アミティ「今日はハウスには誰も来てないんだね〜」


アルル「そうみたい、僕たちの貸切だ」


りんご「ラフィーナも今日は来てないみたいですし…」


アルル「まあ自由に使っていいってラフィーナ言ってたし、今日は僕達だけでゆっくり貸切ろうよ」


りんご「そうですね!」


シェゾ「おい、誰かいるか」


りんご「あ、人来ましたね」


アルル「シェゾ!」


シェゾ「よお」


アミティ「シェゾ!どうしたの?」


シェゾ「花を持ってきたんだ、このハウスに飾ろうと思ってな」


アルル「それは…桔梗?」


シェゾ「そうだ、この綺麗な青色をした桔梗、いいだろう」


アミティ「すごい綺麗…」


アルル「うん!とってもいいと思うよ!」


りんご「なんか青色だから心が安らぎますね」


サタン「お邪魔するぞー!!」


アルル「サタンも来た!」


シェゾ「なんだおっさんか」


サタン「今日は私からハウスへのプレゼントだ!」


アミティ「なになに?」


サタン「じゃじゃーん!チューリップ!!」


シェゾ「…!」


アルル「サタンもお花を持ってきたんだ!」


アミティ「わーおチューリップ!」


りんご「今ちょうどシェゾさんもお花を持ってきてくれたんです」


サタン「え?」


シェゾ「赤いチューリップ…」


サタン「青い桔梗…か…」


シェゾ「…!」


サタン「…!」


シェゾ「あ、青色は心を安らげる効果があるそうだ、だから…ハウスに置くのは青い桔梗を置いたらどうだ??」


サタン「バカ言うな!赤色はみんなを元気にさせる色だ!ここに置くのは赤いチューリップひとつで十分だ!」


シェゾ「ぬ…」


サタン「ぐぬぬぬぬ…」


アルル「ま…まあまあ落ち着いて!」


アミティ「どっちも置こう?ね?」


サタン「置くなら赤い花!」


シェゾ「心を落ち着かせる青色だろ」


サタン「青ってなんか悲しいイメージあるがな」


シェゾ「なんだと…!」


サタン「まるでシェゾ、お前のように冷たいイメージあるな」


シェゾ「はあ!?」


アミティ「どっちの花も綺麗だよ!」


サタン「この春の花であるチューリップはな、私が魔法で育てて今の時期にわざわざ持ってきたんだ」


アミティ「へぇ〜!」


アルル「そんなことに魔法を使うの…」


シェゾ「春の花は春に見りゃいいんだよ」


サタン「なんだと?」


りんご「ま、まあまあ!そうだ今みんなでおやつタイムにしようとしてたんですよ!2人も一緒にお菓子食べて心を落ち着かせましょう?」






アミティ「前にね!レムレスが持ってきてくれたの!カステラと羊羹!」


アルル「今日は和菓子だね」


サタン「じゃあ紅茶でも一緒に飲みながら頂くとするか」


シェゾ「ちょっと待て、和菓子には緑茶の方が合うんじゃないか?」


サタン「また!確かにそうかもしれないが今は紅茶が飲みたいの!」


シェゾ「それはお前の好みだろ?食べるものにあったものを飲め!」


サタン「好きな物のんだっていいだろ!別にお前に迷惑かけてはないし!」


シェゾ「確かに迷惑はかけられては無いが!お前のためを思って言ってやってるんだ!」


アミティ「あたしは牛乳が合うと思うよ!」


シェゾ「…!」


サタン「…!」


シェゾ「緑茶を飲めサタン!」


サタン「嫌だー!!」


アミティ「じゃあもう緑茶も紅茶も混ぜちゃう?」


シェゾサタン「そーゆう問題ではない!!」


アミティ「あれ、ここ笑うとこなんだけどな…」







アルル「と、言う事が昨日あってさ…」


ウィッチ「あら、それは災難でしたわね」


アミティ「あの後もおやつタイム、ずっと気まずかったよ〜」


りんご「あそこまで張り合うとは…」


サタン「やあアルル達ではないか〜」


アルル「あ、サタン」


りんご「あれから闇の魔導師さんとはどうですか?」


サタン「ん?シェゾ?あーあれから一言も喋ってないぞ」


アルル「そうなの!?」


りんご「まさかの!」


サタン「あっちから話しかけてこないからこっちも黙ってるだけだ」


ウィッチ「意地を張ってるようにしか見えませんわね」


サタン「何か言ったか?」


ウィッチ「いえ、別に」


リデル「でも例えばラフィーナさんとクルークさんが言い合ったとしてもそこまで気まずくならないのに、シェゾさんとお兄様だとなぜかギスギスしてしまいます…」


サタン「あいつとは気が合わないって思っていたんだ」








シェゾ「という事が昨日あってな」


レムレス「あらあら」


ドラコ「またしょうもないことでもめたなー」


シェゾ「しょうもないとはなんだ!」


ドラコ「あは、あはははは!ごめんごめん!」


ラフィーナ「しかしよく揉めますわよねあなたがた」


シェゾ「サタンみたいなあのアホなタイプにはちゃんと言っておかないとダメだ」


レムレス「アホって…」


シェゾ「意地になってるのはあっちだ、お前らもわかるだろ?俺の方が正しいって」


ラフィーナ「ま、まあ…感性は人それぞれ違いますからね…」


シェゾ「じゃああいつと俺は感性が合わないってことだな」


レムレス「それって、要するに気が合わないって事じゃ…」



アミティ「あ!みんな!」


ドラコ「お!みんな来たか!」


シェゾ「げ、サタン」


サタン「…なんだ貴様もいたのか」


レムレス「ま、まあまあ!なんか美味しいもの頼んで食べて心を落ち着かせよ?」


サタン「まあ、それもそうだな…パンケーキひとつお願いしまーす!」


シェゾ「ミニパンケーキひとつ」


アミティ「きょ…今日はすごく天気がいいね!サタン!」


サタン「うむ…まあそうだな、今夜は綺麗な夜空が見られそうだ」


シェゾ「予報じゃ夕方から雨になるぞ」


サタン「…ぐぬ…」


店員さん「パンケーキとミニパンケーキお持ち致しました」


サタン「よぉーし!食べるぞ〜!!」


シェゾ「そんなに食って大丈夫なんか?」


サタン「ぬ!」


シェゾ「少なめに控えたらどうだ?」


サタン「…ミニパンケーキって小さいな…そんな少食でよく持つな」


シェゾ「…!…大盛りカレーライス5つ!!」


店員さん「かしこまりました!」


アミティ「ええ!?」


サタン「なに!じゃあ…私は大盛りカレーライス10個!」


ラフィーナ「ええー!?!?」


店員さん「お待たせ致しました〜大盛りカレーライスです」


シェゾ「ぱく…ぱく…」


サタン「むしゃむしゃ」


レムレス「よ…よく食べるね…」


アルル「シェゾはね…ペースはそんなに早くはないけど、量は結構食べるほうなんだよね…」


アミティ「あたしより多く食べれる人がいたなんて!」


ドラコ「ほんとほんと!」


ウィッチ「あなた方の胃袋はほんとどうなってますのよ」







アミティ「あーあー今日も気まずい1日だったなぁー」


アルル「ほんとだよね」


りんご「前からギスギスしてるなとは思ってたけどなんて今になって今更…」


アルル「そうだよね!」


アミティ「何とかして仲良くならないかな…」


レムレス「やあ君たち、こんにちわ」


アミティ「あ、レムレス!」


レムレス「久しぶりだね!」


りんご「え?」


アミティ「久しぶりって、さっきもあったじゃん!」


レムレス「え、あ、そうだったそうだった、あはははは!」


アルル「…君、誰?」


レムレス「え?」


アルル「君はレムレスじゃない」


レムレス「何を言っているんだい?僕はレムレスだよ?ほら?」


アルル「レムレスにしては嘘の付き方が下手くそすぎる」


アミティ「た、たしかに?」


りんご「たしかに不自然な誤魔化し方でしたね」


アルル「君は誰?」


レムレス?「よくわかったね、さすがだ」


りんご「いや、あんな不自然な誤魔化し方だれだって騙されるわけないと思いますが…」


アルル「君は誰!?」


ロイ「まあそうだな、ロイとでも呼んでくれ」


アミティ「何が目的なの?」


ロイ「闇の貴公子の魔力と、闇の魔導師の魔力をよこせ」


アルル「え!それって…」


アミティ「サタンとシェゾ!?」


りんご「なぜその2人なんですか!」


ロイ「あの二人の魔力はとてもすざまじい、その力さえ手に入れば私は…ふふ、ふっははははは!!!!」


アルル「そんなことさせないよ!」


アミティ「そうだよ!シェゾもサタンもあなたなんかに渡さない!」


ロイ「そうか、ならば…えい!」


アルル「うわ!」


りんご「どこを狙ってるんですか!行きますよ!アルル、アミティ!」


アルル「いっくよー!ファイヤー!」


アミティ「フレイム!」


りんご「解けた!サイン!」


ロイ「ふん、馬鹿だな、かかった!」


アルル「え!?」


アミティ「きゃー!!」


りんご「なんですかこれ!」



きゃー!!!!




ラフィーナ「ああ!皆さん!!!」


レムレス「大変な事になったね…」







シェゾ「…!サタン…」


サタン「なんだシェゾ」


シェゾ「いや、別に」


サタン「そうか」


シェゾ「他のみんなは」


サタン「先にハウスに向かったんじゃないか」


シェゾ「そうか」


レムレス「た、大変大変!」


ラフィーナ「大変ですわ!!」


シェゾ「なんだどうした?」


サタン「そんなに慌てて」


レムレス「アルルとアミティとりんごが何者かにさらわれた…!」


シェゾ「なんだと!?」


サタン「それは!大変だ!」


シェゾ「どこに誘拐されたんだ?」


レムレス「下水道に落ちていったけど…」


サタン「下水道か…」






シェゾ「ここか?そのアルル達が連れていかれたのは」


ラフィーナ「そうですわね…」


サタン「一刻も早く助けに行かねば…行くぞ!」


シェゾ「言われなくたって助けに行くさ!」






ラフィーナ「暗くて不気味ですわね…」


レムレス「何か出そうな感じ…」


ラフィーナ「…!?ひっ!」


シェゾ「おいどうした、大丈夫か?」


ラフィーナ「え、ええ…大丈夫ですわ…」


サタン「ひっ!?うわぁぁぁぁ!!!!!」


シェゾ「うるさいな…なんだ、怖いのか?」


サタン「こ!こわくなんか…!ないもん!ふん!」


レムレス「シェゾ、ラフィーナに対しての反応とサタンに対しての反応違いすぎでしょ…」





ロイ「やあ、待っていたよ」


シェゾ「なんだお前」


サタン「アルルをさらったのは貴様か!」


ロイ「そうだけど?」


シェゾ「アルル達はどこだ!」


ロイ「見えないのか?ほら、あそこ」


シェゾ「…!?」


ラフィーナ「皆さん!!!」


サタン「アルルー!!!」


ロイ「助けたければ…闇の貴公子と闇の魔導師…お前らの魔力をよこせ」


シェゾ「な!」


サタン「なんだと…?」


ロイ「お前らの強い魔力さえあれば俺は…!」


サタン「…」


シェゾ「それでアルルたちが助かるなら…よし…」


サタン「何を言っている!ダメに決まってるだろ!そんな簡単に解決されていいわけないだろ!お前はいつからそんなに弱くなったんだ!」


シェゾ「弱くなど…なっていない!」


サタン「こんなやつさっさとぶっ飛ばしてアルルたちを助けるぞ!」


シェゾ「サタン…」


ロイ「お前たちの魔力をくれなきゃあの3人の女たちの魔力を奪うぞ?」


シェゾ「それは!」


サタン「くそ、なんて卑怯な…」


レムレス「ねえ!僕じゃダメ?僕の魔力も強いから!ぼくが代わりに人質に…」


シェゾ「ダメだレムレス!要求されてるのは俺たちなんだ」


サタン「そうだ!お前が犠牲になる訳には…」


ロイ「ほら、さっさと決めろ」


シェゾ「ならば…」


サタン「仕方ない…」


ロイ「ふっ」


シェゾ「俺たちの」


サタン「選択肢は…」


シェゾサタン「お前をぶっ飛ばして、誰の魔力も渡さん!!」


ロイ「なんだと!?」


シェゾ「行くぞ!アレイアード!!!!」


サタン「喰らえ!サタンクロス!!」


ロイ「ぐは!なんだ思ったより強い魔力だ…ますます欲しくなってきたぞ!」


シェゾ「シャドウエッジ!俺の力の方がそこのおっさんの力より強い!」


サタン「なんだと!?私の方が強い!カタクリズム!!」


ロイ「うわー!!どっちも充分強いですってー!!」


シェゾ「はぁ…はぁ…」


サタン「もう終わりか?シェゾ」


シェゾ「ふん、この程度どうってことない!」


ロイ「ま、まだだ…えいやー!!」


シェゾ「ぐは!」


サタン「ぐ!」




アルル「はっ!」


アミティ「!…みんな!」


りんご「シェゾさん!サタン!」


サタン「おい!しっかりしろシェゾ!」


シェゾ「してるって!」




アルル「うーん、息は合ってなくはないらしいけど…」


りんご「まだどこかギスギスしてますね…」


アミティ「これはちょっとまずいかも…?」





サタン「は!いくぞ!…カタストロフィ!」


シェゾ「喰らえ…サギタアダマス!」


ロイ「く…なかなかやるな…」



レムレス「あれ?でもいつもより強い?」


ラフィーナ「私もそう思いましたわ」


サタン「そんなの」


シェゾ「決まってるだろ」


サタン「シェゾには!」


シェゾ「サタンには!」


サタンシェゾ「負けられないからだ!」


ロイ「なんだと…!」




アルル「わーお息ぴったり」


アミティ「すごーい」


りんご「全く息はが合わないわけではないのですね」




サタン「それと…私にはお前が許せない」


シェゾ「俺もだ、おそらく同じ理由であろう」


ロイ「な、なんだよ…」


サタン「女の子を人質に取るなど…大人気ないし、その行動はこのサタン様が1番嫌いな事だ」


シェゾ「俺もそうだ、人質をとるなどと卑怯な手口…みっともないし許せない」


ロイ「な…!」


サタン「だから貴様をこのまま逃がす訳には行かんし」


シェゾ「絶対に許さない!」


ロイ「なんだと!」


サタン「この恨みを!」


シェゾ「思い知れ!!」


サタン「いくぞ!アセンション!」


シェゾ「アレイアードスペシャル!!」


ロイ「うわぁぁ!!!!退散だー!!」






アルル「サタン!シェゾ!」


アミティ「助けてくれてありがとう!」


りんご「息ぴったりで流石でした!」


サタン「ふん」


シェゾ「こんなおっさんと息ぴったりなんかじゃない」


サタン「ただ…」


サタンシェゾ「お前らを助けたかっただけだ!」


アルル「あ、やっぱり息ぴったりだね」


サタン「やるな、シェゾ」


シェゾ「そっちもな、サタン」


レムレス「なんだかんだ仲直りしたみたい」


アミティ「うん、良かったー」







シェゾ「夏に見るチューリップも珍しくていいな」


サタン「その青い桔梗も心が安らぐな」


アルル「あれから何も無かったかのように話してるね」


りんご「もうそこまでギスギスはしなさそうです」


アルル「でもなんで今回はここまでギスギスなるくらいになったんだろう…」


アミティ「はいはーい!あたし2人の共通点見つけた!」


アルル「なに?」


アミティ「それは、負けず嫌いなところ!」


りんご「なるほど?確かにそうかもしれないですね」


アミティ「2人ともあたしたちを助けるとき、お互い負けたくないって気持ちで力を合わせて戦ったじゃん?だから!」


アルル「それほど粘り強いんだね」


りんご「目標に向かってお互い力を合わせて戦う事があの2人にはできるのでそれはそれでいいことだと思います」



サタン「おいシェゾ!」


シェゾ「なんだ」


サタン「なんでそっちに置くんだ!こっちの方がいい!」


シェゾ「そっちは日が入る!日が入らない所に置くのがいいんだ!」


サタン「こっちの方が見栄えがいい!!」


シェゾ「見栄えがどうこうじゃなくて花の性質を考えろ!」


サタン「あー!そっちはやだー!!!」




アルル「…」


アミティ「…」


りんご「…またですか」


レムレス「あの2人、やっぱりまだまだかな…」


ラフィーナ「先が思いやられますわね…」





終わり