豆腐のように弱かったジェレマイア。
騎士隊トーナメントで、決勝まで勝ち上がり、
いよいよリリーとの決戦の日を迎えます。
ジェレマイアにとって、リリーは強くて騎士として雲の上の人でした。
そんなリリーと対戦の日
夫として、男として、騎士として負けたくありません。
リリーは龍騎士としての地位を築いている、
大きな大きな壁でした。
対戦が決まってから、夫婦対決に周囲の期待の声が聞こえきます。
前日は
リリー「ねえねえ、赤ちゃんがお腹けってるよ♬」
ジェレマイア「そっかー元気だなー
早くでてきたいのかな?それとも寝相が悪いのかな?」
仲良く会話していましたが朝になると
親しい間柄の人と対戦するときはメンチをきっとく習性があるリリー。
リリー「今日の試合負けないからね!」
ジェレマイア「こっちこそ負ける気がしないね」
ジェレマイア「望むところだ。試合であおう!」
朝から玉座の間で、夫婦はバチバチと火花を散らしていた。
☆
決勝まで釣りをして時間を潰していると
バルナバがやってきます
バルナバ「こんにちは」
彼はいつもと同じように優しそうな笑顔。
前と変わらない態度でした。
リリー「こんにちは」
リリーもなるべくいつも通りに振る舞った。
バルナバ「今日試合なんだって?相手はジェレマイアなんて、面白そうな試合だね。見にいけないのが残念だよ」
リリー「バルナバも試合なの?」
バルナバ「うん、同じ時間に」
バルナバは本当に残念そうだった。
リリー「そうなんだ、お互い試合頑張ろうね!」
バルナバ「頑張ろう」
二人は拳と拳をコツンとぶつけて互いにエールを送った。
☆
いよいよ、決勝戦。
龍騎士のリリーは、龍騎士の剣でジェレマイアを迎えうちます。
大勢の観客が集まりました。
決勝戦、夫婦対決は人々の興味をそそるようです。
二人が入場し、いよいよ試合がはじまります。
リリーはお守り10パーセント。
ジェレマイアも10パーセント。
試合開始の鐘がなります。
先制をかけたのは、リリーではなく
ジェレマイアでした。
ジェレマイアの速い剣さばきにリリーは驚愕しました。
リリーはジェレマイアを相手に油断していたわけではありません。
カンストこそしてませんがジェレマイアのレベルは油断できるものではありません。
ジェレマイアの一撃一撃が、リリーの体力を奪っていきます。
リリー「・・っ!!」
マズイ..!!
観客の声が王立闘技場に響き渡ります。
リリーはジェレマイアの攻撃をなんとか耐えきりました。
リリーのターンで倒さなければリリーの敗北が決まります。
ピンチだというのにリリーは笑みを浮かべていました。
ジェレマイアの成長と、こうして戦える喜びが溢れました。
そして、
試合直後、二人は健闘を讃え合います。
どこかに出かけない?と提案すると、
試合直後だから拗ねてるのかな..
試合結果をみると、バルナバも勝っていた。
今年度は負けなしだ。
☆
試合の後
ジェレマイアは、ドルム山にいた。
試合結果を記す掲示板を見ていた。
今日の試合はバルナバの勝利であることが記されていた。
「フォードさん」
褐色の肌の女性がジェレマイアに声をかけた。
「あぁ、マルチネスさん」
「今日の試合の結果聞きました。残念でしたね」
「まだまだ実力不足です..」
「あの龍騎士相手に大健闘だったときいていますよ。あと一歩というところだったとか」
「..いやー、、妻には勝てる気がしません。」
ジェレマイアは肩を落とした。
「フォードさんはお若いのですからまだまだチャンスはありますよ」
女性は、誰かを見つけて、ジェレマイアに、では、と挨拶して離れていった。
その女性は、バルナバと 話ながら歩いていった。
ジェレマイアと話していたルクレーシャをみて
バルナバ「ルクレーシャってジェレマイアさんと知り合いだったんだ...」
ルクレーシャ「えぇ、ただの知り合いよ」
リリーの旦那と自分の妻が知り合い。なんだか複雑な気分のバルナバであった。
ルクレーシャ「龍騎士のフォードさんとはずいぶんと親しいみたいね?」
ルクレーシャはにっこり笑ってバルナバに聞いた。
バルナバ「え?!べ、別に普通だよ。高難易度のダンジョンに誘ってくれるから一緒にいくくらいで..あのダンジョン(水没や炎獄)はリリーちゃんくらいの猛者と一緒じゃないと危ないんだよ」
ルクレーシャ「そう..」
リリーがダンジョンに誘ってるのはバルナバだけではない。
ティアゴや親友たち、バーニスちゃん、ユズの旦那のバーニー、仲のよいヘタレな男性陣(ヒドイ)
15階やクリアを目指すときはアイテム消費を考えて
カンスト近い、ジェレマイア、バルナバに声がかかる。
ようやくその中にルークも入れるようになったくらい。ジェレマイアとバルナバはよくダンジョンにこもって誘えないのでこの三人の中で誘えるメンバーをローテーションしている。
ルクレーシャも山岳兵の隊長の妻。夫が強くなるためなら、ダンジョンに誘ってもらうことは有難いことだと心得てはいる。
それにそういうダンジョンなら二人きりは、離脱者がいない限りはない。
リリー「バーニー!!」
噂をすれば。
マルチネス夫婦の近くでリリーの声が響いた。
夫婦は驚いて声のするほうを振り返る。
名前を呼ばれていたのは山岳兵隊長、コルテス家のバーニー。ユズの旦那でリリーにとっては義理の弟にあたる。バルナバともルクレーシャとも親しい間柄。
リリー「なんなのこの結果は..今期対戦してかったのはバーニスちゃんだけって..」
リリーは怒っていた。
リリー「バルナバくらいひねり潰しなさいよ!」
リリーはマルチネス夫婦がそばにいることは気がついていないようだ。
周囲に山岳兵団の者がいるが誰もなにも言えない。
バーニー「お義姉さん、無理ですよ。バルナバさんは今期負けなしの絶好調で..ってお義姉さんがバルナバさんのことも鍛えてるんじゃないですか」
リリー「口ごたえはいい!あなたは普段一人でダンジョンこもる時間が少ない!今から水没の遺跡いくから!ついてきなさい!」
バーニー「はい...」
颯爽と歩くリリーのあとをバーニーがしょんぼりとした様子で歩いていく。
凄い義理の姉をもったな、とバルナバは心の中で笑った。
(あれ、俺のことひねり潰せって言ってたのはなぜなんだ..)
ルクレーシャ「...バルナバ、フォードさんになにをしたの」
ルクレーシャもバルナバと同じ感想を抱いたようだ。
バルナバ「なにもしてないよ..」
心当たりは...かなりある....
バルナバ「さて、ダンジョンにでも行こう。バーニーに追い越されてしまう」
ルクレーシャをダンジョンに誘い、その場をごまかした。
バーニーとバーニスちゃんをダンジョンに誘おうとしたがバーニスちゃんはどうやら忙しいようで..
空いてあたバルナバを召喚。
バルナバはバーニーとリリーと水没の遺跡にいくことに。
バーニーはトラップにひっかかりまくるので
13階で切り上げ。
ちょうど夜1刻なのでそのまま解散。
リリー「今日の試合おめでとう」
バルナバ「ありがとう。リリーちゃんもおめでとう。試合凄かったって聞いたよ」
リリー「今回は危なかったーバルナバも今年負けなしだったね。凄い頑張ったんだね」
バルナバの去年の結果は3位。
それに比べると今年の負けなしの結果は周囲も驚いていた。
バルナバ「..まぁね」
(いつまでも弱いままじゃかっこ悪い..)
リリーには試合でも、なにもかも勝てない。
そう思っていたが、バルナバの努力は知らないうちにあるところで報われることになるがダンジョンにこもりっぱなしの二人はまだこの時点では気づいていない..
バルナバは、パワーではリリーに優っていた。
後日ランキングみたリリーは
リリー(チカラ、バルナバがトップだ!!
...ウォリアークイーンまだX..だれか抜いてよ)
*ウォリアークイーンはここ数年、Xが君臨している。
*あとがき*
平成最後の大晦日。
そして新年。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私は寒波に震えております..
最近は、同じエルネア王国のブログを楽しく拝見させてもらっています!
皆さまのブログを読む時間は癒しの時間( ´艸`)
人見知りなので、コメントできないんですが、皆さまのブログとっても楽しみにしております。
癒しをありがとうございます!
では皆様よいお年を〜♬