タイトルにアミティと入ってるけど実は真の主人公はシェゾさんだったり
アミティ「ふぁ〜あ…お母さんおはよう」
アミティママ「アミティおはよう、ごめんね実はママ朝から具合悪くて…」
アミティ「ええ〜!?!?」
アミティママ「だからママちょっと休んでるね…そうね…今日はアミティはラフィーナちゃんの家にでもお泊まりさせてもらっておいで…」
アミティ「そ…そんな事しないよ!あたしお母さんの看病する!!」
アミティママ「うーん、そうして貰えると正直ありがたいけどアミティ出来る?」
アミティ「うん!大丈夫!だから任せて!!」
アミティママ「…」
ガシャーン!!!!
アミティママ「え?なに!?!?」
アミティママ「アミティ!大丈夫!?」
アミティ「いったたた…お母さんの頭冷やしてあげようと思って冷水を洗面器に入れて運んでたら転んで水こぼしちゃった〜!」
アミティママ「あーあーあー…分かったあとはママがするから」
アミティ「きゃー!!」
アミティママ「今度はどうしたの!?」
アミティ「お皿洗ってたら割っちゃった〜…」
アミティママ「あらアミティ怪我してない!?大丈夫!?」
アミティ「怪我はしてないよ…でもごめんなさい…」
アミティママ「これもママがやるか…ん?洗濯機が不気味な音を立てて回ってる…これ入れすぎで止まってるのかしら…?…はぁ…お願いだから休ませて…」
アルル「レムレスの持ってきてくれた羊羹美味しいね〜」
りんご「ほんとです!」
シェゾ「確かにうまいな」
リデル「美味しいです〜」
レムレス「ありがとう!頑張って作って持ってきたかいがあったよ」
クルーク「当然!レムレスは料理の天才でもあるからな!」
ドラコ「がうー!もっと食べたいー!!」
レムレス「うん!食べて食べて」
アルル「そういえば今日はラフィーナとアミティ来てないね」
シェゾ「そういえば確かにな」
りんご「何か用事でもあったのでしょうか…?」
ガチャ
ラフィーナ「た…大変大変ですわ!!」
りんご「噂をすればラフィーナ!」
ドラコ「た、大変って…?」
シェゾ「どうしたラフィーナそんなに慌てて、何かあったのか?」
ラフィーナ「あ…アミティさんのお母さんが熱を出してしまったらしいんですわ…」
アルル「わあそれはお気の毒」
レムレス「でもラフィーナがそんなに慌てる事ないんじゃないの?」
ラフィーナ「それがですわね…」
ドラコ「うんうん」
ラフィーナ「アミティさんのお父さんは仕事でいないのよ」
リデル「はい」
ラフィーナ「つまり、風邪をひいたアミティママと一緒にいるのはアミティさんだけなのよ…」
クルーク「あぁ…」
ラフィーナ「アミティさんの事だから看病するとか言ってるに違いありませんわ…」
アルル「ええ…!」
りんご「ええー!!!」
シェゾ「な、なんだと…?」
ドラコ「まじか!」
リデル「それは…」
レムレス「た、大変だ!!」
クルーク「そ、そういえばこの前…アミティに資料運びを頼んだ時、アミティ転んで床に資料全部ばらまいたんだ…」
リデル「私もこの前、宿題を見てあげると言われて一緒にお勉強してたのですが逆に私が教えるはめになってました…」
レムレス「僕もね…この前アミティが僕の学校に遊びに来た時、図書室の本の整理を手伝ってもらおうと思ってお願いしたんだけど、アミティ本の題名読んだだけで寝ちゃってたよ…」
シェゾ「俺もこの前カフェオーレを作ったから飲んでくれと言われ、それを貰ってみたらすごく変な味がして…もうカフェオーレの味ではなかったぞあれは!」
アルル「僕もこの前ラフィーナに頼まれてりんごとアミティと僕の3人でぷよぷよハウスの掃除をしてたんだけど、ハウス内が水浸しになって大変だったよ…ねえりんご?」
りんご「はい…すごく苦労しました…」
ラフィーナ「ということはですよ皆さん…つまりはどういうことか分かります?」
レムレス「アミティのお母さんが危ない!!」
リデル「アミティさんのお母さんを助けなきゃ!」
アミティ「うわぁーん!お粥焦げちゃった…」
アミティママ「あらあら、でもホント気持ちだけで嬉しいのよ、ありがとうアミティ」
アミティ「うぅ…」
ラフィーナ「こんにちわー」
レムレス「お邪魔します…」
アミティ「あれ!?みんなー!!どうしたの?」
アルル「やっほ〜アミティ」
りんご「アミティのお母さんが風邪をひいたと聞いてみんなで看病のお手伝いをしに来たんです!」
シェゾ「アミティの母さんが心配、と言うよりもアミティに看病されることが心配だったからな」
クルーク「そうだね、あくまで君のお母さんのために来たんだアミティ!」
アルル「シェゾ!クルークも!」
アミティ「あ、あはははは…でも来てくれてありがとう!」
クルーク「まあ僕も手伝ってやるから感謝しろよアミティ」
アミティママ「あらみんないらっしゃい」
リデル「体調は大丈夫ですか??」
レムレス「すみません体調良くない時にこんな大人数で突然押しかけて来てしまって」
アミティママ「いいのよいいのよ、みんなありがとう」
アミティ「みんな〜!心強いよ!ありがとう!」
りんご「あらら…」
リデル「見事に台所が大変なことになっちゃってますね…」
レムレス「一緒に片付けようアミティ!」
アミティ「う、うん…」
アルル「アミティ一緒にお粥作ろう」
アミティ「あたし、何やっても上手くいかなくて…かえってお母さんに心配かけちゃった…」
りんご「アミティ、そんなことありませんよ」
アミティ「え?」
アルル「親にとっては娘のその気持ちが嬉しいんだと思うよ」
りんご「そうですよ!一生懸命頑張る子供の姿を見たら親はきっと嬉しいと思いますよ!」
アミティ「アルル、りんご…」
レムレス「さ、お粥を作ろう?」
アミティ「う、うん!あ、でも失敗しちゃって卵切らしちゃった」
アルル「アミティママは卵のお粥が好きなの?」
アミティ「うん…」
ラフィーナ「アミティさんはお母さんの大好きな卵のお粥を作って食べた貰いたいのですわね?」
アルル「じゃあ卵を買ってきてみんなで作ろうよ!」
りんご「卵が好きなのがわかって、それがないのなら買いに行くまでです!」
アミティ「そ、そうだね!よし!いこう!!」
アルル「早く元気になってもらいたいならさ!栄養沢山とって元気になってもらいたいよね?」
アミティ「そうだね!」
りんご「キチンスープとかも作りません?」
ドラコ「チキンスープ?」
りんご「アメリカの方では風邪をひいた時にチキンスープというのを食べるんですよ、日本で言うお粥にあたる、風邪をひいた時に食べる料理なんです!」
ドラコ「へぇー!」
リデル「さすがりんごさん詳しいです〜」
レムレス「じゃあ鶏肉とコンソメとかもいるね、ニンニクと生姜もどう?身体が温まる即効性がある食材だよ」
りんご「薬膳では食材ごとに性質が分けられており、体を温める「温熱性」涼しくする「寒涼性」、しかしニンニクと生姜、そして鶏肉はどちらでもない「平性」というものに分類されます」
シェゾ「ほう」
クルーク「ふむふむ」
りんご「食材のおよそ7割ほど、ほとんどのものは「平性」とされるのですが、今回チキンスープに加える「鶏肉、にんにく、しょうが」はいずれも「温熱性」のもの。特にしょうがは生薬として使用されることもあり、体を温める即効性がある食材です、だから…」
アルル「ちょ!ちょっとまってりんご!難しい話でアミティが混乱してるよ!」
アミティ「う、うーん??」
りんご「あ、ごめんごめんアミティ」
アミティ「難しすぎてついていけないよ〜」
りんご「要するに、ニンニク生姜鶏肉には体を温める効能があるので風邪をひいた時にはぴったりということです!」
アミティ「さ、最初からそれだけを言ってくれれば良かったのに…」
りんご「ごめんごめん、興味ある事になるとつい興奮して止まらなくなっちゃって…」
ドラコ「と、とりあえずそのチキンスープの材料も買えばいいのか?」
レムレス「そうだね、あとは…何を作ろうか」
シェゾ「熱があると言うならさほど食欲もないだろう、このくらいでいんじゃないか?」
リデル「それもそうですね」
クルーク「ちょっと待った!」
ラフィーナ「え?何?」
クルーク「風邪をひいた時ほど甘いものわ食べたくなるんじゃないかい?」
ラフィーナ「は?」
クルーク「だからこのチョコレートも買おう」
ラフィーナ「何言ってますの?風邪ひいた時にチョコレートなんかいりませんわ、しかもアミティさんのお母さんに食べさせるにしては量多くありませんこと?もしかしてクルーク、これ自分が食べたいんじゃ…」
クルーク「ギク!」
ラフィーナ「ギクッてことはそうでしたのね!?」
クルーク「なな何を言ってるんだい?そそそんな事あるわけないじゃないか…あはははは」
りんご「あからさまに動揺してますね…ビンゴですか?」
アルル「うん、恐らく…」
ラフィーナ「とにかく!こんなに大量のチョコレート入りませんわ、戻してらっしゃい」
クルーク「そんなー!」
ラフィーナ「それに…なあに?この大量のカフェオレは」
クルーク「え?カフェオレ?それは僕じゃないよ?」
ラフィーナ「こんなにカフェオレ入れたのはどなたよ!」
シェゾ「風邪ひいた時はカフェオレだろ!?」
ラフィーナ「そんな事聞いたことありませんわ、やっぱりカフェオレを入れたのはシェゾさんあなたでしたか…カフェオレもいりません戻してらっしゃい」
シェゾ「なんでだー!!!!」
ラフィーナ「まったくどいつもこいつも…」
アミティ「たっだいまー!!!」
アミティママ「おかえりアミティ、それにみんなも」
アルル「あ、どうも」
りんご「これからみんなでご飯作りますので待っててください」
アミティママ「あらみんなありがとうね」
アミティ「さあ!あとはみんなでやるから!お母さんは休んでて!」
アミティママ「ま、まあ…みんながいるなら少しは安心して良さそうね…」
バリーン!
アミティママ「え?」
シェゾ「おい何してんだドラコ!」
ドラコ「食器割っちゃった〜!本当はあたし家事が苦手なんだごめんよ〜!」
シェゾ「何してんだよまったく…」
アミティ「ああ!卵割ったら殻も入っちゃった…」
シェゾ「おいアミティ!」
ラフィーナ「ま、まあカルシウムがあって体にもいいんじゃなくって…?」
シェゾ「ダメだラフィーナがもう諦めてる」
レムレス「よし切れた!」
クルーク「え?」
シェゾ「おいレムレスお前何してんだ…?」
レムレス「羊羹を切ってたんだ!これをお粥の中に入れればきっと美味しくなるよ!」
シェゾ「体調が悪い時には甘いものをという考えは間違えでもないがそれを粥の中に入れるという考えが根本的に間違ってる!!!」
アルル「チキンスープはいい感じだよ」
リデル「りんごさんの言うレシピ通りに作ったら美味しそうに出来ました〜」
りんご「ニンニク生姜を沢山入れたので体の芯までしっかり温まりますよきっと!これを飲んで栄養を沢山つけてもらい、体も温めてもらって早く元気になってもらいましょう!」
レムレス「チキンスープ出来たんだ!じゃあここ羊羹も入れよう!羊羹も入れればもっと美味しくなるよ絶対!」
アルル「え!?それはちょっと…!」
シェゾ「おい被害を拡大しようとすな!」
クルーク「そうですよレムレス!こればかりは…ん?」
シェゾ「おい…なんか焦げ臭くないか?」
アミティ「あーお粥がぁー!!!!」
アミティ「お粥が焦げちゃった焦げちゃった焦げちゃった焦げちゃった!!!」
アルル「どどどどどうしよう…!!」
リデル「いや〜ん焦げちゃってます…!これどうします!?」
シェゾ「お前ら騒ぐな!とにかく落ち着け!!」
レムレス「焦げちゃった時は羊羹を入れればなんとかなる!」
ラフィーナ「何とかなるわけないでしょ!?」
シェゾ「だからレムレス羊羹はやめろ!!」
クルーク「うわー!!!!!どうしよー!!!」
ドラコ「焦げがどんどん酷くなってるよ〜!!」
りんご「この状況は…さすがに私にはなんともできません!」
シェゾ「おい諦めて開き直るな!」
アミティ「あー!どうしようどうしよう…!そうだ!よし!じゃあこれを…」
シェゾ「おいアミティ何してんだ!!!」
ギャーギャーワーワー
アミティママ「何してるのかしら…見に行こうかしら…いーやでもみんな頑張ってくれてるからみんなを疑うのは良くないかしら…いやいや、でもすごく修羅場のような音が聞こえてくるわ、これは疑うとかそんなんレベルじゃないわ!きっと…あ〜でも頭がまた痛くなってきた〜…」
アミティ「よし!美味しそうなお粥ができた!」
シェゾ「どこがだよ!!」
アミティ「焦げたおかゆに水を入れて冷やしたんだよ!なかなかよくできたくない!?」
シェゾ「だからどこがだ!ったくお前らみんなして騒ぐから尚更負担かけちまったじゃねえか…それにどうすんだこの修羅場とかした台所も…」
ドラコ「じゃあみんなで片付けよう!」
シェゾ「お前らに任せるのは不安しかねえ!もうお前らは何もするな…?あとは俺一人に任せろ!絶対手を出すなよ!」
アルル「は…はい」
りんご「了解しました…」
アミティ「シェゾ、めちゃくちゃ仕切ってる…」
それからしばらく経ちました
シェゾ「くそ…頭痛え…すごく具合悪いしこれ絶対熱あるな…」
レムレス「シェゾ!大丈夫??」
シェゾ「レムレスか…大丈夫っていえば嘘になるな…」
レムレス「うん…熱あるね、それもかなり…」
シェゾ「まじかよ…この前のあれが響いちまったのかもな…」
レムレス「この前?」
シェゾ「とぼけるんじゃない!お前らが騒ぐから結局俺が1人で色々して…!くそダメだ…叫んだら頭また痛くなってきやがった…」
アミティ「はーいお待たせ!」
アルル「やあシェゾ、風邪ひいたんだって?」
シェゾ「げ、アルルアミティ…」
アミティ「シェゾのおかげであたしのお母さんは元気になったよ!」
アルル「でもそのシェゾが今度は風邪をひいちゃったね」
アミティ「今度はシェゾの看病してあげるね!この前のお礼!」
シェゾ「ひぇ…」
アミティ「シェゾの大好きなカフェオレを入れたカフェオレお粥作るね!」
アルル「カフェオレ入チキンスープも!」
レムレス「じゃあ僕はその両方に羊羹を…」
シェゾ「いらんわ!お前ら大人くしく何もしないで帰れ!その方がよっぽどお礼になるわ!」
アミティ「ええ〜!!それはお礼してる事にならないよ!」
アルル「らしいよ」
アミティ「だから沢山お礼させてね!今度はシェゾの看病だ〜!!!」
シェゾ「だっ…」
「誰か助けてくれ〜!!!」
おわり