211年 その時はついにきた。 | エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。


気がつくと朝だった。

リンゴ
(あれ、昨日の夜どうやって帰ってきたんだっけ?)

そんな事を考えていると、朝食。

いつもの風景。いつもと変わらない食事風景。




ヴェルンヘルのお父さんのマドックさんとお父さんが颯爽と出かけていく。

リンゴ
(わたし、昨日、ティアゴ君と飲んでた気がするんだけど...)

少しずつ思い出されていく昨夜のことに、リンゴは冷や汗をかいた。

(色々喋りすぎた気が...ティアゴ君にベタベタしてしまったような..)

畑仕事をしながら昨夜のことを必死に思い出そうとしていると、ヴェルンヘルがやってきた。





ヴェルンヘル
「突然だけど...今からデートしない?」

緊張した面持ちのヴェルンヘル。リンゴはコクリと頷いた。




ヴェルンヘル
「今日は、その...聞いてほしいんだけど」




リンゴ「うん...」






ヴェルンヘル「これ..俺と結婚したください!」


ヴェルンヘルの手にはエンゲージリングが入った箱があり、震える手でそれを差し出してきた。


リンゴ(ヴェルンヘル..震えてる...)




リンゴ
「これって...ありがとう!
すごくうれしいよ!」


リンゴは手渡された指輪を持って、キラキラの笑顔になった。

ヴェルンヘル
「よかった...二人で幸せになろうね♪」



リンゴ
「うん...これからも、よろしくね♪」




ヴェルンヘル
「よかった..こらからもよろしくね」



リンゴ
「うん..これからも、ずむも一緒だね♪」


ヴェルンヘル
「この神殿で結婚式を挙げたら、そのまま二人一緒な暮らせるようになるんだね」


リンゴ
「うん..でもなんかちょっと恥ずかしいな...心の準備が....」


ヴェルンヘル
「オレなんかこのまま祭壇の間に入って結婚式挙げちゃいくらいだけど」


リンゴ
「もー..なんか今日のヴェルンヘルって、ちょっと強引じゃない?」


ヴェルンヘル
「今日は朝からプロポーズするって気合い入れてたからまだ勢いが止まらないのかも」


リンゴ
「そんな調子だとこの先長い結婚生活の途中で息切れしちゃうよ?」


ヴェルンヘル
「リンゴへの愛は無限だから平気だよ♪」


結婚式の日時は、明日でした。


偶然にも、一年前、リンゴがレッドと対決をした日でした。


結婚式まで時間がないので、ヴェルンヘルをデートに誘いました。









デートを消化?して、リンゴは疲れた様子でドルム山に突っ立っていました。





なぜここにいるのかリンゴにも分からない。


ここは、リンゴにとって始まりの場所なのかもしれない。


幸せなはずなのに。


心が状況に追いついてきてないのかもしれない。


でも、この日が10日後でも、一年後でもきっと同じ気持ちだろうと思った。




通り過ぎていく人たちはいつも通り、穏やかな日常を送っていて、リンゴはぼんやりとその人たちが去っていくのを見つめていた。




次期国王であり、格好よくて優しいヴェルンヘルにプロポーズされて……私はとても幸せなはずなのに…




赤い服が目に入った。





どうして、プレイヤーの周りにいる一匹狼という人たちは、


こういう時に、気がきくのでしょう。


必ず、必ず顔を出してくれるんです。





赤い服が見えて、夕刻1なんて、いつもダンジョンにいるのに、まさかねと思っているとその人はリンゴの前で立ち止まった。


ティアゴ「こんにちは」



リンゴ(ティアゴくん..)

「こんにちは」

ティアゴ
「東の方の森でキノコや薬草でも探そうかと思ってるんだけど」


リンゴ「うん、行く」



森に着くまで、終始無言で、リンゴは前を歩くティアゴの背中を見つめていた。









ティアゴ「じゃあ、さっそく採取しようか」

リンゴ「うん」


キノコを探しにきたのに、ティアゴは真面目に探す気配がなかった。

一年前の今頃もそうだった。

ティアゴはリンゴの警護の当番の時にそのことを隠し、採取に誘ってきた。警護が目的だからとても面倒くさそうに採取していた。

今回の目的も、キノコ狩りなんかじゃない..


リンゴにとっても、二人きりになったのは都合が良かった。


リンゴ「えっと..昨日のことだけど」

恐る恐る昨夜のことを口にする。


ティアゴ
「・・リンゴは寝ちゃったんだよ。覚えてる?」


リンゴ
「あんまり、覚えてない..」


ティアゴ
「・・飲みすぎだよ..二日酔いとか大丈夫だった?」


リンゴ「それは大丈夫だったよ」




ティアゴ「そっか、良かった..」




リンゴ「・・・」





ティアゴ「・・・」


ティアゴが何か言おうとしているのが分かってリンゴはティアゴの言葉を待った。


リンゴ「・・・・・」






ティアゴ「・・・婚約、おめでとう」

優しげな笑顔を浮かべて、リンゴの婚約を祝ってくれた。




リンゴ
「・・あ、ありがとう...ティアゴ君、気づいてたの..」


ティアゴ
「...さっき、何気なく何人かのプロフチェックしてたら偶然...そのあと神官から結婚式の招待状もらったし」


リンゴ
「結婚式..来てくれるの?」


ティアゴ
「呼ばれたから、行くつもりだけど..行かないほうがいい..?」


リンゴ
「きてほしい...」


ティアゴ
「..そっか...明日、たのしみにしているよ」

たのしみにしていると言うティアゴ君の表情が無理して笑っているよう見えて、少しでもリンゴの結婚を寂しいと思ってくれてるんじゃないかと勘違いしそうになる。


勘違いだとしたらさっき、おめでとうというまでの間はなに?


たいして思ってなければおめでとうって言うのはなんともないよね..?




リンゴ
(……このまま結婚したくない..)

「ティアゴ君!」

リンゴが突然大きな声をだしたのでティアゴは驚いてリンゴを見た。


ティアゴ
「はい?」

驚いたせいか、思わずティアゴは敬語になっていた。

リンゴ
「私と、練習試合してくれないかな?!」



ティアゴ
「練習、試合..?うーん、やめておいたほうが...」

難色を示すティアゴにリンゴは懇願した。


リンゴ「お願い!練習試合して!」


ティアゴ
「それって今日じゃなきゃだめ?明後日とか..」


リンゴ
「今日がいい!今じゃなきゃ...」


ティアゴ
(まあ、勝つのはきっとリンゴだからいいか)
「うん、わかった。いいよ」

リンゴの様子に、根負けしたティアゴは仕方なく承諾した。


怪訝そうなティアゴと共に、リンゴは闘技場へと向かった。