「鍵善良房」さんの創業は、江戸時代の享保年間ということですが、はっきりと特定は出来てないみたいで、その頃にはもうすでにお菓子屋さんとして営まれていたということらしいです。いずれにしても300年程の老舗で、四条にあるお店はいつもお客様で賑わっています。
(こちらはおそらく都踊りだったか、前回鍵善さんにお邪魔した時のお写真なので、今は違うディスプレイだと思いますが)
本店さんでお茶をしたくてもかなり待たなくてはいけないイメージかあり、それはもちろん、それ程素敵な空間ということなのですが…四条本店さんと、ZEN CAFEさんのお話はまた後日。
もし、「今日はくずきり」と、決めてみえるのであればこちらの高台寺店さんがお勧めです。
場所的なのか、メニュー的になのかは分かりませんが、(私が行った時は)大体待たずにお席に着くことができてます。
本店さんに比べると少しこじんまりしたお店なので、取り扱ってみえる商品が少なく、店内でいただけるのも、下のお写真のように、くずきりと生菓子とおうす(お抹茶)くらいなのです。
…が、もし、鍵善さんと言えば"くずきり"とおっしゃる方には、とってもお勧めです
最初に、冷たいお茶と一緒に、鍵善さんの銘菓「菊寿糖」をサービス(1人一個)で出して頂けます。こちらは、阿波和三盆糖製のお干菓子で、お味はもちろんですが、こんな風に綺麗にお箱に入っているので、お土産の他、お祝い事の贈り物にも喜ばれます
紅白の菊寿糖の他にも、様々な色使いされた「彩り」や逆に白一色のシンプルな菊寿糖もあります。形も、釣鐘型の「おちょま」や、松ぼっくりの「老松」、紅白の「鶴ト亀」等、種類も豊富にあります。そう言えば、鍵善さんは、以前お干菓子に特化されたお店をだされていたことがあると思います。小さなパステルカラーのお干菓子が色々並んでいて、見てるだけでも可愛いお店でした因みに、菊寿糖等は、オンラインでも購入できます。
話は戻って…
おうすと生菓子のセット。
生菓子は、2種類から選べました。
私達は、「川面の光」という、黒こし餡に錦玉の涼しげなお菓子です。確かもう一つは、黒つぶあんの「あじさい」という綺麗なお菓子だったと思います。
本当に綺麗ですよねこし餡は、すごく滑らかで上品な甘さでした。お抹茶と頂くと、贅沢な気分になれます
そして、楽しみにしてた鍵善さんの「くずきり」黒蜜と白蜜から選べますが、本日は白蜜にしました
鍵善さんと言えば、このお弁当箱の様に段になった器のくずきりの印象が強いのですが…
昭和に入ったころ、界隈のお茶屋や南座などに出前されていたのが始まりで、昭和30年代に口づてに評判おなり、喫茶室で出されるようになったということなので、もしかしたらその為にこの様な器なのかもしれませんね。
当時の器は、なんと羅細工の特製漆器で、葛と蜜だけの潔さを引き立てるものだったそうです。
ですが、今日頂いた器もやっぱり綺麗で、お席に運ばれてきた瞬間に心が華やぎます
鍵善さんは、母が若い頃、会社の先輩に連れてきて頂いた思い出のお店だそうで、いまだにこのくずきりが大好きなのです
また、いつか、一緒に連れてきてあげたいなぁ
蓋を開けると、2段目に蜜、下の段にくずきりが入った器が出てきます。
原材料は、ずっと使い続けているという森野吉野葛本舗さんの葛粉とお水だけ。注文を受けてからその場で作り立てをお出しいただいてるそうです
透明の綺麗で、大きなかちわり氷でよく冷やされたくずきりを蜜につけて頂きます
つるんと喉越しがよく、ぷるんと歯応えがよく、いつ来ても変わらない美味しさです
本当に美味しいです
満足したものの、こちらの鍵餅、求肥でできたお餅で、お日持ち5日と伺ってついお支払いの際にお土産で買ってしまいました(笑)
"丹念に練り上げた羽二重餅に香ばしいきな粉をまぶした柔らかな餅菓子"と、商品説明にありましたが、
見て下さいこのあふれんばかりのきな粉。たっぷりのきな粉で、口に入れた時に、香ばしい香りが口いっぱいにひろがります。
お餅の歯応えも、甘さもちょうどいい。想像通りでした
本当に"素朴ながら上品"という言葉がピッタリです。
お日持ちするので、少しずつ頂けて嬉しいですよね
生菓子や、こちらの商品もオンラインで買えるようです。
本日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。