210年 隠しきれない気持ち | エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

 
任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
 
 


人の警護やらなんやらやって探索できていないティアゴ君とティム君をダンジョンに突っ込む。
 
 
なぜかティム君は早々に帰ってしまった..
 
 

 
ティアゴ(アイツ..警護のくせに..)
 
 
リンゴ「最近、ティアゴ君よく見かけるけどもしかして私の警護でもしてるの?」
 
ティムから聞いていて知ってるのだが聞いてみる。
 
ティアゴ
「......警護してるのは殿下と陛下だけだよ」
 
 
リンゴ「そうなんだ..」
 
(なんで嘘つくんだろう..ティム君の話だとティアゴ君とXさんが最初に私の警護についたって話なのに)
 
モヤモヤしながら敵を撃破していく。
 
昨年はダンジョンにこもりきりだっただけあってティアゴ君は強くなっていた。
 
放っておいてもそのうちカンストしそうだね。

 
 

今日はやけに瘴気が多い日だなとティアゴは警戒していた。

 

 

目の前の敵に集中していると、ふと背後に気配を感じた。

 

 

背後で瘴気が魔獣化したらしい。

*旅人の状態で、武術職の人に魔獣のことを聞くと、そんな説明をしてくれます。

 

 

リンゴはまだ気がついていない。

 

その魔獣は、背後からリンゴに向かって迫っていった。

 

 

ティアゴはとっさに身体をリンゴの方に投げ出す。

 

想像以上の攻撃だった。

 

ティアゴの服が裂け血が滴り落ちた。

 

リンゴ

「あ、アゴ君!!」

 

滴る鮮血をみて、リンゴの顔が青くなった。

 

 

ティアゴの身体がぐらついた。

 

リンゴは銃を構えて、魔獣に向かって発砲した。ティアゴと二人でようやく倒した。

 

リンゴ

「大丈夫?」

 

ティアゴ

「たいしたことないよ」

 

リンゴ

「なんで私より弱いのに、盾になろうとするの」

 

ティアゴ

「..そこ指摘するの」


ティアゴは苦笑した。リンゴは涙声になった。

 

リンゴ

「だって..私のせいで怪我しちゃって」

 

 ティアゴ「たいしたことないって」


リンゴは布を裂いて、ティアゴの怪我している腕を縛って止血した。

 

リンゴ

「ーーかばってくれてありがとう」

 

 

ティアゴ

「....武術職が、国民と農業管理官を守るのは、本能だよ..」

 

ティアゴはぷいっと横を向いた。そんなティアゴの横顔をリンゴは嬉しそうに見つめた。

 

リンゴ

(アゴくんはなんだかんだいっても優しいんだよね)

 

「お礼に今度お酒奢るよー」

 

ティアゴ

「俺たち飲んでばっかりだね..」

 
 
 
 
15日。
 
今日のリンゴの警備はアルシアのようだった。
 
リンゴはドルム山道を歩いているとユアンに呼び止められた。
 

ユアンはガラと付き合う前はリンゴが好きだった。

 

誰よりも先にリンゴを口説きにきたのもユアン。


ユアンは女好きのようで色んな女の子とよく一緒にいる。

 

元地味顔のくせに。

 

ユアンはふざけてリンゴの顎をくいっと持ち、

 

ユアン

「殿下なんてつまらなくて物足りないだろ?俺にしておきなよ」

とカッコつけてきた。


元地味顔のくせに..

それ以前に彼女いるくせに。

 

 

リンゴはフッと笑い、

「ユアン君じゃまだまだ大人の魅力が足りないかなー?」

と顔色一つ変えず、余裕でユアンを振り払った。


  


 

バルナバに用事があってドルム山に向かっていたティアゴは、偶然その光景を目にする。



ティアゴ(あの青いクソガキ..)

*青い髪の毛のユアンのこと

 

 

ティアゴ(リンゴのやつ、俺の時は真っ赤になったのに、ユアン相手には全く動じないな..)

 

リンゴとユアンが話をしているが、リンゴは全くユアンを相手していないという感じだった。



 

ティアゴ(.....まさかな..そんなわけないよな) 



 

一つの可能性が脳裏をよぎるが、ティアゴはその考えを振り払った。

 

 

リンゴ

「あ、アゴ君」

 

ティアゴの存在に気づいてリンゴが挨拶にきた。

 

リンゴはティアゴを見つけると必ず声をかけてくれる。

 

そのせいでリンゴと同世代の男どもにはティアゴは嫌われている..野郎共の好感度なんて必要ないから別に構わないのだが。

 

むさ苦しい野郎どもに声をかけられるくらいなら女の子のほうがいい。

 

リンゴ

「こんにちは、今日もいい天気ですね」

 

ティアゴ

「こんにちは、ほんといい天気だね」


リンゴ「..昨日の怪我、具合どう?痛む?」


ティアゴ

「大したことなかったよ。痛みはないし」


リンゴ「...そっか、よかった」

(絶対強がってるんだろうけど..)

 

その時、ハナムシがリンゴの耳にとまった。

 

リンゴ

「わ?!なに?!」

 

耳の感触に、リンゴは驚いて声をあげた。

 

ティアゴ

「ハナムシ。

とってあげるからじっとしてて」

 

ティアゴが腕を伸ばしてハナムシをそっと掴む。


ティアゴの指先がリンゴの肌に触れて、リンゴの顔が少し赤くなり、切なそうに目を伏せた。


 

ティアゴ(ーーーーえ?)

 

動揺を隠しながらハナムシを草むらに放す。

 

リンゴ

「ありがとう、びっくりしたー」

 

リンゴはいつも通りに戻って微笑んでいた。

 

 

 

 

ティアゴ

(ーーーあのガキに触られても動じないくせに、なんで俺の時は...)

 

5歳も年上のティアゴにはリンゴのウブな反応が新鮮で、恥ずかしがる仕草も表情も可愛らしい。

それは、昔から見ていたリンゴの延長の姿でしかなかったはずなのに。

 

保護者のような気分で今まで見ていた、はずだった。



平静を取り繕うリンゴをティアゴはぼんやり見ていてその視線にリンゴは首をかしげる。

 

リンゴ

「?アゴ君?どうかした?」


ティアゴ「ん?別に...っていうか、あの青いガキの扱いが雑だね」


リンゴ

「ユアン?ああ、ユアンのこもなんとも思ってないからね。」

バッサリとユアンを切り捨てて、

「それに、ティアゴ君の姿が見えたからさっさと話切り上げて、声かけようと思ったから」

あまり深く考えずに口走った言葉に、リンゴ自身内心焦った。


ティアゴはなんて返したらいいか分からなかった。



そこに、くさくなったガブリエルが現れる。なぜ彼はいつもくさいのか。


ガブリエル

「こんにちはー!」


リンゴ「こ、こんにちは..」

挨拶を返しながら隣にいるティアゴをチラリとみる。案の定ティアゴは、


ティアゴ「お前、またくさいじゃないか」

容赦なく、ガブリエルにくさいと指摘した。


ガブリエル「うわ、導師!」

ガブリエルはティアゴの姿に驚いてリンゴの後ろに隠れる。


ティアゴ「お前な、くさい状態で人にひっつくな。においがうつったらどうすんだ。早く風呂いっておいで」


ガブリエル「なんでいつも導師いるんだよー!」


叫びながらガブリエルは勢いよくドルム山道を下って行った。


ティアゴ「なんでいつもくさいんだよ..」

走り去る小さな背中につぶやく。


リンゴはクスクス笑っていた。



リンゴ

「私ににおいがうつらないためと、ガブリエルのために注意してくれて...口が悪いけど、ティアゴ君すごく優しいよね」



ティアゴ

「..........」


ティアゴは返答に窮したように黙り、視線を彷徨わせた。警護にあたっているアルシアとイマノルと目が合い、気まずそうに視線を外す。



リンゴ

「そういえば、ドルム山に何か用があってきたの?探索?」


ティアゴ(あれ、何できたんだっけ?)

「んー?えーと、これだ」

思い出せないので、ティアゴはリンゴに適当に選んだプリンア・ラ・モードを渡した。


リンゴ「プリンアラモード?!なんでこんなもの持ってるの?!」


ティアゴ「..さあ...リンゴって差し入れなんでも受け入れるけど、嫌いな物とかないの?」


リンゴ「私は基本的に好き嫌いないよ。ウニクリームスープはびっくりしたけど」

*以前ティアゴからウニクリームスープを差し入れされてリンゴは黒い物体のカワウニを怖がった。


ティアゴ「ふーん..」


リンゴ

「ザッハトルテとかマナナパウンドとか好きかな。ピッツァも好き。まあ、ティアゴ君が作ってくれるものは美味しいからなんでも食べるけど」


リンゴがさらりと言うと、ティアゴは目を丸くした。



イマノル(導師、照れてるな絶対..)



ティアゴ

「ーーーくさいスープやくさいサラダでも食べるんだね?」


リンゴ

「えっ..そ、それは遠慮しとこうかな?!」リンゴは慌てながら「いや、でもせっかく作ってくれたんだから..」



ティアゴ「...食べなくていいよ」

ティアゴは苦笑した。


 

ティアゴ

「...さーてと、酒場にでも行くかなー」


 

リンゴ

「..仕事は?」

 

ティアゴ

「今日はやめとくー」

 

導師らしからぬ言葉にリンゴは「えっ」と時刻を確かめる。


リンゴ

「まだ昼にもなってないよー!」

 

 

リンゴの声にティアゴは背中を向けてひらひらと手を振って去って行った。

 

リンゴ

「アゴ君はすぐサボるんだから..」

 

リンゴは口をとがらせた。

 

 

一部始終を警護として見ていたアルシアは無言で下を向いた。
 
アルシア
(えっと、、今の、、なんだろう、、、)
 
見ていたアルシアがなんだか恥ずかしくなった。

見てはいけないものを見てしまったんだと思った。


リンゴの親戚でもある山岳兵、次期隊長のイマノルも今の光景を見ていた。
ここの警備を今は担当していた、
イマノル
(こ、これが噂のおじさんキラーか..あの一匹狼の毒舌導師が陥落した瞬間を見た気がした...)
 


 
 
リンゴ
(だ、大丈夫だよね...バレてないよね....)

リンゴは動揺を隠しながら、ティアゴの背中を見送った。
よく頭を撫でられているのに、動揺してしまった。
 
 
リンゴは急いでシズニ神殿に向かった。
 
お昼からメーベルさんの結婚式があった。
 



やっとお顔を拝見できたメーベルさんの彼氏さん
(以前奏士だった)



娘の結婚に涙声のバルナバさん..



お母さんも参列していた。
嬉しいなぁ。


リリーはバルナバとルクレーシャ、メーベルにおめでとうございますと声をかけていた。騎士隊長の参列は、皆嬉しそうだった。




参列後、家に帰ると誰かがいた。


農業管理官の格好をしている。


しかし


リンゴ
「どなたですか?」

職場の人に、こんな人はいなかった。


その女の人は、静かにリンゴを見つめてきた。


「明日の朝、ある騒ぎが起こります。その騒ぎに乗じて、城門にきて下さい。馬があるのでそれに乗って。あとは馬が勝手に現地に連れていってくれます」

女の人は淡々と言った。


「レッド..レッドからなの?」
リンゴは緊張した面持ちで聞いた。

「このことを誰かに言ったり、一人でこなかった場合、魔獣の軍勢がこの国を取り囲むでしょう。必ず誰にも言わず一人でくるように。それが、レッド様からの伝言です」

女の人はリンゴの横を通り過ぎて、出て行った。リンゴは慌ててその後を追ったが、玉座の間にも、エルネア城の外にも見当たらなかった。




イマノルはティムに偶然あった。

イマノル「ティムってリンゴさんと仲良いんだっけ?」

ティム「どうだろ?まあ、普通に釣りいったりとか..」

イマノル「おじさんキラーって噂で聞いてたけど。噂どおりだった」

ティム「は?」

イマノル「俺は多分、あの毒舌導師が陥落したのを見たと思う」
イマノルはニヤリと笑った。

ティム「導師が陥落?なんの話?リンゴさんが導師の家にでも爆弾投げたの?」

イマノル「....もういいや、またね」


ティム「一体なんの話だ..」