洋裁をはじめて、接着芯というものを初めて知った方も多いと思います。
接着芯は、しっかりさせたい部分、例えばボタンがつく場所や衿やカフスにはります。
たくさんの種類がありますので、選ぶのに迷うので、教室では主に二種類を生徒さんに覚えて頂きました。
普通地程度の厚みは、アピコ100
普通地から中厚地程度の厚みは、ダンレーヌR111
を基準にしました。
闇雲に選ぶと、毎回、探すところから始まってしまうので、基準を決めて、まずは上記の接着芯を試し貼りしてみると、段々と感覚が分かってきて、日暮里等で売られている安価な芯を見ても適正なものを選べるようになると思います。
何が適正か、ですが、デザインや生地との兼ね合いで考えます。衿もメンズですと、カチッとした仕上がりが好まれるので、固めの芯を選ぶことも良いですし、子供服だと、硬いと嫌がるお子さんもいるので、柔らかめの芯を選ぶのも良いですし、どのメーカーの芯ではないとダメということは全くありません。
学校でしたら、テストがあるので、これじゃなくては丸ではないと言わざるを得ないですが、本来、決まりごとが少ないのが洋裁の良いところだと思います。
また、自由に決めてよいと言われると、初心者だと困ってしまいますので、教室では基準を覚えて頂くために、良質な接着芯をお勧めしていました。
接着芯のはりかたのご説明をします。
はりかたも人それぞれにやり方があるので、結果的にきれいに貼れていればOKだと思いますので、もう理解されている方は、ご参考程度に見てください。
下写真のように、接着芯は、型紙より大きめにざっくりと裁断します。
この時、接着芯も型紙の布目と同じにします。
接着芯は、熱で溶ける糊がついています。その糊が溶けることで、生地と芯がくっつくという仕組みになります。その溶けて生地につく時に、熱で生地がキューっと縮んでしまうことがあります。これは、生地が粗い目で織られているものやウールなどですと、縮む確率が高いです。
そのため、接着芯を貼ってから、型紙をおいて裁断する方が安心なのです。
それでは、生地に接着芯を貼りつけていきます。
アイロンで貼るのですが、接着芯の糊がアイロンやアイロン台についてしまうと、生地を汚してしまうので、特殊な紙に挟んで貼っています。市販されていますが、オーブンシートで代用もできます。熱に強いものを使ってください。
中温のドライアイロンで押さえていきます。この時、アイロンを滑らさないようにします。
洋裁において、アイロンを滑らせることは、滅多になく、基本的にアイロンは押さえるように使います。接着芯は柔らかいので、撚れてしまったりします。
あくまでも、接着芯の糊が溶けることが目的ですので、一か所に5秒くらい当て、少しずつ移動して、ムラなく接着します。
私は、このドライアイロンを使用していますが、私が習ったのはスチームアイロンで溶かす方法でした。スチームだと早く溶けるのですが、アイロンを滑らせる方があまりにも多いため、教室では、失敗が少ないドライアイロンにしました。
アイロンは、優しく使うのが、洋裁の基本になります。
生地の全体に接着芯が貼れていることを確認します。
熱が残っていると、まだ糊が乾いていないために、剥がれてしまいます。
また、ハサミやカッターが糊で汚れてしまうので、必ず冷めてから裁断します。
以上が接着芯のはりかたになります。
生地も接着芯も捨ててしまう部分が多くて無駄に思いますが、仕上がりをきれいにしたい方にはお勧めのやり方になります。
ちなみに、生地が足りなくなりそうとか、この生地は縮まないだろうとか、判断したときには、裁断した後に接着芯を貼ることもあります。
臨機応変にできるのが、ホームソーイングですので、基本を知っていると、その時その時で判断して対応していけます。
ご参考にしてください。