任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
ゲームマスター
「皆様のHPがなくなっても体力がなくなるだけで
強制退場とはなりません。戦闘不能による強制退場はございません。
ただし魔獣などのモンスターからの攻撃を受けて戦闘不能になった場合は強制退場となります。」
リンゴ
(んん?つまり、人間からの攻撃を受けても戦闘不能になるだけで強制退場にはならない……?)
「ミッション未クリア、魔法カードの条件により退場になることがございます。
このあとゲーム開始となります。導きの蝶や転移魔法は使えませんのでお気をつけてください。
この世界での時間は24時間表記のものです。皆様に時計を配りますのでそれで時間をご確認ください。
門限は18時。その時間に酒場にいなければ
強制退場となります。
魔法カードにより門限の時間は変わります。ご注意ください。
18時半から各自の部屋に入ってもらい役職行動などを行ってもらいます。19時からは会議です。
最長でも21時頃には終了させていただき、食事、就寝とならます」
ルールの説明があらかた終わり、魔法カードで出てしまったグリーンジュースがテーブルの上に人数分プラスルイスは自分の分の魔法カードの3杯版計4杯置かれた。
ルイスは絶望的な目をしてグリーンジュースの入ったカップを持った。
リンゴ
(ルイスが飲み終わるまではここから全員動けないか……それまでみんなのことでも観察しようかな)
参加者は全部で20名。
リンゴ
(この中に人狼5人、村側の重要役職が5人……
そして狂人が1人。みんなグリーンジュースを不味そうに飲んでることしかわからない……)
皆の様子を見ていると、1人特に表情を変えず飲んでいる人がいた。
ヴェルンヘルだ。
ヴェルンヘルはリンゴから毎朝強制的に飲まされるグリーンジュースの特訓(?)によって耐性がついている。
それもこれも深夜に女の子を部屋に連れ込んだ(?)時のせいである。
ヴェルンヘルは早々に自分の分のグリーンジュースを飲み干した。
ヴェルンヘルの瞳にリンゴの姿が映る。目が合った。
目が合うとヴェルンヘルは歩き出してリンゴの前に立ち止まった。
ヴェルンヘル・ラウル
リンゴ
2人は酒場の隅っこに行き壁にもたれかかった。
ヴェルンヘル
「これを見てほしい」
見せられたのはカードだった。
【調査
対象人物について調べることができる。
追加情報がほしい場合にはこのカードがもう一枚必要になる
なお、行動などを調べるものであって人狼かどうかを調べることはできない】
リンゴ
「こんなのがあるんだね」
ヴェルンヘル
「………このゲーム、参加人数が少し多いと思わない?」
声をひそめながらちらりと他の人たちに視線を向けすぐにリンゴに視線を戻した。
リンゴ
「たしかに20名って多いね」
ヴェルンヘル
「しかも人狼の襲撃は二日に一度……このルールだと人狼は不利だと思う」
人間側に考察する時間をたっぷり与えることになる。魔法カードや占い師で白判定されるものが増えればさらに人狼は不利になるだろう。
リンゴ
「なかなか人が減らない」
ヴェルンヘル
「——人狼からの襲撃は二日に一度、そう思っていたけどそうじゃないかもしれない。気をつけて。俺や他の人と行動を共にする時は警戒してほしい」
リンゴ
「……どうして教えてくれるの?ヴェルンヘルが人狼で、私から投票されたくなくて言ってるのかも……って邪推するかもしれないよ」
ヴェルンヘルの側にいながら、リンゴはヴェルンヘルの考えていることは未だにわからない。彼の行動のせいで彼への信頼がなくなりその言葉の意味や重みをリンゴは理解しようともしなかった……のかもしれない。
ヴェルンヘルは国王という立場もあり、思慮深く聡明だ。頭の中で何を企んでいるか分からない。ヴェルンヘルは老若男女に好かれている。このゲーム、こういう人物が何人人狼にいるかで難易度はかなり変わるだろう。
ヴェルンヘル
「——半分あたりで半分は違う。リンゴはおっちょこちょいだし……特にティアゴさんへのガードがなさすぎるから心配だ」
表情を変えずさらりと言う。
どういう心境でこの台詞を言っているのかリンゴには分からない。
リンゴ
「……失礼な。このゲーム中は全員疑うから。ティアゴ君もヴェルンヘル、貴方もね」
表情を変えず、ヴェルンヘルを真っ直ぐ見据える。その様子にヴェルンヘルはフッと笑った。
ヴェルンヘル
「なら安心した。お互い頑張ろう」
じゃあ、とヴェルンヘルは離れていった。
ヴェルンヘルと話している間にグリーンジュースを飲み終えた人がちらほらいた。
みんな辛そうだ
その中に、、部屋の隅っこの席でなにやら項垂れている人物がいた。
近衛騎士隊のローデリックだ。
ティアゴがそれに気づき話しかけている。話している内容は聞こえないが、ティアゴにカードを見せた。
また何か話してから、ティアゴはローデリックを引っ張って、リンゴのところへやってきた。
ティアゴ・バーナード
遠慮がち発せられた言葉にリンゴはきょとんとした。
リンゴ
(ハッ……そうか。ティアゴ君の時代の私はまだ独身……しかも農場管理官か国民とかそのあたりのはず……魔銃師会の服を着た私を知らないんだ)
リンゴ
「呼び方はいつも通りでいいよー」
そう言うとティアゴは少しホッとした顔をした。
あどけさなを感じるティアゴを見てリンゴは懐かしく思う。
魔法師会に入ってしばらくはこんな感じだった。
ティアゴ
「その……ローデリックの魔法カードに協力してほしいんだけど頼めるか?……頼めますか?」
リンゴ
「敬語使わなくていいって。それで、ローデリックさんはなんの魔法カード引いたの?」
ローデリックはおずおずとカードを出してきた。
見せられたカードには
「異性に5分触れる」と書かれてあった。
ローデリック・チチェスター
ローデリックは頭を抱えてまだ絶望している。異性に触れることに嫌悪感でもあるのだろうか。
リンゴ
「なんだ、そんなこと。いいよ、手でも繋ぐ?」
リンゴが手を差し出すとローデリックは怪訝そうな顔をした。そして数秒後
ローデリック
「……アンタってそっちの分類だったっけ」
数秒、ローデリック以外が固まった。
ハッと意識を取り戻したリンゴは笑顔を浮かべながらも手からパチパチと火花が散った。
リンゴ
「——ローデリックさん……私のこと今までなんだと思ってたの?」
ローデリック
「?分類とか考えたことはなかった……」
ティアゴ
「ぶ、分類って言葉のチョイスおかしいだろ💦」
ティアゴは2人の間に挟まれながら慌てている。ローデリックをたしなめるがローデリックは「?」という表情で失態に気づいていない……?
リンゴ
「〜〜〜あとで練習試合しようか。HPなくなっても強制退場にならないなら、構わないよね?」
龍騎士経験があるリンゴは、目の前のローデリックやティアゴに負ける要素はない。
ティアゴ
「わ————!やめ……ローデリック!お前謝れ馬鹿野朗!!」
リンゴが戦闘も厭わないという態度を示してきたことにティアゴが慌ててローデリックの頭を手を置き頭を下げさせた。




