◆放生会/椎名林

 デビュー25周年のタイミングで5年ぶりに発売されたオリジナルアルバム。前作が男性ボーカリストへの当て書き的作品だったのに続いて、今回は女性ボーカル編。宇多田ヒカル、AIのメジャーどころから、新しい学校のリーダーズ、Daokoといった新進系まで幅広くコラボしています。人選がツウ好みだし楽曲へのアプロ―チも多彩で単体で聴くと粒立ってるのに、通して聴くとコラボボーカルは引き立て役化してて椎名林檎臭しかしないのが不思議。ドラマとの相性が賛否両論あった「人間として」然り、彼女って綿密な計算のもとで自分の快楽最優先で音楽活動している感は今回も拭えませんでした。

 

◆colorS/玉井詩織

 ももいろクローバーZ「黄色」メンバーの初ソロアルバム。12ヶ月連続配信リリース楽曲に新曲等をくわえた計16曲の大ボリュームに(ちなみに初回限定盤にライブCDが付属してますが、ライブ活動重視のももクロ定番パターンなんだろうか?) ももクロ定番の元気ソングは少なめで、90年代までの女性ソロアイドルにありそうなポップな曲が多い印象。メンバーの中では声に際立った特徴がないためか、幅広い曲になじむ一方でソロを前面に打ち出すにはやや厳しい印象も。今年はグループの活動も並行中だし、ソロはグループへの(特に音楽的要素への)還元の意味合いが強いんでしょうけどね。