってさ…これなんかおかしくない?」
シグ「ずっと同じ場所グルグルしてる」
アミティ「うん…というか来た道戻っても中々最初の道に戻れないってどゆこと?」
シグ「…何かあるかも」
アミティ「…やっぱり…?」
シグ「この家、何かかんじる」
アミティ「…やっぱり!?というか…さっきお皿とかが宙に浮いてたじゃん?あれ普通に考えておかしくない?あんなこと普通にありえないよね!?」
シグ「それじゃあ、やっぱり」
アミティ「うん、何かが取り憑いてるとか…」
シグ「あそこにいる半透明のおじさんに聞く?」
アミティ「え?なんのおじさん?」
シグ「半透明のおじさん」
アミティ「半透明!?」
シグ「そこにいる」
アミティ「まって…半透明ってどうゆうこと…」
シグ「…」
アミティ「…きゃあー!!!!!」
Dシェゾ「美味かった…リデル、ありがとうな」
リデル「良かったです…私も…Dシェゾさんとお話出来て嬉しかったです…」
Dシェゾ「それじゃあアミティとシグ探し再開するか」
リデル「はい…早くアミさん達と合流してこんな場所…」
Dシェゾ「…おい、なんだあの人」
リデル「あれ…あんな人最初からあんなとこにいましたっけ…?」
Dシェゾ「いや…というかあいつ…なんか半透明じゃないか…?」
リデル「はい…私にもそう見えます…」
Dシェゾ「最初からあんなとこにいるいないどころか半透明ってどういう事なんだ…?」
リデル「…きゃあー!!!!」
Dシェゾ「…リデル!こっちに!」
リデル「は、はい!」
Dシェゾ「…!感じる…」
リデル「Dシェゾさん…?」
Dシェゾ「こっちの方から…何故か急激に怪しい魔力を感じるようになった…!」
リデル「という事は…それをたどっていけば…!」
Dシェゾ「ああ…これを辿っていけば…この先に黒幕がいる…!」
アミティ「シグ見て!あたし達の行く先に変な部屋が!」
シグ「ほんとだ」
アミティ「ちょっと入ってみよう!」
リデル「お部屋が見えてきました!」
Dシェゾ「ああ!あの部屋が1番魔力が強い!」
シグ「あ」
アミティ「あ!Dシェゾ!リデル!」
リデル「アミさん!シグさん!」
Dシェゾ「やっと会えたな…」
アミティ「うん…2人とも無事でよかった…」
リデル「はい…みんな無事でほんとに良かったです…」
シグ「よかった」
リデル「あ、でもDシェゾさん…このお部屋から強い力を感じるって…」
Dシェゾ「ああ…この部屋にいる…俺には分かる…」
アミティ「まさか…この事件の犯人が…?」
Dシェゾ「おい!出てこい!!お前は誰だ!なぜこんなことを…」
???「さみしかったの…」
アミティ「誰!?」
???「あたし…1人で寂しくて…お友達が欲しかったの…」
リデル「あの…誰ですか…?」
シグ「あれ」
アミティ「どれ?」
Dシェゾ「あの絵画だ…絵画が喋ってる…」
絵画?「ずっとお友達が欲しかったの…あたしは寂しくて…一緒に…もっと一緒に遊んでよ…!」
リデル「真犯人は…あの絵画ですか…?」
Dシェゾ「違う…絵画自体が犯人ではなく、おそらく…悪魔だ…悪魔があの絵に取り憑いて悪さをしていたんだ…」
アミティ「なるほど…悪魔があの絵に取り憑いてたんだね…」
悪魔「はあー!!」
Dシェゾ「うわっ!」
アミティ「きゃー!!」
リデル「なに…?なんですかこれ…!」
悪魔「ここは霊界への入口…さあ、ここから霊界に入ってこっちの世界においで…霊界でずっと…あたしと一緒に遊ぼう?その方が楽しいよ…?生きている悩みなんてなくなる…自由になれるよ…?だから…さあ…」
Dシェゾ「残念だけどお断りだ、俺らにはまだまだやりたい事がある…こんなところで死ぬのはまっぴらごめんだ」
アミティ「そうだよ!あたし達にはまだまだやらなきゃ行けないことが沢山あるんだから!」
リデル「私だって…まだ死ぬ訳には…」
悪魔「ならば…力づくでも…楽になってずっと一緒に遊ぼうよ…!!!ねえ!!!」
Dシェゾ「させるか…ダイヤモンドダスト!!」
悪魔「はあ!」
Dシェゾ「くっ…強い…!」
悪魔「抵抗しないで…早くこっちの世界においで…楽になれるよ…?だから…」
アミティ「Dシェゾが押されてる…このままじゃ…」
Dシェゾ「もしこれが破られてこいつの力をまともに食らったら…俺は…また…また、あの孤独を…くっ!」
リデル「Dシェゾさん!」
Dシェゾ「リデル…!」
リデル「Dシェゾさんはもう1人じゃありません、私や皆さんがついてます…!もう、絶対1人にはさせません!」
Dシェゾ「リデル、ありがとうな…!はあー!!」
悪魔「なに!?」
Dシェゾ「おれは…しっかり生きてから、それから…!だから今はまだ死ぬ訳にはいかない!俺を…俺を必要としてくれてる仲間のために…そして、その仲間を守るために…!」
シグ「おおー」
アミティ「いいよー!いけー!Dシェゾー!!」
Dシェゾ「喰らえ!アレイアードー!!」
悪魔「はっ!うわあー!!!」
アミティ「やった!」
リデル「やりました!Dシェゾさん!」
悪魔「私はただ…1人で寂しかった…だから…友達が欲しかった…それだけなのに…!」
Dシェゾ「1人が寂しいのは分かる、俺も1度はそうなったからその気持ちは痛いほど分かる…だけどな、そんな簡単に人の死を…俺らにはまだ生きる力がある、そしてまだまだやるべき事がある、それを終えたら…またいずれそっちに行く事になると思う…だから待ってろ…いつか1人じゃない日が来るから…!」
悪魔「…そうか、ありがとう…いつかはひとりじゃない日が来るか…」
Dシェゾ「はあ…はあ…」
アミティ「やったあ!悪魔を倒したね!」
リデル「Dシェゾさん…!」
Dシェゾ「よかったぜ…リデルのおかげだ」
リデル「いえ…私は何も…」
Dシェゾ「リデルの言う通り確かに俺らしくなかったかもな…」
リデル「今のDシェゾさんだって…私やアミティさんとシグさんを悪魔から守ってくれて…かっこよかったです!」
アミティ「そうだよ!ありがとう!」
シグ「ありがとー」
Dシェゾ「…俺もリデルと同じ…お前らがいなくなるのが怖いからな…」
リデル「Dシェゾさん…」
Dシェゾ「リデルも、もし何が怖い事があれば俺に教えてな」
リデル「は、はい…ありがとうございます…Dシェゾさん…!」
シグ「光が見える」
アミティ「ほんとだ!」
Dシェゾ「きっと出口だ!」
リデル「はい…行きましょう…!」
アミティ「外だ!やった!出口だ!」
シグ「やったー」
リデル「雨止んでます…すごく晴れてますね…」
Dシェゾ「あれ」
アミティ「Dシェゾ?どしたの?」
Dシェゾ「屋敷が…」
リデル「あれ…変ですね…屋敷が消えてます…」
アミティ「ほんとだ…悪魔を倒したから…?」
シグ「なのかな」
Dシェゾ「なんかよくわからなかったけど…まあでもみんな無事に外に出れたわけだし…」
リデル「はい…皆さん無事で本当に良かったです…」
アミティ「うん!それじゃあ帰ろっか!」
アミティ「ただいまー!」
ラフィーナ「やっと来た!おっそーい!!」
シェゾ「お前ら!こんな時間までどこで何してたんだ!?」
アルル「そうだよ!僕たちみんなすっごい心配してたんだから!」
リデル「ごめんなさい…」
シグ「幽霊におそわれてた」
シェゾ「は?」
ラフィーナ「幽霊?」
Dシェゾ「あー!違う違うんだ!ちょっと…雨が降ってたから…雨宿りしてて…」
アミティ「あ、そうそう!雨宿り!」
ラフィーナ「そんな嘘ついても無駄よ!どうせ寄り道して遊んでたんでしょ?」
アミティ「嘘じゃないよ!ほら!雨すごかったでしょ!?」
リデル「そうですよ!すごい降ってる時間あったじゃないですか…?」
シェゾ「お前ら何言ってんだ…?」
ラフィーナ「そうよ、そんな嘘ついて誤魔化せるとでも?」
アミティ「え…?雨降ってなかったの…?」
アルル「うん…こっちは今日はずっと晴れ、雨なんか降ってる時間なかったけど…」
アミティ「ええ…」
リデル「ええー…?」
Dシェゾ「そんな事って…まさかそれもあの悪魔の…?」
ラフィーナ「というか買い出しの食材は?」
アミティ「え?あ、あれー…そういえば…」
リデル「もしかして…あのお屋敷に…」
Dシェゾ「いやまて、あの屋敷は消滅した…だからもう探すに探せない…」
アミティ「あ、そっか…」
ラフィーナ「あなた達!どこかでサボった挙句、買い出しの食材までどこかに置いてくるなんて…!この時間なんだと思ってますの!?食材をちゃんと持ってくるならまだしも、これじゃあ結局3時間ほど時間が無駄になっただけじゃない!」
アミティ「いや…でも…だからね…」
ラフィーナ「罰として1週間お店の大掃除!!」
アミティ「なんでこうなるのー!!!」
リデル「もう心霊現象は懲り懲りですー!」
Dシェゾ「はあ…早く楽になりてぇ…」
アミティ「Dシェゾ、あたし達にはまだまだやらなきゃ行けない事が沢山あるんだよ、このように掃除当番とか…」
リデル「はい…今はやるべき事をしっかりやらないと…」
Dシェゾ「もう買い出しと幽霊屋敷は懲り懲りだぜ…はあ…」
終わり
今回の主役
Dシェゾ リデル