シェゾ「ここが俺らの秘密基地みたいな感じの家だ」


Dシェゾ「ほう…結構大きい家だな」


シェゾ「だろ?割と広いのにこの家の責任者は狭くないかな大丈夫かな、とか言ってたんだぜ」


Dシェゾ「いや、充分広いと思うけどな…」


シェゾ「ラフィーナの家の使ってない倉庫らしい」


Dシェゾ「そうなのか」


シェゾ「自由に入って使っていいらしい」


Dシェゾ「ならば使わせてもらおうか」


シェゾ「おーい、誰かいるか?」


Dシェゾ「誰もいないのか?」


ラフィーナ「あら、シェゾさんとDシェゾさん」


シェゾ「ラフィーナか、今日はお前1人か?」


ラフィーナ「ほか皆さん、どうやら体調崩してしまったみたいなのよ…」


シェゾ「え、そうなのか??」


ラフィーナ「ええ、アミティさんアルルさんリデルさんレムレス、この辺りがそうだったかしら」


シェゾ「まじか…レムレスはともかく、アミティ…バカは風邪ひかないって言うのにな…」


ラフィーナ「これから皆さんの家にお粥でも作りに行ってあげようかと思ってたの」


シェゾ「そうか、ならば俺も一緒に行く」


ラフィーナ「ありがとう、Dシェゾさんも来ますわよね?」


Dシェゾ「かんびょう?とはなんだ?」


ラフィーナ「ずで!!」


シェゾ「知らないのか…?」


Dシェゾ「この世界の事は何も知らない」


ラフィーナ「看病というのはですね、まあ簡単に言うと、具合の悪い人のお世話する事ですわ!」


Dシェゾ「なぜそのようなことを?」


シェゾ「具合悪いと自分では何も出来ないだろ?だから何か簡単に食べられるような物を作って食べさせてやったりするんだ」


ラフィーナ「まあ簡単に言うとこんな感じですわね」


Dシェゾ「なるほどな、わかった俺も行こう」


ラフィーナ「助かるわ」




アルル「みんなわざわざありがとう…」


シェゾ「大丈夫か?粥でも作ってやろうと思ってきたんだが…」


ラフィーナ「食欲がなくてもなにか栄養あるものを取らないと治るものも治りませんわよ」


アルル「そうだね…それじゃあカレー風味子お粥をお願いしたいな」


シェゾ「こいつほんとに具合悪いんか…?」


ラフィーナ「カレー風味はともかく…分かったわ、このWシェゾさんとラフィーナですぐに具合が良くなるお粥を作りますわ!ね?Dシェゾさん?」


Dシェゾ「…」


シェゾ「おい…聞いてるのか?」


ラフィーナ「Dシェゾさん、何してますの?」


Dシェゾ「食欲と言うものがなくても何かを食べないと治るものも治らないんだろう?だから…これを」


ラフィーナ「なに…それ?」


Dシェゾ「ハムエッグサンドイッチだ」


シェゾ「なんでそんなん作ったんだ!?」


Dシェゾ「いつもハムエッグサンドイッチを頼む女がいるからな…自然に作り方を覚えた、あの女も小さい体のくせによく食べるもんだ…」


ラフィーナ「それって…」


シェゾ「ああ、恐らくあいつだな…」


Dシェゾ「とりあえずこのハムエッグサンドイッチとやらを…」


ラフィーナ「違う違う!体調の悪い時はお粥よ!」


Dシェゾ「なんだそれは」


シェゾ「なんで粥を知らなくてハムエッグサンドイッチは作れるんだよ…」


ラフィーナ「お粥というのは!ご飯を水の分量を多くして柔らかく炊いたもの!風邪をひいた時はこれが1番ですわ!」


シェゾ「味付けはあまりしないか、優しい味付けをするのが基本だな」


Dシェゾ「なるほど…食欲というものがない時は柔らかいものを食べるのか、それならこのハムエッグサンドイッチでもいんじゃないか?」


ラフィーナ「それは風邪ひいた時に食べる気にはなりませんわ!」


Dシェゾ「じゃあ自分で食べる」


シェゾ「なんなんだよ…」


ラフィーナ「とりあえず!作り方はレクチャーしますから!Dシェゾさんも一緒にお粥作りましょ?」




シェゾ「チキンスープも作ってみたんだが、どうだ?」


ラフィーナ「いいじゃない!」


シェゾ「にんにくと生姜も入れてるから身体も温まるし絶対にすぐによくなる」


ラフィーナ「そうね!こっちのお粥もいい感じよ、ねえDシェゾさん…」


Dシェゾ「なんか黒くなったんだが、これで合ってるのか?」


ラフィーナ「いやいや!合ってません!!焦げてるじゃない!」


シェゾ「弱火にしてないじゃないか!」


ラフィーナ「すぐにこれを火から離さなきゃ…あっつ!!」


Dシェゾ「熱いのか?ならば…アイスストーム!!」


シェゾ「おい!凍らすな!!」


Dシェゾ「熱かったんだろう??ならば冷やせばいいじゃないか…」


シェゾ「暑いからといって冷やせばいいってもんじゃないからこれは!」


Dシェゾ「凍らすのが悪かったか…それじゃあフレイム!!」


シェゾ「そーゆう意味でもなーい!!」


ラフィーナ「もうこれお粥じゃない!!」


シェゾ「見たことも無い料理ができたな…」


アルル「ええっと…大丈夫…?」


ラフィーナ「あ、えっと、これはねアルルさん…」


シェゾ「粥は…失敗しちまったが…チキンスープなら…」


アルル「うん、全然充分だよ、ありがとうみんな」




ラフィーナ「はあ…アルルさんの家は何とかなったけど…」


シェゾ「お前、本当に何も知らないのか…?」


Dシェゾ「この世界の生活に関しては全く無知だ」


ラフィーナ「まあ…事情が事情ですものね…」


シェゾ「俺の力と姿はコピー出来ても知識まではコピー出来てないのかよ…」


ラフィーナ「それじゃあ次は…私が言った通りの事をそのまましてみて」


Dシェゾ「分かった」




リデル「わざわざ来てくれて嬉しいです…」


シェゾ「熱はあるのか?」


リデル「はい…38.8あります…ゴホゴホ」


ラフィーナ「かなりの高熱ね…」


リデル「はい…インフルエンザじゃないといいですけど…」


シェゾ「とりあえず粥とチキンスープでも作ってやる」


ラフィーナ「そうね!それで元気になってください!」


リデル「ありがとうございます…」


シェゾ「なんの粥がいい?」


リデル「それじゃあ…梅干しのお粥で…」


シェゾ「分かった、待ってろ」




ラフィーナ「まず水を多めに…それでしばらく炊く!」


Dシェゾ「こうか?」


ラフィーナ「そう!これはしばらくこのまま!何もしなくていい!」


シェゾ「チキンスープの方も今回も良さそうだ」


ラフィーナ「良かったわ!」


シェゾ「そしたら梅干しでもちぎって食べやすい大きさにしておくか」


ラフィーナ「中の種を取るのよ」


Dシェゾ「こうか?」


シェゾ「そうだ、これをあとで粥の中に入れるんだ」


ラフィーナ「味は…薄くて大丈夫だからこのぐらいで…梅干し入れていいわ」


シェゾ「わかった」


Dシェゾ「ちょっと薄くないか?」


ラフィーナ「お粥ですからこんなもんでいいのよ」


Dシェゾ「もっと刺激があった方がいいと思うから、よし、これだ」


シェゾ「おい!それはタバスコだ!!」


ラフィーナ「そんなの入れないで!!」


Dシェゾ「よし、いい感じの見た目になった」


シェゾ「まじかよ…」


ラフィーナ「せっかくいい感じでしたのに…」


Dシェゾ「辛いものを食べれば体が温まって良くなると聞いた事がある」


ラフィーナ「それはそうなんだけど…お粥にタバスコは…」


Dシェゾ「ほら、食え」


リデル「あ、はい…ありがとうございます…」


ラフィーナ「リデルさん…」


リデル「むぐ!?…美味しいです…ありがとうございます、Dシェゾさん…うぅ…」


Dシェゾ「良かった」


シェゾ「リデル…そんな無理して…」




ラフィーナ「お粥にタバスコは…全く…私が言ったことだけをやれば大丈夫よDシェゾさん」


Dシェゾ「そうだったのか、すまないな」


シェゾ「まあ辛い物を食べれば体が温まるのは合っているが…」


ラフィーナ「次はアミティさんの家ね、次こそは!」


シェゾ「そうだな」




アミティ「みんな来てくれてありがとう…」


ラフィーナ「今お粥作りますわね!」


アミティ「ありがとう…助かるよ…」




ラフィーナ「よし!ここまで来たわ!」


シェゾ「中々美味そうに出来てるな」


ラフィーナ「チキンスープは大丈夫そうかしら?」


シェゾ「味付けはこんな感じでどうだ?」


ラフィーナ「うん…少し薄いかしら?」


シェゾ「塩もう少し足してみていいか?」


ラフィーナ「そうね、塩でいいかも!」


Dシェゾ「このぐらいか?」


シェゾ「うわ!お前!」


ラフィーナ「入れすぎよ!!」


Dシェゾ「こんなもんでいいのか?」


ラフィーナ「しょっぱい通り越して辛いわよ!!」


シェゾ「おい!また粥が焦げる!!」


Dシェゾ「熱くなったということか?ならば…ブリザード!!」


ラフィーナ「やめて〜!!」




ラフィーナ「アミティさんごめんなさい…」


アミティ「あははは…まあ塩分沢山取れて嬉しいな…ありがとう…」




ラフィーナ「アミティさんにも悪いことしてしまったわ…」


シェゾ「これ、逆にみんなを困らせちまってるな…」


Dシェゾ「…すまない、少し1人にさせてくれ」


ラフィーナ「ええ?」


シェゾ「どうした…?大丈夫か?」


Dシェゾ「ちょっとで大丈夫だ」


ラフィーナ「あ、うん…」




Dシェゾ「…」


ラフィーナ「Dシェゾさん…大丈夫?」


Dシェゾ「今は1人にしてくれって言ったはずだ、少しほっといてくれ…」


ラフィーナ「この世界でちゃんとやって行けるのかな…とか、そういう事考えてます?」


Dシェゾ「な、なぜ…何故それを…」


シェゾ「俺とお前はほぼ同一人物だ、同じ人物であるお前の考えぐらいお見通しだ」


Dシェゾ「…そうか…」


ラフィーナ「その…大丈夫です…?」


Dシェゾ「俺も…別に悪気があってあんな事してる訳では無い…ただ、本当に何も分からなくてだな…俺はこのままこの世界でやって行けるのだろうか…人に迷惑かけるぐらいなら、復活なんかしないであのまま居なかった方が…とか色々思ってな…」


ラフィーナ「そんな…悪気がない事ぐらいちゃんと分かってますわよ」


シェゾ「お前も中々呆れるやつだな…」


Dシェゾ「…え?」


シェゾ「いいかよく聞け、最初からなんでも出来る完璧なやつなんてこの世にはいない、みんな失敗を繰り返して失敗を反省し少しづつ学んで生きてる、人生ってのはそーゆうもんだ」


ラフィーナ「そうね、失敗は何度でもしていいのよ、失敗して間違いを学んでそれを改善して生きていくもんよ」


Dシェゾ「お前ら…」


ラフィーナ「それに…あなたは分からない事だけじゃない、辛い物を食べると体が温まって体にいい事をちゃんと知ってたりとか、あとハムエッグサンドイッチだって自分で作れるようになってたじゃない」


シェゾ「そうだ、それは俺も凄いと思った」


Dシェゾ「ハムエッグサンドイッチは…作る回数が多かったから…自然とな…」


ラフィーナ「それだけ自分で出来れば充分だと思うわ、後は…分からないことは私たちがちゃんとフォローしますから大丈夫よ」


シェゾ「俺たちがついてるから心配するな」


Dシェゾ「…お前たちは本当に優しいんだな」


ラフィーナ「せっかく立派な体と命を授かったんですから、消えたいだなんて思わないで!人生楽しみましょ!」


シェゾ「それじゃあ気を取り直して今度は…レムレスのとこでも行くか?」


ラフィーナ「そうね!」




レムレス「来てくれてありがとう…熱が39.0もあって具合悪すぎてとても動けなくて…」


シェゾ「粥とチキンスープ作ってやる、味付けは何がいい?」


レムレス「それじゃあ…お粥には羊羹を入れて、チキンスープは砂糖たっぷりで」


ラフィーナ「はあ…」




ラフィーナ「それじゃあ羊羹をこのぐらいに切ってくれる?」


Dシェゾ「これでいいのか?」


ラフィーナ「そう!そのぐらいで大丈夫よ」


シェゾ「チキンスープ砂糖多めに入れたが…こんなでいいと思う?」


ラフィーナ「うわっ、甘…」


シェゾ「あ、お前、そこで火を弱火に…」


Dシェゾ「これでいいのか?」


ラフィーナ「そう!それでしばらく待つのよ」


シェゾ「チキンスープに羊羹も入れてやるか?」


ラフィーナ「沢山あるものね…入れてみます?まあ私らが食べるわけじゃないし…」


シェゾ「そうだな」


ラフィーナ「Dシェゾさん、その羊羹ここに少し入れてもらっていいかしら」


Dシェゾ「これでいいのか?」


ラフィーナ「ええ!ありがとう」


シェゾ「粥にも入れていいぞ」


Dシェゾ「ああ、分かった」


ラフィーナ「出来た!けどほんとにこんなのでいいのかしらね…」


シェゾ「さあな…ほらレムレス出来たぞ」


レムレス「ありがとう!うん!美味しい!!明日には良くなるかも!」


Dシェゾ「良かった」


ラフィーナ「そんなんでいいのかしらね…」


シェゾ「まあでも…お前もよくやったな」


Dシェゾ「そう言って貰えてうれしい」


シェゾ「こんな感じに俺たちがフォローしてやるから大丈夫だ、何かあったらいつでも頼れ」


Dシェゾ「ああ、助かる」


ラフィーナ「そうですわ!私も精一杯フォローしますわよ!」


Dシェゾ「ありがとうな」




次の日


アルル「Dシェゾ達の看病のおかげでちゃんと元気になれたよ!」


アミティ「あたしもふっかーつ!!昨日はありがとうねー!」


ラフィーナ「良かったわ」


リデル「Dシェゾさんが作ってくれたタバスコのお粥…辛かったけどでも体が温まって…すぐに良くなりました」


アミティ「ね!こっちも塩が多かったけど…でも塩分がちゃんと取れたからおかげで良くなった気がする!」


アルル「ありがとう、Dシェゾ」


Dシェゾ「ああ、それなら良かった…」


シェゾ「いい顔してるじゃないか」


ラフィーナ「良かったわね」


レムレス「それじゃあお礼としてあまーいお菓子を!」


Dシェゾ「なんだこれは」


レムレス「羊羹を知らないの!?」


Dシェゾ「ええっと、最近に人間になったようなもんだから…この世界の事は何も知らなくて…」


レムレス「これは羊羹っていう和菓子だよ!熱いお茶とよく合うんだ!!」


Dシェゾ「ならば…いただきます…」


シェゾ「…羊羹を知らないのに羊羹の料理作ったんだなあいつ…」


ラフィーナ「まあ…これはしょうがないんじゃなくて?」


Dシェゾ「これが羊羹というやつか…中々美味いな」


レムレス「でしょー?お菓子って美味しいでしょ?」


Dシェゾ「そうだな、こんなに美味いものがあるのか」


レムレス「そう!僕はお菓子を食べてもらってみんなの笑顔をみたい、みんなに喜んでもらいたいんだ!もちろんそのみんなに君も入ってるからね」


Dシェゾ「そうか…ありが…とう…な」バタ


レムレス「え、ちょ!?」


アルル「Dシェゾ!」


ラフィーナ「Dシェゾさん!」


シェゾ「おい!大丈夫か!?」


Dシェゾ「なんか…変な感じ…だ…なんだこれは…」




レムレス「あちゃー、39.0あるね…」


アルル「今度はDシェゾも風邪か…」


Dシェゾ「これが風邪というやつか…?これがお粥とやらを食べる対象者ということか…」


ラフィーナ「それで覚えましたのね…まあそうだけど…」


アミティ「それじゃああたしが食べて元気になったアミティ特製の塩分たっぷりのお粥を作って食べさせてあげる!」


リデル「私も…タバスコたっぷりのお粥を食べて元気になってもらいたいです…」


レムレス「僕も羊羹たっぷりのお粥と砂糖たっぷりチキンスープを作るよ!それを食べて元気になって貰いたいな」


Dシェゾ「…なんだろう…すごく嫌な予感しかしない…」


シェゾ「おい、Dシェゾ」


Dシェゾ「なんだ…?」


シェゾ「人にやった事は全て自分に返ってくるって事も覚えておいた方がいいぞ…」


ラフィーナ「ええ…またひとつ学べましたわね…」


Dシェゾ「感心してないでお前ら助けてくれー!!!」




終わり


今回の主役

シェゾ、Dシェゾ、ラフィーナ