◆souNds!/松下奈緒

 約2年ぶりとなる9枚目のオリジナルアルバム。認知度が一気に高まったのはNHK朝ドラ、複数のCMに出たり最近はテレ朝系「旅サラダ」のMCもやってますが、もともとは音楽家なんですよね。ボーカルは1曲だけ(しかもflumpool山村をフィーチャリング)であとはピアノインスト、インストの大半は彼女が作曲しているものの、かなり編曲が入っているのでいまひとつ彼女の作品という印象が個人的にはしなかったです。ピアニストとして活動することで、芸能人としてのトータルの価値が増すことをわかってての作品なのかなと。

 

◆MAGIC HOUR~Lovers at Dusk~/角松敏生

 前作から約1年ぶりと2020年代に入ってからは精力的に作品を発表しています。今回から新たなシリーズ「Contemporary Urban Music (C.U.M)」をスタート、その1作めの位置づけです。フィーチャリングボーカルもほぼないし、ホーンセクションや女性コーラスの入れ方など、アレンジに1980年代全盛期のAORにかなり近いものを感じました。もともとサビのワンフレーズにインパクトがあるというより、楽曲やアルバムトータルで世界観を提示するタイプなので、流して聴くのに心地よければ彼にとって正解なんだと思います。シティポップブームに合わせて来る中でも、自身の個性を打ち出して来た一枚かも。