母と妹の新居を求めて、公団住宅の入居を視野に入れ
保証人の依頼が目的で
叔父と一緒に、母の実姉の家を訪ねた時の出来事です
伯母(実姉)の家を訪ねると、ちょうど買い物に出かけており
義兄の伯父だけが、在宅していました
その際に予想通り、ひどい対応を受けることとなったのでした
私の顔を見るなり
こんな言葉を浴びせられました
『なんで お前がここに来るんだ
敷居をまたいで良いと、俺は言ってないじゃないか
今すぐ出て行け
図々しく人の家に上がり込みやがって
その上、人に保証人になってくれだと
よくもそんな事を、平気で頼めたもんだな
保証人ってどんなものか知っとるのか
わしはな、人にそういう事を頼みに来る人間は大っ嫌いなんだ
』
私は大人だ
ここで切れては、この人と同等になってしまうし
付き添ってくれた、叔父の顔もつぶす事になってしまう・・・・
と
込み上げる怒りを、ぐっと飲み込んでこう言った

『不躾なお願いなことは、重々承知です
絶対に迷惑を、かけるようなことはしません
私が責任を持って家賃の支払いをしていきますから・・・』
その言葉を言い終わらないうちに
『おまえ何だと
てめぇが責任を持って家賃を払うだと
偉そうに言うんじゃない
てめぇの金か
親の金だろう
大体・・・』とグダグダと文句が続く
『あんたには、何の恨みもないけれど
わしは、あんたのオヤジの事が、気に入らないんだ
』既に他界している父親への不満を
その娘にまでひっ被せて、大人げない理不尽な態度を、
正当だといわんばかりにぶちまけてきた

私の中で大きな音を立てて、堪忍袋の緒が切れる音がした


『もう、うんざりだ
こんな人と、これから関わるのはやめよう
縁なんてこっちから切ってやる
』
親戚だと思うから、腹が立つんだ
赤の他人と思えば良いんだ
そう心で呟きながら
『もう結構です 失礼します
家の中まで上がりこんで、
大変申し訳ございませんでした
』というセリフが、口から出ていた
言いたい事は、もっと山ほどあったが
母親や家族の事で、朝から晩まで分単位で動き回り
疲労も極限にまで達していた
ので、言い返す気力も無かった
何処まで行っても、平行線でしかない人間のために、
使う労力が、勿体無いとさえ思った
『じゃあ 失礼します
』と私が告げると、しっしっ
という手振りをして
『おお 帰れ 帰れ
』と言った 
叔父も『じゃあ 俺も・・・』と言うと
『ああ~ ○○さんはまだいいがや
もう直ぐ家のも帰ってくるし』
と、満面の笑顔を振りまきながら、引き止めました
しかし私は、その場には居られないので
家から出て叔父が出てくるまで、外で待っているしか有りませんでした
叔父に黙って、消えるわけにも行かなかったのです
悔しくて 悔しくて
大泣き出来たら、どれほどスッキリしたことでしょう

その頃の私は、泣くという事が上手に出来なかったので
その分だけ余計に心が重くなり、打ちのめされたのでした
公団住宅への入居が、断念された瞬間でもありました

その後も、私が
『旦那の借金の穴埋めに、自宅を売却しようとしているんだ

あの子(ゆうゆ)とは、付き合わない方がイイ』
等とあることないことを、周囲に言いふらしていたみたいです
その事を耳にした時も
『言いたい人には、言わせておけばいい
自分自身が分かっていれば、それで良い
例え誰も解ってくれる人がいなくても、真実は一つなのだから・・・・
やましい事など一つもないんだ
いつも自分らしく、胸を張って、堂々としていればいい
』
そう思い、動揺などしませんでした

そして、この時に学んだこと
『遠くの(心も含め)身内より、近くの他人』
私の考えは、間違っているのかもしれませんが
骨肉の争いほど、執念深いものは無いように感じます
『血縁』『親戚』その言葉に・・・思いに・・・
ともすれば私達は、囚われてがんじ絡めになっているのかもしれない・・・・
ケースによっては
『家族』や、『親戚』と言う血縁関係の呪縛に
囚われていては、いけないという事もあると思うんです
例え、身内や家族であろうとも
ダメなものは、ダメと割り切り
新しい関係をほかの場所で築けばいい
そう割り切った瞬間から
囚われた心が、解放されるのだと言う事を知りました
要は自分次第で、心を軽くすることは自由自在なのです
つまらない拘りで、顔を曇らせるぐらいなら
冷たいと言われようが、キッパリと関係に見切りをつけて
自分の心を開放してあげたほうが
よっぽど人生が、楽しいものに変わると思いませんか
私は、そう思いますよぉ
諸行無常
拘りを捨てるのも、前に進むためのひとつの手段です