妹は、自分で働くことはせず
母親の年金のみで生計を立てておりました

しかし、自宅はかなりの老朽化が進んでおり
雨漏りまでする始末
その上精神の病から、掃除も満足にできないため
衛生面でもかなり問題がある家でした
利点といえば、家賃がかからない  ただそれだけ
下手すると、屋外の道端の方が衛生的にいいんじゃないのって思うほどでした


とても人が住めるような状態でない、この家がある限り、
価値が無いにもかかわらず、生活保護を受けることも難しく
妹、弟が家にしがみついて、自活など出来ない


いろんな意味で、家を手放さなければ
家族が崩壊するのを、ただ黙って見ている事になってしまう
そう判断した私は、何とか自宅売却が出来ないものかくまった…


試行錯誤しながら、隣家へ話を持ちかけたり
自宅の財産価値を、土地家屋調査士の友達に査定してもらい
財産価値の把握をしたりと
下準備のための、種まきを始めました


しかし、尋常でない拘りを持つ人達を相手に
なかなか事は思うように進まず
ただ時間だけが過ぎて行きました
『多分時期的に、今はそういうタイミングではないのだろう
いつかきっと、チャンスはあるはずそうだ!』と苛立つ気持ちを抑えながら
タイミングを計るしか有りませんでした


ある日、母から一通の手紙が届きました
『自宅を売って、マンションを建てる話が有ります
綺麗になる建物に住むことが出来そうです』という内容でした



真相を確かめるべく、家族では話にならないため
隣家の人に、電話をかけて詳細を確かめました

実家は、長屋作りでした
その長屋を、それぞれの借主が買い受けて所有していたのです


間口が狭く、奥行が長いいわゆる『うなぎの寝床』と呼ばれる造りでした一軒単位で売却することは、困難で価値も下がってしまいます


隣家が揃って売却することによって、解体費用等の諸経費も抑えられ
土地の利用価値も上がるのです
それを見込んで、隣家に『売却時は出来れば一緒に』と
声を掛けて置いたのですが、話を持ちかけた隣家と反対側の家が
その当時、売却を考えており
当然、私が話を持ちかけた隣家を含めて、実家に話を持ちかけてきたらしいのです


ずいぶん前に、撒いた種がようやく芽吹いてキタ━(゚∀゚)━!
『ついに その時が来たんだ』と、嬉しくてたまりませんでした


しかし、そんなにすんなり事が済むはずが、無かったのです

自宅売却にあたって、母が精神障害者であることに不安を感じた
不動産会社が、母と直接契約を交わすのは厳しいので
私に後見人になって欲しいと、依頼されました

家庭裁判所に出向き、後見人制度の書類を取り寄せ、準備を進めました

莫大な提出書類の中に、母の全財産を記載しなければならない書類がありました
嫁いでずっと離れて暮らしている私には、把握など出来るはずも無く
どうしても、埋められない項目がありました

母の財産は、妹が全て管理しており
それをあてにして生活を維持していたので
取り上げられてはいけないと、危機感を感じ、一切を隠されてしまい、財産の把握が出来なかったのです


何度も話し合いを持とうとしましたが、私が訪ねれば、財産を取られてしまうとの恐怖心からか!?
パニックを起こし、発狂してしまって
とても話し合いになど、持ち込める状態では有りませんでしたドクロ


結局、後見人制度を利用するとこが出来ず
この時の、売却の話は立ち消えになってしまったのでした