任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
数あるブログの中から閲覧ありがとうございます。
こちらのブログは
ワールドネバーランドエルネア王国の日々をプレイし、それをもとに書いています。
プレイした際のスクショをもとに書いておりますが創作(妄想)も多くございます。
創作話が苦手な方は閲覧お控え下さい。
こうやってお出かけできるのは多分最後になる。
父レドリーを食事に誘う。
父レドリーはいつも穏やかなで、滅多に怒ることはない。
でも仕事中……特に王配としてのレドリーはテキパキと指示を飛ばしたり、
チレーナとアモスが牢に入っている時は女王の慈悲だからこんなに甘い罰だ、と釘を指すなど王配としての役割をしっかりとこなしているという。
アトラスは父を誇らしく思っていた。
「我が家に帰ろう」
レドリーもアトラスとこうして出かけることが最後だからか一緒に帰ろうと言ってきた。
アトラス「うん!」
大きく頷きレドリーと歩き出した。
おでかけはもう出来ないが
釣りにいったり出来ることはまだある。
アトラスは次に母セシリアを食事に誘った。
セシリアはずっとニコニコしていた。
「アトラス君ももう成人かぁ……早いね」
食事が終わった時、セシリアはポツリと寂しそうに呟いた。
子供の成長は、嬉しくもあり寂しい。
走り回っていたらアトラスはなんだか興奮して妹にこんなことを言っていた。
子供時代最後の日なので
家族でピクニック
皆思い思いの時間を過ごした。
ピクニックが終わると夕刻になっていた。
アトラスはぶらぶらとあてもなく歩く。
なんとなく魔銃師会の調薬室に行くと、アリーチェの姿があった。
アトラス
(あんなに坑道にいると姿を表すのに、この場所にくることもあるんだ……)
意外な場所での遭遇にアトラスは驚いた。
せっかくここで会えたのだからと
アトラスはアリーチェを遊びに誘った。
アリーチェ「いいよ♪」
承諾してもらえてアトラスはホッとした。
これが、きっとこうして遊べる最後の機会。
アトラス
「いまだ!
バグウェルダーッシュ!」
アリーチェ
「あははは!
なにそれ、変なの—」
牧場で遊んでいると日が暮れだし夜の帳が落ちはじめていた。
アリーチェ
「……もう夜だね」
アリーチェは空を見上げて呟いた。
アトラス
「——そうだね」
アリーチェに倣って同じように空を見上げる。夕焼けと漆黒が混ざり合う直前の空。
辺りがだんだん暗くなっていく。
アリーチェ
「アトラス君」
視線をアトラスに移し、アリーチェは言った。
アトラス「うん?」
アトラスもアリーチェを見る。
アリーチェは一度視線を横に逸らし、なにかを決意したような表情で再びアトラスを見た。
子供には似つかわしくない、真剣な表情。
アリーチェ
「あのね……
…大人になっても、仲良くしてくれる?」
アトラス
「————」
すぐに返事が出来なかった。
アリーチェはよく考えてから言葉にしたはずだ。
どんな意図があってそう言ったのかアトラスにはすぐに理解出来なかった。
アトラス
「もちろん。今までと何も変わらないよ」
アトラスの返答を聞いたアリーチェが一瞬息を呑んだ。
その様子を見たアトラスは、
自分の返答が間違っていたことに気づいた。
アリーチェ
「そう……だよね。これからもずっと友達だよね、私たち」
アリーチェはにっこりと微笑んだ。
作り物の笑顔に気づいても、アトラスはどうすることも出来なかった。
アトラス「うん……」
この場合、なんて答えるのが正解だったのだろう。
アリーチェ
「ばいばーい!また明日!」
手をぶんぶん振って去っていくアリーチェにアトラスも手を振りかえした。
頭の中ではさっきの会話がぐるぐるまわる。
(——言えないじゃないか、
だって俺たちは……
今以上の関係になれないのに)
今までと何も変わらない
これまでと同じように、仲良く
という意味で言ったが、アリーチェに伝わったのか。伝わっていて、アリーチェが……なにを思ったのか。
アトラス
「……………女の子って難しい」
アトラスはため息をついた。
不甲斐ない自分への失望のため息だ。
性格:ポーカーフェイスのヘルマン。
いつも通りふざけていたが、アトラスはヘルマンに聞いてみることにした。
アトラス
「あのさー、女の子の考えてることって難しいと思わない?」
それを聞いたヘルマンは目をパチクリさせた。
さっきまでわんぱくにふざけていた少年が急にこんな事を言い出すのだからヘルマンが驚くのも無理はない。
ヘルマン
「女の子は難しい、よく分かるよ」
ヘルマンはウンウンと頷いた。少し笑っているのをアトラスは気づいたが気づかないふりをした。
ヘルマン
「好きな子となにかあった?」
アトラス
「べ…べつに」
そこでアトラスはハッとした。
(——俺はなんて馬鹿なんだ、
ヘルマンは山岳の人間じゃないか!)
ヘルマンに話す➡️チレーナに筒抜け➡️
チレーナにキレられる
龍騎士に追いかけ回される未来が簡単に想像できた。
(撤退だ、俺はなんて浅はかなんだ……)
こんなに馬鹿だから、アリーチェの喜ぶ返答一つ出来ないのだと心から自分が情けないと思った。
少し前の自分にはここまで考えることは出来なかった。
(俺は…
…ほとんど大人になりかけているのか……)
ヘルマンにそろそろ帰ると言って別れ、夜道をトボトボ歩いていると前方に父レドリーの姿があった。
アトラス
「もう夜だよ。おうち、かえろ?」
レドリー
「そうだね、そろそろ帰ろうか」
レドリーとエルネア城に向かって歩き出す。
少し歩いたところで人の姿が見えなくなると、レドリーは歩みを緩めて口を開いた。
「アトラス。何かあった?少し元気がないようだね」
優しい口調で聞かれ、アトラスは呟くように先程のことを話した。
レドリー
「アトラスの立場なら、その答えしかなかったといえばその通りだ。アリーチェちゃんもそれは分かっているはずだ」
アトラス「じゃあ、あれでよかった……?」
一瞬息を呑んだアリーチェの姿が目に焼き付いている。
本当に正しい答えだったのか。
レドリー
「もしもの話だよ。
それでもアリーチェちゃんが違う答えを期待しちゃってたとしたらそれはどうしてだろう。」
アトラス「それは……」
レドリー
「アトラスと同じ気持ちなら、違う答えを期待しちゃうの無理はないかな?父さんはアリーチェちゃんの気持ちは分からないけどね」
アトラス
「……」
(俺はただ答え合わせがしたかっただけかもしれない。
分かってた。
もしかしたらアリーチェちゃんも同じ気持ちなんじゃないかって。
——だからこそ分からなくなった。
どうしてそんなことを言うんだよ。俺がなんて言えば満足だった?)
アリーチェに好意を寄せている男は沢山いる。
明るい性格で、アリーチェの友達は多い。その中に同世代の男の子もたくさんいるし、年上の男もいる。
自惚れている、可能性だってある。
向こうは王子のアトラスの誘いを断りにくいと思っているだけかもしれない。
(………考えていたら
自信が全くなくなった……)
王子だから
王族だから
それをとったらアトラスには何も残らない
ステータスはそれだけしかないのだ。
アトラス自身にはなにもない。
アトラス
「……俺、好かれてなかった。俺の勘違いだ。アリーチェちゃんのあの態度は見間違いだったんだと思う」
突然自信喪失した息子にレドリーは驚いた。
レドリー
「アトラス?まだ分からないじゃないか。」
アトラス
「——どっちにしろ、だよ。
諦めるしかないしさ」
そもそもこんな話する必要がない。
アトラスはアリーチェとこれ以上の関係を築くことが出来ないのだから。
そう考えればなんて無駄で虚しいやり取りをしていたのだろうとアトラスはまたため息をついた。
父レドリーにもくだらない話に付き合わせてしまった。
レドリーは優しくて聞き上手だからアトラスはそれに甘えてついつい喋りすぎてしまった。
自分の心に留めておけばよかったと後悔した。
アトラス
「父さん、もうこの話は終わり……早く帰ろう」
エルネア城へと歩調を速めるが、レドリーは歩調を緩めたままだ。アトラスはゆっくりと振り返り後ろにいる父を見る。
レドリー
「…………一つ提案がある」
アトラス
「提案?」
父からの提案に、アトラスは「は?」と目を瞬かせた。
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――
229年に亡くなった方々です
1日
トバイア・トルーマン(25)
203年14日生
4日
アスセナ・ランフランク(23)
205年5日生
5日
ベランジェ・カルドンヌ(21)
207年19日生
6日
モーディ・ウォード(24)
204年23日生
8日
イシアル・プラマー(24)
205年1日生
9日
ルイス・スカイ(22)
207年1日生
10日
アラベラ・タナー(21)
208年6日生
12日
フェリクス・モリエンテス(21)
207年22日生
13日
エレオノーラ・ジツェルマン(23)
205年18日生
14日
ウーベルト・ホワイト(22)
206年18日生
16日
マルセル・フォード(22)
207年2日生
ガルフィン魔銃師会
17日
ジャコッベ・セリアー(21)
208年8日生
18日
アルフォンソ・カルドンヌ(21)
208年9日生
20日
アイネアス・ガッティ(21)
208年20日生
21日
キャロリン・ラッシュ(23)
205年29日生
22日
アサンタ・モリエンテス(20)
208年28日生
24日
マリオン・モリエンテス(23)
206年4日生
25日
エンリケ・ルリエール(27)
202年24日生
26日
ドゥーガル・チチェスター(22)
207年7日生
28日
マウロ・モリエンテス(20)
209年10日生