任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
この日の帰り道、イマノルに会うとセシリアの様子にイマノルはピーンときたようで
イマノル
「機嫌いいじゃん、セシリア様。何かいいことでもあったの?」
*実際はセシリアから報告しているのだが細かいことは気にしないw
セシリア
「えっと………赤ちゃんできました」
イマノル
「おめでとう〜」
もう3人目が出来たのかと内心思うがイマノルは突っ込まないでおいた。
(ティアゴさん……あんたの孫すげー数になりそうだよw)
いつかいくだろうガノスへの土産話が盛りだくさんになりそうだとイマノルは笑った。
チレーナにも会ったので報告する。
セシリア
「ん?あれ、チレーナ君、ちょっと顔が赤いような気がする」
チレーナ
「え、いや!べべつになにも……っ」
半歩下がり、チレーナは顔を横に振った。
セシリア
(………答えがおかしい……べつになにも?)
心当たりがあるからこその「べつになにも」と否定の台詞が出るんじゃないかとセシリアは目の前の青年を注意深く観察する。
セシリア
「もしかしてスピカちゃんと一緒だった?」
チレーナ
「違いますけどどうして…」
そう答えるチレーナの目は泳いでいた。
なぜそれを聞かれているのだろうと内心動揺していて隠そうとしているように思える。自分よりも大きい山岳兵の若い青年の反応を確かめたくなった。
セシリア
「スピカちゃんが洞窟から出てきて今後ろに」
チレーナ「え?!」
転移したんじゃなかったのかと、チレーナは慌てて後ろを振り返る。
しかし誰もいなかった。
チレーナ「………」
セシリア「………」
2人の間に沈黙が流れる。
チレーナ「セシリア様…?」
青年の声は掠れていた。
先ほどの慌てた青年の態度で、セシリアの知りたかったことが分かった。
これ以上いじめるのはよそうとセシリアは帰ることにした。
セシリア
「そろそろ帰らないと。おやすみなさい」
にこりと笑い、セシリアはドルム山をおりていった。チレーナの困惑した声が聞こえてきたような気がしたが、よく聞こえなかった。
セシリア
(ーーーー2人で何をしていたのかな)
思わず気になって考えてしまい、
(なに考えてるの!ダメなの!)
己を叱咤して、考えることを中断した。
家に帰るとセシリアはレストの花を取り出した。
花を持ち、レドリーに声をかける。
セシリア
「このレストの花をに願いを込めて祈ると、赤ちゃんの性別を決められるんだって……男の子と女の子、どっちがいい?」
レドリー
「元気に生まれてくれれば俺はどっちでも構わないけどセシリアはどっちがいい?」
セシリア
「男の子がいいな」
女の子が続いて産まれたので、3人目は男の子を望んでいた。
レドリー
「それじゃ、ふたりでそのレストの花に願いを込めて祈ろう」
セシリア
「うん………元気は男の子が生まれてきますように」
授かった命。
産まれてくる日が待ち遠しい。
レドリーはセシリアのお腹をそっと撫で、2人は仲睦まじく夜を過ごした。
10日
リリア「ママお弁当ちょうだーい」
お弁当の候補に上がったものが
全てデザートの件……
お弁当…?
チョコクッキーをあげてみたけど
なんか違うと思う……
この頃山岳の家4の跡継ぎヘルマンに恋人ができた。
ヘレン・テルフォード
リンゴ時代かセシリア時代か忘れたけど彼女が子供の頃よく会いにきてくれた子だった。
恋人ができたからボイド家分家も安心だね。
本日もシルヴァン君とアナちゃんのラブラブぶりを見学し(スクショはラブラブの10秒前といったところか……秒は適当だ)
アルステーデちゃんからの差し入れ!
ありがとうー!
どうでもいいけどこの料理見た目ちょっと怖い
いえいえありがとうございます。
スピカとチレーナの居場所はというと
2人は同じ場所にいるようだった……
イノセンシオ君とカロリーナちゃんを仲人ピクニックへ。
全く接触しないチレーナとマリラちゃんもピクニックへ。
しかし、この2人……
交友関係が出来上がってしまっているせいもあるのか
全然接触しない……
リリーの姿が。
のんびりと過ごしているのか仕事の合間なのか……
残された時間を自分のために有意義に使ってほしい。
図書室に行くとヴェルンヘルの姿が。
セシリア「それ何を持ってるの?」
ヴェルンヘル「お人形だよ」
さらりと返される言葉にセシリアは僅かに眉を寄せた。
ヴェルンヘル
「リリアとリーゼロッテにあげるんだよ」
愛娘に不審がられたのを察し、ヴェルンヘルは慌てて付け加えた。
セシリア「そっか…」
父親がそれで1人で人形遊びでもはじめたらどうしようかと恐れたのでセシリアはホッと胸を撫で下ろした。
11日
リリア3歳の誕生日
セシリア
「リリアちゃん、お誕生日おめでとう!」
リリア「ありがとう!」
リリアのお誕生日なのに差し入れをくれた。
本日のスピカとチレーナの居場所は
古びた坑道
セシリア(………)
チェロたちの結婚式まであともう少し。
その日をセシリアは心待ちにする。
評議会
リリー
「時間となりましたので、評議会を開催致します」
リリーの弟ルーク。
リリーは弟の立派ひ姿をその目に焼き付けるように見つめた。
きっと、これが、最後の評議会。
リリー
(ーー最後に見れてよかった)
評議会はルークの提案が可決された。
美味しそうなものを持っている…!
リーゼロッテと酒場。
シルヴァン君に報告。
セシリアは弟と妹をダンジョンへ誘う。
単純に兄弟でダンジョンに入りたかっただけだった。
ダンジョンから出ると夕日がもう少しで沈む時間だった。
スピカは姉と兄と別れ、足早にどこかへ向かっていった。セシリアとチェロは思わず顔を見合わせる。
チェロ
「………あれ、これからチレーナ君に会いに行くんだよ」
勘の悪いチェロでさえ、スピカがこれから誰かに会いに行くことを察していた。
セシリア
「友達として……なのかな」
チェロ「さあ……」
思わず2人はため息をついた。
妹が近い未来に辛い思いをすることが分かっているが、自分たちにはどうしようもなかった。
セシリア
「そうだ、チェロ君、婚約おめでとう」
気を取り直して、弟の婚約を祝福する。チェロは今その話が出て少し驚いた顔をしたあと、気恥ずかしそうな表情を浮かべた。
チェロ
「…ありがとう」
セシリア
「赤ちゃんはバグウェルが運んでくるわけじゃないから、バグウェルがくるまで起きてちゃだめだよ」
チェロ「んなこと分かってるよ…💧」
エルネア王国の赤ちゃんはバグウェルが運んでくると信じていたチェロ。大人になってしばらくしてもその情報が変わらなかった。今ではチェロにとってそれは黒歴史のようなもの。
セシリア
「でも、もう結婚しちゃうんだね〜お姉ちゃん少し寂しい…」
チェロ
「成人したらとっとと結婚したセシリアには言われたくないよ……」
*セシリアは成人した年に結婚した。スピード結婚だった
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――
夕日が沈み辺りが薄暗くなってきた頃、タナンの高炉にはせっせと仕事に励むチレーナの姿があった。
スピカ
(チレーナ君……カッコいい…)
仕事をしている姿に思わず見惚れていると、チレーナと目があった。
スピカ(……!あ、仕事の邪魔に……)
仕事の邪魔をしてしまうと思ったが、目が合うとチレーナは嬉しそうに笑い、スピカを手招きした。
スピカ「?」
手招きされるまま、チレーナのそばに寄ると、窯からピッツァが取り出された。
スピカ
「うわぁ、美味しそう……」
トロけるチーズ、辺りに広がる香ばしい匂い。
ダンジョンで疲れた身体は、ピッツァが食べたいと反応する。
チレーナ
「これ一緒に食べよう」
スピカ「うん!」
出来立てのピッツァを持って2人は共に転移石を使って転移する。
場所は2人にとってもうお馴染みの場所。
チレーナ
「今日さー、ヘルマンが魔物に追いかけられてたんだけど、俺がその魔物を退治してやったら澄ました顔して何事もなかったような風で先に進みだすんだよ」
2人は日常の何気ない話をしながら、ピッツァを頬張る。
スピカ
「ヘルマン君はまたポーカーフェイスが発動したんだw」
今日の話題はボイド家の次期隊長ヘルマン。スピカもよく知っている相手だ。
チレーナ
「そう。体力なくなってきても、表情が変わらないからいきなりぶっ倒れてこっちは大変だったよ」
星空の下でこうして過ごす時間が2人にとってなによりも大切な時間だった。
スピカは次のピッツァを食べようと、皿に手を伸ばすと、同じようにピッツァに手を伸ばしたチレーナの手がスピカの手に触れる。
一瞬時が止まったかのように2人の視線が交わり、お互いの瞳に釘付けになった。
チレーナ「ご、ごめん!」
スピカ「わ、私こそ……」
我に返った2人は慌ててパッと手を引っ込める。
スピカ
(顔が……熱い…)
動揺して体温が高くなる。スピカは悟られないように顔を下げようと思ったが、思わずチレーナを盗み見ると、チレーナは反対方向を向いてその表情を窺い知ることはできない。
でも
(あ…耳が少し赤い……)
自分と同じような気持ちなのか
友達以上の思いを抱いてくれているのか
そうであっても、どうしようもないが、チレーナの態度にスピカの心臓が高鳴った。
気持ちがこぼれ落ちそうになって、スピカは切ない思いに唇を噛み締めた。
募る気持ちを必死に隠しながら、2人の夜は今日も更けていく。
続く
あとがき
多忙のため、ブログの更新頻度落ちます…