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Helike

わたしのミューズはニンフだった.

ライヴにいってきましたけれども、あまり思い出したくないというのがいちばんですけれども、書いておかないと消えてしまいそうで、というかわたしはわすれる生き物ですので確実に消えてしまうのですが、とにかくさみしいライヴでした。わたしにとってはいままででいちばんさみしいライヴだった。双眼鏡をもっていったのです、席が遠いだろうなあと。案外そんなに遠くもなくって、わたしはいいじゃん良く見えそうじゃんって階段をのぼっていたのだけれど一緒にいった彼女はまた大きな声で、「えええ~とおい~~~」って叫んでいて、正直ガックリです。彼女はいつもどんな席でも遠いといいますから気にするべきではないのですが、わたしがチケットを手配したので、申し訳ない気分になっちゃったり、わたしよりずっとまえからシャイニがすきな女の子なので、むかしはもっと近かったのかしらんとか、気持ちはわからんでもないけれど、そんな気分が落ちることわざわざいわんでも、な~んてしょっぱなから谷底につきおとされた気分になってみたり。チョッピリ落ち込んでいたりしましましたのよねん。でもこのことはわたしのさみしさにあまり関係はありませのよねん。わたしがさみしいのはぜんぶあなたのせいです。(っていえたらいいのにね。)


そうそうそしてわたしは双眼鏡で、キーくんの一挙手一投足を見逃すまいとしていたのですが、双眼鏡は良くないものです。あれはとっても遠く感じる。距離的にもそうだけれど、精神的にといいますか、これからどれだけ長く生きてもわたしとキーくんの人生が交わることはないのだろうという当たり前に存在している事実を、認識、そして軽く沈む、難しい日本語。心臓をじんわりじんわり青くて冷たい液が満たしていって、わたしはいったいここでなにをしているの、やめてしまえばいいのにと、思わざるを得なくって、沈む。心臓から溢れた液は沼のようになってわたしを飲み込む、ずぶずぶずぶ。それでもわたしはここでしか彼には会えないと沼の中で立ちつくす、そんなことができるのかは分からないけれど。とにかく彼はとびきりかっこうよくてどこにいたってかっこうよくって、いままでみたなかで一等すてきで、わたしはさみしくなった。



なのでライヴはたのしくなかった。ツイッターでは楽しかったと書いたけど大嘘です。さみしいだけの集会。さみしさの集会。「こんにちは二丁目のさみしささん」「こんにちは十六番地のさみしささん」「いえいえわたしはひっこして、七番街のさみしさになったのですよ、五組の三のさみしささん」さみしささんの集会。





それでもすきですさみしささんすらすきでいたい