とある日、アルルは夜のナーエの森である人物に銃撃されるフェーリを目撃してしまう
2人とも命に別状こそなかったもののフェーリは重傷を負い、アルルはそのショックで記憶を失ってしまう
しかしアルルは犯人の顔を見てるかもしれなくてまた犯人に狙われるかもしれない
みんなでその犯人を見つけ出し、アルルを守る事はできるのか
またアルルは記憶を取り戻すことができるのか
アミティ「このおだんごヘアの子はリデル、そして水色の髪で目が赤と青で綺麗な子はシグ、こっちの髪が赤くてくるくるしてるりんごを持ってる子がりんごだよ!」
リデル「リデルです…」
シグ「シグー」
りんご「私はあんどうりんごです!化学が大好きな極めて普通の女子高生です!」
アルル「うん、よろしくね、でもごめんなさい…誰の事も覚えてないの…」
リデル「それは残念です…あんなに遊んでくれたのに…」
アルル「ごめんね…」
りんご「アルル、大丈夫です!事情はシェゾさん達から聞きました!私たちがアルルを絶対に守ります!」
シグ「あんしんして、まもるから」
リデル「わ、私も…犯人は怖いけど…でも、アルルさんがピンチだから頑張ってお守りします…」
アルル「ありがとうみんな…」
シェゾ「まあ一連の流れはさっき話した通りだ、今アルルはこんなになっちまってるからお前ら、援護してくれ」
りんご「了解承知です!」
リデル「…!?」
シェゾ「…ん?どうしたリデル」
リデル「いえ…多分気のせいかもなんですけど…誰かがこっちを見てたような…そんな気がして…」
シェゾ「…まさか、またあの犯人か…!?」
リデル「え!犯人がそこにいるんですか!?」
シェゾ「分からねえ、でも昨日俺も感じたんだ、事件の後、証拠を掴むべく犯行現場を見に来た時に…同じ気配を…」
リデル「じゃあやっぱり…?」
シェゾ「ああ、犯人はアルルの命を狙ってる!口封じするために!」
ラフィーナ「あら皆さんごきげんよう」
リデル「ラフィーナさん!」
シェゾ「おいラフィーナ、お前今あっちから歩いてきたのか?」
ラフィーナ「え、ええ…そうですけど…」
シェゾ「怪しい人物見かけなかったか?多分お前が来た方向に向かっていったと思うのだが…」
ラフィーナ「怪しい人?そんな人見かけてませんわ」
シェゾ「居なかったのか!?」
ラフィーナ「え、ええ…」
リデル「じゃあ、さっき感じた人の気配はまさかラフィーナさん…?」
シェゾ「ラフィーナは怪しい人物とはすれ違ってないと言ってるから…残念だがおそらく…」
リデル「勘違いだったかもです…ごめんなさい…」
シェゾ「いや、この状況だ、無理もない」
ラフィーナ「アルルさんの容態はどうです?」
シェゾ「あ、ああ、記憶は戻らなくて相変わらずこんな調子だがでもアルル意外と明るいぞ、これならまあ大丈夫だろう」
ラフィーナ「意外とみんなに馴染めてますわね、良かったですわ」
アミティ「こっちはウィッチ、そしてドラコだよ」
アルル「ウィッチにドラコって言うんだ、よろしくね」
ウィッチ「私こそが計算高い頭脳を持つ超天才魔女、ウィッチさんですわ!…しかしアルルさん、本当に私たちのことも覚えないんですの?」
ドラコ「いつも最強の美少女をかけて勝負してるじゃないかー!アルルー!」
アルル「うん、今の私にはなんにも…ごめんね、せっかく来てくれたのに…」
ウィッチ「それは気の毒ですわね…ではせめて少しでもアルルさんの気持ちが落ち着くようにこの心を落ち着かせて安心出来る薬はいかがですか?」
ドラコ「それ、本当に大丈夫な薬なの…?」
ウィッチ「ウィッチさんの薬はいつも安心安全ですわ!」
シェゾ「安心安全な薬なんていつもひとつもないじゃないか…」
アミティ「でも心を落ち着かせる薬は本当に大丈夫そうじゃない?変な意味ないと思うけどなぁ…」
ウィッチ「じゃあアミティさんが試してみて下さらない?効果を無事確認してからアルルさんに試してみるわ!」
アミティ「ええー!?あたしが飲むの!?」
ウィッチ「今大丈夫だと思うって言ってくださったじゃない!」
アミティ「で、でも…!あたしいつも心落ち着いてるからさ…!大丈夫大丈夫…!」
ウィッチ「そんなこと仰らずに…ほーら!」
アミティ「きゃー!助けてー!!」
シェゾ「なんなんだよこれ…」
ドラコ「なんでこうなるの…」
アルル「ふふ、ふふふふ、ははははは!!」
シェゾ「アルル?」
アルル「みんな面白いね…ね?えっと…あ、シェゾ…」
シェゾ「アルルのやつ、本当に思ったより明るいな…これなら本当に大丈夫そうだな」
アミティ「こっちはルルーとサタン、この2人もアルルの昔っからの知り合いなんだよ」
ルルー「アルル!あなた記憶喪失なんですって!?この永遠の恋のライバルのルルーのことも覚えてないの!?」
サタン「お前の妃であるこのサタン様のことも忘れたか!?」
アルル「ルルーとサタンって言うんだね、私はアルル、ごめんなさい、覚えてないんです…」
ルルー「そんな…」
サタン「今までの思い出が…全て…う、うわぁぁぁん!!!!!」
シェゾ「いい歳したおっさんがベソかくなよ…」
ルルー「しかしこの永遠の恋のライバルルルーの事が今一時的にとはいえアルルの記憶から消えてるなんて…なんだかモヤモヤするわね…」
サタン「そうだそうだ!」
ルルー「シェゾ、アルルの記憶はいつかはちゃんと戻るのよね?」
シェゾ「それが…必ず戻るという保障はどこにもないんだ…」
ルルー「そう…」
サタン「お前の魔法で記憶を甦らせることは出来ないのか!?」
シェゾ「そんな魔法使えたらとっくに使ってるわ!」
サタン「そんなこと言わないで!何とかしてくれ!なにか方法は絶対何かしらあるに違いない!!」
シェゾ「あー!うるさい!無理なものは無理だ!無茶を言うな!」
ルルー「…」
レムレス「今日もアルルの記憶に関しては進展なしか…」
シェゾ「ああ、全く戻らなかったな」
ルルー「アルルは?」
シェゾ「疲れて寝ちまったぜ、アミティやシグたちも一緒に寝た」
ルルー「そう…」
サタン「しかしどうやってアルルの記憶を戻せば…」
ルルー「事件現場でその事件を再現すれば思い出すんじゃなくて!?」
シェゾ「そんな無理に思い出させる事ないだろ!」
ルルー「なんでよ!それはこのままアルルの記憶が戻らなくていいって事!?」
シェゾ「アルルを苦しめるような方法に反対だって言ってるんだ!」
ラフィーナ「私もその方法だけは反対ですわ…アルルさんのトラウマをえぐるようなことしたら…今度こそ完全に精神的に来てしまうのでは…」
サタン「それは私も同じだ、そんな無理矢理に記憶を戻してもアルルが辛くなるだけだ」
シェゾ「さっきは魔法でなんとしてでも思い出させる事は出来ないのかとか騒いでたくせに急に冷静になりやがって…」
ルルー「じゃあどうしろって言うのよ…!」
レムレス「でも!記憶ってリラックスしてる時にふと思い出す事も多いらしいよ!」
サタン「じゃあやはり、そんな無理に思い出させなくとも…」
レムレス「うん、自然に記憶が戻るのを待ってても大丈夫だと思う…でも…」
シェゾ「でも?」
レムレス「犯人は、何としてでもアルルの記憶が戻る前にアルルをやりに来ると思う」
ラフィーナ「そうですわね、放っておいてもその問題だけが残りますわね」
レムレス「だから、安心出来る状況ではないね」
シェゾ「みんな、何としてでもアルルを1人にさせるな」
レムレス「絶対にみんなでアルルを守ろう」
アミティ「アルル〜!今日はさ!気分転換でちょっと遠くまでお出かけしてみない?」
アルル「え、あ…うん!いいよ」
リデル「わーい!お出かけ楽しみです〜」
シグ「いくー」
アミティ「あたし達はアルル守り隊!犯人に狙わせたりなんかしないんだから!」
リデル「はい…!絶対に守ります…」
シグ「いっくぞー」
シェゾ「おい、アルルやアミティ達どこいったか分かるか?」
ラフィーナ「え、ハウスにいませんの?」
クルーク「学校の中庭とかその辺で遊んでるんじゃないの?」
シェゾ「それが…ハウスに来てないし、魔導学校にも居ねんだ…」
ラフィーナ「うそ…」
レムレス「じゃあどこに…」
プルルルル
アミティ「あれ、シェゾから電話だ、もしもしシェゾ」
シェゾ「おいアミティ、今どこにいる」
アミティ「うん!アルルを連れて気分転換にちょっと遠くまでお出かけしない?ってなって…いまプリンプ駅にアルルとシグとリデルと一緒にいるよ!」
シェゾ「分かった、俺らも直ぐに行くからそこでみんなで待ってろ」
アミティ「え?あ、うん…」
リデル「どうしたんですか?シェゾさんですか?」
アミティ「うん、今行くから待ってろって…」
リデル「こんな勝手なことしてしまったから怒られますかね…」
アミティ「いや、怒ってる口調ではなかったよ、俺も行くから待ってろって割と優しげな声で…」
シグ「じゃあ多分怒らない、大丈夫」
リデル「それならいいですけど…」
???「ふ、スキあり」
アルル「…!?うわっ…!」
アミティ「…!?」
シグ「あ…」
リデル「アルルさん!!」
アルル「うわっ!あっ…!」
アミティ「アルル!」
リデル「まずいです電車が来ました…」
アミティ「アルルー!!」
シェゾ「アルル!!」
アミティ「シェゾ!?」
シェゾ「…!!アルル…大丈夫か…?」
アルル「シェゾ…」
ラフィーナ「来て良かったですわ」
クルーク「ギリギリ間に合ったようだね…」
アミティ「…アルル…」
アミティ「ごめんなさい!本っ当にごめんなさい!」
リデル「私たち、アルルさんをこんな目に合わせようとしたつもりはないんです…」
アミティ「あたし達のせいでアルルがまたこんな危険な目に…」
シェゾ「大丈夫だ、お前らは悪くないからもう謝るな」
ルルー「悪いのはあの犯人よ!なによ!自分が悪いことしたくせに!」
ラフィーナ「レムレス!アルルさんの様子は…」
レムレス「とりあえずは落ち着いて今眠りについたよ、でも今回の事がきっかけで記憶を取り戻すのが怖くなってしまったかもしれない」
アミティ「そうだよね…あたしたちがいるから大丈夫!とか思って遠くまで行こうとしたから…」
ラフィーナ「でもなんで犯人はちゃんと着いてきたのかしら…」
シェゾ「恐らくどこかでつけてるんだろう」
クルーク「うわ、普通にストーカーじゃん…」
シェゾ「ハウスの中は鍵も閉めてあるし俺らもいるから大丈夫だと思うが…」
レムレス「みんな、絶対窓とか開けちゃダメだよ、もちろん外出る時も僕たちに声をかけて」
アミティ「分かったよ!」
シグ「わかったー」
リデル「分かりました…」
アルル「…ん」
ラフィーナ「あ、目が覚めました?」
アルル「君は…ラフィーナ…?」
ラフィーナ「大変でしたわね…アルルさん」
アルル「うん、怖かった…でももう大丈夫!ごめんね、私が記憶を失ってしまったばかりに君たちにも迷惑かけてしまって…」
ラフィーナ「いいのよアルルさん、それに悪いのは犯人ですから」
アルル「シェゾにも迷惑かけちゃった…」
ラフィーナ「シェゾさんは…!多分アルルさんのことを本当に大切に思っているから…だから危険な目に合わせたくなくて守ってくださるのよ」
アルル「シェゾが、私の事を…?」
ラフィーナ「そうよ、シェゾさんはきっとアルルさんのことが…」
アルル「…僕、明日また外に出てみたい」
ラフィーナ「え?」
アルル「外に出るとまたみんなを危険な目に合わせちゃうかもだし、僕自身も危ないのは分かってるけど…でもこのままじゃだめな気がするの、自分から前に踏み出すとかしないと…記憶はこのまま戻らない気がするの!」
ラフィーナ「アルルさん…」
アルル「ね?いいでしょ?ラフィーナ!」
ラフィーナ「それは…私一人ではなんとも言えないわ…みんなに相談してからじゃないと…」
アルル「あ、でも…この事…シェゾには内緒にして欲しいな…」
ラフィーナ「なんでですの…?」
アルル「シェゾに言うと、シェゾも絶対来るでしょ?シェゾにはこれ以上…迷惑かけたくないから…」
ラフィーナ「アルルさん…」
ラフィーナ「ということですの」
レムレス「なるほどね…」
サタン「アルルを外に出すのは危険だけど…でも確かに自分から前に出なければ記憶は戻らんかもしれないな」
ルルー「私は反対よ!またあのような目にあったら、今度こそ本当に記憶が戻るのが怖くなって…アルルの記憶が二度と戻らなくなるかもしれなくってよ!?」
サタン「でもアルルがそうしたいって言ってるんだ、無理に拒否しても…」
レムレス「それに、本当に記憶が戻るチャンスかもしれないしね」
ルルー「でも…!」
サタン「ええい!大丈夫と言えば大丈夫だ!このサタン様がいるんだ、絶対にアルルを守ってみせる、あんなやつにアルルをやらせない」
アミティ「じゃあさ!みんなで行こう!」
リデル「大人数で行けば…きっと…!」
シグ「いくー」
ラフィーナ「私だって!」
りんご「私も行きます!そうする事によりアルルに自信がつくなら…」
レムレス「僕も行くよ」
ルルー「じゃあ私も一緒に行ってあげますわよ!」
サタン「よぉーし!じゃあみんなで行くぞ!」
ラフィーナ「でも…どこに?」
レムレス「そ、そうだね…どこに行くの?」
アルル「私、遊園地に行きたい…」
アミティ「アルル!?」
サタン「今の話全部聞いてたのか!?」
アルル「うん、聞いてたよ」
ルルー「遊園地なんて大丈夫なの!?」
アルル「だって!このままずっとこれを繰り返してたら記憶は絶対に戻らない気がするから…それに!普通にみんなで楽しみたいのもあるし!」
サタン「アルル…」
レムレス「…分かった、じゃあ明日いこう」
ルルー「でも明日なんて急すぎなくて!?せめて明後日にしない?ね?」
アルル「ルルー、私は一日でも記憶を戻したいの、これ以上みんなに迷惑を…シェゾに迷惑かけないためにも…」
ルルー「アルル…」
サタン「分かった、そうと決まれば明日みんなで行くぞ!」
アミティ「おー!!」
続く