いつも通り、カフェを背にすると、帰り道の公園を歩き始めました。
その日は、お月様がまんまるで、
公園を流れる小川の水面に、ゆらゆらとゆらめく月光が美しくて。
小川にかかる小さな橋を渡りながら、その情景に見惚れていました。
すると、少年が突然声をかけてきました。
「これで見てみない?」と。
彼は望遠鏡のを手に持っていて、それをわたしに差し出しました。
日本育ちのわたしは、どうしても知らない人に声をかけられると、警戒心が先に立ってしまうのですが、
屈託のない彼の表情を見て警戒心が少しほどけ、差し出しされた望遠鏡を覗いてみることに。
すると、今までみたことのないような不思議で美しい情景が広がっていました。
「本当に綺麗だね、ありがとう!」と望遠鏡を返すと、
「すごい綺麗だよね、
この望遠鏡を今日買ったんだ!
だから、使うのを楽しみしていたんだ。」
と、彼は笑顔で答えた。
望遠鏡を初めて使うには、うってつけの日だね!
と少し会話を交わした後、
「シェアしてくれてありがとう!」
と言って、わたしはその場を離れた。
そして、こういうとってもアメリカンな瞬間が、好きだなぁと心底思った。
自分の喜びや、今目の前にした美しい瞬間を、
たまたま隣にいた人と、分かち合う。
そういうシンプルさとフランクさが好きだなぁ、と。
わたしは、人見知りなので、何かにすごく感動しても、
自分から知らない人へシェアするなんて、なかなかできなくて、
すぐ自分の胸の中へしまってしまう。
だから、
ただシンプルに、自分の喜びと感動を、
その時たまたま隣にいた人とシェアできるその男の子の無邪気さと、
当然、自分の感動を相手もわかってくれる、分かち合ってくれるだろうと、人を信じて疑わない感じが、
キラキラして見えて、少し羨ましく思えました。
そして、誰かとシェアする、分かち合うって、
とても心が温まることなのだと、あらためて教わった気がする。
わたしもちょっと、見習ってみよう。
そう思って見上げると、
冬空に浮かぶまん丸の月が、ほんのりほほえんでいるかのように見えました。
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