王国を脅かす者➏帰ってこれた奇跡 | エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂スイッチ版エルネア王国みたいなものです。


アドルファス、X、バルナバ、リリーはようやく入り口に辿りついた。

歪みはグラグラと揺れて今にも消えそうだった。


四人が歪みから勢いよく出ると、歓声と安堵の声が聞こえる。


リリーが振り返ると、歪みは小さくなっていき、

消滅した。


全員が帰還し、エルネア城に集まっていた者たちが惜しみない拍手と歓声が湧き上がった。

 
「リリー!!」
ジェレマイアがリリーとバルナバの元に駆けつけた。
リリーの頭や顔が血にまみれていたので動揺していた、
「リリー!大丈夫?!」

「うん..みんなが助けてくれたから..」 
リリーは力なく笑った。

バルナバ
「すぐ治療を!」

バルナバはリリーを背負ったまま騎士隊長の居室に向かった。ジェレマイアや、リンゴ、モモ、セイを抱いたルークもきた。

リリーはベットに寝かせられ、治療が施された。
幸い、たいした怪我ではなかった。

頭を打ったので少しの間安静にしたほうがよさそうということなのでリリーはしばらくベットで寝ていることになった。

ジェレマイアはバルナバに礼をいい、バルナバは帰っていった。

リンゴとモモはリリーのそばから離れなかった。


数人が見舞いにきた。
その中にXの姿があった。

Xはいつになく、神妙な面持ちでリリーはそれが気になった。








翌日


エティによって、玉座の間でささやかなパーティが開かれた。
出席したのは、騎士隊、魔銃師会、山岳兵団。

ウィアラさんの酒場に料理を注文をした料理が、玉座の間にパーティのために用意されたテーブルに所狭しとと並べられている。

立食パーティーのように皆立った状態で談笑している。


エティが玉座の前にたち、労いの言葉をかけた。

そしてそれぞれの部隊の長が一言いうことになった。

アドレー
「お疲れ様でした!山岳兵団、騎士隊、魔銃師会それぞれがそれぞれの役割を果たし、素晴らしい戦いぶりでした。今日は飲みましょう!お疲れ様でした」

バルナバ
「皆さま本当にお疲れ様でした。全員揃って、こうして勝利を祝うことができる、これ以上の喜びはないと思います。今日はこの勝利に乾杯しましょう」


リリー
「だれ1人欠けることなく、帰ってこれたこの奇跡に感謝します。騎士隊、魔銃師会、山岳兵団の団結が、この勝利に結びつきました。皆様方、本当に感謝いたします。ありがとうございます。今日はこの奇跡に乾杯しましょう」


そしてエティが乾杯というと皆がグラスを上にあげた。

リリーは改めてバルナバに礼を言った。

「私が帰ってこれたのはバルナバが背負ってくれたからだよ。本当にありがとう」

バルナバ
「いや、当然のことをしたまでだよ」

といいつつ、少し照れ臭そうにした。

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「....あのさ」
バルナバはなにか考えているようだった。酒の入ったグラスに視線を落とし、言葉を探している。

リリー「どうかした?」

バルナバはリリー目配せして、玉座の間の隅の方に移動した。リリーもついていく。

側に誰もいないことを確認してバルナバは口を開いた。


「今回の一件....歪みの先にあった、装置?とかXさん、どうして詳しかったのかな。あの歪みの空間を維持するものも..Xさんがいなかったら多分みんな帰ってこれなかったと思う」

リリーもそれは思っていた。

「空間を維持するあの筒はXの故郷のものって言ってたね。似たような装置が存在してたのかな」

バルナバ
「今回の一件って、人為的なものだと思う。あの装置を魔獣が作ったとは思えない..」

リリーはため息をついた。
「やっぱり、そう思うよね...」

かといって、Xがそれをやるとは考えたくないし、考えられない..

「なに2人で怖い顔をして話してるんですか?」
騎士隊のメル・アモロスが、酒瓶を持って2人の元にやってきた。

2人の酒の減ったグラスにドバドバと酒を注いだ。

「ありがとう」
リリーがお礼を言うとメルはにっこり笑って離れていった。
(メルさん..雰囲気がなんだかやわらかくて素敵な人だな)

メルは、母シルピアとも仲が良かった、元神官ニーノ・アモロスの奥様だ。

ニーノ君の奥様を突入部隊メンバーに選んだことは心苦しかったが、こうして皆無事に帰ってこれたのだから結果的に本人や家族にとっては名誉なことになった。


皆が楽しそうに談笑し、酒を飲むなか、Xは浮かない顔をしていた。

そして1人で玉座の間をあとにする。

「?」

Xが気になったが、リリーは他の隊員たちや魔銃師会、山岳兵団への挨拶をしなければならない。

リリーは1人1人に挨拶をして回った。


宴が終わる頃ジェレマイアは酔いつぶれていた。

義弟のバーニーが笑いながら、ジェレマイアをベットまで運んでくれた。

ベットに運ばれてもジェレマイアは気持ち良さそうに眠っていた。

「さてと、酒場に行こうかな。バーニーもいく?奢るよ」

「お供します!」
この前一緒に飲んだときバーニーがやけに楽しそうだったからまた誘ってみたら喜んでついてきた。奢りという言葉に喜んでいるだけかもしれないが..


酒場につくと、珍しく混んでいた。

エティの宴が終わってその足で寄った人が多いみたいで魔銃師や山岳兵団の姿が目立った。

バーニスやアリス、シモーヌ、バルナバが奥の席にいた。

リリーとバーニーは適当な席についた。

「好きなもの頼んでいいからね」

「じゃあ、遠慮なく」

リリーとバーニーは適当に注文し、リリーはいつも以上に飲んだ。

飲むと身体の傷が痛むのだが、身体の不調は飲んだ方が紛れたからだ。

あの歪みを作っていた装置を破壊してから
なんだか体調がおかしい。
吐き気はするし、
身体に力が入らなくなっていた。

不安を打ち消すかのように、リリーは珍しく酒を次々と飲んだ。

気づいたらアドルファスも一緒に飲んでいた。
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夕刻3になって、リリーはふとXのことが気になった。

バーニーとアドルファスが酔いながら訳の分からないことを議論している。
(男の生き様についてとか..)


リリーはウィアラさんに多目にお金を払って、外に出た。

生暖かい風が吹いていてなんだか気持ちがいい。

リリーは導きの蝶を使った。

Xはなぜかこんな時間に、果樹園にいた。



いつかの自分みたいじゃないか..リリーは一抹の不安を抱きながら果樹園に向かった。