新たな占領の武器(キリスト教)に危機感を覚えた秀吉

豊臣秀吉の時代になり、キリスト教を伴う南蛮貿易でポルトガル商人らは日本人に牙を見せ始めます。

ポルトガル商人(南蛮船)を通じた交易が盛んになると、キリスト教(キリシタン)も広がり、この過程で貧困層の男女(特に子供や女性)が奴隷としてポルトガル船に積まれ、マカオ・インド(ゴア)などへ運ばれる事例が相次ぎました。

外国交易(グローバル化)は良い面だけではありません。必ずこういった悪質な商売がいつの世も繰り広げられる、という事例なのです。犠牲になるのはいつも弱者なのですね。手足に鎖をつけて船底に押し込めるような扱いが記録され、『九州御動座記』(秀吉の右筆・大村由己)は「地獄の呵責よりひどい」と描写しています。規模は諸説あり、累計で数万人規模(一部で約5万人との推計)に達した可能性が指摘されています。秀吉は、九州が南蛮貿易とキリスト教への改宗により混乱しているため、九州を平定し、これら混乱を招く南蛮貿易やキリスト教改宗にメスを入れます。

秀吉は九州遠征の際、イエズス会の日本準管区長(布教責任者)ガスパール・コエリョを問い詰めています。
主な内容は以下の4点程度です。
・なぜ熱心に改宗させるのか。
・なぜ神社仏閣を破壊し、僧侶を迫害するのか。
・なぜ牛馬を食べるのか(農業・軍事に必要な動物)。
・なぜポルトガル人(やシャム・カンボジア人)が日本人を買い、国外に連れて行くのか。ルイス・フロイスも報告書で九州の事例を記録しています。

それに対して、コエリョの返答(イエズス会側の記録による)は、以下です。

「パードレ(宣教師)たちがこれほどの苦労を厭わずヨーロッパからやって来たのは、人々の魂を救うためである。
(嘘ですね。占領の為の道具に他ならない)
だから力の限り改宗させようと努めているが、強制はしていない。
(これも嘘、色々な強制が行われていた。改宗した大名には貿易で特典を与える等)
キリスト教は日本にとって新しい教えなので、日本の僧侶のように寺院に留まっていては布教できない。
人々のもとを自ら訪れて説得する必要がある。
(強引的な改宗だった)
日本人が改宗するのは、神仏の教えでは救われないことを悟ったからである。」
(欧米人特有の上から目線の大きなお世話)

「奴隷をポルトガル人が買うのは、日本人が売るからである。

(体の良い言い訳)
パードレ(宣教師)たちはこれを悲しみ、防止に尽力したが力が及ばなかった。

(体の良い言い訳、奴隷貿易からカネをもらって布教してただろう)
各地の領主その他が売るので、殿下が領主に売るのを止めさせ、背く者を重刑にすれば容易に停止できる」。

(今のグローバル企業と全く同じ、もっともらしい言い訳)

宣教師は道徳的に反対するが権限がなく、主に日本人側の売り手が原因だ、という立場です。
(そんなわけあるかいと突っ込みを入れたくなりますね)


秀吉は九州平定の帰途、博多で奴隷が船に積まれる様子を直接見たり、報告等でも知り、激怒しました。

(どこかの無責任政党や首相と違いますね。)

日本人を国民として心配し、同胞が海外で家畜のように扱われることを問題視して、コエリョを問い詰めたわけです。

 

体の良い言い訳をするコエリョの真意を見抜き、秀吉はこれら奴隷貿易を禁止しました。

「大唐・南蛮・高麗へ日本人を売り遣わすことは犯罪とし、日本において人の売買を停止する」と、

国内外の人身売買も明確に禁止した。


そして、秀吉は行動が早いですね。
翌19日(西暦7月24日頃)に※バテレン追放令(5か条)を発しました。
大雑把な内容は以下です。
①日本は神国・仏教国でありキリスト教布教は禁止、強制改宗や寺社破壊を禁ずる。

②宣教師に20日以内の国外退去を命じる。
③長崎のイエズス会領を直轄化し、秀吉が直接管理し、悪質な貿易を禁じる。
④奴隷返還・解放を求める。

⑤貿易だけなら継続を認めるが、かなり時期を後にしてから、再開せよ。
(胸がスカッとする行動ですね。どこかの煮え切らない与党や首相とは違う)

グローバル化を食い止めた秀吉の行動。現在でも、秀吉の決断は高く評価されています。

現代の日本の状況が、全く同じだ、この当時から日本を取り巻く状況は全く一緒だと言う事が分かりますね。
ただ、この時代には秀吉が頑張って、日本の植民地化を防いでくれた。
現在は秀吉がいない状況だと言う事。
その違いが現在だと言う事、ご承知頂いたと思います。

イエズス会士ガスパール・コエリョの肖像画
※ バテレン追放令(5か条)
1.日本は神々によって守られている国であるのに、キリシタンの国から邪法(キリスト教)を授けるのは、はなはだもってけしからぬことである。

2.その国や郡の人々を近づかせて信徒にし、神社や仏閣を打ち壊させるなどということは、前代未聞である。国郡や知行などを給人(大名など)に与えているのは一時的なことである。天下(秀吉)からの法令を守り、万事その意に従うべきなのに、下々の者がみだりに行うのはけしからぬことである。

3.伴天連(宣教師)はその知恵の法によって、思いのままに信者を持っていると思っていたが、右に述べたように日本の仏法を破るのはけしからぬことである。よって伴天連を日本の地に置いておくことはできないので、今日から20日以内に準備をして帰国せよ。その間に下々の者が伴天連にいわれのないことを仕掛ける者がいれば、けしからぬこととして処罰する。

4.黒船(南蛮貿易船)の件は商売のことであるから、別格である。年月を経て、諸々の売買をせよ。

5.これから以後、仏法を妨げない者は、商人はもちろん、誰であってもキリシタンの国から往来しても差し支えない。
その意に従うこと。
※5の要件を充たせないポルトガルは撤退し、
これ以降、日本はキリシタン布教をしなかったオランダとの貿易に変わった。

 

烏森令

 

 

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