任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
ヴェルンヘル・ラウル
老若男女に愛される国王。
女癖が悪くなければ良い国王なのにとよく言われている。2日前に弟を亡くしたばかり。
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――
………
ローデリックのお孫さんであるマリラちゃんと、魔銃師会にいたレイラの孫サイモンの結婚式。
いつも通り始まる朝
朝食が終わると子供達は無邪気に外にあそびに出かける。その姿を笑顔で見送るセシリア。
レドリー「………セシリア」
子供たちがいなくなると、レドリーが静かに口を開く。
セシリア
「………お見舞いに、行ってくるね…」
(ーーまるで弟のギオルギーさんを追いかけるみたいに…)
国王ヴェルンヘル・ラウル危篤
妻に先立たれ、子供たちが巣立ち、1人で暮らすヴェルンヘル。
ギオルギーがガノスに召されて、2日後その後を追うようにヴェルンヘルの命の灯火は消えようとしていた。
セシリア
「お…お父さん……具合はどう?」
ヴェルンヘル
「セシリアか……
まあ、こうして寝ていれば
明日には良くなるよ」
エルネアの人たちは最後まで心配する人たちを気遣っている。
ヴェルンヘルは1人暮らしだったけど
今年からチェロが騎士隊長になったから隣に越してきた。
孫のシェリーと話しているのを見かけたこともある。
これからたくさん、孫と触れ合えるはずだったのに。
父の危篤にスピカも見舞いにきていた。
椅子に腰をかけ、ヴェルンヘルは気丈に振る舞う。
スピカがいなくなるとヴェルンヘルはベッドに横になった。
具合の悪そうな父の姿に、セシリアは泣きそうになった。
昼からは結婚式
待機していると、チェロがやってきた。
心痛な面持ちで
「父さんとの食事、間に合わなかったね」
セシリア「うん……」
それだけ交わすと、チェロは神殿を後にした。
これから見舞いに行くのだろうか…
結婚式は定刻通り行われた。
セシリアはマリラちゃん側で出席した。
おめでたい場所なのに、
目の前に靄がかかったような、そんな気持ちだった。
通りすがりに「バーニス」という名前の子を見つけて声をかけてみた………が、
書き手の知ってるバーニスちゃんとはだいぶ違かったw
ユスチノフ?
コンスタンスとフィリーちゃんの孫にあたるのか
もう誰の子孫なのか把握できない
再びヴェルンヘルの見舞いにきたところを少年に呼び止めるられる。
誰だろう
フェデリコ・ランフランク
親はイリスちゃんだった。
エドモンドたちの孫かな?
ヴェルンヘルにたぶんゼリーかなにか食べやすいものを差し入れ。
セシリア
「お父さん、無理しないで横になって」
ヴェルンヘル
「まだ大丈夫だよ…」
セシリア
「私しかいないんだし、寝てて」
我慢ばかりする父を見ていられなくて、セシリアは寝るように促した。
しぶしぶヴェルンヘルはベッドに向かう。
ヴェルンヘルのプロフィール
まさかギオルギーを見送ってすぐにヴェルンヘルを見送ることになるとは…(´;ω;`)
セシリアの交友欄にリンゴがいないので
リンゴの情報はこれしか確認することができない。
スピカが再びお見舞いに。
何度もきてくれるなんて、見ていて嬉しく切なくなる…
王の危篤時は、旅人さんにはご遠慮いただきたいものだ…
(他人だし…ヴェルンヘルとは仲良いのかな…?)
王立闘技場
義兄のイラリオがいたので差し入れ。
本日の主役の1人です。
ルーク・フォード VS
イラリオ・バーナード
書き手は何もせず見守ります。
ルークがお守りをつけていて、先制ルーク
不利なイラリオはそのまま攻撃を受け、
ルークが勝利した。
歓声の上がる、王立闘技場。
セシリアはその光景を目に焼き付けるように佇んでいた。
セシリアは一度自宅に戻った。
(この家を引き払うのが……まさかこんなに早くなるなんて)
少しの間、離れることになる邸宅で過ごすと、再びエルネア城へ。
ヴェルンヘルはぐったりとしてベッドに横になっていた。
「少し話をしようか」
ヴェルンヘルはベッドから降り、隣の部屋に向かう。
その隣にセシリアは腰をかけた。
ヴェルンヘル
「今日はご飯に行く約束をしていたのに、行けなくなってすまない」
昨日のダンジョン後の約束を果たせないことを申し訳なさそうに詫びた。
セシリア
「そんな事…気にしないで」
ヴェルンヘル
「明日、俺の葬儀のあとーー」
セシリア
「やめて!そんな、お父さんが死んだあとの話なんか……」
平然と自分の死後について語ろうとする父の言葉を遮った。
セシリアは、父親にそんな辛い話をさせたくなかった。ヴェルンヘルは静かに、諭すように続ける。
ヴェルンヘル
「これは大事なことだよ。葬儀の後に昼に戴冠式がある。明日の昼には、この国の女王は、セシリアになる」
セシリア
「ーー私にはまだ早い…」
ヴェルンヘル
「俺にもなんとかやれたんだから、セシリアならもっといい女王になれるさ。」
セシリア
「………お父さんは、みんなが知らない所でいっぱい色んな苦労をしてたこと、私知ってるよ」
国王の隠し部屋
あの場所は、国王がどれだけ苦労してこの平和を保っているのか記録されているものが数多く保管されてある。
セシリア
「私は………お父さん以上のいい王様なんて、いないと思ってる」
ヴェルンヘル
「それは数多いる色んな国の人たちを敵に回す発言だね」
ヴェルンヘルは苦笑した。
セシリア
「私は、お父さんが1番だって思ってるから……」
そこまで言って、ポロリと涙が目から溢れた。
ヴェルンヘル
「……ありがとう。その言葉で、俺は救われる」
僅かに声が震えていた。
「あとを頼むよ。」
涙を流すセシリアの手をヴェルンヘルの大きな手が包み込む。
セシリア「ーーーはい」
ポロポロと涙を流しながら、しっかりと頷いた。
ヴェルンヘルの見舞いに孫のリリア。
小さな子も。
ルイスの姿もあった。
ヴェルンヘル
「ガノスに逝ったら君のご両親に、孫が産まれたと報告しておくよ」
ルイスの結婚前にルイスの両親は他界していたので報告をしておくと言うヴェルンヘルにルイスは肩をすくませた。
ルイス
「ギオルギーの次はまさか国王とは……見送る側の身になってみろよ」
ヴェルンヘル
「………すまない」
ルイス
「ーーー玉座の間に、イマノルがいるんだけど、一向にここに入る気配がないけど喧嘩でもしてんの?」
ヴェルンヘル
「イマノル兵団長が?」
玉座の間の方に視線を向けると、イマノルが立っていた。
いつものようなヘラヘラした笑いはない。
ヴェルンヘル
「セシリアを頼むよ」
イマノル
「…できる限り見届けるよ」
イマノルは一礼をすると、去っていった。
ヴェルンヘル
「ルイスも……今まで通りセシリアと仲良くしてやってくれ」
セシリアはルイスの仲人をしていた関係で、セシリアが子供の頃からの付き合いだった。セシリアが気兼ねなく話せる数少ない友人だという事をヴェルンヘルも知ってるいる。
ルイス
「……それはいいけどさ…セシリア様と話してるとあとでレドリーがうるさいんだよなぁ……」
ルイスの呟きにセシリアとヴェルンヘルは小さく笑った。
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この国は砂上の楼閣にすぎない
そう思ってしまうほど、平和というものは一瞬で崩れてしまう。
エルネア王国の人々が明日も笑って暮らせるように
出来る限りのことをやってきた。
俺は、自分の責務を全うできたのだろうか
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――
やってきた
別れの時間
『ヴェルンヘル』
『兄さん』
命の灯が消える間際……ヴェルンヘルを呼ぶ声が聞こえたような気がした。
ヴェルンヘル・ラウル
エルネア王国 国王
気さくな人柄で彼の周りには常に人がおり、老若男女に愛された国王。
有事の際には前線で剣を振るうこともあった。
国民のことを一番に考えていた。
自分の幸せは二の次で、国王としての責務を果たしていた。
203年1日〜225年6日没 享年22歳
弟の後を追うように、
母エティ陛下と同じ白夜の年にガノスに向かった。
悲しみがラウル一家を襲う。
子供たちがベッドに入ったあと、レドリーがセシリアをギュッと抱きしめる。
お互い無言だったけど、セシリアを抱きしめてくれるだけで十分だった。
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225年6日
この国の太陽が沈んだ。
あとがき
まさか
まさかギオルギーのあとにすぐにヴェルンヘルが逝くなんて
ラウル兄弟、仲が良すぎるだろ…😭
ギオルギーの後のヴェルンヘル
ダブルパンチ……。
王妃が亡くなってから一年も経たず
弟を追うように、亡くなったヴェルンヘル。
悲しみが癒える間もないまま、セシリアは
戴冠式を迎えます。