4月に販売された
三越さんの創業350周年を記念した
カフェタナカさんのスペシャル缶。
・・・と言っても、カフェタナカさんでの販売はなく、三越さんの店舗のみでの販売でした。販売方法はオンラインストアの事前予約や抽選であったりと店舗によって違ったみたいですが、
全て店頭受取
三越さんなので、なんと関西にはこちらの
取り扱い店舗が1つもないっ(笑)
日本橋、銀座、札幌、仙台、星ヶ丘(名古屋)、高松、広島、新潟(伊勢丹)、福岡で販売されていたようです。新潟が伊勢丹なら京都でも大阪(ルクア)でもあるのいいのに、近畿圏に1カ所もないなんて
…なんて思ってましたが、
こうなったら意地でも手に入れるために、
わざわざエムアイカードまで作って
参加していましたもはやビョーキです(笑)
三越の包装紙「華ひらく」の
スキャパレリレッドを使用した缶に
350周年のロゴをあしらったビスキュイが入った
「Bijyou de Biscuits~HANA-HIRAKU~」
ビジュー・ド・ビスキュイ~華ひらく~
とっても綺麗で上品なクッキー缶。
白地にスキャパレリレッドという濃いピンクとゴールドの組み合わせがとっても可愛らしい
本当に「華ひらく」という言葉が
ピッタリのクッキー缶です
1950年に誕生したこの紅白の「華ひらく」は、
日本の百貨店初のオリジナルの包装紙
元々はクリスマスプレゼント用としてデザインされたものだそうです。
「華ひらく」のモチーフが生まれたきっかけは
2つの石。
原画は平面ですが、ものを包んで立体になった時の表情の変化も魅力のひとつで、どのような大きさでも、どの角度から見ても、図案の美しさが変わらないという画期的なデザインで、それまで茶紙が主流だった百貨店の包装紙を一変させたのだそう
クッキー缶の中身は…
記念缶限定で、日本橋本店とゆかりの深い
「にんべん」の鰹節、
「松北園」の抹茶を使った
新作クッキーが入っていました
クッキーに出汁
…ってびっくりしませんか
私は知らずに頂いたので、
口に入れてから「えっ」って
気が付きました(笑)
間違えようのない完全に鰹出汁のお味は、
説明を見て納得
「にんべん」さんだったのですねー。
いいお出汁です
桜のお花の型をした
桜薫るサクッふわ食感の
メレンゲの「ムラングSAKURA」のお隣の
まあるいクッキーが、お出汁のクッキー
「プティビズ"DASHI KATSUO”」
フワッと広がる鰹出汁の旨みと、カイエンペッパーのキリリとした辛みがアクセント。
にんべんを創業した初代の高津伊兵衛は、
1679年、勢州四日市(現在の三重県四日市市)の生まれ。12歳の時に江戸に上り、年季奉公を始め、18歳になる頃には商才を認められるようになりますが、早すぎる出世を疎まれ、嫌がらせを受け退店。20歳の伊之助(幼名)は、日本橋八日市土手蔵に戸板を並べて、鰹節と干魚類の商いを始めた1699年(元禄12年)をにんべんさんでは「にんべん創業の年」とされているらしいです。1704年に小府根町に鰹節問屋を開業、よく年に伊兵衛と改名し、商業を今のおなじみのカネにんべんと定めています。
三重県の方だったのですね
そう言えば、
三越創業者の三井高利さんも三重県の生まれ。
1622年、三重県松阪市の商家に生まれ、14歳で江戸に趣き、呉服店を営む兄の元で奉公人となります。28歳の時に母の面倒を見るために松阪に戻らなくてはならなくなりますが、その後1673年に江戸本町1丁目に「三井越後屋呉服店(越後屋)」を開業。1683年に駿河町(現在の日本橋三越本店とほぼ同じ場所)へ移転。その後両替商も開きますが、それが
なんと現在の三井住友銀行の前身です。
三井さんで、三井銀行は分かるけど、三越って
1673年に三井高利が江戸で創業した越後屋。
屋号は高利の祖父の時代まで「越後守」を名乗る武士であったことから「越後屋」とし、その後三井家の姓を取った「三井呉服店」となり、1904年、「三」と「越」を取って「三越呉服店」となり、現在の三越となったのだとか。
この1904年に「デパートメントストア宣言」を発し、日本初の百貨店となるそうです。
すごい方商才に富んだ方ですよね
この存在感のあるクッキーは、
三越さんの象徴的なライオン像が描かれた
「ビスキュイ・ブール・アマンド」
芳醇に香る仏産AOPバターと上質な小麦粉。素材にこだわり、シンプルを極めた素朴ながら贅沢な味わいのビスキュイ。
これ、シンプルだけど本当に美味しい
美味しい紅茶が欲しくなるお味
で、このライオン像が誕生したのは
大正3(1914)年
百貨店開設の準備のため神戸意を視察した時に支配人の日比さんが、イギリスで注文したもの。
ロンドンのトラファルガー広場にあるネルソン記念塔の下の4頭の獅子像がモデルとされ、完成までに3年の歳月を要したこの仕事はイギリスの彫刻界でも相当な話題となったそう。
因みに日比さんは無類のライオン好きとして知られ、息子さんに雷音と名付ける程だったという記事もありました。
「来遠(ライオン)像」と命名されたこのライオン像は、なんと三重県松阪市の「豪商ポケットパーク」にあります。
(ライオン像は他にも何体か各地に寄贈されているみたいですが・・・)
ライオン像には「誰にも見られずに背にまたがると願いがかなう」という必勝祈願の言い伝えがあるそうで、「願いをかなえてくれる像」として有名なのですが、
さすがに三越さんの前でまたがることはできませんが、ここならいけるかも
松阪って松阪牛が有名ですが、焼鳥や松阪もめん等色々と名産がある商人の町。
実は、伊勢商人は、大坂商人、近江商人と並んで、日本三大商人のひとつ。
因みに、現在のイオンの
岡田屋さんも1758年に三重県四日市市で創業、
その後ジャスコを経てイオンになっています。
他にも伊藤ハムや東洋紡等、伊勢商人の流れを汲む企業も多いのです。
今回の三越さんは、
2023年に創業350周年を迎えるにあたり、
全国の三越で4月から
「三越創業350周年祭」が開催されています
このカフェタナカさんのスペシャルなクッキー缶の企画もそのひとつ。
また伊勢に帰った時に私も
ちょこちょこ載せてみます
話はクッキー缶に戻って…
もう一つの記念缶限定クッキーは、
「ソレイユ・抹茶・ジャポネ」。
「香り高い抹茶生地に爽やかな柚子と香ばしい白ごま&えごまの軽やかな食感。」
ごまと柚子の風味がしっかりしていて、
優しいお味です
このお抹茶は松北園さんのもの。
松北園は1645年創業の宇治のお茶のお店で、
こちらも300年を超える老舗です。
三越と関わりの深いというのも、
松北園さんのHPによると、
1914(大正3)年に三越呉服店との取引を開始し、鰹節と並んで初めて日本の百貨店で扱われた食品となると書かれていました。これが、にんべんさんと松北園さんのことなのですね
因みに三越の食品部創設は大正4年なので、それより前の年もう100年以上のお付き合い。
すごいお店ばかりで大分端折りましたが、
こんな小さな缶にも
沢山の事が詰まってました
継続は力なり。老舗には色んな歴史があります。
でも、継続するためには、何かが必要きっと色んな才や努力があるのだと思います。
このクッキー缶を作られたカフェタナカさんも1963年に自家焙煎印珈琲専門店として創業し、今年で60周年をむかえられるそうです。
この缶を頂いた時も、テンションが上がりましたが、綺麗なもの、美味しいもので人を幸せにできるなんて素敵なお仕事ですよね