彼の夢を見た
以前と変わらぬふたりだった
夢の中で
えっ?
飲み友達になったのに
こんな手を繋いで歩いていいの?
って、戸惑いながら
私、夢を見てるんだって
冷静だった
目覚めてからも
ずっと彼のこと考えてた
やっぱり好きだな…
思えば思うほど
苦しくなって
息するのもしんどくなってくる
ふたりの時間は年数じゃなく
どれだけ楽しい時間過ごしたかで
思い出も軽くなる
一生会えない訳じゃない
連絡もできるし
繋がりはあるんやから
友人達はみんな言ってくれるけど
私はあの頃のふたりがいいんだよ
飲み友達なんていらない
彼は冷めた人間だから
私みたいに思い出に浸ることはない
幼少期の頃から
家庭環境が悪くて
学生の頃、両親は離婚して出て行き
祖母に育てられたと聞いた
彼が二十歳の頃
6つ離れた兄が若くして
心不全で亡くなった
その時、母親から
「あんたが死んだらよかったのに」
その言葉がずっと頭にあって
会社を倒産させた時は
「恥さらしめ‼️」って
だいぶ罵られたそう
小さい時に母親から可愛がられた
記憶がなく
彼は母親とも行方知れずの父親とも
縁を切った
だからなのか
彼は愛を知らない
愛され方を知らない
そこが、彼を冷めた人間にした
理由なんだと思う
彼が日頃から
「俺にはなんか足らんねん
それが何かわからんねん」って
言ってたけど
愛が足らないんだと
彼には言ってないけど
ずっと感じてた